滝井義高の発言 (予算委員会)
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○滝井委員 いま大臣が、医療機関の適正な配置と整備、診療報酬体系の適正化、医療保険制度の総合調整という三点をあげられたんです。これらの三点は、支払い側は重点をどこに置いて主張しているかといろと、支払い側は、診療報酬体系の整備を中心に置くし、療養担当者、医療担当者側はどこに重点を置くかというと、各種社会保険制度の統合一元化、総合調整じゃない統合一元化と、こういうことに置いているのです。二つ顔ができてきているわけです。大臣は、この二つの顔を、医療機関の整備というやつを一つ入れて、三つにしておるだけのことなんです。
一体、こういう三つの問題があるんだが、この問題は、もう十年前から言われているんですよ。私が代議士に出たときから、うしろにおる川崎君なんか言っておった。十年前から言われていることを、まだやっぱり同じことが繰り返されているんです。これでは、厚生行政というのはどういう形かというと、まるっきり船は帆まかせ帆は風まかせということですよ。これはこういうことですよ。三つの論点がはっきりしておるけれども、どこからやっていいかわからぬから、大所高所から国民の健康保障に関する懇談会をつくりましょうとか、あるいは社会保険審議会の諮問が出たらそれに従いましょうとか、中央医療協議会の方針が出たらそれを検討しましょうとか、それからもう一つある。社会保障制度審議会というのもある。もし健康保障に関する懇談会をつくったら四つになる。この四つのものが、それぞれ別の結論を出したらどうするんですか。ますます船は帆まかせ帆は風まかせになってしまう。先日川崎君がいみじくもいいことを言った。総理大臣というのは首相と書いておる。首があるんだ。一体総理の顔はどっちを向いているんだ、東南アジアの方向に向いているのか、中国の方向に向いているのか、ソビエトの方向に向いているのか、アメリカの方向に向いているのか、さっぱりわからないじゃないか。日本のアジア外交には主動性がないじゃないかということを言った。日本の社会保険、医療行政もそのとおりですよ。鈴木さんの顔もどっちを向いているか私たちにはわからぬ。だから、一体どっちを向けばいいかということが問題なんですよ。
そこで、時間がないからだんだん結論を急ぎますが、大蔵大臣はいみじくも一つの方向を示した。さすがやっぱり大蔵大臣だと私は思っておるんです。どういうことを言ったかというと、大蔵大臣は、これは財政を扱っておるから、国債の処理と同じようなものの考え方を持ってきている。国債を出す場合には、七千三百億の国債を出します。そのときに歯どめが二つ必要だ、一つは市中消化をやる、一つは建設国債です。こういう二つの歯どめを私は国債にかけるからインフレは起こりませんと、こう言う。これはわれわれと対立する。議論は対立します。対立しますけれども、やはりはっきり歯どめを一つかけて、自信を持って出してきているでしょう。その故知にならったかどうか知らぬけれども、医療問題についても福田さんは、先日の大原君の質問に答えて三つの歯どめを言っておる。まず第一は、いまの医療費がどんどん膨張する、医療費が二割ずつ上がっていく、保険料の収入というのは一割しか上がらぬ、この状態ではたいへんな状態になるので、歯どめをしなければならぬ。一つは、審査委員会という歯どめがあります。もう一つは、各種社会保険を総合調整したいが、できれば総合調整より一歩進んで統合にまで持っていきたい。最も大事な自動的な歯どめが一つほしい。それは一部負担です。こういう三つのことを言った。あなたもお聞きになっておったと思うのです。そうすると、一国の大蔵大臣、財政を握る大蔵大臣が審査制度、総合調整、できれば統合、一部負担、こう明白に言ったのです。
そこで、一体この福田構想というものを厚生大臣はどう思うかということです。さいふを握っている大蔵大臣が歯どめが三つあります。こう言っている。この三つに対して、あなたは一体どういう感じを持っているか。まだほかの諮問機関の答申を聞かなければあなたの構想は出ないというのですか。御存じのとおり、政治は政党責任政治ですよ。少なくとも政党が、おれはこの方向に行くんだ、これについて意見があったらひとつ聞かしてもらいたい、こう言って少なくとも指南力を発揮しなければ、あっちこっちの意見を聞いて、そのあとで私のものをきめましょうじゃない。まず自分の手のうちを示して、これでいいか悪いか、悪いところがあれば直してください、これでなければ、船頭が多くして船は山に乗り上げちゃいますよ。いまその状態でしょう。ここ数代の大臣は全部そうです。みずからどろをかぶって、この日本の医療保険の混乱状態を解決しようとする勇気を持った大臣は、失礼な言い分だけれども、一人もいなかった。だから、鈴木さんは池田さんの女房役としてやってきたのだから、勇気があるだろうと思って期待をしておるのだが、やがて六月に内閣の改造があるころになると、また新しい大臣が出てくる可能性がある。だから、ひとっここらあたりで、やはり何か方向を残しておく必要がある。大方針を残しておく必要があると思うのですが、福田構想に対するあなたの考え方をひとつ述べていただきたい。