滝井義高の発言 (予算委員会)
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○滝井委員 池田さんは保守成長派の代表であったし、佐藤さんは保守安定派の代表です。その保守安定派の代表のいわば女房役が福田さんです。保守安定派の特徴は、保守成長派に比べてどこに特徴があるかというと、経済を安定さして、池田さんの生産第一主義の政治を人間尊重、歩行者優先の政治に切りかえるというのが保守安定派のいいところだと私は考えておったのです。いまの話を聞くと、医療費が膨張をする。だから膨張しないように一部負担をやらせるということになれば、これは人間はどうでもいいということになる。福田さんはこういうことを知っておるのですか。日本の平均寿命は、われわれが学生のときは人生五十年だった。あれから男は六十七歳、女は七十二歳まで平均寿命は延びてきたのですよ。もう二十年くらいすると、日本人の平均寿命は九十歳になりますよ。もう二十年しますと、日本の人口で三十五歳以上が五割一分を占めますよ。これは人口問題研究所の結論です。ということは一体何を意味するかというと、甘木においてはみんなが非常に長生きするようになったということですよ。もう一つは、−われわれの学生のときは、乳幼児がうんと死んだ。どういうようにして死んだかというと、先天性弱質、化まれながらにして赤ちゃんが弱いというのが多かった。それは、農村でむちゃくちゃに農繁期に働いて、おなかの中の赤ちゃんなんかかまわずに働かされたからですよ。それが一番大きな原因だったのです。農村の乳幼児の死亡率が非常に高かった。したがって、先天性弱質で死んだ。それから下痢、腸炎、肺炎だった。それから結核くらいがあったのですよ。ところが、いま赤ちゃんは死ななくなった。何が死につつあるかというと、お年寄りが死につつある。脳溢血、ガン、心臓病、こういう老人性の疾患で死につつある。しかも、それも昔のように肺炎では年寄りは死ななくなった。昔は年寄りは肺炎になったら九〇%死んだ。いまは九〇%助かるというようになってきておる。したがって、お年寄りもだんだん死ななくなった。子供が死ななくなっておる。平均寿命が延びておるということで、なるほど健康保険の勘定は赤字ですよ。しかし、人間の健康勘定のほうは黒字になっておる。これは大黒字ですよ。平均寿命が延びて、赤ちゃんが死ななくなって、そしてみんな健康に過ごせるのですから、健康勘定は黒字です。ここを政治家が見誤ったらだめですよ。日本医師会の武見氏は、私どもといろいろ立場が違いますが、さすがに彼はここを見ておるのですよ。あなたは財政家だから、保険の財政だけは見るけれども、人間のほうを忘れておる。少なくとも保守安定派のチャンピオンの女房役ならば、ここを忘れちゃいかぬ。それでは政治は成り立たぬ、政治は人間がやるのですから。
そこで、いまのようなものの考え方、保険財政が膨張するから一部負担をやって、それで歯どめをやるというならば、健康勘定は赤字になってもいいですか。いわゆる人間の健康勘定は、赤ちゃんがどんどん死んで、今度は福田さんが八十まで比きるのが七十くらいで死んでもいいのかということになる。それはいかぬでしょう。金は天下の回り持ちだから、心配なことはないですよ、金が少し赤字になっても。人間の命が、全日空機が墜落して死ぬことのほうがたいへんなんですよ。だから、福田さんのものの考え方はこれでわかった。非常に危険です。この考え方にもし厚生省が負けるようだったら、鈴木さんをわれわれは不信任しますよ。
そこで鈴木さん、それなら、まず、いまの健康保険の三十九年、四十年の累積赤字は一体幾らありますか。それからことし四十一年度においては、もう結論だけでいいです。もし制度改革をやらなければどの程度の赤字が出るのか。