佐藤喜一郎の発言 (予算委員会)
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○佐藤参考人 お呼び出しがございましたので、私から申し上げたいと存じます。
臨時行政調査会の性格でございますが、時の政府、池田内閣のときに任命を受けまして、二年半にわたって鋭意調査をいたして、一昨年の九月末日でございましたか、政府に答申をいたしたのでございます。そして調査会の規定の中にも、臨時調査会のほうで希望すれば、総理大臣は国会に報告しなければならないと書いてございましたが、私どもも、答申にあたりまして内閣に、この答申はぜひ国会にも報告を願いたいということをつけ加えて答申を終わったのであります。したがって、国会の皆さん方には御報告があったんだろうと、私はそれを前提として申し上げます。
何ぶんにも調査会の答申は非常に膨大なものになっております。したがいまして、よほど御熱意のある方でないと全部をお読みくだすったとは私考えてはおらぬのでありますが、しかし、総論的のものを設けてございますので、どうかひとつおひまのときに読んでいただきたいと思うことが私どもの熱望でございます。
さらに、この調査会は、国家の行政のあり方について調査を依頼されましたので、これに関連のあります場合には触れておりますけれども、地方行政に触れておりません。また国会の運営とも、行政の能率化等の関係がだいぶございますが、しかし、国会の運営について調べろという御依頼は受けておりませんので、それは権限外であるというふうに考えて、直接には国会の運営に対しては答申がされておらぬのであります。
かような前提のもとに立ちまして、——なおもう一つ御留意を願っておきたいと思うことは、この答申に出ましたことは、七人の委員の全会一致の意見である。つまり多数決で、七人委員でございますが、三人、三人になった場合に会長あるいは委員長がきめるというようななにではございませんで、全会七人の委員の意見の合意を見たものだけが答申されておりまして、実際上におきまして、われわれが答申したいと思ったことの中でも、意見の相違がありましたものは答申になっておらない。この二つだけ御留意を願いたいと存じます。
次に、方針をどういうふうにやっておったかと申しますと、大体行政の問題は、運営の問題と機構の問題とあるわけでありまして、機構が悪いと運営がなかなかうまくいかないという面もございますが、機構のほうはなるべく触れない、何と申しますか、最小限度にこれをとどめて、主としてなるべく運営でもって実際の改革ができるようにというような気持ちで七人の委員は調査に当たったのでございます。
さらに、もう一つの問題は、いままでたびたび行政審議会もありましたし、行政の改革が企てられたのでございますが、それが、答申は出るけれども実施に移されていないという結果が遺憾ながら出ておりますので、どうしたらばこれが実施を促進するか、これは、やはり国民の世論に訴えないと、世論の支持がないというと、政府のほうも、また国会がこれに協力していただくにしましてもやりにくいだろうというので、八回にわたりまして各地方へわれわれが出かけまして、各方面の方の意見を懇談会という形で伺ったのであります。公聴会式の意味を持った懇談会であったのでございます。そうして、それは「国民の声」として別冊に収録してありまして、かなり大部なものになっております。また、調査会の発足にあたりまして、広く国民の声を伺いたいといって呼びかけをいたしました結果、その公聴会を開きます前から、多数の一般の国民の方の中からたくさんの投書をいただいておるのであります。これらを集めまして、別冊として収録してございます。
それから、方針として、さらに実証的の調査、研究を前提といたしまして、わりあいにと申しますより、ほとんど政策の面には触れておらないのであります。たとえば、いま緊縮政策をやるときであるとか、あるいは公共事業が港湾に集中すべきであるとか、そういうような政策的の面には全然触れておらないのでございます。そして、これを大ざっぱに分けますと、大体四つぐらいのところに分かれておったのであります。
第一は、先ほど申しましたように、行政の運営面に数々の問題がございます。なかんずく、この公聴会及び投書等によって見ますと、公務員のあり方、あるいはお役所行政という、仕事という面で非常にたくさんの批判やら注文やらがこの投書できております。したがいまして、運営、なかんずく公務員のあり方というものについて、かなりたくさん国民の不満があるということを承知いたしました結果、この運営及びなかんずく公務員のあり方ということにかなりの重点を置いてやっておるのであります。
もう一つは、先ほど申し上げましたように、機構の改革ということはなるべく避けたのでございますが、世の中の進歩いたしますに伴って行政事務の配分ということは非常に重大な問題になりますので、これを合理的の配分と、われわれわかりにくいことばで称しておりましたが、この行政の事務の配分ということにもう一つの重点が置かれておったのであります。しかし、最も重要と思われましたことは、いわゆる各省がばらばらの行政をおやりになる傾向がある。内閣というものがあるのだから、そこで総合調整ができるはずだというふうにわれわれは外から初め見ておったのでありますが、いろいろ実態、実証調査をいたしますと、必ずしもそういってない。閣議において総合的なお話し合いをするような機構ができていないのじゃないかというふうに考えまして、内閣の総合調整機能の発揮、なかんずくこれが予算編成に関連しまして非常に重要であるということに気がつきまして、内閣の総合調整機能の発揮できるような、この面につきましては機構改革というものにかなり重点を置いてやったのであります。
それからもう一つ、当時東京都におきまして水飢饉その他行政上の非常なそごが生じておりまして、これは広域行政というものに欠陥があるというふうに見まして、首都圏行政というものにつきまして特別の答申をいたしております。これは緊急を要すると思いまして、一昨年の九月に全体の答申をいたしますに先立って、約一年少しばかり前だったと記憶いたしますが、首都圏行政について答申を別途いたしておるのであります。
大体がこういうところでございますが、たいへん恐縮でございますが、行政答申の中に「改革意見の実現に対する要望」というわずか二ページばかりのものがございますので、それを私ここで読ましていただきたいと思います。
「以上は、当調査会が改革の必要を認めた問題点とその改革の方向を示したものである。」というのはこの「総論」でございますが、「その項目は多岐にわたっているので、直ちに実施できるものと若干の日時をかけて計画的に実現することを期待するもの」とに分かれるかと思います。「しかし、これらの改革意見は相互に関連性を有するものであるから、全体としての調和を保ちつつ、可及的すみやかに実現されることを望みたい。特に、強化すべき部門は縮小すべき部門よりの配置転換により、全体として拡大しないように配慮する必要がある、行政改革は、過去の経験から明らかなように、きわめて困難な問題である。行政組織内には現状維持的空気が強く、民間にも利害関係団体等で同様の立場から改革をはばむ方向に力を貸すものもあり、政党方面においても、行政改革については必ずしも大局的見地から行動するとは限らない。それに口実を与えるものは、欠点の多い組織制度といえども多少の存在理由はあるものであり、改善にはいくらかのマイナス」を必ず伴うものであるということであります。「また、行政改革は決して単一の理念で割り切れるものではなく、いろいろの矛盾する要素をその時代の実情に適応するように調和させることが要点」であります。たとえば、行政が専門分化していくと同時に統一をよけいしなければならない、能率の向上と公正の確保の関係、責任の明確化と協力の関係等がそれであります。「このような傾向のなかで行政改革を行なうためには、およそ行政に関連を持つ者が、おのおのその立場で全力を尽して協力されることが望ましいのであるが、まだ、各省庁は自己の立場に固執せず積極的に改善の努力をするように期待する。行政改革は、なんといつても、国家的要請であることの認識を持つた最高指導者の強いリーダーシップの発動に期待する以外にはない。政府はもちろん、国会もこの行政改革を実現するために最大の努力を」払っていただきたい。こういうことを申し上げているわけであります。「なお、行政改革には国民の強い関心と支持が必要であるので、その意味において政府は、毎年行政の実態とその改善の状況を明らかにする」いわば「「行政改善白書」ともいうべきものを」一ぺんは少なくも発表することを考慮してもらいたい。さらに、行政改革は不断の努力を要する難事でありますから、われわれがやりました調査会の報告をもって終わりというわけではございませんので、常に各種行政の実態を調査して、実証的資料を持って改革に備え、そうして今後も継続的に努力を重ねることを要望いたします。こういうふうに結んでおるわけであります。
大体におきまして私が申し上げたいことの要旨はそこに尽きるのでございますが、調査会ができましたときに、総理大臣の池田さんが、初会合の席上で申したことがあるのであります。民間企業においては技術革新が着々と進められ、企業の能率化、近代化、生産性の向上は著しい、行政の組織や運営は、この社会の進展にふさわしい能率的なものでなければならない、行政の体質改善が刻下の急務である、こういうふうに述べておられるのであります。
そういうわけで、先ほども申しましたように、国会の運営につきましては、われわれは諮問を受けておらなかったという意味で触れてはいないのでありますが、この文章の中には、必然、一般の行政との関連におきましていろいろな事項が述べられているのであります。
そのうち一、二を申しますと、国会及び政党の中に存在しております常任委員会というものが各省別にできておりますので、これが各省と個別に接触しておりまして、国の行政の統一性を妨げていやしないかという記事がございます。それからまた、非常に申し上げにくいことでございますが、国会の開会中に行政の重要な管理職の多くが国会にくぎづけになっておる。このために行政の渋滞をやや来たしている面がありはしないかということでございます。それからもう一つは、この予算委員会のように、予算につきましては非常に慎重なる御審議が行なわれているのでありますが、いま少し決算委員会のほうで、予算の済んでしまってからの検討を重要視なすってはいかがであろうか。つまり民間の企業で申しますと、株主総会が一番重要なる問題になりますので、決算委員会のほうの問題を多少触れております。
まあこういったような趣旨でございまして、なおほかに御質問のことがございましたらば申し上げますが、私のただいま吉田さんからのお話に対します答弁は、一応これにいたしたいと思います。ありがとうございました。