野原覺の発言 (予算委員会)
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○野原(覺)委員 やむを得ず答申案が議決されたのであろう、理想的な姿から言えば正常な答申ではない。正常な答申とは、少なくとも三者構成にしておる以上、三者のうちの一者が一人なり二人なり参加しておることが望ましいのであります。完全に一者が脱落をして、使用者側の意向を全面的にのみ込んだ公益側が、使用者側と二者だけで答申を議決するということは、これは正常な答申ではない。このことを政府は御認識になっておるのです。いまの安井総務長官の御答弁からもうかがえるのです。
その事実認識についてとやかく言われますけれども、私どもは、この事実認識というものは前田会長に責任がございまするから、前田会長に十分お尋ねしようじゃないかというので、実はこの予算委員会は時間の制限をされておる関係もあって、総理府設置法でございますから内閣委員会に前田会長の出席——前田会長だけではなく、その他の公益委員の御出席わお願いわしてお尋ねしようと思いましたが、残念ながら前田会長は三十分——私も傍聴に行きましたが、きっちり三十分になったら社会党の質問は許さない。三十分ではこの事実認識について何らの質疑もできない。どうしてそういうように与党なり政府の諸君は、前田会長にお尋ねをしようということについて消極的な御態度をとられるのか、きわめて私どもは遺憾にたえないのであります。
要するに、正常な答申ではない。正常な答申ではないことを知りながら、正常な答申とは一者のうちの何名かが入ることだ、三者構成にした答申とは。それを知りながら、あえてこの答申に基づいて政令を出されるということは、私は、これは正常な政令とは思えない。正常な政令、つまり総理が先ほど御答弁になったように、相互信頼の念を打ち立てていかなければならない、公務員制度審議会はそのための審議会だというならば、少なくとも労働者側が完全に六名参加しなくても、何名かがそこに入って、何らかの意思表明ができるような会議をやって議決すべきなんだ。それをやっていない。総務長官は、完全に政府側の代表でございまするから、政府側の立場に立ってあなたは御答弁になりますけれども、私の調べたところでは、事実が違うのです。過半数の出席で成立する、出席者の多数決できまる、これは審議会のあり方で形式的なきまり方です。しかし、公務員制度審議会の実質的なきめ方というものは、単に過半数、多数決ではいけない。少なくとも三者構成にした以上は、一者が抜けてはいけない。過去十七回公務員制度審議会が持たれましたが、第一回の議事録、それから最後の第十七回の議事録においても、このことを前田会長を中心に確認をされておるようであります。そうして、その上に、やはり相互信頼の念を打ち立てる審議会だからして、運営小委員会をつくろうじゃないか、労働者側から一名、使用者側から一名、公益側からは会長、副会長を含む三名、計五名で運営小委員会をつくった。この運営小委員会は、満場一致、全会一致にしようではないか、そのための努力をしようではないかというて、この二点を確認をしてきておるのであります。しかも、第三点には、全会一致に運営小委員会がならない限り総会は開かないということも承認をしてきておるのであります。これは当然のことなんです。相互信頼の念を打ち立てるという公務員制度審議会のあり方から見て、私は当然のことであろうと思う。
このようにしておるにもかかわらず、運営小委員会は話がまとまらない。先ほど私が申したように、前田会長、それから今井副会長、このお二人が休憩にしましよう、それで労働者側に向かって、私ども二人はもうやめようと思います。こんなたいへんな仕事はもうごめんこうむりたいと思いますと辞意を表明した。職員側は、こちらの部屋で休憩をしておる。休憩をしておるのに、あっという間に、こちらの部屋では、会長、副会長が帰っていかれて、職員側には何にも言わないで職権で開会をやっておる。職権で開会をやって、何をやったんだと言ったら、いや答申案を議決したんだ、過半数、多数決であれば議決できるのだから議決したんだ、こう言っておる。労働者側に政府を信頼しろ、審議会を信頼しろと言っても、こういった抜き打ち採決をやられてどうして信頼することができますか。ほんとうにはらわたが煮えくり返るような思いをこの職員代表の諸君はしておるんです。経過を言うと、経過中においては、職員代表の諸君は、まとめなければならぬというので、たとえば管理職の範囲の問題、あるいは交渉の制限の問題、この二つを会長から出されて、この二つともあなた方の意見を通すわけにはいかぬが、しかし、一つで妥協してくれぬかと言うから、組合側の意向はいろいろありましたけれども、よし、まとめるためには妥協しよう、管理職の範囲は重大だから、八十七号条約には直接関係もしないのだから、再たな上げして、時間をかけて審議してもらうということで妥協しておるのです。非常に幅を持ってきておるのです。にもかかわらず、ただいま私が申し上げたような経過で答申案が議決をされておるということは、まことにもって私はこの答申には多くの疑義を持たざるを得ないのであります。この疑義のある答申をもとにして出された政令にも、多くの問題点があることを私は指摘せざるを得ないのであります。
時間の関係もございますから、この点に対する総理の御所見はあえて求めませんけれども、総理大臣、これはルール無視の答申なんです。ルール違反の答申なんですよ。労使関係の正常化をはかる制度審議会の目的にそむいた答申です。制度審議会の目的は相互信頼の念です。ところが、労働者はほったらかして、自分たちだけで午前三時五十分にあっという間に議決をするんですから、そうでしょう。この点どうお考えですか。総理大臣、じゃ、あなたは首を横に振っておられるから違うだろうと思う。どうお考えですか。