野上元の発言 (運輸、農林水産、商工、物価等対策特別委員会連合審査会)

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○野上元君 長官の言われることは、私も理解できます。そのこと自体は理解できるのですが、実際にしかしやっておられる現状を見てみますと、大企業のシェア競争についても、なかなか調整できないじゃないですか。鉄鋼にしてもしかり、繊維にしてもしかり、あらゆる大企業においてシェア競争の調整というのは非常にむずかしい。結局、放任されてしまう。そういう状態になっています。また、金融機関の状態を見ても、今日の金融機関は金融の機能を発揮していないのじゃないですか。大企業と密着して系列化してしまっている。金融と産業がワンセットになって、運命共同体になっている。したがって、産業が非常に非能率で悪くとも、一たびこれに金融をしたら運命をともにする、倒してはならないということで、あらゆる犠牲を払ってこれに投入していく、こういう金融機関のあり方を見ておりますと、いま長官が言われたようなことは、理屈としてはわかるのですが、現実の問題として非常に私は困難があるのじゃないかということを指摘しておくことだけにとどめたいと思います。
 それから、佐藤総理はこういうふうに最近答弁されておりますが、要するに、ただいまの物価の倍増の一つの原因として賃金の平準化ということを言われております。これが無理があったのだ、したがって、将来は、利潤をあげておるところはどしどしハイ・ベースでよろしいが、しかし利潤をあげておらないところはこれは遠慮すべきである、こういうふうに答弁をされております。したがって、賃金の平準化というのは好ましくない、こういうふうに言われておる。これは非常に私は重要な問題だと思うのですね。そもそも、政府の存在価値は、すべての所得の公平分配にあると思うのです。社会構成の考え方から見て、初めて政府の存在価値がある。ところが、その政府の首班が、でこぼこでよろしいのだ、それが当然なんだ、こういうふうに考える、こういうことになってまいりますと、将来、大企業の賃金は非常に上がるが、またまた中小企業や農業やサービス部門は賃金の格差が開いていく。しかし、それは当然なんだ、こういうふうな言い方をされておるのですが、非常に重要な問題ですから、藤山長官のこの問題についての考え方を聞いておきたいと思うのです。この思想がもしも許されるとするならば、かつて池田さんが言った有名なことばがあります。貧乏人は麦を食え、金持ちは米を食えばいいじゃないか、こういう思想と何ら変わらぬじゃないですか。その点を明らかにしてもらいたい。

発言情報

speech_id: 105113824X00119660301_014

発言者: 野上元

speaker_id: 747

日付: 1966-03-01

院: 参議院

会議名: 運輸、農林水産、商工、物価等対策特別委員会連合審査会