野溝勝の発言 (農林水産委員会)
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○野溝勝君 では、また後刻各論にわたって農林大臣からお伺いいたします。
それでは大蔵大臣に、私は三点をあげましてあなたの御所見を簡明にお聞きしておきたいと思う。
まず第一は、先ほど農林大臣も格差の点を認めております。所得格差、その点はまことに遺憾だということを認めております。農業が今日振るわないその原因は、私は所得格差にもあると思うんです。こればかりではないですけれども、所得格差が私は大きな原因をなしておる。で、こまかい数字のことは申しません、すでにおわかりだと思う。ただ一点申し上げたいと思うのは、御承知のように、労働生産性、生産指数の比較でございますが、これは政府で出したのでございますから、この数字に間違いがあるとするならば政府がうそをついたということになるんですが、生産指数の比較ですが、昭和三十五年を一〇〇といたしまして、三十六年は一〇二、三十七年が一〇七、三十八年が一〇五、三十九年が一一〇。これに対して鉱工業の指数ですが、三十五年を一〇〇とすれば、三十六年が一〇八、三十七年が一一九・七、それから三十八年が一二七。それから労働生産性の比較は省略いたします。このほか、就業者一人当り実質国民所得の比較を見ますると、これは三十九年の統計しか私は得ていませんが、大体農業は、第二次産業、第三次産業に比べて三分の一以下です。基調は一向に変っていない。こういう所得格差ですね。これは私は、農業が非常に成長したといいましても、この格差というものは、経済成長期においてますます拡大するわけであるから、このままいくならばやはりこのはなはだしい格差というものは変わらないように思うのです。詳細の数字はここにありますが……。大蔵大臣も農林大臣をやられて非常に経験されておるのですから、そういう点についてどういうふうに一体大蔵大臣としては考えておるか、この点が一つ。
それから農業基本法のうち、特に私が聞きたいのは、予算効率の問題ですが、予算効率の問題でお聞きしたいことは、最近御承知のごとく、非常に農業というものがだんだんと追い込められてきまして、専業農家というものは、統計にもあらわれておるとおり、二割ぐらいしかないですね。兼業農業とは主体性のない農業なんですね。こういうふうになってくると、幾ら農業の近代化、構造改善、いろいろ進めてみても、なかなか所得の格差がこうはなはだしくて、さらに経営上困難になってくれば、やはり農業を放棄して農業外の収入というものにたよらざるを得ないのですね。こういう点をひとつ大臣は、農林大臣とともにどういうふうに今後善処しようと思うのか、ひとつ聞いておきたい。
それからいま一つは、税制の問題ですが、この税制の問題などについても、今回は大幅の大減税だと言われておりますけれども、特別減税などにつきましても、農業関係は、予約減税などで十億円ぐらいのものです。きょう中山君も、物価懇談会において、予約減税だの、あれは時期別格差加算金などというものは間違っておる、私も理論的にそれは間違っておると思う。いつもこれが臨時立法として出るときに私は言っておる。それは百も承知なんです。しかし、それならば所得格差をどうするか、こういう点を真剣に考えて、基幹の問題を考えないで末梢的な問題のみを取り上げるという技術的見解には私は反対なんです。そこで、その問題についてひとつ大臣はどういうふうに考えておられるか。
それから最後に、農林金融の問題です。これはいまの財政金融から真剣に考えなければならぬ時期だと思っております。農林という名前はいいが、農林といっても、何千何百億というものは農林中金でも出しておりますが、根本的に問題がある。昭和四十年四月末現在の貸し出し状況をみると、貸し出し総額七千六百七十八億六千三百万円、そのうち系統内の貸し出しというものはわずか八・六%、系統外へ出しているものが実は八〇・三%、農林大臣、あなたのほうで監督しておるんだから間違いないでしょう。この農林中金資料にちゃんと出ておる。この数字は間違いないと思う。こういうような状態です。そういうことでは何の一体農林金融かわからない、さらに驚くなかれ、これは大蔵大臣も知っておるわけです。このうちコールローン一万九百九十五億八百万円まことにこれはおかしいことですね、これが二割二分です、系統内の金融に八%出しておる、八〇%も系統外に出して、そのコールかせぎが二割二分、高利貸しのようなこんなまねをしておって一体系統内の農林金融としてだれが一体受けつけますか、二兆円を突破するところのばく大なる預金をさして、これで一体私は農林大臣も大蔵大臣も単に農林という字がついておるからこれを支援しなければならぬという態度はいかぬと思う。こういう点についてどういうふうに一体考えるのです、どういうふうに一体金融政策をしていくか、また、農民金融として徹底した勤労農民なり耕作農民に安い金利で安易に長期に借りられる方法はどういうふうにするかということを真剣に私は考えてもらいたいと思うのです。これを申し上げまして、大蔵大臣に関する質問といたしましてはこれをもって私は一応終わりますけれども。