福田赳夫の発言 (農林水産委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(福田赳夫君) 私も野溝さん同様農村の現状ですね、非常に心配しておる。農村の維持育成これは大事な行政だと思うのです。いま所得格差問題を中心にしてお話がありましたが、私の記憶いたしますところでは、大体農業生産が多少のでこぼこありまするけれども、年に三%ぐらいふえる——三%ふえるということは農業人口が現実におきましては、三十万、四十万減ります。ですから一戸あたりの所得ということになりますると四%若干こえる状況ではないか、そんな感じがいたします。それにいたしましても、安定成長率というもの七、八%、これに比べると開きがあるわけで、何とかしてその間のギャップを埋める施策というものが必要である、こういうふうに考えるわけであります。しかし、私はその埋め方というものがただ単なる所得保障的なものであってはいけない、やっぱり農村の生産性を向上するために農村にかわって政府が投資をするという考え方をとるべきである、そういうふうに考えるわけでありますが、しかし、生産性向上のための諸施策これは農林省が全力を掲げてやる問題でありまするが、しかし、それだけでは足らないので、農村環境——農家という問題、農業という問題のその環境、つまり農村対策という問題があると思います。この問題を度外視して農業問題というものは私は解決できないと思います。あるいは農業の労働力の問題あるいは厚生省の所管する諸問題もございます。あるいは建設省の所管する諸問題もある。私は、農業生産性を担当する農林省は、これはもとよりでありますけれども、農村対策という見地から政府が総がかりになって初めて解決できるんじゃないか、そういう感じがしてならないのであります。つまり総がかりでやらなければ解決できない問題である。それで、その中心をなすのはやはり生産性向上政策でありまするが、たとえば、いまでも相当いろいろ農村対策は行なわれておると思うのです。たとえば国民年金という問題がある。この発想ですね、これは私もそういう問題の推進、創設に参画したのですが、農村にひとつ年金をという考え方であります。まあつとめ人は大かたいろいろな意味における年金制度がある。中小企業の人で特殊なものはそういう制度はありませんけれども、ところが、ただ、ないおもなものは農村である。農家が一生働いて、そうして何らの老後の保障がない。何とか考えなきゃならぬということから国民年金という制度が始まっておるわけです。実態は農家年金である、そういうふうに考えておるわけでありますが、あるいは国民健康保険、こういう問題にいたしましても、その対象とするところは農村なんであります。そういうふうにいろいろなことを考えており、また、今後も考えなければならぬ問題かと思いまするが、とにかく農村というものは、私は日本の全体の産業形成また立地計画、そういうような観点から見てきわめて重大なことであり、私どもの財政経済の面から見ましても、やっぱり食糧を今日八割程度自給しておりますが、これを大幅に割るというような状態は、私は健全な日本の経済の姿じゃない、こういうふうに思います。そういうことを考えましても、農業として農家が立っていけるような施策というものを真剣に考えなければならぬ、そういうふうに思うわけであります。
税制のことにつきまして触れられましたが、これはいま農村は所得税あたりから見ましても納税者が非常に減ってまいりました。人数は忘れましたが、所得税の額は、今度の減税後におきましては所得税額が二十億を割ると、こういうような状態にあるわけであります。さらに私どもは課税最低限の引き上げというものに今後努力していくんですが、その均てん度合いというものは、これらの農業従事者、農業所得に対して特に重く響いていく、特に恩恵的に響いていく、かように考えておるわけであります。まあ農村の税の問題は、そういうふうに考えてみますと、ウエートはなくなってきておるように思うんです。ただ金融の問題、いま御指摘がありましたが、私もこれは非常に頭が痛い問題でありまして、いま系統金融のあり方、いまの数字自体につきまして、私もちょっと納得しかねる点があるのですが、系統内でもっと貸しておると思います。系統及び系統関連というものを合わせますと、これはもう大半がそういうほうに使われておると思いますが、それにしても系統外に相当の金が流れる。そういうことを是正するためにいま近代化資金という制度がとられておるわけです。ただ、問題でありますのは、私はこの国家的補助のない、近代化資金に該当しない普通の農業系統融資が非常に金利が高いという問題です。つまり金融機関としての近代化、合理化という問題を農業系統金融においていかに実現していくか、こういう問題であります。いろいろな意見が出ておりまするが、いずれもなかなか一長一短あって、しかもその間には政治的な配慮をもって考えなければならぬ性格のものも伏在しておるわけでありまして、非常にむずかしいのでありまするが、私もこれをむずかしいからと言ってほおっておくわけにはいかぬ。今後もいろいろ御意見等も承らしていただきまして、そうして農林省が中心になってやるべきことですが、協力してこの系統金融というものが農業の、ただいま申し上げましたような使命ですね、実現のためにお役に立つように動くというふうにいたしたいものだと、かように考えておるわけであります。