野溝勝の発言 (農林水産委員会)
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○野溝勝君 私はですね、ここで、あなたとその資料に基づいて論争したくはありませんが、ただ、この一点だけはひとつ大蔵当局も認識しておいてください。
系統外と系統内の数字は違うと言っておりますが——銀行局長、そこで君、誤った指図をしては困る。これはまあ大臣に……。系統外、系統内、この系統内というのは、特に農業に関係があるから私は系統内だと見るとするなら、それは間違っておると思います。たとえば系統外で出しておるのは化学肥料、農業機材、農薬、合成樹脂加工、包装資材、酒類、砂糖、びん、かん詰め、植物性食用油、生糸、乳牛、食肉加工、飼料、食品問屋、遠洋漁業、製氷、冷蔵、漁業資材、紙パルプ、木材加工、これは農業と関係がないということは、私はないと思います。しかし、耕作農民はできやしないのですから、経営の主体がどこにあるかということによって決定を、判断をしなければならないと思うのです。こういうことは擬装ですから、こういう点において、私は系統外、系統内ということを申したわけですが、その点を、十分私はその内容を検討してもらいたいと思います。
それから、大蔵大臣が非常に税の問題で、農村には二十億円くらいしかの所得税の課税がない。これは私もよく承知しておりますけれども、大体そのくらいしかないという、五百何十万戸の戸数に、その所得税を納める戸数がそれくらいしかないということは、いかに所得格差がはなはだしいかという点を、これはやはり大臣、よく検討してもらわなければならぬ。
それから最後に、私はもう一つ、これは大臣お忙しいから私は注文しておきますが、非常に大臣も努力されておるけれども、農林省がいろいろ考えておるその点について、特に日本の予算を検討すればおわかりのとおりで、あまりにもひどいですね、ひどいのだ、予算が。と申すのは、これは河野君が、昭和二十九年だと思ったが、農林大臣をやったときに、補助政策というものは、いい悪いは別として、あのとき融資政策に切りかえたわけですが、それ以来農林予算というものは半減した。戦前ですら一六ないし一七%もあったのですよ。これは特に大蔵大臣は銀行局長や主税局長もやっておったからよくわかっていると思うのですが、いまどうです。ワクにはめられたように、毎年一〇%前後じゃありませんか。予算のワクは大きくなりましても比率はやっぱりそのとおりなんですね。こまかい数字は私は申し上げませんけれども、おわかりのとおりです。こういう点についても私は十分検討して、予算措置などについても大蔵大臣は特に私は留意願いたいと思うのです。まあ以上を私申し上げて、大臣お急ぎのようでございますから、私の意見、質問は終わりますが、私は結論として、先ほど申したとおり、単に私は政府を糾弾するとか、そういう意味じゃないですよ。あげ足をとってどうという意味ではないのです。真剣に日本の農業というものの地位がこのままじゃ非常に危険なんですよ。一部成功したあれもあります。あるけれども、なかなかそういう状態に至っておらぬのです。だから私はこういう点についてひとつ、前の政策をやってきたからそれをちょっと直すわけにいかぬと、だんだんベトナム戦争みたいにどろ沼の中に入るようなことはやめて、私は考えてもらいたいと思う。どんな人だってなかなか政策はそれは思うようにいきませんよ。財政金融との関係もあればいろいろな事情もありましょう。しかし、納得のできるようにやっていかなきゃいかぬのです。それには何としてもやはり所得がつり合うかどうかというところに問題があるのでございまして、私は、ほかの白書が出ておったり、ほかの教授がいろいろ言う意見などは参考にはするけれども、関心を持ちません。皆この所得の点について真剣に考えておらない。私はほんとうに日本の民族産業として、農業はどうなってもいいというのなら別でございますけれども、いまのように兼業農家ばかりどんどんできてしまって、専業農家は二割、こんな状態になってくるととんでもないことになりますから、これは両大臣にとくと私は御配慮を願いたい。これをもって私は大蔵大臣に対する意見を終わります。