金丸冨夫の発言 (本会議)
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○金丸冨夫君 私は自由民主党を代表して、国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案に賛成の討論を行なうものであります。
国鉄の現状は、第一次、第二次の五ヵ年計画による輸送力の増強、輸送の近代化等の実施にもかかわらず、昭和十一年を基準としてみた場合、旅客輸送が六・三倍、貨物が三・六倍となっているのに対し、線路の延長はわずかに一・三倍にすぎず、これが今日の慢性的な輸送力不足の原因となり、産業発展の隘路と相なっているのでございます。このため、国鉄は、昭和四十年度から大都市付近の通勤輸送の改善、主要幹線の輸送力の増強及び保安設備の整備等を主眼とする、総投資額約三兆円を要する第三次七ヵ年計画に着手しているのでありまして、本法律案は、この長期計画の実施に要する資金の一部を調達するために、旅客三二%、貨物一七%の賃率の引き上げをしようとするものであります。もし国鉄が現在の運賃水準のままに、不足する財源のすべてを借り入れ金に依存するといたしますれば、昭和四十六年度末には約四兆円余の借り入れ金の残高を残すこととなり、経営の維持はきわめて困難な状態に立ち至ることは明白であります。かかる国鉄の財政の現状から見まして、今回の運賃改正は、国鉄経営の健全化をはかるために真にやむを得ないものと存ずるのであります。
また、従来、国の出資を増加せよとか、あるいはまた、それにかわる所要資金の確保をはかるため、利子補給等の補助金を支給すべきであるとの議論や、あるいは、国鉄のいわゆる公共負担に対して、国がこれを補償すべきであるとの強い意見もありますが、国鉄の公共企業体としての独立採算制のたてまえと、国家財政の現状、国鉄経理の実情から見まして、この際は、利用者負担の原則に従い、最小限度の運賃値上げによることは、やむを得ないものと存ずるのであります。
現行の国鉄運賃は、昭和十一年を基準とした場合、旅客は百六十一倍、貨物は二百十七倍で、今回の改正案について見ましても、なお、旅客が二百三十倍、貨物は二百四十七倍となっており、総合物価指数の四百十八倍、卸売り物価指数の三百四十四倍に比べましても、著しく低位にあると言わざるを得ないのであります。
また、今回の運賃値上げの物価に及ぼす影響を見ますと、一般物価に及ぼす度合いはわずかに〇・三%にすぎないのみならず、政府は今回、生活必需物資等六十九品目について、運賃改定による値上がりの幅を最小限度にとどめるよう特段の配慮を行なっておりますので、従前の運賃改定の事例に徴しましても、その影響はきわめて低位にあると存ずるのであります。
反面、第三次計画の完成後における改善の効果の面から見ますと、旅客関係においては、通勤輸送の緩和が見られ、線路増設の結果は過密ダイヤが緩和せられ、安全施設推進により輸送の安全性が確保され、輸送需要に対しても大きく弾力性を持つことができることとなり、また、貨物関係におきましても、高速輸送体系の整備、輸送方法の近代化等によりまして、輸送時間の短縮がはかられ、取引の迅速化が行なわれ、また荷づくり包装の簡素化、荷役の近代化により、流通経費が軽減せられ、物価の安定に大きく貢献し、ひいては国民経済の発展と国民生活の安定に寄与することとなり、国鉄の利用者に対しては、今回の値上がりにより若干の負担増加となりましたけれども、これは国鉄への一種の投資であり、今後はこれにもまさる大きい利益配当を享受し得るものと深く確信するものであります。
以上の点から、私は本法案に賛成し、討論を終了することにいたします。(拍手)
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