本会議

1966-03-04 参議院 全49発言

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会議録情報#0
昭和四十一年三月四日(金曜日)
   午前十時十八分開議
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○議事日程 第十六号
  昭和四十一年三月四日
   午前十時開議
 第一 国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第二 通行税法の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 第三 国務大臣の報告に関する件(昭和三十九
  年度決算の概要について)
 第四 国務大臣の報告に関する件(農業基本法
  に基づく昭和四十年度年次報告及び昭和四十
  一年度農業施策について)
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○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 一、人事官の任命に関する件
 一、日程第一 国有鉄道運賃法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出、衆議院送付)
 一、日程第二 通行税法の一部を改正する法律
  案(内閣提出、衆議院送付)
 一、日程第三 国務大臣の報告に関する件(昭
  和三十九年度決算の概要について)
 一、日程第四 国務大臣の報告に関する件(農
  業基本法に基づく昭和四十年度年次報告及び
  昭和四十一年度農業施策について)
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重宗雄三#1
○議長(重宗雄三君)諸般の報告は、朗読を省略いたします。
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重宗雄三#2
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。
 この際、おはかりいたします。
 館哲二君から、病気のため二十九日間、和泉覚君、白木義一郎君、北條浩君から、いずれも海外旅行のため、来たる七日から十七日間、それぞれ請暇の申し出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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重宗雄三#3
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。よって、いずれも許可することに決しました。
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重宗雄三#4
○議長(重宗雄三君) この際、日程に追加して、
 人事官の任命に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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重宗雄三#5
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
 内閣から、国家公務員法第五条第一項の規定により、佐藤正典君を人事官に任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
 本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
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重宗雄三#6
○議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって本件は、全会一致をもって同意することに決しました。
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重宗雄三#7
○議長(重宗雄三君) 日程第一、国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長江藤智君。
   〔江藤智君登壇、拍手〕
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江藤智#8
○江藤智君 ただいま議題となりました国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案につきましては、去る二月二十三日、本会議において政府より趣旨の説明を聴取しておりますので、ごく簡潔にその要旨を申し上げます。
 本法律案は、通勤輸送の緩和、幹線輸送力の増強及び保安施設の整備を目的とする第三次長期計画の実施に要する約三兆円の所要資金の一部をまかなうとともに、最近における国鉄の極度に悪化した経営を改善し、健全な経営の維持をはかるために提案されたものであります。
 次に、改正点について申し上げます。
 普通旅客運賃につきましては、現行の第一地帯三百キロを四百キロに改めて、若干距離比例制に近づけるとともに、その賃率を、一キロ当たり、第一地帯は三円六十五銭に、第二地帯は一円八十銭に改めることといたしております。また、航路普通旅客運賃についても、おおむね鉄道と同じ率の引き上げを行なっております。
 次に、貨物運賃につきましては、最近の輸送構造の変化に即応して、現行の十四の貨物等級の上下の幅を圧縮して、四等級に改めるとともに、基準等級の賃率を、おおむね一七%引き上げることとしております。
 以上の措置等によりまして、客貨を総合して、およそ二五%の増収をはかろうとするものでありまして、昭和四十一年度におきましては、千六百五十億円程度の増収が見込まれております。
 運輸委員会におきましては、本法律案の重要性にかんがみ、二月二十四日以降、連日にわたって慎重に審議を重ね、その間、農林水産委員会、商工委員会及び物価等対策特別委員会との連合審査を行ない、また、公聴会を開催し、広く各方面の意見も聴取してまいりました。
 本法律案の審議にあたりましては、国鉄における独立採算制と公共性との関連、国鉄の公共負担に対する政府の財政的措置、運賃改定の物価及び国民生活に及ぼす影響、国鉄第三次長期計画の資金計画、国鉄経営の現状とその改善の方策、輸送構造の変化に即応する総合的交通政策樹立の必要性、大規模住宅団地の造成などと通勤輸送力増強との調整、運賃改定実施の遅延による収入の減少に対する補てん対策等、国鉄運賃をめぐる各般の問題に関し、各委員と総理大臣、大蔵大臣、運輸大臣、建設大臣、経済企画庁長官及び国鉄総裁などとの間に、熱心な質疑がかわされましたが、その詳細については会議録により御承知願いたいと存じます。
 なお、三月二日、吉田委員の質疑中、谷口委員より質疑打ち切りの動議が提出され、採決の結果、多数をもって可決し、質疑は終局いたしました。
 次いで、日本社会党木村委員より提出された委員長不信任動議については、三月三日採決の結果、賛成少数をもって否決せられました。
 かくて討論に入りましたところ、日本社会党を代表して岡委員より反対、自由民主党を代表して金丸委員より賛成の旨の意見が述べられ、次いで、公明党を代表して浅井委員より、民主社会党を代表して中村委員より、日本共産党を代表して岩間委員より、それぞれ反対の旨の意見が述べられました。
 かくて採決の結果、本法律案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。拍手
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重宗雄三#9
○議長(重宗雄三君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。吉田忠三郎君。
   〔吉田忠三郎君登壇、拍手〕
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吉田忠三郎#10
○吉田忠三郎君 私は、日本社会党を代表して、ただいま提案されました国鉄運賃法の一部を改正する法律案に反対の意思を表明し、国民大多数とともに、国鉄史上最大といわれる運賃値上げ、及び、政府のたび重なる、国民を無視し、政治的民主主義を否定してきた強硬な反動的態度に、強い怒りを示すものであります。
 私は、政府自民党が、不況下にあえぐ国民の生活を圧迫する国鉄運賃を、国民の切実なる要求に耳をかさず、運輸審議会を無視し、さらに運輸委員会における強行採決など、相次いで歴史の歯車を逆回転するかのファッショ的態度で強行し、ここに至ったことを、断じて許すことはできないのであります。拍手運輸委員会では、わが党の質問通告者は私をはじめ多数残っており、国鉄運賃が国民生活に及ぼす数々の疑念は、いまなお大きく残っているのであります。いな、むしろ、国民の国鉄及び政府・自民党の態度に関する疑念は、ますます拡大し、強まっているのであります。財政法第三条及び特例法が、国鉄と郵便料金決定を国会にゆだねているのは、この二つが、いずれも国民の生活において最も公共的な料金として、国会の審議を経て、これを民主的に決定し、国民大多数の納得と支持を得て行なうことが必要であり、単に国鉄や政府・自民党の意思によってのみ行なってはならないということを規定したものであるはずであります。しかるに政府・自民党は、みずからの手で財政法の精神を放棄し、今国会において、消費者米価と並んで公共料金問題の焦点となっている国鉄運賃値上げ案を、強硬手段によって実施しようとしているのであります。しかも、この案によりますれば、収入の三割増収を目標に、旅客運賃で三一・二%、貨物運賃で一二・三%の大幅値上げを強行するほか、通勤定期券の割引率も、いまの平均七五・六%から六五・八%に引き下げる方針である。この値上げ案を一口で申し上げますれば、貨物よりも旅客、卸売り物価よりも消費者物価、大企業よりも小企業、金持ちよりも低所得層に、より多くの負担を要求した値上げと言うほかはないのであります。過去における公共料金引き上げの歴史の中で、これほど大衆収奪の性格を露骨に示した例はほかにあるまいと思うのであります。
 もちろん私も、過密ダイヤの解消、通勤通学輸送を目途とした第三次長期計画のうち、山陽新幹線の建設を除く部門の増強、安全合理化のための投資の必要性は認めるとしても、今日の国鉄の病根は、ただ単なる輸送力の逼迫というよりも、国鉄の基本的使命である安全性にかかわる段階にまできているときだけに、その投資のやり方に私はむしろ多くの問題があると言わなければならないと思うのであります。すなわち、七ヵ年計画によりますれば、二兆九千億円という膨大な資金が必要とされているのであります。その資金を、国鉄の自己資金や限られた財政投融資のみでまかなうことは困難なしわざであると言わなければなりません。この場合は、当然、政府の強力な施策が求められるのであります。しこうして国民は、国鉄はもとより、政府の抜本的な施策を条件に、最低納得のいく限度の負担もやむを得ないとするものであると私は考えるのであります。しかし、今回の値上げ要求にあたって国鉄当局は、国民の足をあずかる責任者として、その手続を踏み最大の努力を尽したと、この点、言えるでありましょうか。借金中心の設備投資が資本コストをふくらませる結果になることくらいは、いかに無能な経営者でも知っている。その結果、経営が苦しくなったから、独占価格である運賃引き上げにすべてを依存するというのでは、あまりにも安易過ぎる態度と言わなくてはならないと思うのであります。特に問題にしなければならないのは、国鉄当局の説明であります。その一つは、運賃値上げに伴う影響を過小に見積っている点であります。その二は、家計支出に占める国鉄運賃の割合は、定期代を含め月三百五十九円、〇・七五%に過ぎないし、また、定期代の八五%は使用者負担だから、たいしたことはないという考え方であります。このような考え方は、あまりにも軽率な考え方と言わなくてはなりません。それは消費者物価へのはね返り〇・四%と推定されているが、これは決して小さい数字ではないし、定期代の使用者負担割りも、その大半が一部自己負担となっている点を考慮に入れるならば、通勤定期の九三%値上げの影響は、今日の物価上昇のムードの中に決して私は無視できないものであると言わなければならないと考えるのであります。それ以上に、公共料金の根幹をなす国鉄運賃の引き上げは、直接間接的に他の物価に波及し、結果、押し上げることになります。便乗値上げの波及作用を織り込むならば、申すまでもなく、家計への深刻な赤信号にほかならないのであります。
 他方、貨物運賃の値上げを小幅に押えたのは、戦前比較の値上げ率の面で旅客運賃との均衡をはかったためだと説明しているが、これまたまことに根拠の乏しい主張であります。第一に、戦前の国鉄運賃体系が貨物優先主義をとっていた事実を全く無視しているのであります。第二に、これ以上貨物運賃を上げては、他の輸送機関、たとえばトラック運送などに荷物を取られるというのでありますれば、そうした競合関係を改めようとしない国鉄の不手ぎわと経営のあり方について、きびしく追及されなければならないと私は思うのであります。
 公共企業体としての性格上、公共性と経済性の二面性を常に求められ、苦しみ悩んでいる実情は、私は理解できるとしても、しかし、その脱出口を、最も抵抗の弱い部面、つまり国民大衆の負担に求め、しわ寄せさせた政府の政策は、断じて許されないのであります。三十九年度に三百億円の赤字を出しながら、一千億をこえる減価償却費——総収入の約一五%——を織り込んでいる事実等も含めて、何が適正利潤なのか、何を最優先投資に振り向けるべきか等々、国鉄経営の基本問題をもう一度洗い直すべきときが来ているのではないかと存ずるのであります。
 私は、ただいままでに、本法案に反対する幾つかの理由を申し述べてきましたが、これはすべて政府の運輸交通政策のあり方に関するものであって、佐藤内閣の政治姿勢があまりにも不誠実であり、反動的であるかを指摘したものであります。この中で、私は、政府に、まず、みずからとるべき政策を実行することを要求し、これなしに日本の運輸行政の問題を克服し建設することが困難であると、強く言っているのであります。とりわけ、今日の日本国有鉄道に対する政府の施策は、全体の運輸行政にきわめて重大な影響をもたらすものであることは言うまでもありません。国鉄の問題は、私鉄、都市公営交通等のいわば「かなめ」であって、一歩誤るならば、政府みずから国の政策を放棄することを意味するのであります。交通企業の認可、つまり行政の権限を一手に持つ政府が国鉄運賃値上げの論理を不合理にも認めるならば、政府みずからが他の運賃料金を押えることができないはずであり、これらのすべての責任があげて政府にあることを警告しておきたいのであります。政府は、すみやかに国鉄の長期計画を再検討し、これをみずからのものとして、責任ある指導と投資を行なうべきであると私は考えます。
 政府と国鉄は、いまなお運賃値上げによる物価への影響を〇・四%であると宣伝してきたが、これほど悪質な宣伝、これほど国民をあざむく政治は、前に申し述べたとおり、前例のないことだと私は思うのであります。政府と国鉄は、運賃算定基礎を明らかに適用し得ない計算方式をもって架空の数字をはじき出し、これを予算委員会で指摘されると、一応の試算であると逃げてきたが、われわれが試算をした限りでも、二ないし三%以上も物価に影響のあることが明らかになっているのであります。政府が四十一年度の物価上昇を、定期預金の利率である五・五%に押えたいという願望をよそに、今回の運賃値上げによる二ないし三%の物価上昇は、経済成長による自然増の三%程度を加えるならば、明らかに政府の物価政策の破綻を示すものであります。私はここで、政府が独占本位の政策をとることによって、不況を克服するという美名のもと、国民生活の危機を見のがすということは、断じて許されないし、政府の今日まで繰り返してきた経済政策のたてまえ論が破綻していることを、強く指摘しておきたいのであります。政府が、国鉄運賃を実質五〇ないし一〇〇%値上げすることによって、他の交通料金の値上がりをも必然的に可能としたことは、このこと自体、物価上昇は貯金の金利をこえ、みずからが発行した公債金利さえもこえようとしており、もはや財政金融政策におけるサル・カニ合戦ではなくて、政府の失策によっても日本の国民経済全体が危機に瀕しようとしているのであります。それだけに、政府が今日、交通政策を一歩誤るならば、物価問題をも誤り、取り返しのつかないことになる点を、この機会に強く強調しておきたいのであります。この際、政府は、物価への影響を過小に宣伝したり、他の諸物価との比較を、戦争経済下の昭和十一年の政策運賃を基準とした値上げ倍率などを不正に操作することを中止をして、この運賃値上げ法案を撤回し、政策の基本的な観点から再検討すべきであることを、強く主張いたしたいのであります。
 私は自由民主党の諸君に訴えます。わが党が交通基本問題調査会の答申を踏まえ、段階的ではあるが、きわめて建設的な国鉄緊急整備法を具体的に提案している際でもあり、また、政府原案を強行することによっては何ら得るところがないばかりか、先ほども申したように、一歩誤るならば国政全体をも失墜させるといった点を十分考慮され、国民の立場に立って、今日勇断をふるって、この悪法、国鉄運賃法の一部を改正する法律案をいさぎよく撤回し、より前向きの運輸交通政策を樹立させることを、強く要求するものであります。
 以上、わが党の反対の意思を表明して、私の討論を終わります。拍手
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重宗雄三#11
○議長(重宗雄三君) 金丸冨夫君。
   〔金丸冨夫君登壇、拍手〕
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金丸冨夫#12
○金丸冨夫君 私は自由民主党を代表して、国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案に賛成の討論を行なうものであります。
 国鉄の現状は、第一次、第二次の五ヵ年計画による輸送力の増強、輸送の近代化等の実施にもかかわらず、昭和十一年を基準としてみた場合、旅客輸送が六・三倍、貨物が三・六倍となっているのに対し、線路の延長はわずかに一・三倍にすぎず、これが今日の慢性的な輸送力不足の原因となり、産業発展の隘路と相なっているのでございます。このため、国鉄は、昭和四十年度から大都市付近の通勤輸送の改善、主要幹線の輸送力の増強及び保安設備の整備等を主眼とする、総投資額約三兆円を要する第三次七ヵ年計画に着手しているのでありまして、本法律案は、この長期計画の実施に要する資金の一部を調達するために、旅客三二%、貨物一七%の賃率の引き上げをしようとするものであります。もし国鉄が現在の運賃水準のままに、不足する財源のすべてを借り入れ金に依存するといたしますれば、昭和四十六年度末には約四兆円余の借り入れ金の残高を残すこととなり、経営の維持はきわめて困難な状態に立ち至ることは明白であります。かかる国鉄の財政の現状から見まして、今回の運賃改正は、国鉄経営の健全化をはかるために真にやむを得ないものと存ずるのであります。
 また、従来、国の出資を増加せよとか、あるいはまた、それにかわる所要資金の確保をはかるため、利子補給等の補助金を支給すべきであるとの議論や、あるいは、国鉄のいわゆる公共負担に対して、国がこれを補償すべきであるとの強い意見もありますが、国鉄の公共企業体としての独立採算制のたてまえと、国家財政の現状、国鉄経理の実情から見まして、この際は、利用者負担の原則に従い、最小限度の運賃値上げによることは、やむを得ないものと存ずるのであります。
 現行の国鉄運賃は、昭和十一年を基準とした場合、旅客は百六十一倍、貨物は二百十七倍で、今回の改正案について見ましても、なお、旅客が二百三十倍、貨物は二百四十七倍となっており、総合物価指数の四百十八倍、卸売り物価指数の三百四十四倍に比べましても、著しく低位にあると言わざるを得ないのであります。
 また、今回の運賃値上げの物価に及ぼす影響を見ますと、一般物価に及ぼす度合いはわずかに〇・三%にすぎないのみならず、政府は今回、生活必需物資等六十九品目について、運賃改定による値上がりの幅を最小限度にとどめるよう特段の配慮を行なっておりますので、従前の運賃改定の事例に徴しましても、その影響はきわめて低位にあると存ずるのであります。
 反面、第三次計画の完成後における改善の効果の面から見ますと、旅客関係においては、通勤輸送の緩和が見られ、線路増設の結果は過密ダイヤが緩和せられ、安全施設推進により輸送の安全性が確保され、輸送需要に対しても大きく弾力性を持つことができることとなり、また、貨物関係におきましても、高速輸送体系の整備、輸送方法の近代化等によりまして、輸送時間の短縮がはかられ、取引の迅速化が行なわれ、また荷づくり包装の簡素化、荷役の近代化により、流通経費が軽減せられ、物価の安定に大きく貢献し、ひいては国民経済の発展と国民生活の安定に寄与することとなり、国鉄の利用者に対しては、今回の値上がりにより若干の負担増加となりましたけれども、これは国鉄への一種の投資であり、今後はこれにもまさる大きい利益配当を享受し得るものと深く確信するものであります。
 以上の点から、私は本法案に賛成し、討論を終了することにいたします。拍手
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重宗雄三#13
○議長(重宗雄三君) 浅井亨君。
   〔浅井亨君登壇、拍手〕
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浅井亨#14
○浅井亨君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案に対し、反対の意見を表明するものであります。
 反対理由の第一点は、わが国鉄道史上未曽有の運賃値上げ案は、国民の納得を得ようという手続を踏んでいないからであります。すなわち、政府・与党は、運輸審議会の公聴会の中途で値上げ方針を決定し、審議会も有名無実にしてしまっておるのであります。また、衆議院の審議では、国会正常化の叫ばれているさなかにもかかわらず、強行採決が行なわれ、また、本院においても、慎重審議が行なわれず、ただいまの段階まで、多数にものをいわせて強引に持ってこられたのであります。そうして、間もなく、いやおうなく本法案の採決が行なわれようといたしておるのであります。このように無謀なやり方で、この大幅値上げ案を押し通そうという態度は、国民大衆を無視したものであって、わが党としては断じて許しがたいところであります。
 反対の第二点は、政府が今回の大幅値上げの根本原因である政府みずからの政策の貧困をたな上げして、国鉄独立採算制の虚名に隠れて、利用者負担を当然とするがごとき無責任な考え方に立っていることであります。すなわち政府は、無計画、無秩序な人口の集中と都市配置を放任し、また、鉄道及びその他の輸送手段との有機的総合的計画性もないのであります。そうして、そのしわ寄せが国鉄に集中しているのが通勤ラッシュであり、過密ダイヤであります。まさに事故発生の根本原因はここにあることを、政府は十分銘記すべきであります。この根本的緊急施策を実行しない政治的責任を感ぜず、利用者大衆の負担で、びほう手段を講じようとする政府の態度は、国民の信頼の上に政治責任を果たそうとする真摯な政治姿勢とは、断じて見いがたいのであります。
 反対の第三点は、無計画、無秩序に集中増大する輸送需要に対処すべき国鉄第三次長期計画の資金構成の問題であります。第三次計画の資金の大部分は借り入れ金に依存しておりますが、政府はその金利の一部をも負担しようとしていないのであります。そのため、未曽有の運賃値上げも、値上げ分がサービス改善として利用者大衆を益する前に、金利支払いのほうに消えていくからであります。政府は、この資金構造にメスを入れなければ、幾ら運賃値上げをしても、イタチごっこであり、審議の過程において政府が示唆したとおり、またもや、国民大衆に対して値上げの追い打ちがかけられることは必至と言わなければなりません。われわれは、このイタチごっこの悪連鎖を断ち切るべく、資金投入の措置を政府に要望したのでありますが、政府は、ついに、その考え方を明確にしなかったのであります。また、借り入れ金に対する利子補給についてすら、政府は同意しなかったのであります。このような成り行きまかせの無責任な政府の態度と、その犠牲を大衆に押しつけて省みるところのない態度は許しがたいものであります。国鉄の公共負担は、独立採算制の中で利用者負担でまかなうことが正しいかのような政府の考え方が抜けないからであります。公共性と企業性の調和などと言う前に、国鉄の公共的負担を国が公費で負担し、国鉄に企業的合理性を貫く健全経営を行なわせることが、本然の姿でなければならないのであります。この基本を正さずして、大衆の犠牲によって国鉄経営の苦況を打開しようとすることは、形を変えた大衆課税であり、底辺層に対してはきびしい一種の税金攻勢と言わなければなりません。
 反対の第四点は、国民生活に与える影響が甚大だということであります。政府は、しばしば、国鉄運賃の値上げが消費者物価に及ぼす影響は、ごくささいなものであって、問題にならないようなことを述べているのでありますが、国民大衆の側に立った政府信条があるならば、とても、このような無責任なことは言えないのであります。政府は、国民をうまく欺けばよいというのでは、全く話にならないのであります。それでは国民の信は政府より離反するのみであります。たとえば、公債発行はしないと言っていながら、その翌年には口をぬぐって発行するなどは、そのよい例であります。物価値上げは、四十一年度は五・五%に押えると言っておりますが、これとて、四十年度の値上がりの実績から見て、公債発行をのみ込んだ予算の性格から、また、公共料金の一斉値上げという環境の悪化からして、はたして、どこまで信用できるのか、はなはだ疑わしいのであります。私は、この状況のもとにおける今回の運賃値上げは、あえて、インフレ助長策であると断ぜざるを得ないのであります。インフレ進行の中で得をする者のために政府の施策の基本があるとすれば、もう何をか言わんやでありますが、国民大衆の生活の安定をはかることを政治の要諦にしなければならないということを、政府に警告をしておきたいのであります。
 討論を終わるにあたりまして、最後に、国鉄自体の経営の合理化努力が不十分だということを要望するものであります。これは政治の腐敗を前提にしては求めるのが無理かもしれませんが、財産管理、用地取得、構内営業の許可のあり方、政治路線及び赤字線に対するバス化断行など、強靱な努力が要請されるのであります。この点について国鉄の改善施策の断行を求めておきます。
 以上をもって私の討論を終わりたいと思います。拍手
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重宗雄三#15
○議長(重宗雄三君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより採択をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
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重宗雄三#16
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
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重宗雄三#17
○議長(重宗雄三君) 日程第二、通行税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事藤田正明君。
   〔藤田正明君登壇、拍手〕
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藤田正明#18
○藤田正明君 ただいま議題となりました通行税法の一部を改正する法律案について、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 このたびの日本国有鉄道の運賃の改定に関連して、寝台等の料金につきましても引き上げが予定されており、その結果、現行の通行税法のままでは、汽車等の二等寝台の一部が新たに課税されることになりますので、本案は、従来どおり、汽車等の二等寝台料金について非課税とするため、寝台料金の課税最低限を千円から千四百円に引き上げようとするものであります。
 委員会におきましては、租税体系からみた消費税としての通行税の意義、通行税の改廃を検討する意思の有無、通行税課税の実態等について質疑がありましたが、詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して成瀬委員より、「一等寝台料金の引き上げそのものに反対であり、通行税減税を含めて大幅減税といっても、公共料金の引き上げと物価への影響は、逆に国民生活を脅かすものである。外国の事例に照らしても、鉄道料金の通行税は廃止すべきである」との反対意見が述べられ、自由民主党を代表いたしまして藤田委員より、「本案は、二等寝台の乗客が不利となるのを防ぐものであって、反対すべき何らの理由もない」との賛成意見が述べられ、次いで日本共産党を代表して須藤委員より、「通行税は、もともと戦費調達のための悪税であり、廃止すべきである。国鉄料金の引き上げが断行される以上、課税最低限を引き上げても大衆の利益にはならない」との反対意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。拍手
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重宗雄三#19
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
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重宗雄三#20
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
     —————・—————
   〔「大蔵大臣どうした」と呼ぶ者あり、その
   〔他発言する者多し〕
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重宗雄三#21
○議長(重宗雄三君) 出席大臣の都合により、しばらくこのままお待ちください。(発言する者多し)長らくお待たせいたしました。
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重宗雄三#22
○議長(重宗雄三君) 日程第三、国務大臣の報告に関する件(昭和三十九年度決算の概要について)、
 大蔵大臣から発言を求められております。発言を許します。福田大蔵大臣。
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
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福田赳夫#23
○国務大臣(福田赳夫君) 先般、本国会に提出いたしました昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 昭和三十九年度予算は、昭和三十九年三月三十一日に成立いたしました本予算と、昭和三十九年十二月十五日に成立いたしました補正予算とからなるものであります。
 昭和三十九年度本予算は、財政金融上の諸施策を積極的に拡充し、農林漁業及び中小企業対策の推進、社会保障関係諸施策の推進、文教の刷新充実及び科学技術の振興、輸出の振興、社会資本の整備充実、地方財政の充実等の重要施策を推進するとともに、租税負担を軽減することとして編成されたものであります。
 なお、本予算成立後、給与改善に必要な経費、災害復旧に必要な経費、農業共済再保険特別会計への繰り入れに必要な経費、診療報酬の改定に伴い必要な経費及び食糧管理特別会計への繰り入れに必要な経費等について、予算補正を行なったのであります。
 昭和三十九年度におけるわが国の経済を顧みますると、年度の前半においては、生産は依然として根強い増勢を続けたのでありますが、この間において、輸入が高水準ながら落ちつきを見せた反面、輸出が大幅の増加を示したため、国際収支は予想以上に早い立ち直りを見せ、年度の後半に入ると引き締めの効果の浸透が見られ、国内需要も落ちつきを見せるに至ったので、引き締め政策は、昭和三十九年度末から昭和四十年度初めにかけて逐次解除されたのであります。
   〔議長退席、副議長着席〕
 このような経済の推移の結果、昭和三十九年度の国民総生産は、二十五兆六千六百八十一億円に達し、前年度に対し一四・七%、実質一・一%の増加となりました。また、鉱工業生産は、前年度に比し一三・五%の増加となり、国際収支は、輸出の増加に基づく貿易収支の好転により、年度間の総合収支で三千四百万ドルの黒字となったのであります。
 以下、決算の内容を数字をあげて御説明申し上げます。
 まず、一般会計におきまして、歳入の決算額は三兆四千四百六十七億円余、歳出の決算額は三兆三千百九億円余でありまして、差し引き千三百五十七億円余の剰余を生じました。この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、翌年度、すなわち昭和四十年度の歳入に繰り入れ済みであります。なお、この剰余金千三百五十七億円余から、昭和四十年度に繰り越しました歳出予算の財源に充てなければならない金額四百二十一億円余、及び、前年度までに生じた剰余金の使用残額六百九十六億円余を差し引きますと、二百三十九億円余が、昭和三十九年度に新たに生じた純剰余金となるのであります。しかして、昭和三十九年度に新たに生じた純剰余金二百三十九億円余から、地方交付税及び道路整備事業費の財源に充てられることとなる額六億円余を控除した残額二百三十三億円余の五分の一を下らない額に相当する金額につきましては、財政法第六条第一項及び同法附則第七条の規定によりまして、公債または借り入れ金の償還財源に充てなければならないこととなるわけであります。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、
 歳入につきましては、予算額三兆三千四百四億円余に比べて千六十二億円余の増加となるのでありますが、このうちには、昭和三十八年度剰余金の受け入れが、予算額に比べて千九十八億円余増加したものを含んでおりますので、これを差し引きいたしますと、昭和三十九年度歳入の減少額は三十六億円余となるのであります。その内訳は、租税及び印紙収入における減少額百九十六億円余、専売納付金における増加額六十三億円余、官業益金及び官業収入における減少額十五億円余、政府資産整理収入における増加額八億円余、雑収入における増加額百三億円余となっております。
 一方、歳出につきましては、予算額三兆三千四百四億円余に昭和三十八年度からの繰り越し額四百二億円余を加えました予算現額三兆三千八百七億円余から、支出済み額三兆三千百九億円余を差し引きいたしますと、その差額は六百九十七億円余でありまして、そのうち、昭和四十年度に繰り越しいたしました額は、前述のとおり、四百二十一億円余であり、不用額は二百七十五億円余となっております。
 次に、昭和四十年度への繰り越し額の内訳を申し上げますと、財政法第十四条の三第一項の規定により、あらかじめ国会の議決を経て、繰り越しいたしましたもの三百九十八億円余、財政法第四十二条ただし書きの規定により避けがたい事故のため繰り越しいたしましたもの九億円余、財政法第四十三条の二第一項の規定により継続費の年割り額を繰り越しいたしましたもの十三億円余であります。
 次に、予備費でありますが、昭和三十九年度一般会計における予備費の予算額は三百億円であり、その使用額は二百八十三億円余であります。
 次に、一般会計の国庫債務負担行為について申し上げます。
 財政法第十五条第一項の規定に基づく国庫債務負担行為の権能額は六百四十五億円余でありますが、このうち実際に負担いたしました債務額は六百二十五億円余でありますので、これに既往年度からの繰り越し債務額九百九十二億円余を加え、昭和三十九年度中に支出その他の理由によって債務が消滅いたしました額八百三十四億円余を差し引きいたしました金額七百八十四億円余が、翌年度以降に繰り越された債務額になります。
 財政法第十五条第二項の規定に基づく国庫債務負担行為の権能額は三十億円でありますが、このうち、実際に負担いたしました債務額は三億円余でありまして、そのうち、昭和三十九年度中に支出その他の理由によって債務が消滅いたしました額一億円余を差し引きました金額一億円余が、翌年度以降に繰り越されたことに相なるのであります。なお、既往年度からの繰り越し債務額はございません。
 次に、昭和三十九年度特別会計の決算であります。同年度における特別会計の数は四十三でありまして、これら特別会計の歳入決算総額は六兆千四百八十億円余、歳出決算総額は五兆五千五百七十五億円余であります。
 次に、昭和三十九年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、資金への収納済み額は二兆九千八百九十二億円余でありまして、この資金からの支払い命令済み額及び歳入への組み入れ額は二兆九千八百十六億円余でありますので、七十六億円余が昭和三十九年度末の資金残額となるのであります。これは主として国税にかかる還付金のうち、支払い決定済みであって、支払い命令未済のものであります。
 次に、昭和三十九年度政府関係機関の決算でありますが、その内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。
 以上、昭和三十九年度の一般会計、特別会計、国税収納金整理資金及び政府関係機関の決算につきまして、その概略を御説明申し上げた次第であります。拍手
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河野謙三#24
○副議長(河野謙三君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。相澤重明君。
   〔相澤重明君登壇、拍手〕
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相澤重明#25
○相澤重明君 私は、ただいま議題となりました大蔵大臣報告の昭和三十九年度歳入歳出決算外三件につきまして、日本社会党を代表し、佐藤総理大臣をはじめ、関係国務大臣に対し、若干の質疑を行なわんとするものであります。
 まず、ただいままで一時間余にわたり、大蔵大臣の出席がおくれまして、このように時間が長引いたことをまことに遺憾といたしまして、総理大臣に対し、閣僚のそういう本会議等への出席については、ぜひ内閣自身で十分ひとつ今後は気をつけてもらいたいと思います。
 御承知のごとく、国の決算は、憲法第九十条及び財政法第四十条により、会計検査院の検査報告とともに国会に提出するのでありますが、帝国議会以来、歴代内閣は、これを報告案件として取り扱ってまいったのでありますが、佐藤内閣になり、今回、衆参両院において大蔵大臣が報告を行ない、質疑が行なわれることば、画期的なこととして、決算の重要性が再認識されるとともに、国会を通じ、納税者たる国民に深い理解と協力を求めることのできたことをたいへんに喜ぶものであります。拍手まず、総理大臣から、今回、このような措置をとられたことに対する御所見を伺いたいと存じます。
 決算は、予算とともに、表裏一体をなすものでありますが、とかく予算の際は、はなばなしい議論が行なわれるとともに、予算獲得には、圧力団体の応援を求めつつ、血眼となって騒ぐのでありますが、行政府執行のあとは、もはや過ぎ去ったこととして、内閣も、また、議会においても、若干なおざりにしてきた、うらみがあったことを、反省しなければならないと思うのであります。国民の血のにじむ税金は、国民に正しく還元されるよう、予算として効率的に執行されなければなりません。いやしくも不正不当事項は絶滅しなければならないのであります。しかるに、歴代保守党内閣の失政と、公務員の綱紀弛緩と相まって、毎年、会計検査院より指摘されるものは実に膨大であります。決算上から見て例をあげるならば、昭和二十四年の不正不当件数は七百五十件、批難金額ば八百十九億円余であり、以来、昭和三十一年度までの合計は、不正不当件数は一万二千六百六十五件、批難金額は実に一千四百十億円余であり、公務員の汚職等による起訴件数は三万八千百五十五件であり、終戦後十年間の混乱期が思い出されるのであります。昭和三十二年以来、今日までは、若干是正されたとは言えますけれども、なお不正不当件数は三千九百九十六件、批難金額は百四十一億円余、公務員の汚職等による犯罪起訴件数は四万七千百二件であります。昭和三十九年度においても、不正不当事項は六百六十四件、二十七億九千余万円の批難金額であり、人事院発表による国家公務員の汚職等による懲戒処分一千八百四十三件、法務省の発表の犯罪件数は、収賄の四百五十六人をはじめ、実に二千六百四十四人となっております。総理大臣をはじめ関係国務大臣は、いかにしてこのような不正不当事項をなくし、また、収賄等の犯罪者をなくすことができるか、お答えを願いたいのであります。
 特に、国有財産の管理処分については、目に余るものがございます。国有財産は国民のものであります。ために、財政法第四十六条及び国有財産法第三十四条、三十七条に明らかにせられておるところであります。国においても昭和三十二年以来、国有財産の実態調査を進めてきたところでございます。しかるに、決算委員会審査より見るならば、国有財産の管理不適正なため、いまだに不分明のものや、不法占拠されておるもの等、枚挙にいとまのないほどであり、責任を追及されるゆえんでございます。貸し付けの中でも、農林大臣よく知ってもらいたいのでありますが、国有林野が、きわめて一部の政治家や、あるいは観光業者のために、坪当たり三円、あるいは七円というような低地代であることは、何としても許されぬことでございます。また、国有財産の処分が、特定の政治家や権力者の介入によって不正不当に処分されているのは、旧虎の門公園あと地、あるいは碑文谷マンション等に見られるごとくであり、本院決算委員会で国有財産に関する小委員会を設置し、審査を進めたのでありますが、全国よりこの小委員会に寄せられた投書は実に九十通余に及んでおるのであります。会計検査院の指摘事項、また、本院決算委員会に寄せられたこれら投書も、三兆八千億余に及ぶ国有財産から考えるならば、まさに氷山の一角にしかすぎないのであります。特に、高級公務員が官舎等をわがものとして不正不当に使用、あるいは払い下げを受けておることは、大蔵省、専売公社等をはじめ多数見受けられるのでありまして、何としても許すことはできません。総理大臣、大蔵大臣は、いかにして国有財産の管理を適正にし、かつ処分にあたっては、従来の随意契約、指名契約等によらず、競争入札による正しい評価、公正な入札による処分をする考えがあるかどうか、お答えをいただきたいと思うのであります。
 政治家が介入しているものを審査の中で指摘をしますと、どうも困る、こういうことで、くさいものには「ふた」をする、やみからやみへ、ほうむってしまう、こういう国民の疑惑をなくすようにどうしたらできるか、所見を伺いたいのであります。
 本院決算委員会は、去る三十七年五月、私が当時決算委員長のときでございましたが、決算審査の方針をきめて決算委員会の運営をはかってまいりました。これは少し時間がかかりますので省略いたしますが、各議員の皆さんはぜひひとつごらんいただきたいと思うのであります。帝国議会で伊藤博文公は、「国の予算は会計に始まり、決算は会計の終りとす」と言っておるのであります。予算、決算は、国の二大支柱であることを教えていると思うのであります。今日、憲法第四十一条「国會は、国権の最高機関」としての位置づけをし、さらに、第八十三条は財政の基本原則を定め、「國の財政を虚理する権限は、国會の議決に基いて、これを行使しなければならない。」とうたわれておるゆえんでございます。かかる憲法の条章や制定の意義から、総理は次の点についてどう考えるか、お尋ねをしたいのであります。
 第一は、会計検査院の検査報告を含め、決算を今後は議案として取り扱うことであります。
 第二は、議会運営上、決算委員会等においてたいへん膨大なものを審査するのでありますから、小委員会等を設置して審査を行なうことであります。
 次は、補助金等についてであります。昭和三十八年十二月行なわれた補助金等合理化審議会の答申、昭和三十九年四月十五日補助金等を中心とした財務行政監察による勧告、昭和三十九年九月臨時行政調査会の勧告等、次々に勧告が行なわれておるのでありますが、行政管理庁長官は、これら補助金等の名目によるものは、昭和三十九年一般会計で八千九百四十六億円、四十年には実に一兆八百四十億円、昭和四十一年度には一兆二千七十六億円という膨大な額が計上されておるのであります。今年は一般会計において、御承知のように、七千三百億円余にのぼる公債財源に依存をする予定でありますが、支出面において一そう経費の合理化に努力すべき時期と思われるが、いかなる措置をとられるか、承りたいのであります。
 第四は、調査費及び庁紙費等であります。各省庁におけるこれら関係費については、公安調査庁の使用不明のものをはじめといたしまして、不必要と思われるものがきわめて多いのは遺憾であります。昭和三十九年度の一例をあげるならば、外務省にある委託費が、大臣官房国際資料部と情報文化局国内広報課より、財団法人国際問題研究所への委託費を出しているのでありますが、外務省の図書費は約四千万円、総理府本部の図書費は約一億三百万円であります。関係省庁の合計は、実に約七億二千万円に及ぶのであります。これら庁紙あるいは図書費等について、政府の所見を承りたいのであります。
 第五は、人件費等補助制度についてであります。本件においては、範囲、単価等が実情に即せず、地方公共団体の人件費負担増の主要な要因となっており、補助職員の業務運営に適切を欠いているのでありまして、配置定数の適正化等については、いかなる方針であるか、承りたいのであります。
 第六は、行政改革についてであります。今日、国の許認可事項は八千余に及び、国民は仕事をするのに一々役所の判こをもらわなければできないのであります。いわゆる判こ行政を恨んでいるのであります。まさに日本の国は役人天国ともいわれているゆえんであります。行政の簡素化は国民へのサービスとなり、現下の最重要事であるが、行政管理庁長官は、いかに考えるか、お答えをいただきたいのであります。
 また、政府関係機関は、公社、公団、事業団等をはじめ、まことに膨大な機構を持っておるのでございますが、政府はいままで、公社、公団等はもうつくらない、今後は減らす、こういうふうに言明してきたのでありますが、整理統合についていかに考えておるか。これは総理大臣並びに行政管理庁長官にお答えをいただきたいのであります。
 最後に、昭和三十九年度の決算につき、若干触れたいと思います。
 先ほど大蔵大臣が説明をいたしましたが、前年度剰余金受け入れを除いた当年度本来の分の収支を見ると、歳入において予算額に比し三十六億円余の収入欠陥であります。歳出の不用額となったもの二百七十五億円余があったため、ようやく新規純剰余金二百三十九億円余を生じたのでありますが、歳入においてこのような収入不足を生じたのは、専売納付金において六十三億円余、雑入において百三億円余の増収があったけれども、租税及び印紙収入において百九十六億円余の収入不足がおもな原因となっておるのであります。三十九年度は、租税及び印紙収入決算額中には、政令改正等によって年度所属区分の変更により、三十九年歳入として取り扱うことになった額が五百七十九億円余を含んでおるのであります。従来の年度区分によった場合は、補正後予算額に対する不足額は実に七百七十五億円余になるのであります。このような租税及び印紙収入において巨額の収入不足を生じたのは、法人税において二百七十六億円余、物品税において五十九億円余の減収があったのがおもな事由でございます。昭和三十九年度当初予算で、租税及び印紙収入の自然増収の見積もりは、五千九百八十九億円余と、例年より大きく、見積もりが私は過大であったと思う。こういう点をどう考えるか、お答えをいただきたいのであります。
 また、前年度決算に対する補正後税収予算の増加額は四千三百九十一億円余で、これまでの最高であります。補正予算では、法人税について約百二十億円余、物品税については約三十九億円余、有価証券取引税については六十億円余の減額修正を行なってはおるが、やはり税収の見積もり過大であったと思うが、政府はどう考えておるか。
 また、重点施策として、公共投資、社会保障、文教施設の拡充をはかると、あなたは説明をされたのでありますが、公共投資のうちに占める用地関係費の割合、土地価格の高騰は、もはや放置することはできない、許されぬ現状であるが、総理大臣はじめ関係大臣のお答えを願いたいと思うのであります。
 社会保障関係費においては、三十五年ごろまでは大体七〇%近くを占めておったのでありますが、今日では五〇%と切り詰められたのは、近来医療経費が異常に伸びてきたためであると思うが、厚生大臣せっかくおるのですから、お答えください。また、生活保護、年金、失業、労災各保険の給付や、児童保護、特に精薄児保護費など、どうするのか、御見解を承りたいと思うのであります。
 次に、文教関係におきましては、科学技術振興などの社会的要請にこたえるため、小学校、中学校から大学に至るまでの整備及び義務教育教科書無償給与の進展などが言われたのでありますが、第一に、義務教育無償の原則は実現されたでありましょうか。第二に、公立文教施設整備はどうなったでありましょう。四十年十二月行政管理庁は、「義務教育の条件整備に関する行政監察結果に基づく勧告」を、長官は行なっておるのであります。結果は一体どうなったでしょう、勧告のしっぱなしでは困ります、話にならないと思います。御答弁を願いたいと思います。
 防衛庁は、とかく予算が多いこと、債務負担行為等によってルーズになっておるのであります。ロケットをイタリアの国の民間のスタッキーニ会社に防衛庁は発注いたしました。しかし、契約上の不備や、イタリアの国の調査が十分できなかったため、お金を渡してしまったけれども、現物が防衛庁に入らなかった。現在は国際裁判を行なっておるのであります。また、戦車用の部品ですね、トラス・カバーが、実際八十万円そこそこで買えるものを、四百八十万円で買ったのです。こういう国損を与えておるが、予算の効率的使用と不正不当事項をなくすことができるかどうか。また、今後は国産品重点使用の意思があるのかどうか。予算がたっぷり使えるから、また外国品がいい、何でも外国品がいいんだというようなことは、絶対にやめてもらわなければならぬと私は思うのであります。
 以上、各方面におたり御質問をいたしたのでありますが、要は、政治に対する姿勢を正しくして、綱紀粛正をしなければ、政治にならないし、国民のサービスにならぬ。納税者たる国民のための政治を行なうことが必要であると思うのであります。佐藤総理大臣をはじめ、関係国務大臣の誠意ある御答弁を求めまして、私の質問を終わります。拍手
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
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佐藤榮作#26
○国務大臣(佐藤榮作君) まず第一に、国務大臣の本会議に対する出席につきまして御注意がございました。申すまでもなく、政府は、審議に全面的に、また誠意をもって協力することは当然でございます。今後とも十分注意をしてまいるつもりであります。
 第二に、決算の事項、これはまことに重大な事項でございます。予算編成、同時にまた予算執行にあたっての審議を通じて、各委員から示されました御意見などは、まことに得がたい、また、とうといものでもございます。さような意味におきまして、政府は、予算編成や予算の執行にあたりまして、十分この点を参考にして行政運営の円滑を期しておる次第でございます。
 ただいま、今回初めて本会議においてこの決算の事項が報告された、いままでにないことである——確かにこの点では画期的な事柄でございます。ただいまお話のありましたように、今後ともこういう例が行なわれることだと私は思いますけれども、しかし、今後「議案」にしろ、こういうお話については、私は賛成をいたさないのでありまして、御承知のように、ただいままで憲法その他できめておりますその関係におきましても、これは「提出」ということになっておりますので、そういう扱い方のほうが望ましいのではないか。ただ、皆さん方の御審議を通じまして、各方面から各種の意見が出ております。それが予算編成上において採用される、かような事柄が望ましいのではないか。また、執行におきまして十分注意されて、公務員の戒めにもなる。また、適正な予算の使用——いわゆる国民の負担でありますから、そういう意味で十分気をつけなければならない、かように思います。なお、この問題は、今後とも十分御審議を受けることだろうと思います。「議案」にするか、あるいは「提出」かという問題でございます。
 また、ただいま言われましたが、基本的にはどこまでも綱紀の粛正にあるのだ、こういうお話でありました。この点は確かに、公務員が公僕としてサービスに徹する、同時にまた、国民の負担を一銭一厘といえどもむだにしない、これがまた政策遂行のために使われると、こういうことに一そうの努力をしなければならないと、かように私も思います。
 また、国有財産の処理等につきまして、いろいろの御注文がございましたが、過去におけるいろいろの批難事項等も、確かにわれわれが戒心しなければならないと、かように思いますので、実は、きょうの閣議におきまして、払い下げ等について公務員が介入するということは、これは厳に戒めよう、慎しもう、したがいまして、いわゆる特権——公務員であるという特権による払い下げ、こういうことは一切しない、公務員といえども、もちろん国民としての立場はございますから、国民一般が受けるような払い下げその他について、たとえば住宅などについて、そういう払い下げを受けることは、これはまあ当然のことだと思いますが、しかし、特権階級としてこれが処理されることは困ると、そういう意味で、その誤解一切ないようにしよう、これは、ひとり公務員ばかりでなく、公社、公団等におきましても、そこらの従業員が公社公団の所有する財産の払い下げについて特別な恩恵を受けると、こういうことのないようにしよう、各省とも、そういうことで申し合わせをいたしました。これはいささか御期待に沿うと、こういう意味の処置ではないか、私はかように考えております。
 次に、補助金の処理についての問題でございますが、御承知のように、補助金が、零細な補助金ではございますけれども、国民のこれは負担でございますから、そういう意味で、補助金を十分効果あるように使う。また、そこで不正が行なわれる、また同時に、そういうものの公正を失う、こういうようなことがあってはならない、かように思いますので、十分注意してまいるつもりでございます。
 次に、図書費についてのお尋ねがございましたが、もちろん、こういう事柄も気をつけなければならないことでありますし、各省関係におきまして、図書費が重複しておるとか、そういうものに非常にむだがあるとか、こういうようなことも、御指摘がございますので、一そう今後とも注意してまいるつもりであります。
 公社、公団の整理統合、ことしは御承知のように、四十一年度予算では、公社、公団を新しくつくらないということで予算を編成いたしましたが、いままで、できておる公社、公団、それぞれの理由があるのでございますから、私は一がいに、公社、公団は不要、かようには申しませんけれども、しかし、御指摘のありましたように、なお整理統合のできるようなものについては、政府自身が整理統合に踏み出すべきだと、かように考えます。
 次に、収入不足について、これもまた、こまかな御注意をいただきましたが、どうも予算編成の際に過大見積もりをしやすい、こういう過大見積もりが、結果において減収を生じ、全般に非常な迷惑を及ぼしておるのではないか、こういう御注意でございます。もちろん、税収入、あるいは物品税その他のものが、そのときどきの経費変動によりまして、いろいろ見込み違いを生ずることもございますけれども、しかしながら、もしも予算編成上、支出を膨大にするために、この収入のほうを過大に見積もる、こういうような弊害があるならば、これは厳に戒めなければならないことであります。私の経験から申しましても、かような事態はいままではあまりなかった。いつでも収入増ではありましても、収入不足というようなことはあまり出てこなかった。しかし、四十年度の予算等におきまして、大きな収入減を来たしたことは、事務当局も非常にまあ恥としておりますが、政府自身も、予算編成をする上から申しまして、たいへんな重大な事柄だと、かように考えておりますので、将来は一そう、御趣旨にありましたように、注意してまいるつもりでございます。
 また、土地価格、これが物価の基本的な問題でありますだけに、工事費その他から見まして、用地費その他の土地価格が適正でなければならないことは当然であります。そういう意味で、政府は、ぜひとも土地価格——また、土地収用法の改正等、所要の手続をいたしまして、価格の公正適正化をはかる考えでおります。ただいま収用法は、それぞれ国会にかかりまして、皆さま方の御審議を得つつあると思いますが、この上とも、どうぞよろしくお願いをいたします。
 いろいろお尋ねがございましたが、その他の点につきましては、それぞれ所管大臣からお答えさすつもりでございます。それをお聞き取りいただきたいと思います。
 問題は、冒頭にありましたように、予算の編成については非常にみなが熱心だ。しかしながら、大事な決算、これは伊藤博文公の言を引用されましたが、そのとおりでありますが、決算に終わる、その決算のあり方、これをおろそかにしてはならない。しかしながら、どうもいままで決算は、二年あるいは三年後に決算を見るという、非常に時期的にもおくれておる。こういう点で、ただいまのような非常な熱意のあるお話も聞きますが、同時に、もう決算じゃないか、ことに二年前、三年も前のものを見ても、という話も、しばしば聞くのであります。政府といたしましては、もちろん決算の重要性を十分心得ておりますし、この上とも適正でなければならない、予算の執行が適正でなければならない、かように思います。ただ、いま言うように、審査の上において非常に時期がおくれるというようなことが一つの問題である。あるいはまた、会計検査院の機構も十分ではございませんので、抜き検査をしなければならないというような実情にある。これらの点についてのくふうも、今後とも続けていたさなければならない、かように思います。拍手
   〔国務大臣坂田英一君登壇、拍手〕
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坂田英一#27
○国務大臣(坂田英一君) 私に御質問のありました国有林野の貸し付けの件でございますが、国有林野の貸し付けば、公共用または公益事業の用に供する場合、地元住民の福祉の向上に資する場合、地域産業の振興に寄与する場合、かような場合に、国土の保全その他、国有林野事業の使命達成との調和をはかりながら、適正に実施するようにいたしていかなければなりませんので、その貸し付け料は時価を基準として算定することに相なっております。ところが、三十七年及び三十八年度の会計検査等におきましては、時価の定め方が非常に安過ぎる、財産の管理方法などについて是正の指摘を受けましたのでございます。農林省といたしましては、その趣旨に即応しまして、この時価の計算の方法を検討して、新規貸し付けのものはもちろん、現に契約中のものにつきましても、貸し付け料の改定その他の改善をはかりまして、現在におきましては、国有林野の貸し付けは適正妥当に行なわれておると考えております。三十九年度以降、検査院の指摘を受けていないのでございます。
 それから、先ほどの補助金の問題でございまするが、農林省関係としては、公共事業のうちの補助事業等について会計検査院の指摘を受けた数が非常に多いのでございます。半分に近いほど農林省関係になっており、これはまことに遺憾でございますが、災害工事が非常に多いのでございまして、非常に急ぐ、また、地域に集中いたしておるということ、それから、非常に小さくて、多数の工事が行なわれるといったような、いろいろの関係、しかも、急がなければならないといったようなこともありまして、遺憾な事情に相なっておるわけでございます。農林省といたしましては、指摘を受けました補助工事につきましては、それぞれ工事者負担による手直し工事の実施、それから補助金の返還等の措置をとることはもちろんでありますが、今後とも、地方農政局、都道府県等を督励いたしまして、事業実施の指導監督体制の整備をはかり、担当職員に対する指導研修、それから請け負い業者の選定の適正化、事業実施の監督督励の強化等、工事の施行、補助金の経理及び災害の査定について、なお一般の改善をはかる所存でございます。拍手
   〔国務大臣福田篤泰君登壇、拍手〕
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福田篤泰#28
○国務大臣(福田篤泰君) お答えいたします。
 まず、補助金行政の合理化の問題でございますが、これは三十九年四月に監察を行ないまして、勧告をいたしまして、関係各省に検討をお願いいたしたわけでございます。なお、この点につきましては、御存じのとおり、三十八年には合理化審議会の答申もあり、さらに三十九年にも臨調の改革意見も表明せられておりまして、この趣旨に沿いまして、われわれとしましては、今後も十分改善の実をあげたいと考えております。率直に申しまして、まだ十分とは申しかねる点もございますので、四十一年度にはさらに監察を実施いたしたいと考えております。
 なお、第二の許認可事項の問題でございますが、この点は私ども積極的に改善について努力をいたしております。大体、臨調の指摘されました事項は三百七十九件でございますが、現年度じゅう、すなわち、今月末までに五二%、百九十六件が処理できる見込みに相なっております。
 第三は、公社、公団でございますが、これは御案内のとおり、現在百六を数え、多数の数になっております。この整理統合につきましては、臨調の答申の趣旨もあり、さらに来年度、四十一年度につきましては、総理からも強い御指示がございまして、二十一にわたる新設要求は一切承認しなかった次第でございます。なお、今後も現在のものにつきましても、整理統合について、さらに検討を続けてまいる所存でございます。
 最後に、義務教育に関する環境整備の勧告でございますが、これは昨年の十二月に勧告を行ないまして、その後、各省間で文部省を中心に検討中でございます。なお、この点につきましては、危険校舎あるいは父兄の負担等、具体的な問題が相当ございまして、幸い来年度予算にもある程度改善の反映が見られている節がございますが、なお、今後もいろいろと引き続き改善につきまして徹底を期したいと考えております。拍手
   〔国務大臣松野頼三君登壇、拍手〕
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松野頼三#29
○国務大臣(松野頼三君) 防衛庁の装備品の国産調達率は、昭和三十年が三〇%、三十五年が七〇%、三十九年は八〇%、順次向上しておりますが、御趣旨のように今後この努力をなお続けてまいります。
 イタリアの裁判問題は、目下控訴中でございますが、再びこのようなことがないように、厳重に注意いたします。拍手
   〔国務大臣鈴木善幸君登壇、拍手〕
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