野原覺の発言 (文教委員会)

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○野原(覺)委員 私は、五月の十三日、前の通常国会ですが、この文教委員会で嘉悦学園の問題についてお尋ねをいたしました。
 まず第一には、法務省当局に告発されておる件でもございますから、どのような調査が進められておるかということをお聞きいたしました。第二には、文部大臣は、この種の私立学校に対して法令の定むるところによって指導、助言の責務があるわけです。それがどのように履行されておるか、こういう二点をお尋ねいたしたのであります。
 ところで、私が五月十三日に質問をいたしましたことが教育新聞に報道されまして、教育新聞を読まれたというので、告発人の五味上という人から六月二日付で私に手紙が参ったのであります。この手紙はもちろん公開して差しつかえないものであろうと考えますし、なお、この嘉悦学園の事件の内容をも明らかにいたしておるようにも思われますから、少しく長いのでございますけれども、読み上げてみたいと思います。特に刑事局長と文部大臣はこの中身について、ひとつとっくりお聞きをいただきたい。東京都文京区千駄木二−九−十五、五味上から私あての手紙。
  私は、嘉悦学園理事長嘉悦康人とは、十何年来ゴルフ関係の友人であり、その関係で嘉悦氏の紹介で昭和三十六年一月二十一日嘉悦学園に就職、以来五年間経理関係の仕事を行って来たものであります。学校に奉職して先づおどろいた事に、理事長である嘉悦氏が、学校の小切手帳、銀行印、法人印を常にふところに入れて持ち歩いていた事です。しかも当時会計課長の要職にあった弟の嘉悦正人氏すらがその支払内容が知らされず、またわからないまま入金事務、学校の正規の支払事務を行っていたのであります。毎年度末の決算において、銀行残、現金残の不一致が生じ、理事長嘉悦氏の命ぜられるまま、粉飾決算をし帳簿にも不記載にて、このまま経過するならば、学校は経済的な破綻が生ずることを憂い、弟の嘉悦正人氏とともに、すみやかに小切手帳、銀行印を学校に戻し、勝手に不正流出を行うことは、背任横領となるから、中止するよう再三再四忠告をしたにもかかわらず、中止するどころか、不正流出は益々ひどくなり、二百万円必要だ、短大で九十名増募するから五百万帳簿からはずしてくれなど全く教育機関の責任者としてふさわしくない言動でありまして、これに対し私は、あくまで断りつづけて参りましたところ、たまたま昭和四十年四月六日付にて私に対して、「経理部長の職を解き休職を命ず」という辞令を出したのであります。これが機に、教職員にも知れ渡り、教職員一同の名をもって理事長に反省を求めたのでありますが、一向に反省の色をみせず、これが理事会の取りあげることとなり、昭和四十年七月三日の理事会決議により、理事長の実質上の職務停止、五味上の復職を決定致したのであります。しかしながら七月暑中休暇に入るや、義弟であり、経理責任者であった伊藤哲生氏を経由、一千二百万以上の不正流出を十月までの五ヶ月間に行ったのであります。しかも、四十年四月より学校の帳簿記入を行わず、半年も経過、整理委員として五味上が調査して、このこともはじめて判明した次第です。その後更に調査をしてゆきましたところ、別紙明細の如く五千万にのぼる不正流出があり、とりあえず判明した分について、理事会に対して昭和四十年十一月五日に資料を提出致しました。その後理事会は、嘉悦康人、伊藤哲生の両氏を個々に内容証明をもって呼出し、その説明を求めたのでありますが、一切知らぬという答弁にて、その後理事会として、数回にわたり糾明したが、明らかにならぬまま時が経過し、昭和四十一年三月十一日その理事会が内部崩壊し、理事長一人を残し、全員辞任してしまったのであります。その後理事長嘉悦氏の専横振りは甚しく、遂に本年四月一日に東京地検に対し、嘉悦康人、伊藤哲生両名を告発するに至ったのであります。其の後昭和四十一年五月十六日午後七時頃、嘉悦康人、小野瀬英信、諸岡宗員の三人が学園本部から帳簿類を私の制止を無視して、暴力をもって学外に持ち出し、この際見張りをしていたのが佐藤公重、大庭登の両弁護士であります。前記帳簿類の学外持ち出しの事実を目撃している者私の外に四人おります。更に昭和四十一年五月十七日付内容証明により、解任通告をしてきております。
  このような事が教育の場で、しかも教育者の最高責任者自らが法にふれるような行動をとった事について憤りを禁じ得ないものがあります。どうぞよろしく御願い申し上げます。
  昭和四十一年六月二日
                右 五味上
 衆議院議員野原覺先生こうなっておる。その先にただし書きとして、
  尚前記約五千万円にのぼる不正流出金の外に渋谷区宇田川町二三番地土地二九〇坪関係の背任横領があります。この土地は、当初昭和二十八年十二月に六百万円にて学校が購入したものでありますが、登記を嘉悦康人名儀となしたが、早慶ゼミナールという名称で、予備校を個人経営していましたが、学校との資金の交流があり、相当の金が流出している事が理事会にわかり、昭和三十八年一月ごろの理事会決議により、すみやかに売却処分し、その金を学校会計に入れるようにとの決議がなされ、その売却方をまかされたにもかかわらず、その土地にマンションを建築し売却代金を学校に入れず、個人の借入金に返済もしくは、他に流用しております。(金額七千七百万円)この渋谷の土地関係の内容は、今年三月までの各理事者、即ち上塚司、内海幸作、新井啓蔵、嘉悦正人、黒川武雄、また以前の理事長であった立野信之、三十八年三月までの監事西田米蔵弁護士等がよく知っております。これが追書きにあることなんです。
 なお、このことは、刑事局長ここにおられますが、これは告発状にもこの中身が盛られておったかと思う。五月十三日といえば、いまから二カ月以前です。私はどのような調査をしておるかということをお尋ねいたしたときに、刑事局長の私に対する答弁は、現在主任検事の手元で検討しておるということでございました。その後もう二カ月以上もたっておりますから、いかに検察事務が繁忙であれ、私は、本日は調査検討しておるというような、そういうことではなかろうと思う。これはひとつ率直に法務当局の見解と、どうなっておるのか、お聞かせ願いたい。

発言情報

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発言者: 野原覺

speaker_id: 16407

日付: 1966-07-27

院: 衆議院

会議名: 文教委員会