稻葉修の発言 (本会議)

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○稻葉修君 私は、自由民主党を代表しまして、今次災害について二、三の質問をしたいと存じます。
 まず第一に、政府は、激甚災害法に基づいて、この災害を同法第二条の激甚災害に指定し、同法第五条の農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置、同法第八条の天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置の特例、同法第十条、土地改良区等の行なう湛水排除事業に対する補助、同法第二十一条、水防資材費の補助の特例について、特段の配慮をすべきであると思いますが、これらの指定基準等につきまして、あまりにも厳格なしゃくし定木の解釈をされたのではどうにもなりませんが、政府はこれに対しどう考えるか、答弁を求めます。
 第二に、災害復旧費の地方負担額に対しましては、現在おおむね七〇%から九〇%の起債充当が行なわれ、その償還財源については、九五%程度を地方交付税によって措置されてきたのが従来の例でありますが、新潟地方は、地震の災害であるとかそういう災害が累年続きますので、特に地方負担額の一〇〇%の起債を充当し、その償還財源につきましても、全額を国が財源措置をする必要があると思いますが、これに対する政府の答弁を求めます。
 第三に、当面の資金繰りのため、普通地方交付税の繰り上げ交付を行ない、政府資金の短期融資の措置を講ずべきであると思うがどうか。
 第四に、天災融資法の早期適用の政令を早く発布し、さらにこの地方を特別被害地域として指定し、借り入れ資金の利子の軽減、その融資対象の拡大、さらに農林漁業金融公庫資金、農業近代化資金及び自作農維持資金等の貸し付け限度額の引き上げ、利子の軽減等、条件の緩和及びすでに地震災害で限度額まで借りております既往貸し付け金の返済期限の延長等について、特段の配慮をしてもらわぬことにはどうしようもありませんが、これに対する農林大臣の所見を伺いたいと思います。
 第五に、米穀予約申し込み農家のうち、概算金を返納することができない農家が多く出ると思います。収穫皆無になる農家がたくさん出ますから、この概算金返納に対しましては、特にその利子を免除すべきであると思うのであります。これから利子を取るというのはいかにもむごたらしい話でありますから、これに対する農林大臣の返答を求める次第であります。
 以上は、災害救助のための諸法律、これに基づく措置でありますが、法律に基づかないで、この災害に対処するため、政府の決意いかんによってはやれる行政措置があるはずであります。その措置のきわめて重要だと思われるものを三つにしぼりましてお尋ね申し上げます。明確に御答弁願いたい。
 いま水に浸っている地域は非常に多うございまして、それをポンプでかい出しているわけでございますが、幸いにして阿賀野川は被害がありませんでした。阿賀野川の水位はこの湛水の地域より一メートル低いのでありますから、阿賀野川の堤防を切って、これへこの湛水を排除してやるということが、地元民の強い要望でございます。一昨日、細田官房副長官を団長とする政府の調査団とともに現地に参りました際には、いろいろな条件があって、それよりは加治川の堤防を締め切ったほうが早い、一級河川の堤防を切るということは、きわめて重大なことであるというようなことで、私も、それじゃしょうがないかということで、切ることをあきらめて帰ってきたのでありますが、昨日現地へ行ってまいりますというと、簡単に切れる個所がありまして、おととい見たところは四百メートルも水路を開かなければならぬ、その工事に二日もかかるということでありましたが、それはうそでございまして、簡単に切れるところがある。そうすれば、それを切ったほうが早い。しかし、これは非常に決断を要することでありますから、建設大臣の所見をこの際求めます。
 第二に、収穫皆無になった農家はあすから一文も金が入りませんで、農業災害補償法では一反歩について三俵ですから、あの地方は一反歩平均十俵とれる美田であります。七俵分は収入がなくなるということでございますので、これらの罹災農民を救うために救農大土木事業を起こしてはどうか。第一に、新潟工業港建設事業を中心とする新潟新産都市建設計画に基づく道路網整備事業の年次計画をこの際繰り上げ、緊急施行することはどうであろうか。これによって罹災農民の収入の道を開くことが緊要と考えるが、政府の所見を求めたいと思います。
 さらに、この新産都市の計画の中に、新潟から山形県境まで県道を、海岸無雪道路建設の年次計画が施行されております。この事業の繰り上げ施行が、海岸一帯の町村農民のため、救農土木事業としてはきわめて有効適切であると考えますが、それを繰り上げ施行する建設大臣の意思がおありかどうか、明確なるお答えを願います。
 特に、新潟から新発田までの一級国道七号線は、湛水地帯の中に三分の一ばかり埋没しておりますが、元来この道路は古い道路で、すでに狭隘であります。この際、この幅員の道路をもう一本つくってもらうか、いまの道路の幅員を拡幅してもらうか、これはかねての懸案でありましたから、この際救農土木事業の一環として早期着工をしてもらいたいと思うが、建設大臣の所見はどうですか。
 次に、今般の災害の原因のおもなるものは、全国至るところそうですが、中小河川の改修の不完全、その工事の遅延、これに基づくものであります。しかし、もし計画どおり完成しておりましても、あの大豪雨ではおそらく破堤は免れなかったであろうと思われる節もありますが、そういう際の用心として、この際有事排水路を新たに掘さくし、その建設事業を進める必要がないかどうか。二百ミリ以上の豪雨に対する堤防をつくるということは不可能であるというならば、こういう有事の際のはんらんによる湛水を早期に排除するために、いまの新井郷川、落堀川の二つでは排水はとうていできるものではない。したがって、砂丘地帯にもう二本くらいの平時閉鎖しておく有事排水路の掘さく事業を起こしてはどうか。
 以上、三点について、法律に基づかないでも政府の決断でできることでございますから、この際、行政措置としての決意を伺っておきたいと思います。
 以上をもちまして質問を終わります。(拍手)
  〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕

発言情報

speech_id: 105205254X00519660722_005

発言者: 稻葉修

speaker_id: 20161

日付: 1966-07-22

院: 衆議院

会議名: 本会議