本会議
⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。
会
会議録情報#0
昭和四十一年七月二十二日(金曜日)
—————————————
議事日程 第五号
昭和四十一年七月二十二日
午後二時開議
一 国務大臣の演説(七月十五日から十八日ま
での新潟地方における集中豪雨による災害に
関して)
—————————————
○本日の会議に付した案件
瀬戸山国務大臣の七月十五日から十八日までの
新潟地方における集中豪雨による災害に関し
ての演説及び質疑
黒磯町のガス中毒事故に関する緊急質問(渡辺
美智雄君提出)
栃木県黒磯町のガス中毒惨事に関する緊急質問
(戸叶里子君提出)
アジア開発銀行を設立する協定の締結について
承認を求めるの件(第五十一回国会、内閣提
出)(参議院送付)
午後二時七分開議
この発言だけを見る →—————————————
議事日程 第五号
昭和四十一年七月二十二日
午後二時開議
一 国務大臣の演説(七月十五日から十八日ま
での新潟地方における集中豪雨による災害に
関して)
—————————————
○本日の会議に付した案件
瀬戸山国務大臣の七月十五日から十八日までの
新潟地方における集中豪雨による災害に関し
ての演説及び質疑
黒磯町のガス中毒事故に関する緊急質問(渡辺
美智雄君提出)
栃木県黒磯町のガス中毒惨事に関する緊急質問
(戸叶里子君提出)
アジア開発銀行を設立する協定の締結について
承認を求めるの件(第五十一回国会、内閣提
出)(参議院送付)
午後二時七分開議
山
山
山口喜久一郎#2
○議長(山口喜久一郎君) 瀬戸山国務大臣から、七月十五日から十八日までの新潟地方における集中豪雨による災害に関して発言を求められております。これを許します。国務大臣瀬戸山三男君。
〔国務大臣瀬戸山三男君登壇〕
この発言だけを見る →〔国務大臣瀬戸山三男君登壇〕
瀬
瀬戸山三男#3
○国務大臣(瀬戸山三男君) 災害の報告をいたしますにあたりまして、新潟地方その他東北地域における被災地の皆さんに対しまして、心から御同情、お見舞いを申し上げる次第であります。拍手
今回の新潟地方の災害は、梅雨前線の北上に伴う局地的集中豪雨によるものでありまして、雨量は五百ミリメートルにも及び、特に新潟県下の新発田市、岩船郡、北蒲原郡及び佐渡地方に激甚な被害を発生させたものであります。
現在までに判明している被災状況は、死者、行くえ不明三名、負傷者四名、家屋の全半壊、流失九十三棟、浸水家屋二万五千二百三棟、農地の流失、埋没千四百九十九ヘクタール、農地冠水三方九十五ヘクタール、道路の損壊三百五十一カ所、橋梁の流失百十一カ所、堤防決壊二百五十一カ所、山、がけくずれ二百四十カ所、罹災者九千百五十三世帯、三万九千八百二十三名となっております。
被災施設関係等の被害額は、現在まで、公共土木施設約六十四億円、公立学校施設約五千万円、農地、農業用施設等約四十二億円、水道施設等約一千万円、電信電話約五千万円、農作物等の被害約五十二億円等、総額約百六十九億円となっております。
災害の発生後、新潟県知事は直ちに災害救助法を発動し、地元警察、消防団の協力のもとに被災者の収容、生活必需品の給与等救助活動に全力を傾注するとともに、被災地における防疫対策についても万全の措置を講じ、被災住民の福祉の確保につとめておりますが、政府といたしましても、事態の緊急性にかんがみ、急遽自衛隊を出動させ、全面的な救助活動を行なわせる一方、現地機関をして被災地における鉄道復旧、道路交通の確保に当たらせた結果、本日までに鉄道はすべて復旧する見込みであり、道路については、冠水による交通不能個所の迂回路利用によるほかは、すべて一車線以上の交通を確保しております。
中央におきましても、被災直後の十九日、各省庁連絡会議を開き、災害対策を検討協議するとともに、総理府総務副長官を団長とする政府調査団を派遣することに決定し、翌二十日現地の状況をつぶさに視察してまいったところであります。
関係各省庁においても、災害の状況にかんがみ、それぞれその所掌業務に関し係官を現地に派遣して、被害実態の調査、関係施設の応急復旧工法の指導等に当たっておりますが、道路、河川等公共土木施設災害については、応急復旧個所について復旧工事を実施させるほか、早急に査定を行ない、予備費を支出して本復旧を施行させることとしており、農地、農業用施設についても同様に早期査定を行ない、早急に予備費の支出をはかることとしております。
また、被災住宅につきましては、とりあえず住宅金融公庫から被災者に対し特別貸し付けを行なうことといたしております。
特に、今回、新発田市等広範な地域に被害をもたらした加治川の破堤個所については、仮締め切りを早急に実施することとし、本日中にほぼ完了させることといたしております。
なお、租税の減免措置等につきましては、現在被災納税者の実態を調査中であり、その結果に基づき租税の軽減、免除、納税の猶予等、十分な救済措置をとることといたしており、このほか、通信の確保その他の措置につきましても万全の対策を講ずることとし、早期に民生の安定をはかる所存であります。
以上、御報告申し上げます。拍手
————◇—————
国務大臣の演説(七月十五日から十八日までの新潟地方における集中豪雨による災害に関して)に対する質疑
この発言だけを見る →今回の新潟地方の災害は、梅雨前線の北上に伴う局地的集中豪雨によるものでありまして、雨量は五百ミリメートルにも及び、特に新潟県下の新発田市、岩船郡、北蒲原郡及び佐渡地方に激甚な被害を発生させたものであります。
現在までに判明している被災状況は、死者、行くえ不明三名、負傷者四名、家屋の全半壊、流失九十三棟、浸水家屋二万五千二百三棟、農地の流失、埋没千四百九十九ヘクタール、農地冠水三方九十五ヘクタール、道路の損壊三百五十一カ所、橋梁の流失百十一カ所、堤防決壊二百五十一カ所、山、がけくずれ二百四十カ所、罹災者九千百五十三世帯、三万九千八百二十三名となっております。
被災施設関係等の被害額は、現在まで、公共土木施設約六十四億円、公立学校施設約五千万円、農地、農業用施設等約四十二億円、水道施設等約一千万円、電信電話約五千万円、農作物等の被害約五十二億円等、総額約百六十九億円となっております。
災害の発生後、新潟県知事は直ちに災害救助法を発動し、地元警察、消防団の協力のもとに被災者の収容、生活必需品の給与等救助活動に全力を傾注するとともに、被災地における防疫対策についても万全の措置を講じ、被災住民の福祉の確保につとめておりますが、政府といたしましても、事態の緊急性にかんがみ、急遽自衛隊を出動させ、全面的な救助活動を行なわせる一方、現地機関をして被災地における鉄道復旧、道路交通の確保に当たらせた結果、本日までに鉄道はすべて復旧する見込みであり、道路については、冠水による交通不能個所の迂回路利用によるほかは、すべて一車線以上の交通を確保しております。
中央におきましても、被災直後の十九日、各省庁連絡会議を開き、災害対策を検討協議するとともに、総理府総務副長官を団長とする政府調査団を派遣することに決定し、翌二十日現地の状況をつぶさに視察してまいったところであります。
関係各省庁においても、災害の状況にかんがみ、それぞれその所掌業務に関し係官を現地に派遣して、被害実態の調査、関係施設の応急復旧工法の指導等に当たっておりますが、道路、河川等公共土木施設災害については、応急復旧個所について復旧工事を実施させるほか、早急に査定を行ない、予備費を支出して本復旧を施行させることとしており、農地、農業用施設についても同様に早期査定を行ない、早急に予備費の支出をはかることとしております。
また、被災住宅につきましては、とりあえず住宅金融公庫から被災者に対し特別貸し付けを行なうことといたしております。
特に、今回、新発田市等広範な地域に被害をもたらした加治川の破堤個所については、仮締め切りを早急に実施することとし、本日中にほぼ完了させることといたしております。
なお、租税の減免措置等につきましては、現在被災納税者の実態を調査中であり、その結果に基づき租税の軽減、免除、納税の猶予等、十分な救済措置をとることといたしており、このほか、通信の確保その他の措置につきましても万全の対策を講ずることとし、早期に民生の安定をはかる所存であります。
以上、御報告申し上げます。拍手
————◇—————
国務大臣の演説(七月十五日から十八日までの新潟地方における集中豪雨による災害に関して)に対する質疑
山
稻
稻葉修#5
○稻葉修君 私は、自由民主党を代表しまして、今次災害について二、三の質問をしたいと存じます。
まず第一に、政府は、激甚災害法に基づいて、この災害を同法第二条の激甚災害に指定し、同法第五条の農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置、同法第八条の天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置の特例、同法第十条、土地改良区等の行なう湛水排除事業に対する補助、同法第二十一条、水防資材費の補助の特例について、特段の配慮をすべきであると思いますが、これらの指定基準等につきまして、あまりにも厳格なしゃくし定木の解釈をされたのではどうにもなりませんが、政府はこれに対しどう考えるか、答弁を求めます。
第二に、災害復旧費の地方負担額に対しましては、現在おおむね七〇%から九〇%の起債充当が行なわれ、その償還財源については、九五%程度を地方交付税によって措置されてきたのが従来の例でありますが、新潟地方は、地震の災害であるとかそういう災害が累年続きますので、特に地方負担額の一〇〇%の起債を充当し、その償還財源につきましても、全額を国が財源措置をする必要があると思いますが、これに対する政府の答弁を求めます。
第三に、当面の資金繰りのため、普通地方交付税の繰り上げ交付を行ない、政府資金の短期融資の措置を講ずべきであると思うがどうか。
第四に、天災融資法の早期適用の政令を早く発布し、さらにこの地方を特別被害地域として指定し、借り入れ資金の利子の軽減、その融資対象の拡大、さらに農林漁業金融公庫資金、農業近代化資金及び自作農維持資金等の貸し付け限度額の引き上げ、利子の軽減等、条件の緩和及びすでに地震災害で限度額まで借りております既往貸し付け金の返済期限の延長等について、特段の配慮をしてもらわぬことにはどうしようもありませんが、これに対する農林大臣の所見を伺いたいと思います。
第五に、米穀予約申し込み農家のうち、概算金を返納することができない農家が多く出ると思います。収穫皆無になる農家がたくさん出ますから、この概算金返納に対しましては、特にその利子を免除すべきであると思うのであります。これから利子を取るというのはいかにもむごたらしい話でありますから、これに対する農林大臣の返答を求める次第であります。
以上は、災害救助のための諸法律、これに基づく措置でありますが、法律に基づかないで、この災害に対処するため、政府の決意いかんによってはやれる行政措置があるはずであります。その措置のきわめて重要だと思われるものを三つにしぼりましてお尋ね申し上げます。明確に御答弁願いたい。
いま水に浸っている地域は非常に多うございまして、それをポンプでかい出しているわけでございますが、幸いにして阿賀野川は被害がありませんでした。阿賀野川の水位はこの湛水の地域より一メートル低いのでありますから、阿賀野川の堤防を切って、これへこの湛水を排除してやるということが、地元民の強い要望でございます。一昨日、細田官房副長官を団長とする政府の調査団とともに現地に参りました際には、いろいろな条件があって、それよりは加治川の堤防を締め切ったほうが早い、一級河川の堤防を切るということは、きわめて重大なことであるというようなことで、私も、それじゃしょうがないかということで、切ることをあきらめて帰ってきたのでありますが、昨日現地へ行ってまいりますというと、簡単に切れる個所がありまして、おととい見たところは四百メートルも水路を開かなければならぬ、その工事に二日もかかるということでありましたが、それはうそでございまして、簡単に切れるところがある。そうすれば、それを切ったほうが早い。しかし、これは非常に決断を要することでありますから、建設大臣の所見をこの際求めます。
第二に、収穫皆無になった農家はあすから一文も金が入りませんで、農業災害補償法では一反歩について三俵ですから、あの地方は一反歩平均十俵とれる美田であります。七俵分は収入がなくなるということでございますので、これらの罹災農民を救うために救農大土木事業を起こしてはどうか。第一に、新潟工業港建設事業を中心とする新潟新産都市建設計画に基づく道路網整備事業の年次計画をこの際繰り上げ、緊急施行することはどうであろうか。これによって罹災農民の収入の道を開くことが緊要と考えるが、政府の所見を求めたいと思います。
さらに、この新産都市の計画の中に、新潟から山形県境まで県道を、海岸無雪道路建設の年次計画が施行されております。この事業の繰り上げ施行が、海岸一帯の町村農民のため、救農土木事業としてはきわめて有効適切であると考えますが、それを繰り上げ施行する建設大臣の意思がおありかどうか、明確なるお答えを願います。
特に、新潟から新発田までの一級国道七号線は、湛水地帯の中に三分の一ばかり埋没しておりますが、元来この道路は古い道路で、すでに狭隘であります。この際、この幅員の道路をもう一本つくってもらうか、いまの道路の幅員を拡幅してもらうか、これはかねての懸案でありましたから、この際救農土木事業の一環として早期着工をしてもらいたいと思うが、建設大臣の所見はどうですか。
次に、今般の災害の原因のおもなるものは、全国至るところそうですが、中小河川の改修の不完全、その工事の遅延、これに基づくものであります。しかし、もし計画どおり完成しておりましても、あの大豪雨ではおそらく破堤は免れなかったであろうと思われる節もありますが、そういう際の用心として、この際有事排水路を新たに掘さくし、その建設事業を進める必要がないかどうか。二百ミリ以上の豪雨に対する堤防をつくるということは不可能であるというならば、こういう有事の際のはんらんによる湛水を早期に排除するために、いまの新井郷川、落堀川の二つでは排水はとうていできるものではない。したがって、砂丘地帯にもう二本くらいの平時閉鎖しておく有事排水路の掘さく事業を起こしてはどうか。
以上、三点について、法律に基づかないでも政府の決断でできることでございますから、この際、行政措置としての決意を伺っておきたいと思います。
以上をもちまして質問を終わります。拍手
〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
この発言だけを見る →まず第一に、政府は、激甚災害法に基づいて、この災害を同法第二条の激甚災害に指定し、同法第五条の農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置、同法第八条の天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置の特例、同法第十条、土地改良区等の行なう湛水排除事業に対する補助、同法第二十一条、水防資材費の補助の特例について、特段の配慮をすべきであると思いますが、これらの指定基準等につきまして、あまりにも厳格なしゃくし定木の解釈をされたのではどうにもなりませんが、政府はこれに対しどう考えるか、答弁を求めます。
第二に、災害復旧費の地方負担額に対しましては、現在おおむね七〇%から九〇%の起債充当が行なわれ、その償還財源については、九五%程度を地方交付税によって措置されてきたのが従来の例でありますが、新潟地方は、地震の災害であるとかそういう災害が累年続きますので、特に地方負担額の一〇〇%の起債を充当し、その償還財源につきましても、全額を国が財源措置をする必要があると思いますが、これに対する政府の答弁を求めます。
第三に、当面の資金繰りのため、普通地方交付税の繰り上げ交付を行ない、政府資金の短期融資の措置を講ずべきであると思うがどうか。
第四に、天災融資法の早期適用の政令を早く発布し、さらにこの地方を特別被害地域として指定し、借り入れ資金の利子の軽減、その融資対象の拡大、さらに農林漁業金融公庫資金、農業近代化資金及び自作農維持資金等の貸し付け限度額の引き上げ、利子の軽減等、条件の緩和及びすでに地震災害で限度額まで借りております既往貸し付け金の返済期限の延長等について、特段の配慮をしてもらわぬことにはどうしようもありませんが、これに対する農林大臣の所見を伺いたいと思います。
第五に、米穀予約申し込み農家のうち、概算金を返納することができない農家が多く出ると思います。収穫皆無になる農家がたくさん出ますから、この概算金返納に対しましては、特にその利子を免除すべきであると思うのであります。これから利子を取るというのはいかにもむごたらしい話でありますから、これに対する農林大臣の返答を求める次第であります。
以上は、災害救助のための諸法律、これに基づく措置でありますが、法律に基づかないで、この災害に対処するため、政府の決意いかんによってはやれる行政措置があるはずであります。その措置のきわめて重要だと思われるものを三つにしぼりましてお尋ね申し上げます。明確に御答弁願いたい。
いま水に浸っている地域は非常に多うございまして、それをポンプでかい出しているわけでございますが、幸いにして阿賀野川は被害がありませんでした。阿賀野川の水位はこの湛水の地域より一メートル低いのでありますから、阿賀野川の堤防を切って、これへこの湛水を排除してやるということが、地元民の強い要望でございます。一昨日、細田官房副長官を団長とする政府の調査団とともに現地に参りました際には、いろいろな条件があって、それよりは加治川の堤防を締め切ったほうが早い、一級河川の堤防を切るということは、きわめて重大なことであるというようなことで、私も、それじゃしょうがないかということで、切ることをあきらめて帰ってきたのでありますが、昨日現地へ行ってまいりますというと、簡単に切れる個所がありまして、おととい見たところは四百メートルも水路を開かなければならぬ、その工事に二日もかかるということでありましたが、それはうそでございまして、簡単に切れるところがある。そうすれば、それを切ったほうが早い。しかし、これは非常に決断を要することでありますから、建設大臣の所見をこの際求めます。
第二に、収穫皆無になった農家はあすから一文も金が入りませんで、農業災害補償法では一反歩について三俵ですから、あの地方は一反歩平均十俵とれる美田であります。七俵分は収入がなくなるということでございますので、これらの罹災農民を救うために救農大土木事業を起こしてはどうか。第一に、新潟工業港建設事業を中心とする新潟新産都市建設計画に基づく道路網整備事業の年次計画をこの際繰り上げ、緊急施行することはどうであろうか。これによって罹災農民の収入の道を開くことが緊要と考えるが、政府の所見を求めたいと思います。
さらに、この新産都市の計画の中に、新潟から山形県境まで県道を、海岸無雪道路建設の年次計画が施行されております。この事業の繰り上げ施行が、海岸一帯の町村農民のため、救農土木事業としてはきわめて有効適切であると考えますが、それを繰り上げ施行する建設大臣の意思がおありかどうか、明確なるお答えを願います。
特に、新潟から新発田までの一級国道七号線は、湛水地帯の中に三分の一ばかり埋没しておりますが、元来この道路は古い道路で、すでに狭隘であります。この際、この幅員の道路をもう一本つくってもらうか、いまの道路の幅員を拡幅してもらうか、これはかねての懸案でありましたから、この際救農土木事業の一環として早期着工をしてもらいたいと思うが、建設大臣の所見はどうですか。
次に、今般の災害の原因のおもなるものは、全国至るところそうですが、中小河川の改修の不完全、その工事の遅延、これに基づくものであります。しかし、もし計画どおり完成しておりましても、あの大豪雨ではおそらく破堤は免れなかったであろうと思われる節もありますが、そういう際の用心として、この際有事排水路を新たに掘さくし、その建設事業を進める必要がないかどうか。二百ミリ以上の豪雨に対する堤防をつくるということは不可能であるというならば、こういう有事の際のはんらんによる湛水を早期に排除するために、いまの新井郷川、落堀川の二つでは排水はとうていできるものではない。したがって、砂丘地帯にもう二本くらいの平時閉鎖しておく有事排水路の掘さく事業を起こしてはどうか。
以上、三点について、法律に基づかないでも政府の決断でできることでございますから、この際、行政措置としての決意を伺っておきたいと思います。
以上をもちまして質問を終わります。拍手
〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
佐
佐藤榮作#6
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。
このたび新潟地方を襲いました集中豪雨、まことに大きな損害を各地に発生させておりまして、罹災者の方々に対しまして心から御同情申し上げ、同町に、つつしんでお見舞い申し上げる次第でございます。拍手
御承知のように、今回の水害につきましていろいろの点を考えさせられるのでございます。ただいまのお話にもありましたように、中小河川その他いわゆる河川改修と呼ばれるものもさることでございますが、政府が直接やらない、いわゆる政府の補助対象の河川、そういうものがはんらんをいたすと非常な損害を各地に巻き起こすのでありまして、こういう意味から、河川改修計画につきましてもすでに中小河川も取り上げて計画を立てておりますが、いままでのいわゆる五カ年計画そのものが重点的に進んでおれば、あるいは災害を軽減さすこともできたかと思います。しかし、政府の努力にもかかわらずこの種の災害が起きたことについて、何とも申しわけなく思っておる次第であります。
災害は起こさないようにすることが政府のつとめでありますし、そういう意味で、国土保全、さらにまた、国民生活を守る、こういう立場に立ちまして万全を期したのでございます。しかし、一たん災害が起これば、その災害に対する応急処置、これに万全を尽くす、これまた私どものつとめでもあります。
ただいま激甚災害法の適用を早急にしろ、こういうお話がございました。ただいまちょうど損害額の集計中でございますので、この集計が近くまとまるものだと思います。そうすれば、当然激甚災害法の適用を受けるような損害だと思いますので、所要の手続をとるつもりでございます。
その他におきましても、ただいま中心として御意見を述べられました、現に水がたまっているんだ、浸水家屋がそこにあるんだ、それらの方々がこの水の中に孤立しておる、この救援をしろ、さらにまた、救援物資等の配給についても万全を期せというお話でございます。一日も早く排水することが私どもの仕事だ、かように思っております。そういう意味では、地方の自治体と協力をし、また自衛隊等も積極的に活動いたしておりまして、日夜を分かたずこの排水に努力しておる次第でございます。
私は、事故が起こらないように努力すること当然でありますが、起こりました以上、応急的処置において万全を期する、救援援護等において十二分の措置をとること、同時にまた、恒久処置といたしまして、この排水後におきまして、罹災者の方々が元気で立ち上がられるように、あるいは資金的にも、また税制の面におきましても、その他の点におきましても、いろいろくふうすべきだ、これが政治だ、かように私は考えておるのであります。そういう意味におきまして、効果のあがる処置をそれぞれとりまして、罹災者の方々が積極的に立ち上がられるようにひとつ元気を出していただきたいと思います。
具体的の方法として、特に救農土木というようなことばで使われました、現地で事業を起こせという、これなどは最も適切な必要なことだ、かように考えますので、それらの点について、具体的に、十分誠意を持って取り組んでまいるつもりでございます。
一言お答えいたします。拍手
〔国務大臣坂田英一君登壇〕
この発言だけを見る →このたび新潟地方を襲いました集中豪雨、まことに大きな損害を各地に発生させておりまして、罹災者の方々に対しまして心から御同情申し上げ、同町に、つつしんでお見舞い申し上げる次第でございます。拍手
御承知のように、今回の水害につきましていろいろの点を考えさせられるのでございます。ただいまのお話にもありましたように、中小河川その他いわゆる河川改修と呼ばれるものもさることでございますが、政府が直接やらない、いわゆる政府の補助対象の河川、そういうものがはんらんをいたすと非常な損害を各地に巻き起こすのでありまして、こういう意味から、河川改修計画につきましてもすでに中小河川も取り上げて計画を立てておりますが、いままでのいわゆる五カ年計画そのものが重点的に進んでおれば、あるいは災害を軽減さすこともできたかと思います。しかし、政府の努力にもかかわらずこの種の災害が起きたことについて、何とも申しわけなく思っておる次第であります。
災害は起こさないようにすることが政府のつとめでありますし、そういう意味で、国土保全、さらにまた、国民生活を守る、こういう立場に立ちまして万全を期したのでございます。しかし、一たん災害が起これば、その災害に対する応急処置、これに万全を尽くす、これまた私どものつとめでもあります。
ただいま激甚災害法の適用を早急にしろ、こういうお話がございました。ただいまちょうど損害額の集計中でございますので、この集計が近くまとまるものだと思います。そうすれば、当然激甚災害法の適用を受けるような損害だと思いますので、所要の手続をとるつもりでございます。
その他におきましても、ただいま中心として御意見を述べられました、現に水がたまっているんだ、浸水家屋がそこにあるんだ、それらの方々がこの水の中に孤立しておる、この救援をしろ、さらにまた、救援物資等の配給についても万全を期せというお話でございます。一日も早く排水することが私どもの仕事だ、かように思っております。そういう意味では、地方の自治体と協力をし、また自衛隊等も積極的に活動いたしておりまして、日夜を分かたずこの排水に努力しておる次第でございます。
私は、事故が起こらないように努力すること当然でありますが、起こりました以上、応急的処置において万全を期する、救援援護等において十二分の措置をとること、同時にまた、恒久処置といたしまして、この排水後におきまして、罹災者の方々が元気で立ち上がられるように、あるいは資金的にも、また税制の面におきましても、その他の点におきましても、いろいろくふうすべきだ、これが政治だ、かように私は考えておるのであります。そういう意味におきまして、効果のあがる処置をそれぞれとりまして、罹災者の方々が積極的に立ち上がられるようにひとつ元気を出していただきたいと思います。
具体的の方法として、特に救農土木というようなことばで使われました、現地で事業を起こせという、これなどは最も適切な必要なことだ、かように考えますので、それらの点について、具体的に、十分誠意を持って取り組んでまいるつもりでございます。
一言お答えいたします。拍手
〔国務大臣坂田英一君登壇〕
坂
坂田英一#7
○国務大臣(坂田英一君) 私に御質問のありました天災融資法の適用の点でございますが、これは早く調査をいたしまして、でき得る限り早く天災融資法の発動ができるようにいたしたいと、かように存じておる次第であります。
それから、これに関連いたしまして、借りかえ措置がどうなるかという問題でございますが、借りかえ措置ができることになっておりまするから、これらの点は実情に即して考えてまいりたい。特に、災害により農業経営があぶなくなるような場合におきましては、自作農資金を融通するということにいたしたいと存じております。これは天災融資法の発動ができまするならば、それに即応して行なわれるわけでございます。それから、なお、農林公庫資金及び近代化資金についても、被害者の実情に応じて、返済期限の延長等、条件緩和について措置を講ずるようにいたしたいと存じておる次第でございます。
なお、との利子補給の問題について申し上げたいのでございますが、米の予約概算金の返納という問題がございまするが、これらについて利子補給をいたしました特例もありまするので、今回の新潟県の豪雨によるものにつきましては、被害の状況を見た上に善処いたしたいと、かように考えておるわけでございます。
それから、いわゆる農業者に就労機会を与えることについては、総理からお答えのとおりでございますが、被害地における災害復旧事業が非常に多いのでございまする関係上、また、いろいろこの地元における公共事業が多いわけでございまするので、地元農民を就労せしむるように指導を行ないたいということを特に考えておるような次第でございます。
それから、被害地における湛水の問題でございまするが、これらにつきましては詳細にいま調査を進めておるわけでございますが、今後、早い機会に調査を終え、実情に即して円滑に災害復旧が行なわれまするように措置いたしたいと、かように存じておる次第でございます。
なお、この地帯は米作地帯でございまして、この罹災住民の御心配はもちろんのことでございますが、私といたしましてもほんとうに心痛いたしている次第でございます。できるだけのことをやりたいと、かように存じておる次第でございます。拍手
〔国務大臣瀬戸山三男君登壇〕
この発言だけを見る →それから、これに関連いたしまして、借りかえ措置がどうなるかという問題でございますが、借りかえ措置ができることになっておりまするから、これらの点は実情に即して考えてまいりたい。特に、災害により農業経営があぶなくなるような場合におきましては、自作農資金を融通するということにいたしたいと存じております。これは天災融資法の発動ができまするならば、それに即応して行なわれるわけでございます。それから、なお、農林公庫資金及び近代化資金についても、被害者の実情に応じて、返済期限の延長等、条件緩和について措置を講ずるようにいたしたいと存じておる次第でございます。
なお、との利子補給の問題について申し上げたいのでございますが、米の予約概算金の返納という問題がございまするが、これらについて利子補給をいたしました特例もありまするので、今回の新潟県の豪雨によるものにつきましては、被害の状況を見た上に善処いたしたいと、かように考えておるわけでございます。
それから、いわゆる農業者に就労機会を与えることについては、総理からお答えのとおりでございますが、被害地における災害復旧事業が非常に多いのでございまする関係上、また、いろいろこの地元における公共事業が多いわけでございまするので、地元農民を就労せしむるように指導を行ないたいということを特に考えておるような次第でございます。
それから、被害地における湛水の問題でございまするが、これらにつきましては詳細にいま調査を進めておるわけでございますが、今後、早い機会に調査を終え、実情に即して円滑に災害復旧が行なわれまするように措置いたしたいと、かように存じておる次第でございます。
なお、この地帯は米作地帯でございまして、この罹災住民の御心配はもちろんのことでございますが、私といたしましてもほんとうに心痛いたしている次第でございます。できるだけのことをやりたいと、かように存じておる次第でございます。拍手
〔国務大臣瀬戸山三男君登壇〕
瀬
瀬戸山三男#8
○国務大臣(瀬戸山三男君) お答えいたします。
今回の新潟地方の災害は、先ほど御報告いたしましたように、主として中小河川に関しております。中小河川全般の問題については、先ほど総理からもお話がありましたが、率直に申し上げて、わが国の治水事業は非常におくれております。私どもは、御承知のとおり、治水五カ年計画等を策定いたしまして、鋭意努力をいたしておるところでありますが、非常に今日までのギャップが大きい、このために、国民の経済力との見合いで、今後最大の努力をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
なお、先ほど、いろいろ具体的な問題についてお話がありました。しごくごもっともな点が多々あるわけでありますから、簡単に私どもの考え方を申し上げておきたいと思います。
阿賀野川の右岸堤防を切って、現在まだ九十平方キロメートルぐらい湛水いたしておりますが、これを早く排水したらどうか。私どもも、実はあの穀倉地帯、しかも町も村もつかっておるという状況がありますから、できるだけ異例の措置をとってでもこの排水に全力を尽くしたい。一昨日でありますが、地元のそういう要望もありましたし、阿賀野川の下流右岸堤を切って排水をしたいという決意をいたしまして、そのことを地元、県等と協議をいたさせました。ところが、御承知のとおり、あの地帯は、すりばち状といいますか、なべ底状といいますか、昔から非常に低湿なところでございます。したがって、この排水をするについては、阿賀野川の右岸堤、堤内の土地を入れて少なくとも四百メートルぐらい切開しなければならぬだろう、こういうことで、それを切ることの時間と排水の時間、こういうことを勘案して、それを切って措置する前に排水ができはせぬか、こういうことでありましたので、それを一応取りやめることにいたしました。その際には、あの鉄道の下流のほうでございましたが、さらに鉄道の上流に——これは昨日の話であります。鉄道の上流地域の、もと阿賀野川のずっと古い河川敷地帯が適当である、こういう話もありまして、それも検討いたしております。これは百五十メートルぐらい切ったらどうか、こういう状況でありますが、これも非常に土壌の低湿なところでありまして、一体重機械がはいれるかどうか、こういうことでいま検討を進めておるところであります。効果がありますれば、緊急避難的な異例の措置を講じたい。ただ、現在、きょうも多少雨が降っておりますが、もし豪雨等がきたときに阿賀野川のはんらんがあったらどうだ、こういうところまで検討して慎重にやっておりますが、効果があれば、やることにやぶさかでない。現在検討を続けております。ただ、それよりも、加治川左岸の四百メートルの決壊を早く締め切る。これは先ほど申し上げましたように、今日中にはぜひこれを締め切って水をとめたい。現在減水をいたしておりますが、一体排水が今後三、四日で済むかどうか、この問題とからみ合わせて慎重に早急に検討の結論を出したい、こういうことでございます。
それからもう一つ、中小河川の問題を先ほど申し上げましたが、加治川の改修計画でございます。新潟県下には十八本の中小河川あるいは十八本の小規模河川、これは五カ年計画の中で進めております。その一つとして、加治川では、昭和七年七月の過去の最大降雨量、日雨量百七十二ミリメートル、これで計画を進めております。総計画二十一億の河川改修計画を進めております。ところが、今回降りましたのが、十七日の雨が日雨量二百五十三ミリ、計画は二百ミリでやっておりますが、先ほど御報告申し上げましたように、連続雨量五百ミリ以上、異常な水害で、こういう経験はあそこになかった。まだ河川改修が進まないうちにこの事態が起こった。まことに遺憾でありますが、この計画はぜひ早く進めたい。同時に、先ほどお話がありましたが、他に放水路をつくる必要があるかどうか、これはあわせて検討したいと思います。
ただ、余談でございますけれども、あそこの両岸に約七キロの桜堤というものがございます。これについて地元にぜひ御協力を願わないと——桜堤というもの、これは大正年間につくったものだそうでありますが、これで河川改修を今日までがえんじられなかったことが、相当の影響がある。これはぜひこの際地元にもお考えを願いたい。
それからもう一つは、あの地帯の河川を大幅に広げるということはきわめて困難であろう、と同時に、河川堤防を膨大なものをつくることも困難であろう、したがって、上流地域に防災的な調節ダムをつくるということをさらにつけ加えて検討を進めたい、かように考えておるわけでございます。
それから、救農土木の問題については、先ほども具体的のお話がありましたから申し上げておきますが、国道七号線が非常に低うございます。現在約一キロまだ水びたしになっておりますが、これのかさ上げをする必要がある、あるいは拡幅をする必要がある。しかし、ああいう地形でございますから、問題は、内水の移動をどうするか、こういうことをよく地元と打ち合わせてその計画を進めたい。非常に今度は農作物が大被害を受けておると思います。あの広大な面積の被害でありますから、相当困られる事態が起こると思う。私どもは、可能な限りそういう救農的な土木を起こしたい、かように考えておるわけでございます。拍手
—————————————
この発言だけを見る →今回の新潟地方の災害は、先ほど御報告いたしましたように、主として中小河川に関しております。中小河川全般の問題については、先ほど総理からもお話がありましたが、率直に申し上げて、わが国の治水事業は非常におくれております。私どもは、御承知のとおり、治水五カ年計画等を策定いたしまして、鋭意努力をいたしておるところでありますが、非常に今日までのギャップが大きい、このために、国民の経済力との見合いで、今後最大の努力をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
なお、先ほど、いろいろ具体的な問題についてお話がありました。しごくごもっともな点が多々あるわけでありますから、簡単に私どもの考え方を申し上げておきたいと思います。
阿賀野川の右岸堤防を切って、現在まだ九十平方キロメートルぐらい湛水いたしておりますが、これを早く排水したらどうか。私どもも、実はあの穀倉地帯、しかも町も村もつかっておるという状況がありますから、できるだけ異例の措置をとってでもこの排水に全力を尽くしたい。一昨日でありますが、地元のそういう要望もありましたし、阿賀野川の下流右岸堤を切って排水をしたいという決意をいたしまして、そのことを地元、県等と協議をいたさせました。ところが、御承知のとおり、あの地帯は、すりばち状といいますか、なべ底状といいますか、昔から非常に低湿なところでございます。したがって、この排水をするについては、阿賀野川の右岸堤、堤内の土地を入れて少なくとも四百メートルぐらい切開しなければならぬだろう、こういうことで、それを切ることの時間と排水の時間、こういうことを勘案して、それを切って措置する前に排水ができはせぬか、こういうことでありましたので、それを一応取りやめることにいたしました。その際には、あの鉄道の下流のほうでございましたが、さらに鉄道の上流に——これは昨日の話であります。鉄道の上流地域の、もと阿賀野川のずっと古い河川敷地帯が適当である、こういう話もありまして、それも検討いたしております。これは百五十メートルぐらい切ったらどうか、こういう状況でありますが、これも非常に土壌の低湿なところでありまして、一体重機械がはいれるかどうか、こういうことでいま検討を進めておるところであります。効果がありますれば、緊急避難的な異例の措置を講じたい。ただ、現在、きょうも多少雨が降っておりますが、もし豪雨等がきたときに阿賀野川のはんらんがあったらどうだ、こういうところまで検討して慎重にやっておりますが、効果があれば、やることにやぶさかでない。現在検討を続けております。ただ、それよりも、加治川左岸の四百メートルの決壊を早く締め切る。これは先ほど申し上げましたように、今日中にはぜひこれを締め切って水をとめたい。現在減水をいたしておりますが、一体排水が今後三、四日で済むかどうか、この問題とからみ合わせて慎重に早急に検討の結論を出したい、こういうことでございます。
それからもう一つ、中小河川の問題を先ほど申し上げましたが、加治川の改修計画でございます。新潟県下には十八本の中小河川あるいは十八本の小規模河川、これは五カ年計画の中で進めております。その一つとして、加治川では、昭和七年七月の過去の最大降雨量、日雨量百七十二ミリメートル、これで計画を進めております。総計画二十一億の河川改修計画を進めております。ところが、今回降りましたのが、十七日の雨が日雨量二百五十三ミリ、計画は二百ミリでやっておりますが、先ほど御報告申し上げましたように、連続雨量五百ミリ以上、異常な水害で、こういう経験はあそこになかった。まだ河川改修が進まないうちにこの事態が起こった。まことに遺憾でありますが、この計画はぜひ早く進めたい。同時に、先ほどお話がありましたが、他に放水路をつくる必要があるかどうか、これはあわせて検討したいと思います。
ただ、余談でございますけれども、あそこの両岸に約七キロの桜堤というものがございます。これについて地元にぜひ御協力を願わないと——桜堤というもの、これは大正年間につくったものだそうでありますが、これで河川改修を今日までがえんじられなかったことが、相当の影響がある。これはぜひこの際地元にもお考えを願いたい。
それからもう一つは、あの地帯の河川を大幅に広げるということはきわめて困難であろう、と同時に、河川堤防を膨大なものをつくることも困難であろう、したがって、上流地域に防災的な調節ダムをつくるということをさらにつけ加えて検討を進めたい、かように考えておるわけでございます。
それから、救農土木の問題については、先ほども具体的のお話がありましたから申し上げておきますが、国道七号線が非常に低うございます。現在約一キロまだ水びたしになっておりますが、これのかさ上げをする必要がある、あるいは拡幅をする必要がある。しかし、ああいう地形でございますから、問題は、内水の移動をどうするか、こういうことをよく地元と打ち合わせてその計画を進めたい。非常に今度は農作物が大被害を受けておると思います。あの広大な面積の被害でありますから、相当困られる事態が起こると思う。私どもは、可能な限りそういう救農的な土木を起こしたい、かように考えておるわけでございます。拍手
—————————————
山
石
石田宥全#10
○石田宥全君 私は、日本社会党を代表し、今回の梅雨前線による北陸、東北地方、特に新潟県における集中豪雨の被害対策につき質問せんとするものであります。
まず最初に、家を奪われ、あるいは収穫を持つばかりの多くの稲作農民並びに関係市民各位に対し、心からお見舞い申し上げるとともに、一日も早く災害を克服され、更生されんことをお祈り申し上げる次第であります。拍手
災害は忘れたころにやってくるといわれますが、新潟県加治川改修工事のごときは、十年前から工事の完成を地元民は強く要請してまいったにかかわらず、国並びに県当局は予算上の困難を理由とし、ついに今日の悲惨事を引き起こしたものであって、産業資本の高度成長政策に狂奔し、社会投資をなおざりにしてまいりました政府・与党の責任は強く責められなければならないと考えるのであります。拍手また、治水のための堤防に、老木となった桜並み木を観光地として温存するがごときは、地方公共団体の直接の責任とはいえ、これを放置してまいりました建設省の責任もまた重大といわなければなりません。農林省所管の内ノ倉多目的ダムの構築にいたしましても、十年の歳月を経てようやく着工の運びとなったものでありまして、これが早期完成と洪水調整施設の完備についての努力を怠るなどが、今日の災害の最大の要因であるといわなければならないのであります。すでに現地踏査報告が行なわれ、稻葉代議士の質問にもありましたように、その規模と深刻さは、全く涙なしには語り得ないところであります。水稲単作地帯にあって、冬季間妻子と別れて遠く出かせぎに出ており、雪解けを待って農耕に従事し、いまや出穂の様子を胸をふくらませながら待ち望んでいたやさきの災害であってみれば、農民の心情まことに察するに余りあるものがあるのであります。
さて、質問の第一は、激甚災害指定の緊急実施でありますが、この激甚災害法は、災害復旧に際して大きな役割りをになうものであり、その指定を受けることはまことに切実なものであります。今回の新潟県内の被害のみで百四十億に達し、さらに増加の実情にありますので、緊急に激甚災害法の地域指定を行なうべきものと考えますが、政府のお考えを承りたいと思います。
なお、この指定の手続でありますが、何回もの調査、審議を経なければ決定されません。そのために、ネコの手も借りたいような被災地において、復旧の先頭に立たねばならない行政機関の責任者が、政府に対しての陳情に労力をさかねばならないことは、まことに遺憾千万といわなければなりません。政府は、この指定制度を改正し、一定の基準を定めて、具体的に発生した災害は自動的に認定され、それによってすみやかに援護措置を実施せられるようにすべきであると思うが、政府の見解を明らかにしていただきたいと思うのであります。
次に、このような惨事を再び繰り返さないために、政府はいかなる施策をお考えでありますか。国民は、忘れていても、災害はやってこない、天災が起こっても被害を受けないで済むことを期待しており、また、それが災害常襲国といわれる政府の責任でもあり、災害の防止は政治の力で解決できないものではありません。特に河川はんらんによる大災害の続発を見るとき、強調されておる治山治水対策はどうなっているか、まことに憂慮にたえないものがあります。この治山治水の根本対策の確立を質問するとともに、いまだ対策の及ばざる地域において災害が発生した際には、当然、国の責任において復旧、補償を行なうべきものと考えますが、とのような災害防止に対する国の責任を明らかにしていただきたいと思うのであります。
次に、最近の集中豪雨の被害を見ると、小河川の被害が激甚をきわめていることは御承知のとおりであります。ただいま建設大臣からもお話があったわけでありますが、したがって、小河川の改修をすみやかに行なわねばなりません。その緊急性にかんがみ、補助率の引き上げが必要とされております。政府は、この補助率を引き上げて小河川の改修を促進する意思ありやいなやをお伺いいたしたいと思います。
また、復旧工事については常に改良復旧が要請されているにもかかわらず、必ずしもこれにこたえておらないのであります。災いの中から二度と悲しみを引き起こさないことが政治の責任であります。万全の防災対策を確立し、災害発生に対してはすみやかにあらゆる手だてを講じ、あたたかい救いの手を差し伸べることが政府の具体的施策であります。そのためには、現行の激甚災の財政援助を大幅に改善し、対象事業の範囲を、緊急砂防、民間家屋等への流入土砂の排除にまで広げ、国庫負担率あるいは貸し付け金の引き上げ等が行なわれるべきものと考えますが、政府の見解を明らかにしていただきたいと思うのであります。
さらに、災害を受けて最も塗炭の苦しみをさせられるのは、個人の被災者であります。ところが、これらの被災者に対する国の援助は、はなはだ薄いものであります。被災者はまさに災難としてあきらめねばならないほど、封建時代と変わりないほどの実情にあるのが、今日の災害援助の実態であります。個人被災者に対し、自立更生がすみやかに行なわれるよう、見舞い金、弔慰金の支給、医療費の一定期間の無料支給、生活資金の貸し付け等が、国の責任によって行なわれるべきでありますが、政府はいかなる対策をお考えになっておられますか、お伺いいたします。
次に、今回の新潟県下の集中豪雨は、十五市町村にもまたがる広範囲な地域に被害を出し、地方財政に著しい負担をもたらしているので、県及び当該市町村の当面の資金繰りのため、地方交付税の繰り上げ交付を行なうべきものと思いますが、大蔵大臣の御所見を伺いたいと存じます。
また、今回の災害は、日本の穀倉地帯といわれる米作地帯に起きた災害であるため、農林、農地関係の被害がその大半を占めているが、被災農民の生活を守り、生活の基盤である田畑の復旧を一日も早く行なうよう、政府に対し次の事項を要望し、政府の考えを承りたいと思います。
まずその一つは、壊廃した農地の復旧を、明年の作付を可能ならしめるよう農民に約束をすること。その二は、被災農民のため、堤防復旧工事等の土木工事を特別失対事業として行ない、農業所得を失った農民に現金収入を確保することでありますが、ただいま総理もこれに賛意を表しておられます。これをから手形に終わらないように特に要請をいたしたいと思います。三は、農林漁業金融公庫資金、農業近代化資金及び自作農維持創設資金等の貸し付け条件の緩和を行なうと同時に、すでにこれらの資金を借り入れている被災農民に対し、償還条件の緩和など、特別の措置を講じ、さらに、米穀予約申し込み農家の概算金返納に対する特別措置を講ずべきであります。また、農災法による保険金の概算払いの手続につき、すみやかに対策を要望するものであります。これについては、農林大臣の所信のほどを承りたいと存じます。
緊急措置として、飲用水並びに食料品、衣料品など、豊栄町をはじめ、孤立しておる町村、部落に対する給与が行き届いておらない実情でありますが、非常事態に対しては非常の手段をもって対応すべきであり、すみやかに手配するとともに、排水後の防疫措置など万全を期せられるよう、強く要請をいたします。
最後に、佐藤総理にお伺いいたしますが、いつも、災害の直後には、担当大臣をはじめ政府も積極的な姿勢を示しておるのでありますが、最後には、公共事業に対しては通り一ぺんの対策が行なわれ、個人災に対してはほとんど見るべき施策がとられないで終わるのが実情であります。特に今回は対策本部の設置もしないまま、冷淡さを示しておるのであります。少なくともわが国のような高度に発達した国家としては、個人災に対して何らかの救済措置をとるべきものと考えられるのでありますが、これに対する所信のほどをお伺いいたしまして、私の質問を終わる次第でございます。拍手
〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
この発言だけを見る →まず最初に、家を奪われ、あるいは収穫を持つばかりの多くの稲作農民並びに関係市民各位に対し、心からお見舞い申し上げるとともに、一日も早く災害を克服され、更生されんことをお祈り申し上げる次第であります。拍手
災害は忘れたころにやってくるといわれますが、新潟県加治川改修工事のごときは、十年前から工事の完成を地元民は強く要請してまいったにかかわらず、国並びに県当局は予算上の困難を理由とし、ついに今日の悲惨事を引き起こしたものであって、産業資本の高度成長政策に狂奔し、社会投資をなおざりにしてまいりました政府・与党の責任は強く責められなければならないと考えるのであります。拍手また、治水のための堤防に、老木となった桜並み木を観光地として温存するがごときは、地方公共団体の直接の責任とはいえ、これを放置してまいりました建設省の責任もまた重大といわなければなりません。農林省所管の内ノ倉多目的ダムの構築にいたしましても、十年の歳月を経てようやく着工の運びとなったものでありまして、これが早期完成と洪水調整施設の完備についての努力を怠るなどが、今日の災害の最大の要因であるといわなければならないのであります。すでに現地踏査報告が行なわれ、稻葉代議士の質問にもありましたように、その規模と深刻さは、全く涙なしには語り得ないところであります。水稲単作地帯にあって、冬季間妻子と別れて遠く出かせぎに出ており、雪解けを待って農耕に従事し、いまや出穂の様子を胸をふくらませながら待ち望んでいたやさきの災害であってみれば、農民の心情まことに察するに余りあるものがあるのであります。
さて、質問の第一は、激甚災害指定の緊急実施でありますが、この激甚災害法は、災害復旧に際して大きな役割りをになうものであり、その指定を受けることはまことに切実なものであります。今回の新潟県内の被害のみで百四十億に達し、さらに増加の実情にありますので、緊急に激甚災害法の地域指定を行なうべきものと考えますが、政府のお考えを承りたいと思います。
なお、この指定の手続でありますが、何回もの調査、審議を経なければ決定されません。そのために、ネコの手も借りたいような被災地において、復旧の先頭に立たねばならない行政機関の責任者が、政府に対しての陳情に労力をさかねばならないことは、まことに遺憾千万といわなければなりません。政府は、この指定制度を改正し、一定の基準を定めて、具体的に発生した災害は自動的に認定され、それによってすみやかに援護措置を実施せられるようにすべきであると思うが、政府の見解を明らかにしていただきたいと思うのであります。
次に、このような惨事を再び繰り返さないために、政府はいかなる施策をお考えでありますか。国民は、忘れていても、災害はやってこない、天災が起こっても被害を受けないで済むことを期待しており、また、それが災害常襲国といわれる政府の責任でもあり、災害の防止は政治の力で解決できないものではありません。特に河川はんらんによる大災害の続発を見るとき、強調されておる治山治水対策はどうなっているか、まことに憂慮にたえないものがあります。この治山治水の根本対策の確立を質問するとともに、いまだ対策の及ばざる地域において災害が発生した際には、当然、国の責任において復旧、補償を行なうべきものと考えますが、とのような災害防止に対する国の責任を明らかにしていただきたいと思うのであります。
次に、最近の集中豪雨の被害を見ると、小河川の被害が激甚をきわめていることは御承知のとおりであります。ただいま建設大臣からもお話があったわけでありますが、したがって、小河川の改修をすみやかに行なわねばなりません。その緊急性にかんがみ、補助率の引き上げが必要とされております。政府は、この補助率を引き上げて小河川の改修を促進する意思ありやいなやをお伺いいたしたいと思います。
また、復旧工事については常に改良復旧が要請されているにもかかわらず、必ずしもこれにこたえておらないのであります。災いの中から二度と悲しみを引き起こさないことが政治の責任であります。万全の防災対策を確立し、災害発生に対してはすみやかにあらゆる手だてを講じ、あたたかい救いの手を差し伸べることが政府の具体的施策であります。そのためには、現行の激甚災の財政援助を大幅に改善し、対象事業の範囲を、緊急砂防、民間家屋等への流入土砂の排除にまで広げ、国庫負担率あるいは貸し付け金の引き上げ等が行なわれるべきものと考えますが、政府の見解を明らかにしていただきたいと思うのであります。
さらに、災害を受けて最も塗炭の苦しみをさせられるのは、個人の被災者であります。ところが、これらの被災者に対する国の援助は、はなはだ薄いものであります。被災者はまさに災難としてあきらめねばならないほど、封建時代と変わりないほどの実情にあるのが、今日の災害援助の実態であります。個人被災者に対し、自立更生がすみやかに行なわれるよう、見舞い金、弔慰金の支給、医療費の一定期間の無料支給、生活資金の貸し付け等が、国の責任によって行なわれるべきでありますが、政府はいかなる対策をお考えになっておられますか、お伺いいたします。
次に、今回の新潟県下の集中豪雨は、十五市町村にもまたがる広範囲な地域に被害を出し、地方財政に著しい負担をもたらしているので、県及び当該市町村の当面の資金繰りのため、地方交付税の繰り上げ交付を行なうべきものと思いますが、大蔵大臣の御所見を伺いたいと存じます。
また、今回の災害は、日本の穀倉地帯といわれる米作地帯に起きた災害であるため、農林、農地関係の被害がその大半を占めているが、被災農民の生活を守り、生活の基盤である田畑の復旧を一日も早く行なうよう、政府に対し次の事項を要望し、政府の考えを承りたいと思います。
まずその一つは、壊廃した農地の復旧を、明年の作付を可能ならしめるよう農民に約束をすること。その二は、被災農民のため、堤防復旧工事等の土木工事を特別失対事業として行ない、農業所得を失った農民に現金収入を確保することでありますが、ただいま総理もこれに賛意を表しておられます。これをから手形に終わらないように特に要請をいたしたいと思います。三は、農林漁業金融公庫資金、農業近代化資金及び自作農維持創設資金等の貸し付け条件の緩和を行なうと同時に、すでにこれらの資金を借り入れている被災農民に対し、償還条件の緩和など、特別の措置を講じ、さらに、米穀予約申し込み農家の概算金返納に対する特別措置を講ずべきであります。また、農災法による保険金の概算払いの手続につき、すみやかに対策を要望するものであります。これについては、農林大臣の所信のほどを承りたいと存じます。
緊急措置として、飲用水並びに食料品、衣料品など、豊栄町をはじめ、孤立しておる町村、部落に対する給与が行き届いておらない実情でありますが、非常事態に対しては非常の手段をもって対応すべきであり、すみやかに手配するとともに、排水後の防疫措置など万全を期せられるよう、強く要請をいたします。
最後に、佐藤総理にお伺いいたしますが、いつも、災害の直後には、担当大臣をはじめ政府も積極的な姿勢を示しておるのでありますが、最後には、公共事業に対しては通り一ぺんの対策が行なわれ、個人災に対してはほとんど見るべき施策がとられないで終わるのが実情であります。特に今回は対策本部の設置もしないまま、冷淡さを示しておるのであります。少なくともわが国のような高度に発達した国家としては、個人災に対して何らかの救済措置をとるべきものと考えられるのでありますが、これに対する所信のほどをお伺いいたしまして、私の質問を終わる次第でございます。拍手
〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
佐
佐藤榮作#11
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 先ほどの稻葉君といい、また石田君といい、災害地から出ていらっしゃいますだけに、たいへん実情を詳細に御報告をされ、同時にまた、要望される点も、実際に基づいてのおことばであった、かように思います。
激甚災害法の施行を緊急に、早急にやれという。先ほどもお答えいたしたとおりでございまして、できるだけ早くこれを適用する、こういうことで所要の手続をとりたい、かように思っております。ただ、今後の問題として、何かくふうをして自動的にこれが発動できるような方法をしたらどうかというお話でございますが、いずれにいたしましても、災害そのものが十分集計されないことには、この問題は起こらないと思います。そういう場合に、現地の方々をこういう労務でわずらわすことのないように、さらに私どもでくふうするようにいたしたいと思います。しかし、現地の御協力はどうしても求めなければならないと思います。
また、先ほどお答えもいたしたのでございますが、何と申しましても、この種の事故が起こらないように、ことに、起こりました事故については応急の処置で万全を期すること当然でありますが、同時にまた、再発しないように、これを防止することにできるだけの力をいたさなければならないと思います。そういう意味で、復旧工事等におきましても、いわゆる改良復旧、こういうような道が開かれておりますので、その点も実情に応じてこれを行なうべきだと思いますし、また、中小河川についてのただいまの取り上げ方、私は、ただいまのところ適当だと思いますが、さらに補助率を引き上げろ、こういうような御要望もございます。さらに、こういう点も、地方自治体の負担等、特に困窮しておる実情等もございましょうから、それらの点で不都合がないように、さらによく検討いたすつもりであります。
申すまでもなく、国土保全、その根本には、治山治水といわれておるもの、その政策を実施することにあるように思いますので、在来から、ただ単に治水ばかりでなく、山も同時に治める、砂防工事なども非常にその必要が説かれております。こういう点でも万全を期するようにいたしたいと思います。
次に、個人の被災者に対する援護が不十分だ、こういうことで御指摘になりました。特に私の所信を尋ねられたのでございます。私が申し上げるまでもなく、個々の方々に対する救援その他の援護等は、それぞれの法律によって処置するようになっております。したがいまして、ただいままでのところ、この個人の被災者に対して、直接見舞い金を支給したり、あるいは補償金を出したりするような処置はとられておりません。しかし、私が申し上げるまでもなく、福祉国家の建設、これは私どもの政治の目標でもございます。さような意味におきまして、ただいま御提案になりましたような点も、さらに私どもが今後の問題として研究する筋のものではないだろうか、かように思いますが、現状におきましては、個々の方々に対する見舞い金やまた補償金等を出さない、他との振り合い上そういうことは扱わない、こういうたてまえになっておることを御了承いただきたいと思います。拍手
〔国務大臣坂田英一君登壇〕
この発言だけを見る →激甚災害法の施行を緊急に、早急にやれという。先ほどもお答えいたしたとおりでございまして、できるだけ早くこれを適用する、こういうことで所要の手続をとりたい、かように思っております。ただ、今後の問題として、何かくふうをして自動的にこれが発動できるような方法をしたらどうかというお話でございますが、いずれにいたしましても、災害そのものが十分集計されないことには、この問題は起こらないと思います。そういう場合に、現地の方々をこういう労務でわずらわすことのないように、さらに私どもでくふうするようにいたしたいと思います。しかし、現地の御協力はどうしても求めなければならないと思います。
また、先ほどお答えもいたしたのでございますが、何と申しましても、この種の事故が起こらないように、ことに、起こりました事故については応急の処置で万全を期すること当然でありますが、同時にまた、再発しないように、これを防止することにできるだけの力をいたさなければならないと思います。そういう意味で、復旧工事等におきましても、いわゆる改良復旧、こういうような道が開かれておりますので、その点も実情に応じてこれを行なうべきだと思いますし、また、中小河川についてのただいまの取り上げ方、私は、ただいまのところ適当だと思いますが、さらに補助率を引き上げろ、こういうような御要望もございます。さらに、こういう点も、地方自治体の負担等、特に困窮しておる実情等もございましょうから、それらの点で不都合がないように、さらによく検討いたすつもりであります。
申すまでもなく、国土保全、その根本には、治山治水といわれておるもの、その政策を実施することにあるように思いますので、在来から、ただ単に治水ばかりでなく、山も同時に治める、砂防工事なども非常にその必要が説かれております。こういう点でも万全を期するようにいたしたいと思います。
次に、個人の被災者に対する援護が不十分だ、こういうことで御指摘になりました。特に私の所信を尋ねられたのでございます。私が申し上げるまでもなく、個々の方々に対する救援その他の援護等は、それぞれの法律によって処置するようになっております。したがいまして、ただいままでのところ、この個人の被災者に対して、直接見舞い金を支給したり、あるいは補償金を出したりするような処置はとられておりません。しかし、私が申し上げるまでもなく、福祉国家の建設、これは私どもの政治の目標でもございます。さような意味におきまして、ただいま御提案になりましたような点も、さらに私どもが今後の問題として研究する筋のものではないだろうか、かように思いますが、現状におきましては、個々の方々に対する見舞い金やまた補償金等を出さない、他との振り合い上そういうことは扱わない、こういうたてまえになっておることを御了承いただきたいと思います。拍手
〔国務大臣坂田英一君登壇〕
坂
坂田英一#12
○国務大臣(坂田英一君) 石田議員にお答え申し上げます。
全く穀倉地帯の点で、非常に残念に私も思っております。それにつきまして、先ほど申しましたように、天災融資の問題、それからなお、近代化資金あるいは公庫の資金等について、十分御質問の趣旨に沿うよう取り扱ってまいりたいということを申し上げたいと存じます。なお、自作農資金は、天災融資の適用と同時にこれらが考えられまするので、これを有効に適用されるように進めてまいりたいと存じます。
それから、被災住民に対する応急の食糧といたしまして、玄米十五トン、乾パン五千食、昨日のことでございますが、そういうふうに手配いたしておりますが、なおこの点は十分行き届き得るように手配はいたしておりますので、御了承願いたいと思うのでございます。
それから、災害の復旧の問題につきましては、やはり本年から利用できる土地もございまするので、急ぐものについては、地方農政局と県と話し合いをしていただきまして、早急に査定前においても復旧工事ができる、それに対して補助金も出せるという道も開いてあるわけでございますので、そういうふうに進めていただきたいのでございまするが、その他につきましても、なるべく早く、もちろん来年の耕作にはこと欠かさないように、でき得る限りの努力を払いたいということを申し上げておきたいと存ずる次第でございます。
なお、そのほかのいろいろの点についていろいろ考慮いたしておるのでございますが、病虫害防除につきましても、現在十五機のヘリコプターを準備させておるのでございます。なお、高性能の病虫害防除の機械も整備いたしまして、新潟県においても八十機あるわけでございまして、でき得る限りの御努力を願いたいと思っておるわけでございます。
なお、救農土木事業等については、先ほどお話を申し上げましたし、総理からもお話がありましたのでございますが、でき得る限りいわゆる現地における土木事業あるいは救済事業等にそれらの人々を向かわせまして、現金収入をあげ得るような方向に進んでまいりたいと思っておるわけでございます。ちょうど穂ばらみの前期にあたっての災害でございまするので、冠水が長く存在しておりますると収穫が非常に困るということは御承知のとおりでございまして、ほんとうに心痛のほかはございません。拍手
〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
この発言だけを見る →全く穀倉地帯の点で、非常に残念に私も思っております。それにつきまして、先ほど申しましたように、天災融資の問題、それからなお、近代化資金あるいは公庫の資金等について、十分御質問の趣旨に沿うよう取り扱ってまいりたいということを申し上げたいと存じます。なお、自作農資金は、天災融資の適用と同時にこれらが考えられまするので、これを有効に適用されるように進めてまいりたいと存じます。
それから、被災住民に対する応急の食糧といたしまして、玄米十五トン、乾パン五千食、昨日のことでございますが、そういうふうに手配いたしておりますが、なおこの点は十分行き届き得るように手配はいたしておりますので、御了承願いたいと思うのでございます。
それから、災害の復旧の問題につきましては、やはり本年から利用できる土地もございまするので、急ぐものについては、地方農政局と県と話し合いをしていただきまして、早急に査定前においても復旧工事ができる、それに対して補助金も出せるという道も開いてあるわけでございますので、そういうふうに進めていただきたいのでございまするが、その他につきましても、なるべく早く、もちろん来年の耕作にはこと欠かさないように、でき得る限りの努力を払いたいということを申し上げておきたいと存ずる次第でございます。
なお、そのほかのいろいろの点についていろいろ考慮いたしておるのでございますが、病虫害防除につきましても、現在十五機のヘリコプターを準備させておるのでございます。なお、高性能の病虫害防除の機械も整備いたしまして、新潟県においても八十機あるわけでございまして、でき得る限りの御努力を願いたいと思っておるわけでございます。
なお、救農土木事業等については、先ほどお話を申し上げましたし、総理からもお話がありましたのでございますが、でき得る限りいわゆる現地における土木事業あるいは救済事業等にそれらの人々を向かわせまして、現金収入をあげ得るような方向に進んでまいりたいと思っておるわけでございます。ちょうど穂ばらみの前期にあたっての災害でございまするので、冠水が長く存在しておりますると収穫が非常に困るということは御承知のとおりでございまして、ほんとうに心痛のほかはございません。拍手
〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
福
福田赳夫#13
○国務大臣(福田赳夫君) 私に対しましては、被災市町村の財政の問題と思います。これは自治大臣からお答えをいたすべきですが、私、特に名ざされましたので、お答え申し上げます。
今回の災害によりまして、市町村は、歳出面におきまして多大の負担を負う、のみならず、収入は租税が減収するということで、非常に打撃をこうむると思います。それに対しましては、追って配分をいたします特別交付税においてその損害額を組み入れるというふうにいたしたいと存じます。また、復旧事業を盛んにやるにつきましては起債を伴うわけであります。この起債を将来元利償還をしなければならぬ、その償還額を将来の交付税交付金算定の上の財政需要として見る、こういう措置を講じたいと思います。また、必要に応じまして交付税の繰り上げ支給を行なう、かような方針でございまして、地方財政の運営につきましては万遺憾なきを期してまいりたい、かように考える次第でございます。拍手
〔国務大臣瀬戸山三男君登壇〕
この発言だけを見る →今回の災害によりまして、市町村は、歳出面におきまして多大の負担を負う、のみならず、収入は租税が減収するということで、非常に打撃をこうむると思います。それに対しましては、追って配分をいたします特別交付税においてその損害額を組み入れるというふうにいたしたいと存じます。また、復旧事業を盛んにやるにつきましては起債を伴うわけであります。この起債を将来元利償還をしなければならぬ、その償還額を将来の交付税交付金算定の上の財政需要として見る、こういう措置を講じたいと思います。また、必要に応じまして交付税の繰り上げ支給を行なう、かような方針でございまして、地方財政の運営につきましては万遺憾なきを期してまいりたい、かように考える次第でございます。拍手
〔国務大臣瀬戸山三男君登壇〕
瀬
瀬戸山三男#14
○国務大臣(瀬戸山三男君) お答えいたします。
災害は忘れたときにもこないようにしたいとおっしゃいましたが、全くそうあるべきものだと思っております。けれども、先ほど申し上げましたように、わが国の気象上、地形上非常に困難な河川があるわけであります。しかも、その周辺に人口が増大するに従って、農業その他、あるいは町や村その他がずっと開発されて集中しておるという現状でございまして、治水や防災等の非常におくれておるわが国において、災害が忘れてもこないようにということは、そう一挙にはなかなかできないということを私どもは非常に苦慮いたしております。現在考えておりますのは、御承知のとおりに、治水計画を立ててやっておりますが、従来どうしても大河川、これは災害が起こりますと膨大な被害を起こすところにやや重点を置いてまいっております。それが約百河川、そのほかに二千数百の中小河川、そのほか、局部改良、砂防等、四千河川以上にいま計画を立てて進めておるわけでありますが、まだまだ、災害は忘れてもこないという状況には相当の時日を要するのではないか。今後も努力を続けていくべきものだろうと思っております。
それから、中小河川の改修について国庫補助が二分の一であるが、これをもっと引き上ぐべきじゃないか、私もさように思います。さように思いますが、ただ、やるべき個所がたくさんありますし、どこもやらなければならない。これには国庫財政あるいは国民の力も伴わなくちゃなりませんから、これを三分の二に引き上げますと、やるべき個所、やるべき事業量がずっと減ってくる、こういたしますと、忘れないでも災害がくる、こういう状況になりますので、その調節をどうするかということが困難であります。でありますから、私どもは、そういう問題と兼ね合わして今後検討してまいりたい、かように考えております。
それから、改良復旧にすべきでないか。これまた当然に考えております。災害のあとに再び災害を起こすような復旧をすべきではない、その原則を貫いてまいりたいと思っております。
それから、先ほどちょっと申し上げたのでありますが、いま石田さんから、加治川の鉄橋下に桜並み木をつくっておるのを見過ごしておるのはけしからぬじゃないか、おっしゃられればまさにそのとおりであります。しかし、あれは御承知のとおりに、大正七年ごろからつくりましたもので、いわゆる新潟県の名所になっておる。私ども河川計画を立てておりますが、河川堤防には樹木を植えさせないというのが原則であります。しかし、古くからああやって保存されて、桜並み木保存会もできておって、河川改修を促進するのに、こう言っては失礼でありますが、反対をされておるというような事情もありまして、今日までああいうことでありますが、今回のこういう事態にかんがみまして、ぜひ地元とよくお話をいたして、すみやかに河川改修をして、桜並み木は取っていただきたいという考えでおるわけでございます。拍手
〔国務大臣鈴木善幸君登壇〕
この発言だけを見る →災害は忘れたときにもこないようにしたいとおっしゃいましたが、全くそうあるべきものだと思っております。けれども、先ほど申し上げましたように、わが国の気象上、地形上非常に困難な河川があるわけであります。しかも、その周辺に人口が増大するに従って、農業その他、あるいは町や村その他がずっと開発されて集中しておるという現状でございまして、治水や防災等の非常におくれておるわが国において、災害が忘れてもこないようにということは、そう一挙にはなかなかできないということを私どもは非常に苦慮いたしております。現在考えておりますのは、御承知のとおりに、治水計画を立ててやっておりますが、従来どうしても大河川、これは災害が起こりますと膨大な被害を起こすところにやや重点を置いてまいっております。それが約百河川、そのほかに二千数百の中小河川、そのほか、局部改良、砂防等、四千河川以上にいま計画を立てて進めておるわけでありますが、まだまだ、災害は忘れてもこないという状況には相当の時日を要するのではないか。今後も努力を続けていくべきものだろうと思っております。
それから、中小河川の改修について国庫補助が二分の一であるが、これをもっと引き上ぐべきじゃないか、私もさように思います。さように思いますが、ただ、やるべき個所がたくさんありますし、どこもやらなければならない。これには国庫財政あるいは国民の力も伴わなくちゃなりませんから、これを三分の二に引き上げますと、やるべき個所、やるべき事業量がずっと減ってくる、こういたしますと、忘れないでも災害がくる、こういう状況になりますので、その調節をどうするかということが困難であります。でありますから、私どもは、そういう問題と兼ね合わして今後検討してまいりたい、かように考えております。
それから、改良復旧にすべきでないか。これまた当然に考えております。災害のあとに再び災害を起こすような復旧をすべきではない、その原則を貫いてまいりたいと思っております。
それから、先ほどちょっと申し上げたのでありますが、いま石田さんから、加治川の鉄橋下に桜並み木をつくっておるのを見過ごしておるのはけしからぬじゃないか、おっしゃられればまさにそのとおりであります。しかし、あれは御承知のとおりに、大正七年ごろからつくりましたもので、いわゆる新潟県の名所になっておる。私ども河川計画を立てておりますが、河川堤防には樹木を植えさせないというのが原則であります。しかし、古くからああやって保存されて、桜並み木保存会もできておって、河川改修を促進するのに、こう言っては失礼でありますが、反対をされておるというような事情もありまして、今日までああいうことでありますが、今回のこういう事態にかんがみまして、ぜひ地元とよくお話をいたして、すみやかに河川改修をして、桜並み木は取っていただきたいという考えでおるわけでございます。拍手
〔国務大臣鈴木善幸君登壇〕
鈴
鈴木善幸#15
○国務大臣(鈴木善幸君) 私に対する御質問の第一点は、防疫対策についてであります。
今回の災害は、集中豪雨による災害でございますので、伝染病が集団的に発生するおそれがあるわけでございます。そこで、政府といたしましては、県当局を督励いたしまして、防疫対策に万全を期するように、ただいま強力にこれを進めておるのであります。厚生省からも係官を一昨日派遣いたしまして、現地におきまして十分指導も加え、協力をいたしておるところであります。滞水をいたしました地区に対しましては、石灰を散布する、あるいはクレゾールを噴霧するというような対策を講じますと同時に、ネズミ類あるいはこん虫等の駆除に対しましても万全の措置を講じておるところでございます。
第二の点は、食糧、衣類、医薬品等の救助物資を緊急に罹災者に支給できるように手配を急ぐべきだ、こういう御指摘でございますが、そのとおりでございまして、現在なお滞水いたしておりまする地域は、新発田市ほか一町二カ村ございまして、この滞水をいたしておりまする地区に対しましては、三十二カ所の避難所を設けまして、約六千三百人の避難民をここに収容いたしまして、たき出しその他の措置を講じておるところであります。これに対するところの食糧その他の救助品を緊急に配付するという問題につきましては、自衛隊その他の御協力を得まして、舟艇二十八隻、ヘリコプター八機を動員いたしまして、これらの物資が一日も早く、一刻も早く罹災者に支給できまするように、鋭意万全の措置を講じておるところでございます。拍手
この発言だけを見る →今回の災害は、集中豪雨による災害でございますので、伝染病が集団的に発生するおそれがあるわけでございます。そこで、政府といたしましては、県当局を督励いたしまして、防疫対策に万全を期するように、ただいま強力にこれを進めておるのであります。厚生省からも係官を一昨日派遣いたしまして、現地におきまして十分指導も加え、協力をいたしておるところであります。滞水をいたしました地区に対しましては、石灰を散布する、あるいはクレゾールを噴霧するというような対策を講じますと同時に、ネズミ類あるいはこん虫等の駆除に対しましても万全の措置を講じておるところでございます。
第二の点は、食糧、衣類、医薬品等の救助物資を緊急に罹災者に支給できるように手配を急ぐべきだ、こういう御指摘でございますが、そのとおりでございまして、現在なお滞水いたしておりまする地域は、新発田市ほか一町二カ村ございまして、この滞水をいたしておりまする地区に対しましては、三十二カ所の避難所を設けまして、約六千三百人の避難民をここに収容いたしまして、たき出しその他の措置を講じておるところであります。これに対するところの食糧その他の救助品を緊急に配付するという問題につきましては、自衛隊その他の御協力を得まして、舟艇二十八隻、ヘリコプター八機を動員いたしまして、これらの物資が一日も早く、一刻も早く罹災者に支給できまするように、鋭意万全の措置を講じておるところでございます。拍手
山
海
海部俊樹#17
○海部俊樹君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、渡辺美智雄君提出、黒磯町のガス中毒事故に関する緊急質問、及び戸叶里子君提出、栃木県黒磯町のガス中毒惨事に関する緊急質問を順次許可されんことを望みます。
この発言だけを見る →すなわち、この際、渡辺美智雄君提出、黒磯町のガス中毒事故に関する緊急質問、及び戸叶里子君提出、栃木県黒磯町のガス中毒惨事に関する緊急質問を順次許可されんことを望みます。
山
山
山口喜久一郎#19
○議長(山口喜久一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
まず、渡辺美智雄君提出、黒磯町のガス中毒事故に関する緊急質問を許可いたします。渡辺美智雄君。
〔渡辺美智雄君登壇〕
この発言だけを見る →まず、渡辺美智雄君提出、黒磯町のガス中毒事故に関する緊急質問を許可いたします。渡辺美智雄君。
〔渡辺美智雄君登壇〕
渡
渡辺美智雄#20
○渡辺美智雄君 私は、自由民主党を代表して、去る七月八日、栃木県黒磯町新木野俣用水隧道工事に起きました一酸化炭素による大量中毒死傷事件について、総理大臣並びに関係大臣に対し質問を行なうものであります。
まず、質問に入る前に、泣いても泣き切れない二十五名の他界せられた方々とその遺族に対して、つつしんで衷心から哀悼の意を表するものでございます。拍手また、かろうじて一命を取りとめたとは申せ、いまだ病床に呻吟をして、後遺症におののいておる罹災者の方々に対し、これまた心からお見舞い申し上げるものでございます。拍手
さて、いさいは新聞、テレビ等で御承知かと思いますので、簡潔に事故の概要を参考に申し上げますならば、去る六月二十八日台風第四号によって、同地方に集中豪雨があり、かんがい面積約七十ヘクタール、関係戸数約百六十戸を持つ新木野俣用水路の第四トンネル内の上流に土砂くずれがあり、流水がはばまれたのが事故のきっかけであります。この地方においては、田のかんがいはもちろん、日常生活に欠くことのできない用水路だけに、一日もこれを放置することはできません。そこで、農業災害復旧工事として谷黒組に請負を依頼し、土地改良区が人夫をあっせんして、隧道内の土砂の取り出しを行なっていたところ、たまたま照明用に持ち込んだ三百ワットのポータブル発電機からの排気ガスによって、にわかにトンネル内で作業中の部落民がばたばたと倒れ、数時間を出ずして二十五名が死亡、重軽症三十四名という中毒患者を出したのが、この事故の概要であります。復旧事業費三十三万円の事業としては、大きく痛々しい事故であって、天災ではなく、まさに人災であるといって過言ではありません。
この事故は、直接の関係面積こそ小さいかもしれないけれども、二部落のほとんどが全滅するというほど悲惨なものであります。農業近代化への過程において、農業災害について多くの問題点を提起した事件であります。
しかるに、関係省は数省にまたがり、それぞれ自分のなわ張りを守るために、総合した積極的な対策がとりにくいというところに、いろいろなむずかしさをまざまざと見せつけられているのであります。たとえば、遺族に対する補償の問題一つを取り上げましても、労災法の厳格な解釈をたてにとって、出し渋ろうとする動きもないとは申せません。まことに遺憾にたえない次第であります。
栃木県においては、事故発生後直ちに百万円の見舞い金を贈り、また、一日も早く部落民に水を与えるために、法令にとらわれることなく、五百四十万円の全金額を県費支出をして、仮の水路をつくって速急に水を流したのであります。なおまた、日赤、新聞社等にお願いをして募金を行ない、悲惨な遺族への慰めのために迅速な手を打っておるのであります。
また、ありがたいことには、ニュースを聞かれました天皇、皇后両陛下におかれましては、あの辺の地勢、民情等をよく知っておられますだけに、はなはだふびんにおぼしめされ、さっそく御遺族に対し金一封の御下賜金を下さいまして、部落民をいたく感激させたのも周知のとおりでございます。人間尊重を看板とする佐藤総理大臣におかれては、そしてまた、天皇陛下に対してみずから忠良なる臣をもって任ずる佐藤総理大臣におかれては、すみやかに温情ある法の解釈をもって遺族補償の万全を期されることと信じますが、その御決意のほどを承りたいのでございます。
あわせて要望しておきたいことは、ことに各省間において責任のなすり合いのために、政治の成果があがらないというようなことの絶対にないよう、総理の強い指揮と、これこそ裁断を仰ぎたいのであります。
なお、農業の機械化が進み、一方、劇物的農薬散布が広く行なわれている現在、農村における近代化に伴った思いがけない、大きな災害が偶発するおそれが多くなっておる今日、農業労働者災害について抜本的施策を講じ、災害の予防と救済の徹底をはかるべきだと思いますが、総理の誠意ある御答弁を承りたいものでございます。
次に、農林大臣にお伺いします。
この工事は、木野俣用土地改良区が災害復旧工事といたしまして、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律、つまりいわゆる災害暫定法に基づいて、約三十三万円の事業費をもって国庫補助の申請を行なっていたものであります。暫定法によれば、緊急を要する場合は、国や県の指示がなくとも、仮工事は自主的にも行なうことができることになっておるのであります。しかるに、この工事の場合は、事故発生以前において、県と組合役員と請負業者とが現地に立ち会って、適切なそれぞれの指示を受けて行なったものであって、暫定法によっても何らの支障なく着手された適法な工事であると思います。農林大臣の御所見を承りたいと存じます。
労災法の適用をめぐって、巷間、部落民と施行業者との間に契約書の交換が行なわれていないとのけちをつける者もございますが、災害復旧の応急工事というものは、そもそも緊急を要する場合であるのであって、後日それらのものについては精算をすることで、取り急ぎ最小限度の工事を着工するというのが全国的な慣例でございます。農林大臣はどういうお考えでありますか、御所見を承りたいのであります。
なお、国庫補助申請の対象となる災害復旧工事は、農林省は請負工事で行なうことを全国に指導いたしておりますし、現に一〇〇%程度のものは、災害復旧工事は請負工事で実施されておるのであります。しかもその実態は、おおむね緊急に仮工事をする場合は、着工したりいろいろなことをやります。賃金の支払い等においても、あとで精算をするというケースが多いのであります。
次に、国営採択の那須野ヶ原開拓パイロット事業地内には、明治以来の老朽水路、いま申しましたような新旧木野俣のような老朽水路がたくさんございます。しかしながら、水のないところでありますから、水路をとめて、その水路の改修をするということは非常に困難でありますために、長期間にわたって明治以来大改修が行なわれていないというのが現況であります。したがって、非常に危険な状態に現在あるところがたくさんあり、このような事故が続発するおそれがございますので、現に国において国営事業として採択をし、実施設計中のこの開拓パイロット事業をすみやかに繰り上げて実施をしてもらいたいということが、この事件をきっかけとしてほうはいとしてその地区において起きておることを御了承いただきたいのであります。また、そうすべきことが犠牲者へのせめてものはなむけであると思うのでありますが、農林大臣はいかがでございますか、その点御所見を承りたいのであります。
続いて、小平労働大臣にお尋ねをいたしたいと存じます。
小平労働大臣は、事故発生後現地にも見舞いに行かれました。各戸にも花輪をお届けくだされ、また、金十万円なりの弔慰金も御拠出くださいました。まことにありがたく、感激おくあたわざるところでございます。ところが、労働省といたしましては、かかる事故の発生に対しまして、つまり新型発電機のトンネル内持ち込みというようなことに対しまして、いかなる災害予防の措置をとってこられましたのか、また、事故発生後いかなる救護活動を行なってこられましたのか、御説明をいただきたいと存ずるのであります。
第二点は、労災保険の適用についてお尋ねを申し上げます。
この復旧工事は谷黒紀の請負工事であり、谷黒組指導のもとに応急工事を行なったわけでありますが、谷黒組職員の現場監督ら四名については労災法が明らかに適用せられて、その遺族に対しては相当額の年金もおりる、あるいはまた一時金がおりる、療養者に対しましては医療給付と失業期間中の休業補償の手当も出る、こういうことは確実であります。ところが、一緒に働いておった残りの約五十五、六名の者に対しましては、一体どうでありましょうか。同じ坑内における労働をしておりながら、部落民の遺族や入院患者に対しては、労災金の支給がいまだに困難であるかのごとき印象を世間に与えておる。そうでなくてさえ、妻を失い、夫と死刑をし、働き手の一人むすこをなくした遺族は、まさに仕事も手につかず、ぼう然自失をしておる現在、ただ一つの光明として思っておった遺族年金の望みがなくなったなら、一体どうなりましょうか。半狂乱どころか、中には自殺をする者も出てきかねない悲惨な状態であるということを御承知おき願いたいのであります。大会社や、常に労働法の保護のもとにある炭鉱労働者などよりは、むしろはるかにみじめな状態にあるということを知ってもらいたいのであります。
今回は全体工事の一部分である応急工事の着工にあたりまして、部落民と谷黒組との間に文書による雇用契約が取りかわされていなかったかもしれないけれども、谷黒組長の供述からしても、組合書記の供述からしても、また、口頭により工事の全体について請負契約をしたことは明らかであります。さらにまた、事故発生の以前において、谷黒組は大田原労働基準監督署に対して労災保険の届け出もしていることも、これまた疑いのないところであります。個々の部落民に直接谷黒組が賃金を支払う契約書を取りかわしたかどうかというような小さなことを一々取り上げてまいりますと、それは手続上若干の不備がある点はあるかもしれません。しかし、もし日雇い労働として作業に従事した部落民には年金がおりない、正規のその現場監督には、しかもあやまちを起こしたほうは年金ぶおりる、そうしたらば一体この犠牲者たちは何をもって救ってあげたらばよいのでありましょうか。そういうようなことで政治がありましょうか。災害復旧工事中の仮応急工事というようなものは、農林災害暫定法でも認めておるように、とりあえず必要の最小限度の工事をして、あとで正式な設計をしたり賃金の精算をしたりするのが、全国至るところすべてであります。決して過言ではありません。この際は、単なる末梢的な法律の解釈でお茶を濁すようなことは断じて許されません。高度の政治的判断によって、労災保険の適用によって、人間尊重の政治の実をあげられるように強く要望し、重ねて労働大臣の所信を承りたいのであります。
以上申し上げまして、私の質問を終わります。拍手
〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
この発言だけを見る →まず、質問に入る前に、泣いても泣き切れない二十五名の他界せられた方々とその遺族に対して、つつしんで衷心から哀悼の意を表するものでございます。拍手また、かろうじて一命を取りとめたとは申せ、いまだ病床に呻吟をして、後遺症におののいておる罹災者の方々に対し、これまた心からお見舞い申し上げるものでございます。拍手
さて、いさいは新聞、テレビ等で御承知かと思いますので、簡潔に事故の概要を参考に申し上げますならば、去る六月二十八日台風第四号によって、同地方に集中豪雨があり、かんがい面積約七十ヘクタール、関係戸数約百六十戸を持つ新木野俣用水路の第四トンネル内の上流に土砂くずれがあり、流水がはばまれたのが事故のきっかけであります。この地方においては、田のかんがいはもちろん、日常生活に欠くことのできない用水路だけに、一日もこれを放置することはできません。そこで、農業災害復旧工事として谷黒組に請負を依頼し、土地改良区が人夫をあっせんして、隧道内の土砂の取り出しを行なっていたところ、たまたま照明用に持ち込んだ三百ワットのポータブル発電機からの排気ガスによって、にわかにトンネル内で作業中の部落民がばたばたと倒れ、数時間を出ずして二十五名が死亡、重軽症三十四名という中毒患者を出したのが、この事故の概要であります。復旧事業費三十三万円の事業としては、大きく痛々しい事故であって、天災ではなく、まさに人災であるといって過言ではありません。
この事故は、直接の関係面積こそ小さいかもしれないけれども、二部落のほとんどが全滅するというほど悲惨なものであります。農業近代化への過程において、農業災害について多くの問題点を提起した事件であります。
しかるに、関係省は数省にまたがり、それぞれ自分のなわ張りを守るために、総合した積極的な対策がとりにくいというところに、いろいろなむずかしさをまざまざと見せつけられているのであります。たとえば、遺族に対する補償の問題一つを取り上げましても、労災法の厳格な解釈をたてにとって、出し渋ろうとする動きもないとは申せません。まことに遺憾にたえない次第であります。
栃木県においては、事故発生後直ちに百万円の見舞い金を贈り、また、一日も早く部落民に水を与えるために、法令にとらわれることなく、五百四十万円の全金額を県費支出をして、仮の水路をつくって速急に水を流したのであります。なおまた、日赤、新聞社等にお願いをして募金を行ない、悲惨な遺族への慰めのために迅速な手を打っておるのであります。
また、ありがたいことには、ニュースを聞かれました天皇、皇后両陛下におかれましては、あの辺の地勢、民情等をよく知っておられますだけに、はなはだふびんにおぼしめされ、さっそく御遺族に対し金一封の御下賜金を下さいまして、部落民をいたく感激させたのも周知のとおりでございます。人間尊重を看板とする佐藤総理大臣におかれては、そしてまた、天皇陛下に対してみずから忠良なる臣をもって任ずる佐藤総理大臣におかれては、すみやかに温情ある法の解釈をもって遺族補償の万全を期されることと信じますが、その御決意のほどを承りたいのでございます。
あわせて要望しておきたいことは、ことに各省間において責任のなすり合いのために、政治の成果があがらないというようなことの絶対にないよう、総理の強い指揮と、これこそ裁断を仰ぎたいのであります。
なお、農業の機械化が進み、一方、劇物的農薬散布が広く行なわれている現在、農村における近代化に伴った思いがけない、大きな災害が偶発するおそれが多くなっておる今日、農業労働者災害について抜本的施策を講じ、災害の予防と救済の徹底をはかるべきだと思いますが、総理の誠意ある御答弁を承りたいものでございます。
次に、農林大臣にお伺いします。
この工事は、木野俣用土地改良区が災害復旧工事といたしまして、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律、つまりいわゆる災害暫定法に基づいて、約三十三万円の事業費をもって国庫補助の申請を行なっていたものであります。暫定法によれば、緊急を要する場合は、国や県の指示がなくとも、仮工事は自主的にも行なうことができることになっておるのであります。しかるに、この工事の場合は、事故発生以前において、県と組合役員と請負業者とが現地に立ち会って、適切なそれぞれの指示を受けて行なったものであって、暫定法によっても何らの支障なく着手された適法な工事であると思います。農林大臣の御所見を承りたいと存じます。
労災法の適用をめぐって、巷間、部落民と施行業者との間に契約書の交換が行なわれていないとのけちをつける者もございますが、災害復旧の応急工事というものは、そもそも緊急を要する場合であるのであって、後日それらのものについては精算をすることで、取り急ぎ最小限度の工事を着工するというのが全国的な慣例でございます。農林大臣はどういうお考えでありますか、御所見を承りたいのであります。
なお、国庫補助申請の対象となる災害復旧工事は、農林省は請負工事で行なうことを全国に指導いたしておりますし、現に一〇〇%程度のものは、災害復旧工事は請負工事で実施されておるのであります。しかもその実態は、おおむね緊急に仮工事をする場合は、着工したりいろいろなことをやります。賃金の支払い等においても、あとで精算をするというケースが多いのであります。
次に、国営採択の那須野ヶ原開拓パイロット事業地内には、明治以来の老朽水路、いま申しましたような新旧木野俣のような老朽水路がたくさんございます。しかしながら、水のないところでありますから、水路をとめて、その水路の改修をするということは非常に困難でありますために、長期間にわたって明治以来大改修が行なわれていないというのが現況であります。したがって、非常に危険な状態に現在あるところがたくさんあり、このような事故が続発するおそれがございますので、現に国において国営事業として採択をし、実施設計中のこの開拓パイロット事業をすみやかに繰り上げて実施をしてもらいたいということが、この事件をきっかけとしてほうはいとしてその地区において起きておることを御了承いただきたいのであります。また、そうすべきことが犠牲者へのせめてものはなむけであると思うのでありますが、農林大臣はいかがでございますか、その点御所見を承りたいのであります。
続いて、小平労働大臣にお尋ねをいたしたいと存じます。
小平労働大臣は、事故発生後現地にも見舞いに行かれました。各戸にも花輪をお届けくだされ、また、金十万円なりの弔慰金も御拠出くださいました。まことにありがたく、感激おくあたわざるところでございます。ところが、労働省といたしましては、かかる事故の発生に対しまして、つまり新型発電機のトンネル内持ち込みというようなことに対しまして、いかなる災害予防の措置をとってこられましたのか、また、事故発生後いかなる救護活動を行なってこられましたのか、御説明をいただきたいと存ずるのであります。
第二点は、労災保険の適用についてお尋ねを申し上げます。
この復旧工事は谷黒紀の請負工事であり、谷黒組指導のもとに応急工事を行なったわけでありますが、谷黒組職員の現場監督ら四名については労災法が明らかに適用せられて、その遺族に対しては相当額の年金もおりる、あるいはまた一時金がおりる、療養者に対しましては医療給付と失業期間中の休業補償の手当も出る、こういうことは確実であります。ところが、一緒に働いておった残りの約五十五、六名の者に対しましては、一体どうでありましょうか。同じ坑内における労働をしておりながら、部落民の遺族や入院患者に対しては、労災金の支給がいまだに困難であるかのごとき印象を世間に与えておる。そうでなくてさえ、妻を失い、夫と死刑をし、働き手の一人むすこをなくした遺族は、まさに仕事も手につかず、ぼう然自失をしておる現在、ただ一つの光明として思っておった遺族年金の望みがなくなったなら、一体どうなりましょうか。半狂乱どころか、中には自殺をする者も出てきかねない悲惨な状態であるということを御承知おき願いたいのであります。大会社や、常に労働法の保護のもとにある炭鉱労働者などよりは、むしろはるかにみじめな状態にあるということを知ってもらいたいのであります。
今回は全体工事の一部分である応急工事の着工にあたりまして、部落民と谷黒組との間に文書による雇用契約が取りかわされていなかったかもしれないけれども、谷黒組長の供述からしても、組合書記の供述からしても、また、口頭により工事の全体について請負契約をしたことは明らかであります。さらにまた、事故発生の以前において、谷黒組は大田原労働基準監督署に対して労災保険の届け出もしていることも、これまた疑いのないところであります。個々の部落民に直接谷黒組が賃金を支払う契約書を取りかわしたかどうかというような小さなことを一々取り上げてまいりますと、それは手続上若干の不備がある点はあるかもしれません。しかし、もし日雇い労働として作業に従事した部落民には年金がおりない、正規のその現場監督には、しかもあやまちを起こしたほうは年金ぶおりる、そうしたらば一体この犠牲者たちは何をもって救ってあげたらばよいのでありましょうか。そういうようなことで政治がありましょうか。災害復旧工事中の仮応急工事というようなものは、農林災害暫定法でも認めておるように、とりあえず必要の最小限度の工事をして、あとで正式な設計をしたり賃金の精算をしたりするのが、全国至るところすべてであります。決して過言ではありません。この際は、単なる末梢的な法律の解釈でお茶を濁すようなことは断じて許されません。高度の政治的判断によって、労災保険の適用によって、人間尊重の政治の実をあげられるように強く要望し、重ねて労働大臣の所信を承りたいのであります。
以上申し上げまして、私の質問を終わります。拍手
〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
佐
佐藤榮作#21
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 木野俣用水の工事に際しまして、多数の犠牲者を出した、私もほんとに残念なことをしたと思います。遺族に対し、また、なくなられた方々に対し、衷心より哀悼の意を表する次第であります。拍手
事故が起こらないことをとにかく願った私どもといたしましても、かような現実に事故が発生すれば、これの対策に万全を期する、当時応急の処置がそれぞれとられた、また、最近は落ちついてまいりましたので、今後どうしたらいいか、遺族の援護等についてもくふうし、できるだけのことは私ども考えていくつもりでございます。また、この種の事故を再び起こさないようにするためには、これは何と申しましても科学技術の成果を今後の工事の上に取り入れていく、そうして工事の監督や指導にあたりましては、十二分に近代的な科学技術の成果を実らすように注意していかなければならぬと思います。そういうことによりましても、ある程度その事故を避け得る、かように私は考えるのでございます。
先ほど来いろいろのお話が出ておりましたけれども、今回の農民の方々のその生活の実態等から考えましても、私はほんとにお気の毒であり、また、どうしても何とかして救わなければならない、こういう感が一そう強いのであります。そこで、先ほど来お話のありましたように、形式的審査にとらわれることなく、実質的に十分その実情を調査して、そうしてこれに対応するような策をとりまして、幾分かでもこれらの気の毒な方々に報いることができればたいへんりっぱなことではないか、かように思うのでございます。さような意味において注意してまいります。拍手
また、各省岡の連絡が十二分にとられなければならないこと、これは御指摘のとおりであります。そういう意味におきまして、私自身が行政府の長でございますので、各省間の連携等につきまして万遺憾なきを期してまいるように考えております。拍手
〔国務大臣小平久雄君登壇〕
この発言だけを見る →事故が起こらないことをとにかく願った私どもといたしましても、かような現実に事故が発生すれば、これの対策に万全を期する、当時応急の処置がそれぞれとられた、また、最近は落ちついてまいりましたので、今後どうしたらいいか、遺族の援護等についてもくふうし、できるだけのことは私ども考えていくつもりでございます。また、この種の事故を再び起こさないようにするためには、これは何と申しましても科学技術の成果を今後の工事の上に取り入れていく、そうして工事の監督や指導にあたりましては、十二分に近代的な科学技術の成果を実らすように注意していかなければならぬと思います。そういうことによりましても、ある程度その事故を避け得る、かように私は考えるのでございます。
先ほど来いろいろのお話が出ておりましたけれども、今回の農民の方々のその生活の実態等から考えましても、私はほんとにお気の毒であり、また、どうしても何とかして救わなければならない、こういう感が一そう強いのであります。そこで、先ほど来お話のありましたように、形式的審査にとらわれることなく、実質的に十分その実情を調査して、そうしてこれに対応するような策をとりまして、幾分かでもこれらの気の毒な方々に報いることができればたいへんりっぱなことではないか、かように思うのでございます。さような意味において注意してまいります。拍手
また、各省岡の連絡が十二分にとられなければならないこと、これは御指摘のとおりであります。そういう意味におきまして、私自身が行政府の長でございますので、各省間の連携等につきまして万遺憾なきを期してまいるように考えております。拍手
〔国務大臣小平久雄君登壇〕
小
小平久雄#22
○国務大臣(小平久雄君) 第一点は、今回のような、ガソリンエンジンの持ち込みというようなことに対して、労働省はどう指導したかということでございますが、労働省としましては、この種の災害を防止いたしますために、ふだんから指導監督をいたしておりまして、今回のこの事故の直前、つまり二月には、あそこの監督の大田原監督署におきまして、この種の災害防止のための講習会をやりまして、現にあの事故の現場監督でありました者も、この講習会に実は出席し、聴講をいたしておったのであります。したがいまして、この種の事故についての知識というものは当然あったものと、まず常識的に私どもは判断できると思うのであります。今後におきましてももちろん十分これは注意をいたしてまいる所存でございます。
それから、第二点は医療の点でございますが、これにつきましては、今回の事故の発生を耳にいたしまするや、労働省といたしましては、直ちに福島、関東、その他の関係の労災病院から専門医を派遣いたしましたし、さらに九州の労災病院からは、これは、航空自衛隊の協力を得まして、いわゆる鉄の肺、これを専門医あるいはオペレーター、看護婦などとともに急送をいたしまして、治療に当たったわけでありまして、その点は、渡辺君も、おそらく現地でごらんになられたと思いますので、その間の事情をよく御承知いただけると思うのでございます。
それから、労災法の適用の問題でございますが、この点につきましては、お話しのうちに、何か労災保険で補償することを渋っておるかのようなこともございましたが、私どもは、決してそんな考えは持っておりません。私どもも、もちろん、この気の毒な罹災者に対しましては、できるだけのことをぜひしてやりたい、むしろこういう立場で、私どもは、いま諸般の事情を検討いたしておるのでございます。しこうして、もちろん、この谷黒組につきましては、これは労災保険の加入者でありまするから、これの従業員につきましては、何ら問題がないのであります。にもかかわらず、一般の農民には、これが適用がまだきまらぬというのは、私どもとしても、非常に残念に思いますが、しかし、御承知のとおり、労災保険を適用するというためには、どうしても労働関係というものがなければならないのでありまして、その間、今回のような協力のしかたというものが、はたして労働関係ありと認め得るかどうか、これは、どうも法律のたてまえでございますから、私どもとしては、一応慎重にやはり検討せざるを得ないのでございます。確かに、谷黒組から、今回の作業をやるにあたりまして、ちょうど作業開始当日である去る八日の日に届けがあったことは事実でございます。しかしながら、その届けなるものは、実は直接労災保険を適用するかしないかがそれによって左右される、決定されるという筋合いのものでもございませんし、ましてや届けには、実は作業人員あるいは労賃といったようなことも一切記入のしてない、はなはだ不完全な届けであったわけでございます。それだからといって、何も適用しないというのではございませんが、いずれにいたしましても、今回の事件におきましては、遺憾ながら労働関係というものがどうも不明確なのであります。私どもの調査も近く完了いたすと思いますので、最終的に労災保険を適用できるかどうか、かりに万々一できない場合にはどうするかということにつきましては、先ほど総理からも御答弁のあったところでございますから、私どもといたしましてもできるだけのことを、何らかの方法によってぜひやりたい、こういう考えでいま臨んでおるわけでございます。どうぞ御了承いただきたいと思います。拍手
〔国務大臣坂田英一君登壇〕
この発言だけを見る →それから、第二点は医療の点でございますが、これにつきましては、今回の事故の発生を耳にいたしまするや、労働省といたしましては、直ちに福島、関東、その他の関係の労災病院から専門医を派遣いたしましたし、さらに九州の労災病院からは、これは、航空自衛隊の協力を得まして、いわゆる鉄の肺、これを専門医あるいはオペレーター、看護婦などとともに急送をいたしまして、治療に当たったわけでありまして、その点は、渡辺君も、おそらく現地でごらんになられたと思いますので、その間の事情をよく御承知いただけると思うのでございます。
それから、労災法の適用の問題でございますが、この点につきましては、お話しのうちに、何か労災保険で補償することを渋っておるかのようなこともございましたが、私どもは、決してそんな考えは持っておりません。私どもも、もちろん、この気の毒な罹災者に対しましては、できるだけのことをぜひしてやりたい、むしろこういう立場で、私どもは、いま諸般の事情を検討いたしておるのでございます。しこうして、もちろん、この谷黒組につきましては、これは労災保険の加入者でありまするから、これの従業員につきましては、何ら問題がないのであります。にもかかわらず、一般の農民には、これが適用がまだきまらぬというのは、私どもとしても、非常に残念に思いますが、しかし、御承知のとおり、労災保険を適用するというためには、どうしても労働関係というものがなければならないのでありまして、その間、今回のような協力のしかたというものが、はたして労働関係ありと認め得るかどうか、これは、どうも法律のたてまえでございますから、私どもとしては、一応慎重にやはり検討せざるを得ないのでございます。確かに、谷黒組から、今回の作業をやるにあたりまして、ちょうど作業開始当日である去る八日の日に届けがあったことは事実でございます。しかしながら、その届けなるものは、実は直接労災保険を適用するかしないかがそれによって左右される、決定されるという筋合いのものでもございませんし、ましてや届けには、実は作業人員あるいは労賃といったようなことも一切記入のしてない、はなはだ不完全な届けであったわけでございます。それだからといって、何も適用しないというのではございませんが、いずれにいたしましても、今回の事件におきましては、遺憾ながら労働関係というものがどうも不明確なのであります。私どもの調査も近く完了いたすと思いますので、最終的に労災保険を適用できるかどうか、かりに万々一できない場合にはどうするかということにつきましては、先ほど総理からも御答弁のあったところでございますから、私どもといたしましてもできるだけのことを、何らかの方法によってぜひやりたい、こういう考えでいま臨んでおるわけでございます。どうぞ御了承いただきたいと思います。拍手
〔国務大臣坂田英一君登壇〕
坂
坂田英一#23
○国務大臣(坂田英一君) 黒磯町の用水トンネルの件につきましては、ほんとうに沈痛に存じます。哀悼の意をささげたいと存じます。その当時、私、所用がありまして、農地局長を私の代理といたしまして、労働大臣とともどもにお伺いをいたさせたのでございます。ほんとうに私自身も参りたいとは存じましたのでございますが、所用のため、たいへん失礼いたしておるわけでございます。
災害発生の場合において、農林省は都道府県の提出する災害復旧事業計画概要書に基づきまして査定を行なうので、人員の応援その他査定を早急に行なうように努力はいたしておるのでありますが、なお、災害復旧工事の性格から、地元関係者が自主的に実施する応急仮工事を認め、その工事が適正であれば、国庫補助の対象といたしますることはもちろんでございます。また、応急仮工事でなくとも、復旧本工事で、やむを得ない理由により、査定前に緊急に着工する必要のある場合は、県が農政局と協議を行ない、査定前に実施して差しつかえない指貫を講ずる等、万全の措置を講じておるわけでございます。
今回のこの用水トンネルの復旧工事も、特に緊急を要するので、以上の取り扱いに従い、応急工事を実施していたところのもので、そのことに関連して惨事となったものであります。したがって、応急工事はこれを公正に認めておるわけでございます。
今回の事故の被害者に対する労災補償の問題は、これとまた別の関係にあるわけでございまして、請負関係、労働関係等については、労働基準監督署等において、目下詳細に調査中でありますることは、先ほど労働大臣からお話のあったとおりでございまして、私も労働大臣と十分相談をいたしたいし、また、その点については話をいたしておる次第でございます。もちろんこれらの悲惨な被害者に対して、でき得る限り十分のことが行なわれますることを、心から念じておることは言うまでもございません。
次に、那須野ヶ原国営総合開発パイロットの事業でございますが、これが昭和四十一年度に新規全体設計として採択されて、現在、ダム、取り入れ施設、川水路等、関係事業の設計を急いでおることは、御承知のとおりでございます。これは電気事業のほかに、主としてその大部分が農業用水の関係でありますることは言うまでもございません。九十億のうちで八十億が農業用水の関係に相なっておることは言うまでもございません。これらの工事につきましては、従来は相当やはり時間がかかるわけでございまするけれども、これらの問題については、目下、急速に実行できますよう最善の努力を払いたい、かように存じておる次第でございます。拍手
—————————————
栃木県黒磯町のガス中毒惨事に関する緊急質
問(戸叶里子君提出)
この発言だけを見る →災害発生の場合において、農林省は都道府県の提出する災害復旧事業計画概要書に基づきまして査定を行なうので、人員の応援その他査定を早急に行なうように努力はいたしておるのでありますが、なお、災害復旧工事の性格から、地元関係者が自主的に実施する応急仮工事を認め、その工事が適正であれば、国庫補助の対象といたしますることはもちろんでございます。また、応急仮工事でなくとも、復旧本工事で、やむを得ない理由により、査定前に緊急に着工する必要のある場合は、県が農政局と協議を行ない、査定前に実施して差しつかえない指貫を講ずる等、万全の措置を講じておるわけでございます。
今回のこの用水トンネルの復旧工事も、特に緊急を要するので、以上の取り扱いに従い、応急工事を実施していたところのもので、そのことに関連して惨事となったものであります。したがって、応急工事はこれを公正に認めておるわけでございます。
今回の事故の被害者に対する労災補償の問題は、これとまた別の関係にあるわけでございまして、請負関係、労働関係等については、労働基準監督署等において、目下詳細に調査中でありますることは、先ほど労働大臣からお話のあったとおりでございまして、私も労働大臣と十分相談をいたしたいし、また、その点については話をいたしておる次第でございます。もちろんこれらの悲惨な被害者に対して、でき得る限り十分のことが行なわれますることを、心から念じておることは言うまでもございません。
次に、那須野ヶ原国営総合開発パイロットの事業でございますが、これが昭和四十一年度に新規全体設計として採択されて、現在、ダム、取り入れ施設、川水路等、関係事業の設計を急いでおることは、御承知のとおりでございます。これは電気事業のほかに、主としてその大部分が農業用水の関係でありますることは言うまでもございません。九十億のうちで八十億が農業用水の関係に相なっておることは言うまでもございません。これらの工事につきましては、従来は相当やはり時間がかかるわけでございまするけれども、これらの問題については、目下、急速に実行できますよう最善の努力を払いたい、かように存じておる次第でございます。拍手
—————————————
栃木県黒磯町のガス中毒惨事に関する緊急質
問(戸叶里子君提出)
山
山口喜久一郎#24
○議長(山口喜久一郎君) 次に、戸叶里子君提出、栃木県黒磯町のガス中毒惨事に関する緊急質問を許可いたします。戸叶里子君。
〔議長退席、副議長着席〕
〔戸叶里子君登壇〕
この発言だけを見る →〔議長退席、副議長着席〕
〔戸叶里子君登壇〕
戸
戸叶里子#25
○戸叶里子君 私は、日本社会党を代表し、去る七月八日、栃木県那須郡黒磯町百村新木野俣用水第二隧道内で起きた悲しむべき災難に対して、佐藤総理並びに関係閣僚に緊急質問を試みんとするものであります。
すでに御承知のように、この事件は、先ごろの台風四号の雨のためくずれ落ちた土砂を取り除く作業をしていた部落民六十名中二十五名が死亡した事件であります。この事件は、実は高さ一・五メートル、幅一・二メートルという狭い、低い、人間がやっと立っていられるかどうかという隧道の中で起きた事件であります。この入り口に立った者はだれでも、この中に人間はおろか、犬やネコでも入るのをきらうと思うほどまっ暗で、一寸先は見えず、また、冷たい水は、長ゴムぐつを通して冷え冷えと感じるというところでございます。この中に、あかりをとるためにカーバイド灯と三百ワットのガソリンエンジンを持ち込んだからたまりません。排気ガス中の一酸化炭素によって、入坑者の中でもそのエンジンの位置に近い人がばたばたと倒れたのであります。したがって、一番奥に入っていた人たちは助かり、その人たちは息が苦しくなったので、しゃがんで指令を待っていたが、指令のかわりに何か音がしたので入り口のはうへ飛び出してくると、たくさんの人が重なり合って倒れていたので、起こしたり、おぶったりして夢中で出てきたと言っております。
このエンジンをトンネルの外に置き、電線を引いて、中の照明になぜしなかったのでしょうか。聞くところによると、このコードの長さは百八十メートルであり、あと四百メートルを、手配中であったそうです。だれが四百メートルのコードをとりに行かなかったとか、だれに頼んだとか、人を責める前に考えなければならないことは、人間尊重の考え方がまだまだ徹底しないことであります。拍手人間を第一に考えるならば、人が隧道に入る前にどんな無理をしてもコードはそろえておかなければならなかったのです。そして、エンジンをトンネルの外に置き、電線を引いてトンネル内の照明にしたなら絶対に防げた災害でした。
佐藤総理、どうぞ、もっと人間尊重の精神を末端まで植えつけてください。政治の最高責任者として、特にこの点をどうお答えになるのか、はっきりしていただきたいのであります。拍手
いまから三年前、三十八年の大雨でも、この隧道より五、六十メートル上流で落盤をした当時、修理をしたことがありますが、そのついでになぜ下流のこの隧道も修理をしなかったのかと残念でたまりません。私のこのことばを聞いて、農民の一人は、災害でも起きなければ県や国で金を出してくれません。高原のはずれの部落では血の通った行政など期待しているわけにはいかなかったのです。国とか県とか、そんなものを当てにしていたらいつになってめどがつくのかわからぬという気持ちにいつもさせられてきたのですと、半ばあきらめたような恨めしそうな顔でつぶやいていました。私の胸には、そのことばは突き刺さるような気がしました。農林大臣は、こういう農民の声をどうお感じになるのでしょうか。
どんな災害のあとにも言えることですが、その場を何とかつくろうという考え方と、原形復旧にのみとらわれていて、こまかい注意なりあとあとのことを考えてのあたたかい思いやりが少しも見られないことは残念であり、そのことが、防げる災害も防げなくしているのでありますから、この際、原形復旧という考え方を変える必要があるのではないかと思いますが、農林大臣はいかにお考えになりますでしょうか。拍手
しかも、この事件以来さっそく田の水に困ったため、ブルドーザーを動かして、たった四日間で七百三十メートルの新用水路ができたのです。やればできるのです。なぜ、このことが二十五人のとうとい犠牲者を出さなければできないのでしょうか。災害を未然に防ぐ防災の政治こそ必要であります。この際、政治の姿勢という根本問題について、佐藤総理のお考えを明らかにしていただきたいのであります。拍手
この地域は、実は、先ほどもお話がありましたように、国営那須野ヶ原総合土地改良地区に指定されており、四十三年度から着工の予定になっている地域であります。今日の事故のあとでもあり、また、随所に危険な個所があるところでありますので、この計画を早めて、一日も早く着工すべきであると思いますが、農林大臣の御所信を承りたいと思います。先ほどの御答弁では、急速に着工するよう努力をいたしますとおっしゃいましたけれども、大体どの程度早められるかの見通しをはっきり承りたいのございます。拍手
また、その内容の問題でありますが、聞くところによると深山ダムに力を入れて、計画上は新木野俣川の土地改良は粗末なものらしいとうわさされていますが、せっかくの総合土地改良の計画でもあり、防災の意味からも十分お考えになって悔いのないものにすべきでありますが、この点どうお考えになっていらっしゃるか、あわせて承りたいのでございます。
さらに、農業用水利の維持、改善については、国が責任をもって常時点検すべきであると考えるものでありますが、農林大臣はどうお考えになるでしょうか。
次に、遺族の補償についてお尋ねをいたします。
労働大臣は、現地記者会見の際、昨年十一月から労災保険法が改正され、農民も任意加入で動力機械による農耕作業の事故については適用されることになったが、この事故を契機として、土地改良関係の事故についても農林省と協議して検討したいと発言されております。これは大切なことです。なぜならば、今回のように一度に多数の犠牲者は出していませんが、一年にあちこち六十名近くの土地改良関係で犠牲者を出していることが伝えられているからであります。さらに、今日の日本農業は、その生産性を向上するためにも、ますます機械化が急速に進展し、同時に農薬の使用も多くなることが予想されるのでありますが、それに伴って事故も当然増大することとなります。したがって、農民に対する労働災害保険法の全面適用が緊急に具体化されなければならない段階にきております。土地改良への労災法の適用も含めて、労働、農林両省はどのような検討を加えておられるか、明確に両大臣の御答弁を承りたいのであります。拍手
さらに、現実的な問題といたしまして承りたいのは、今回の事故に対する労働災害保険の適用の問題であります。
若干の事実経過を申し上げますならば、事故の発生した二日前、つまり七月六日の土地改良区の理事会において、労働力の提供について、一議員が、労災はどうなっているのかと聞いたところ、書記がいわく、今回の仕事を請け負った谷黒組で手続をしているので、心配ないと言いましたと報告しております。しかも、頭上からの土砂くずれを心配して、谷黒組は保安帽を買ってあるから、だいじょうぶだと強調したことまで、つけ加えて報告されております。その際、この書記が役場の職員の兼務であったために、契約書がどのように処理されていたかまで調査できなかったことは、無理からぬことと理解できるのであります。しかも、理事会は、補助金の関係で、土地改良事務所へ一時までに報告をしなければならないために、大急ぎで会議を終了したのであります。
以上の経過から見ますと、土地改良区と谷黒組との間には請負契約があり、そのうちの一部労働力については、契約書の問題はともかくとして、事実上の労働契約があったことは明らかであります。すなわち、この工事は村民が総出動して道路の清掃作業をするようなケースと異なり、村民の労働力の提供は、谷黒組との請負契約の内容として、労働賃金が組み込まれていたことは明らかでありますので、そこには労働契約が存在したと断定しても決して過言ではないのであります。しかも、先ほどの経過にもありますように、労災適用の問題については、理事会において確認されているのでありますから、たとえ谷黒組の手続がおくれたとしても、また、手続上に不備の点があったとしても、これらの農民に対して、労災保険の適用をすみやかに措置されるよう望むものであります。労働大臣の賢明なる御答弁を承りたいのであります。
このことに関連してお伺いしたいのでありますが、今回の被災によって、入院、通院されている人たちの治療費の問題であります。申すまでもなく、一酸化炭素中毒による疾病は、すでに三池炭鉱の例に見られるように、中枢神経系統の障害であり、それは全身障害となる可能性が多いのであります。したがいまして、一酸化炭素の中毒患者に対しては、労災保険法ですら不十分であり、私たち社会党は、一酸化炭素中毒特別措置法案を国会に提出しているのであります。こうした観念からも、政府は、早急にこれらの治療者に対して労災保険法を適用し、かつ、新たなる立法措置を講ずることが必要と考えるのでありますが、労働大臣はいかなる御所見をお持ちになっているか、前向きの御答弁を伺いたいのであります。拍手 また、今回の事故の被害者には、多くの女性が含まれておりますが、労働基準法第六十四条において、女子の坑内労働への就業を禁止しているのであります。にもかかわらず、こうした坑内労働へなぜ女子が参加したかといえば、政府の農業政策の失敗、小農切り捨て政策、あるいは農産物価格の保障がないところから、所得格差を埋めるために、多くの男子の農民は、やむを得ず出かせぎに出ているからであります。しかし、農民にとってみれば、夫がいないからといって、たんぼの水を放置しておくわけにはいきません。そうしたせっぱ詰まった気持ちはわかるにしても、それ以上に人命が尊重されなければならないのであります。だからこそ、労働基準法が女子の坑内労働を禁止しているのであります。そうした意味においては、今回の事故に際しての労働行政上の責任は、きわめて重いといわざるを得ないのであります。拍手労働大臣は、今後どのように行政的措置を強化されるのか、御所見を承りたいのであります。
合同葬も終わり、落ちつくにつれて、村では、だれにもぶつけることができないもやもやしたものと、また、今回の事件のきびしさを、今日ひしひしと感じている空気がみなぎっております。表面は不気味な静けさがただよっていますが、遺族とそうでない家庭の間には、深刻なものが流れているのです。たとえば、庭にほうっておいた麦が腐りかかったので、これをこいて片づけたり、テレビを見たりするごくあたりまえのことが、あの家は事件に関係がないからいいなというような声になって、あちこちから自然に流れてきているのです。狭いところですし、その悲しみはとうてい言い尽くせないことですから、しかたがないとは思いますが、このままほうっておいては、また次の問題が起きてくるのではないかと、心配でたまりません。それというのも、働き手を失って、あすからの収入がとだえ、どうしたらよいのかととまどっている家庭が多いのです。夫を失った十七世帯の家庭の中には、老母と三人の子供をかかえて、さっそく子供の高校通学をやめさせなくてはならない家庭をはじめ、たくさん問題のある家庭ばかりでございます。働き手があっても、乳飲み子を含めて五人の子供を残して犠牲になった月井アサノさんの家では、この乳飲み子が夜ごとに母の乳ぶさを追って泣きやまず、六十四歳の祖母は疲れ果てている状態です。政治の貧困から生じた人災の結果、こんな悲惨な家庭をたくさん出したのですから、一日も早くこの方たちが立ち直るような方途、特に生活保障を考えてあげなくてはなりません。総理大臣のお考えを承りたいのでございます。拍手
近代国家と高度成長政策を誇る佐藤内閣の皆さん、農民と水という、最も初歩にして最も大切な、しかも単純なことが忘れられていたのです。三十三歳の小沼信夫さんという働き手を失ったおとうさんは、私の顔を見るなり、農村では一粒の米をつくるにも水が入用です、そして、その水のためには、私のうちのむすこのような犠牲者を出さなければならないのですと言って、すり切れた畳の上にぽろぽろと涙を流しておりました。
私たちは、みんなでこのことばをかみしめなくてはなりませんが、政治の責任の地位にある総理に、特にこの際、全国にある僻地、僻村、特に山間部の農村を点検し直し、愛情のある、血の通った政治を断行されんことを強く要望し、犠牲者になられた方々の御冥福を祈り、また、病気で休んでいらっしゃる方々の御全快を祈りつつ、私の質問を終える次第でございます。拍手
〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
この発言だけを見る →すでに御承知のように、この事件は、先ごろの台風四号の雨のためくずれ落ちた土砂を取り除く作業をしていた部落民六十名中二十五名が死亡した事件であります。この事件は、実は高さ一・五メートル、幅一・二メートルという狭い、低い、人間がやっと立っていられるかどうかという隧道の中で起きた事件であります。この入り口に立った者はだれでも、この中に人間はおろか、犬やネコでも入るのをきらうと思うほどまっ暗で、一寸先は見えず、また、冷たい水は、長ゴムぐつを通して冷え冷えと感じるというところでございます。この中に、あかりをとるためにカーバイド灯と三百ワットのガソリンエンジンを持ち込んだからたまりません。排気ガス中の一酸化炭素によって、入坑者の中でもそのエンジンの位置に近い人がばたばたと倒れたのであります。したがって、一番奥に入っていた人たちは助かり、その人たちは息が苦しくなったので、しゃがんで指令を待っていたが、指令のかわりに何か音がしたので入り口のはうへ飛び出してくると、たくさんの人が重なり合って倒れていたので、起こしたり、おぶったりして夢中で出てきたと言っております。
このエンジンをトンネルの外に置き、電線を引いて、中の照明になぜしなかったのでしょうか。聞くところによると、このコードの長さは百八十メートルであり、あと四百メートルを、手配中であったそうです。だれが四百メートルのコードをとりに行かなかったとか、だれに頼んだとか、人を責める前に考えなければならないことは、人間尊重の考え方がまだまだ徹底しないことであります。拍手人間を第一に考えるならば、人が隧道に入る前にどんな無理をしてもコードはそろえておかなければならなかったのです。そして、エンジンをトンネルの外に置き、電線を引いてトンネル内の照明にしたなら絶対に防げた災害でした。
佐藤総理、どうぞ、もっと人間尊重の精神を末端まで植えつけてください。政治の最高責任者として、特にこの点をどうお答えになるのか、はっきりしていただきたいのであります。拍手
いまから三年前、三十八年の大雨でも、この隧道より五、六十メートル上流で落盤をした当時、修理をしたことがありますが、そのついでになぜ下流のこの隧道も修理をしなかったのかと残念でたまりません。私のこのことばを聞いて、農民の一人は、災害でも起きなければ県や国で金を出してくれません。高原のはずれの部落では血の通った行政など期待しているわけにはいかなかったのです。国とか県とか、そんなものを当てにしていたらいつになってめどがつくのかわからぬという気持ちにいつもさせられてきたのですと、半ばあきらめたような恨めしそうな顔でつぶやいていました。私の胸には、そのことばは突き刺さるような気がしました。農林大臣は、こういう農民の声をどうお感じになるのでしょうか。
どんな災害のあとにも言えることですが、その場を何とかつくろうという考え方と、原形復旧にのみとらわれていて、こまかい注意なりあとあとのことを考えてのあたたかい思いやりが少しも見られないことは残念であり、そのことが、防げる災害も防げなくしているのでありますから、この際、原形復旧という考え方を変える必要があるのではないかと思いますが、農林大臣はいかにお考えになりますでしょうか。拍手
しかも、この事件以来さっそく田の水に困ったため、ブルドーザーを動かして、たった四日間で七百三十メートルの新用水路ができたのです。やればできるのです。なぜ、このことが二十五人のとうとい犠牲者を出さなければできないのでしょうか。災害を未然に防ぐ防災の政治こそ必要であります。この際、政治の姿勢という根本問題について、佐藤総理のお考えを明らかにしていただきたいのであります。拍手
この地域は、実は、先ほどもお話がありましたように、国営那須野ヶ原総合土地改良地区に指定されており、四十三年度から着工の予定になっている地域であります。今日の事故のあとでもあり、また、随所に危険な個所があるところでありますので、この計画を早めて、一日も早く着工すべきであると思いますが、農林大臣の御所信を承りたいと思います。先ほどの御答弁では、急速に着工するよう努力をいたしますとおっしゃいましたけれども、大体どの程度早められるかの見通しをはっきり承りたいのございます。拍手
また、その内容の問題でありますが、聞くところによると深山ダムに力を入れて、計画上は新木野俣川の土地改良は粗末なものらしいとうわさされていますが、せっかくの総合土地改良の計画でもあり、防災の意味からも十分お考えになって悔いのないものにすべきでありますが、この点どうお考えになっていらっしゃるか、あわせて承りたいのでございます。
さらに、農業用水利の維持、改善については、国が責任をもって常時点検すべきであると考えるものでありますが、農林大臣はどうお考えになるでしょうか。
次に、遺族の補償についてお尋ねをいたします。
労働大臣は、現地記者会見の際、昨年十一月から労災保険法が改正され、農民も任意加入で動力機械による農耕作業の事故については適用されることになったが、この事故を契機として、土地改良関係の事故についても農林省と協議して検討したいと発言されております。これは大切なことです。なぜならば、今回のように一度に多数の犠牲者は出していませんが、一年にあちこち六十名近くの土地改良関係で犠牲者を出していることが伝えられているからであります。さらに、今日の日本農業は、その生産性を向上するためにも、ますます機械化が急速に進展し、同時に農薬の使用も多くなることが予想されるのでありますが、それに伴って事故も当然増大することとなります。したがって、農民に対する労働災害保険法の全面適用が緊急に具体化されなければならない段階にきております。土地改良への労災法の適用も含めて、労働、農林両省はどのような検討を加えておられるか、明確に両大臣の御答弁を承りたいのであります。拍手
さらに、現実的な問題といたしまして承りたいのは、今回の事故に対する労働災害保険の適用の問題であります。
若干の事実経過を申し上げますならば、事故の発生した二日前、つまり七月六日の土地改良区の理事会において、労働力の提供について、一議員が、労災はどうなっているのかと聞いたところ、書記がいわく、今回の仕事を請け負った谷黒組で手続をしているので、心配ないと言いましたと報告しております。しかも、頭上からの土砂くずれを心配して、谷黒組は保安帽を買ってあるから、だいじょうぶだと強調したことまで、つけ加えて報告されております。その際、この書記が役場の職員の兼務であったために、契約書がどのように処理されていたかまで調査できなかったことは、無理からぬことと理解できるのであります。しかも、理事会は、補助金の関係で、土地改良事務所へ一時までに報告をしなければならないために、大急ぎで会議を終了したのであります。
以上の経過から見ますと、土地改良区と谷黒組との間には請負契約があり、そのうちの一部労働力については、契約書の問題はともかくとして、事実上の労働契約があったことは明らかであります。すなわち、この工事は村民が総出動して道路の清掃作業をするようなケースと異なり、村民の労働力の提供は、谷黒組との請負契約の内容として、労働賃金が組み込まれていたことは明らかでありますので、そこには労働契約が存在したと断定しても決して過言ではないのであります。しかも、先ほどの経過にもありますように、労災適用の問題については、理事会において確認されているのでありますから、たとえ谷黒組の手続がおくれたとしても、また、手続上に不備の点があったとしても、これらの農民に対して、労災保険の適用をすみやかに措置されるよう望むものであります。労働大臣の賢明なる御答弁を承りたいのであります。
このことに関連してお伺いしたいのでありますが、今回の被災によって、入院、通院されている人たちの治療費の問題であります。申すまでもなく、一酸化炭素中毒による疾病は、すでに三池炭鉱の例に見られるように、中枢神経系統の障害であり、それは全身障害となる可能性が多いのであります。したがいまして、一酸化炭素の中毒患者に対しては、労災保険法ですら不十分であり、私たち社会党は、一酸化炭素中毒特別措置法案を国会に提出しているのであります。こうした観念からも、政府は、早急にこれらの治療者に対して労災保険法を適用し、かつ、新たなる立法措置を講ずることが必要と考えるのでありますが、労働大臣はいかなる御所見をお持ちになっているか、前向きの御答弁を伺いたいのであります。拍手 また、今回の事故の被害者には、多くの女性が含まれておりますが、労働基準法第六十四条において、女子の坑内労働への就業を禁止しているのであります。にもかかわらず、こうした坑内労働へなぜ女子が参加したかといえば、政府の農業政策の失敗、小農切り捨て政策、あるいは農産物価格の保障がないところから、所得格差を埋めるために、多くの男子の農民は、やむを得ず出かせぎに出ているからであります。しかし、農民にとってみれば、夫がいないからといって、たんぼの水を放置しておくわけにはいきません。そうしたせっぱ詰まった気持ちはわかるにしても、それ以上に人命が尊重されなければならないのであります。だからこそ、労働基準法が女子の坑内労働を禁止しているのであります。そうした意味においては、今回の事故に際しての労働行政上の責任は、きわめて重いといわざるを得ないのであります。拍手労働大臣は、今後どのように行政的措置を強化されるのか、御所見を承りたいのであります。
合同葬も終わり、落ちつくにつれて、村では、だれにもぶつけることができないもやもやしたものと、また、今回の事件のきびしさを、今日ひしひしと感じている空気がみなぎっております。表面は不気味な静けさがただよっていますが、遺族とそうでない家庭の間には、深刻なものが流れているのです。たとえば、庭にほうっておいた麦が腐りかかったので、これをこいて片づけたり、テレビを見たりするごくあたりまえのことが、あの家は事件に関係がないからいいなというような声になって、あちこちから自然に流れてきているのです。狭いところですし、その悲しみはとうてい言い尽くせないことですから、しかたがないとは思いますが、このままほうっておいては、また次の問題が起きてくるのではないかと、心配でたまりません。それというのも、働き手を失って、あすからの収入がとだえ、どうしたらよいのかととまどっている家庭が多いのです。夫を失った十七世帯の家庭の中には、老母と三人の子供をかかえて、さっそく子供の高校通学をやめさせなくてはならない家庭をはじめ、たくさん問題のある家庭ばかりでございます。働き手があっても、乳飲み子を含めて五人の子供を残して犠牲になった月井アサノさんの家では、この乳飲み子が夜ごとに母の乳ぶさを追って泣きやまず、六十四歳の祖母は疲れ果てている状態です。政治の貧困から生じた人災の結果、こんな悲惨な家庭をたくさん出したのですから、一日も早くこの方たちが立ち直るような方途、特に生活保障を考えてあげなくてはなりません。総理大臣のお考えを承りたいのでございます。拍手
近代国家と高度成長政策を誇る佐藤内閣の皆さん、農民と水という、最も初歩にして最も大切な、しかも単純なことが忘れられていたのです。三十三歳の小沼信夫さんという働き手を失ったおとうさんは、私の顔を見るなり、農村では一粒の米をつくるにも水が入用です、そして、その水のためには、私のうちのむすこのような犠牲者を出さなければならないのですと言って、すり切れた畳の上にぽろぽろと涙を流しておりました。
私たちは、みんなでこのことばをかみしめなくてはなりませんが、政治の責任の地位にある総理に、特にこの際、全国にある僻地、僻村、特に山間部の農村を点検し直し、愛情のある、血の通った政治を断行されんことを強く要望し、犠牲者になられた方々の御冥福を祈り、また、病気で休んでいらっしゃる方々の御全快を祈りつつ、私の質問を終える次第でございます。拍手
〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
佐
佐藤榮作#26
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。
私は、かねてから人間尊重ということを申しておりますし、その観点に立てば、申すまでもなく、人命が尊重されなければなりません。過ぐる七月八日の事故におきまして、多数のとうとい人命を失ったことは、まことに残念でございます。
ただいまその詳細についての御報告がございました。この話を聞くにつけましても、そこに幾つものくふうがあったらこの災害は起こらなくても済んだのではないか、こういうことが、ほんとうにひしひしと感ぜられるのであります。
今回の事故につきまして、ただいま非常に進んだ科学技術があるわけでございます。したがいまして、もしも工事の指導、監督に当たる方が、この進んだ科学技術の成果を取り入れるようにくふうをいたしましたならば、この種の災害は起こらなくて済んだ、かようなことが言えると思います。ことに、ブルドーザーを使えばわずか四日にして新用水路ができたじゃないか、こういうようなお話を聞くにつきましても、その感を一そう深めるのであります。
私がしばしば申します、また、今日の民主政治、そのもとにおきましては、何よりも血の通った政治ということが必要だと思います。ただいまのような具体的なお話を聞くにつけましても、国民と直結し、血の通った行政が行なわれ、そうして政治が行なわれるように一そう努力してまいるつもりでございます。
次に、今回の事故でなくなった方々並びにその補償につきまして、先ほども渡辺君に答えたのでありますが、戸叶君もまた、形式論にとらわれないで、実際の実情に即して、そうしてその補償その他について考えろ、こういう御注意でございます。私も、関係各省を督励いたしまして、そういうような扱い方をするつもりでございますので、御了承いただきます。
また、最後に、罹災者の遺家族の方々のまことに悲惨な家庭の実情等をるるお話しになりました。私はほんとうに気の毒な状態に置かれておる方々だと思います。ことに僻村、僻地、そういう地域におきましてまだ恵まれない方々が非常に多いのであります。こういう方々に対してあたたかい救いの手を差し伸べることこそ真の政治だと、かように私は思いますので、御注意もございましたが、これらの気の毒な罹災者の遺族の方々の援護につきましては、この上とも最善を尽くしてまいるつもりであります。拍手
〔国務大臣小平久雄君登壇〕
この発言だけを見る →私は、かねてから人間尊重ということを申しておりますし、その観点に立てば、申すまでもなく、人命が尊重されなければなりません。過ぐる七月八日の事故におきまして、多数のとうとい人命を失ったことは、まことに残念でございます。
ただいまその詳細についての御報告がございました。この話を聞くにつけましても、そこに幾つものくふうがあったらこの災害は起こらなくても済んだのではないか、こういうことが、ほんとうにひしひしと感ぜられるのであります。
今回の事故につきまして、ただいま非常に進んだ科学技術があるわけでございます。したがいまして、もしも工事の指導、監督に当たる方が、この進んだ科学技術の成果を取り入れるようにくふうをいたしましたならば、この種の災害は起こらなくて済んだ、かようなことが言えると思います。ことに、ブルドーザーを使えばわずか四日にして新用水路ができたじゃないか、こういうようなお話を聞くにつきましても、その感を一そう深めるのであります。
私がしばしば申します、また、今日の民主政治、そのもとにおきましては、何よりも血の通った政治ということが必要だと思います。ただいまのような具体的なお話を聞くにつけましても、国民と直結し、血の通った行政が行なわれ、そうして政治が行なわれるように一そう努力してまいるつもりでございます。
次に、今回の事故でなくなった方々並びにその補償につきまして、先ほども渡辺君に答えたのでありますが、戸叶君もまた、形式論にとらわれないで、実際の実情に即して、そうしてその補償その他について考えろ、こういう御注意でございます。私も、関係各省を督励いたしまして、そういうような扱い方をするつもりでございますので、御了承いただきます。
また、最後に、罹災者の遺家族の方々のまことに悲惨な家庭の実情等をるるお話しになりました。私はほんとうに気の毒な状態に置かれておる方々だと思います。ことに僻村、僻地、そういう地域におきましてまだ恵まれない方々が非常に多いのであります。こういう方々に対してあたたかい救いの手を差し伸べることこそ真の政治だと、かように私は思いますので、御注意もございましたが、これらの気の毒な罹災者の遺族の方々の援護につきましては、この上とも最善を尽くしてまいるつもりであります。拍手
〔国務大臣小平久雄君登壇〕
小
小平久雄#27
○国務大臣(小平久雄君) お答え申し上げます。
まず第一点といたしまして、私が現地に参りました際の発言についてお尋ねがございましたが、御発言のうち、農民の方の農業機械化に伴う機械使用から生ずる災害、これが労災の対象となる、つまり任意加入によって労災の補償を受けられる道を昨年十一月から開きましたことは、そのとおりでございまして、私どもとしてもぜひ入ってもらいたい、かように考えておるのでございます。
ただ御発言のうちで、土地改良事業にも労災保険の適用を考える、こう言ったというお話でございますが、この点は、私は、やや私の発言と趣旨が異なると思うのであります。と申しますのは、元来労災保険は、労働関係のある労働者にはすべて適用されるのでありまして、それが土地改良事業であるかないかということは別段問題ではないのであります。労働関係がある限り、土地改良事業でも、もちろんこれは当然適用になることになっておるのであります。私が申しましたのは、今回の場合のように、土地改良事業における農民の協力につきましては、ややともすれば、この労働関係の有無ということがどうもはっきりしない、こういう例もございますので、今後かかる事態を避けまするために、農林省とも十分注意をして、これをぜひ改善をいたしてまいりたい、その方向でひとつ努力したい、この趣旨を申したのでございますので、御了承をいただきたいと思います。
それから第二点といたしまして、やはり労災保険による補償のお話がございました。これにつきましては、先ほど渡辺君にお答え申し上げたとおりでございますが、目下労働省といたしましては詳細に、しかも慎重に調査中でございまして、近く結論を得られると思いますので、いましばらく御猶予をいただきたいと思うのでございます。
第三点として、治療関係の特別立法のお話がございました。このことにつきましては、社会党から御提案があり、しかも、さきの通常国会におきまして、参議院の社会労働委員会において全会一致の御決議もいただいておりますので、私どもといたしましては、その趣旨を尊重いたしまして、すでに検討を始めております。なお、今後産業の実態等にも即しながら、十分検討し、善処いたしてまいりたい、かように考えております。
第四点といたしまして、今回の事故で女子の方の坑内労働という労働基準法違反の事態があって、労働省としても監督上責任があるのじゃないかというお話でございます。このことははなはだ遺憾なことでございまして、私どももほんとうに残念に思っておるのでございます。ただ労働基準法違反になるかどうかも、実はこの谷黒組との間の労働関係というものがあったかどうか、労働関係があったといたしますならば、もちろんこれは労働基準法違反、こういうことに相なるわけでございます。もちろん私どもといたしましては、今後も十分指導、監督に意を用いまして、このようなことのないように最善の努力を続けてまいる所存でございます。拍手
〔国務大臣坂田英一君登壇〕
この発言だけを見る →まず第一点といたしまして、私が現地に参りました際の発言についてお尋ねがございましたが、御発言のうち、農民の方の農業機械化に伴う機械使用から生ずる災害、これが労災の対象となる、つまり任意加入によって労災の補償を受けられる道を昨年十一月から開きましたことは、そのとおりでございまして、私どもとしてもぜひ入ってもらいたい、かように考えておるのでございます。
ただ御発言のうちで、土地改良事業にも労災保険の適用を考える、こう言ったというお話でございますが、この点は、私は、やや私の発言と趣旨が異なると思うのであります。と申しますのは、元来労災保険は、労働関係のある労働者にはすべて適用されるのでありまして、それが土地改良事業であるかないかということは別段問題ではないのであります。労働関係がある限り、土地改良事業でも、もちろんこれは当然適用になることになっておるのであります。私が申しましたのは、今回の場合のように、土地改良事業における農民の協力につきましては、ややともすれば、この労働関係の有無ということがどうもはっきりしない、こういう例もございますので、今後かかる事態を避けまするために、農林省とも十分注意をして、これをぜひ改善をいたしてまいりたい、その方向でひとつ努力したい、この趣旨を申したのでございますので、御了承をいただきたいと思います。
それから第二点といたしまして、やはり労災保険による補償のお話がございました。これにつきましては、先ほど渡辺君にお答え申し上げたとおりでございますが、目下労働省といたしましては詳細に、しかも慎重に調査中でございまして、近く結論を得られると思いますので、いましばらく御猶予をいただきたいと思うのでございます。
第三点として、治療関係の特別立法のお話がございました。このことにつきましては、社会党から御提案があり、しかも、さきの通常国会におきまして、参議院の社会労働委員会において全会一致の御決議もいただいておりますので、私どもといたしましては、その趣旨を尊重いたしまして、すでに検討を始めております。なお、今後産業の実態等にも即しながら、十分検討し、善処いたしてまいりたい、かように考えております。
第四点といたしまして、今回の事故で女子の方の坑内労働という労働基準法違反の事態があって、労働省としても監督上責任があるのじゃないかというお話でございます。このことははなはだ遺憾なことでございまして、私どももほんとうに残念に思っておるのでございます。ただ労働基準法違反になるかどうかも、実はこの谷黒組との間の労働関係というものがあったかどうか、労働関係があったといたしますならば、もちろんこれは労働基準法違反、こういうことに相なるわけでございます。もちろん私どもといたしましては、今後も十分指導、監督に意を用いまして、このようなことのないように最善の努力を続けてまいる所存でございます。拍手
〔国務大臣坂田英一君登壇〕
坂
坂田英一#28
○国務大臣(坂田英一君) 労働災害保険の加入については、だんだん農業も機械化するのでありまするから、範囲を拡大されたいという問題でございますが、御説のとおり、さように範囲を拡大するようにいたしたいと存じ、労働省とも十分協議を進めてまいりたいと、かように存じておるわけでございます。
それから那須野ヶ原国営総合開拓パイロット事業についてどういう程度に早くするかという問題でございますが、先ほど申しましたように、全体として九十億以上要する大事業でありまするので、普通の場合は相当おくれるわけでございます。いろいろの財政事情もありまするので、おくれるわけでありますが、かような実態でありまするので、現在このダムあるいは取り入れ施設、用水路の実施設計を本年中に行なうということでございまして、うんと速度を速めてまいりたいという考えでございます。何年たってどうということは、まだもちろんこれからでございまするが、さように進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。御了承を、願いたいと存じます。
それから原形復旧がたてまえでございまするけれども、必要な補強または改良工事を行なっていくことが非常に大事なことでございまするので、現在ともさように進めておるわけでございます。しかしながら、この現在の実態から見まして、地元の要望も十分勘案の上に、そのように計画を、内容等ももちろんきめてまいらなければならぬと思うのでございます。特にいま申しましたように、国営総合開拓パイロットがこの地帯に行なわれるという関係もございまするので、それらの関係も考慮いたしまして、十分考えてまいりたいと考えておるわけでございます。
なお、農業には水が大切であることは言うまでもございません。水稲の栽培にとりましては、特にさようなことは言うまでもございません。御説のとおりでございまして、今年におきましても十カ年計画で二兆六千億の土地改良計画を立てておりまするのも、やはり用排水の問題が相当大きな部門を占めておりますことは言うまでもございません。かような方向に向かって、さらに一段の努力を払いたいと存ずる次第でございます。拍手
————◇—————
アジア開発銀行を設立する協定の締結につい
て承認を求めるの件(第五十一回国会、内
閣提出)(参議院送付)
この発言だけを見る →それから那須野ヶ原国営総合開拓パイロット事業についてどういう程度に早くするかという問題でございますが、先ほど申しましたように、全体として九十億以上要する大事業でありまするので、普通の場合は相当おくれるわけでございます。いろいろの財政事情もありまするので、おくれるわけでありますが、かような実態でありまするので、現在このダムあるいは取り入れ施設、用水路の実施設計を本年中に行なうということでございまして、うんと速度を速めてまいりたいという考えでございます。何年たってどうということは、まだもちろんこれからでございまするが、さように進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。御了承を、願いたいと存じます。
それから原形復旧がたてまえでございまするけれども、必要な補強または改良工事を行なっていくことが非常に大事なことでございまするので、現在ともさように進めておるわけでございます。しかしながら、この現在の実態から見まして、地元の要望も十分勘案の上に、そのように計画を、内容等ももちろんきめてまいらなければならぬと思うのでございます。特にいま申しましたように、国営総合開拓パイロットがこの地帯に行なわれるという関係もございまするので、それらの関係も考慮いたしまして、十分考えてまいりたいと考えておるわけでございます。
なお、農業には水が大切であることは言うまでもございません。水稲の栽培にとりましては、特にさようなことは言うまでもございません。御説のとおりでございまして、今年におきましても十カ年計画で二兆六千億の土地改良計画を立てておりまするのも、やはり用排水の問題が相当大きな部門を占めておりますことは言うまでもございません。かような方向に向かって、さらに一段の努力を払いたいと存ずる次第でございます。拍手
————◇—————
アジア開発銀行を設立する協定の締結につい
て承認を求めるの件(第五十一回国会、内
閣提出)(参議院送付)
海
海部俊樹#29
○海部俊樹君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、参議院送付にかかる第五十一回国会内閣提出、アジア開発銀行を設立する協定の締結について承認を求めるの件を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
この発言だけを見る →すなわち、この際、参議院送付にかかる第五十一回国会内閣提出、アジア開発銀行を設立する協定の締結について承認を求めるの件を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。