佐藤榮作の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。
私は、かねてから人間尊重ということを申しておりますし、その観点に立てば、申すまでもなく、人命が尊重されなければなりません。過ぐる七月八日の事故におきまして、多数のとうとい人命を失ったことは、まことに残念でございます。
ただいまその詳細についての御報告がございました。この話を聞くにつけましても、そこに幾つものくふうがあったらこの災害は起こらなくても済んだのではないか、こういうことが、ほんとうにひしひしと感ぜられるのであります。
今回の事故につきまして、ただいま非常に進んだ科学技術があるわけでございます。したがいまして、もしも工事の指導、監督に当たる方が、この進んだ科学技術の成果を取り入れるようにくふうをいたしましたならば、この種の災害は起こらなくて済んだ、かようなことが言えると思います。ことに、ブルドーザーを使えばわずか四日にして新用水路ができたじゃないか、こういうようなお話を聞くにつきましても、その感を一そう深めるのであります。
私がしばしば申します、また、今日の民主政治、そのもとにおきましては、何よりも血の通った政治ということが必要だと思います。ただいまのような具体的なお話を聞くにつけましても、国民と直結し、血の通った行政が行なわれ、そうして政治が行なわれるように一そう努力してまいるつもりでございます。
次に、今回の事故でなくなった方々並びにその補償につきまして、先ほども渡辺君に答えたのでありますが、戸叶君もまた、形式論にとらわれないで、実際の実情に即して、そうしてその補償その他について考えろ、こういう御注意でございます。私も、関係各省を督励いたしまして、そういうような扱い方をするつもりでございますので、御了承いただきます。
また、最後に、罹災者の遺家族の方々のまことに悲惨な家庭の実情等をるるお話しになりました。私はほんとうに気の毒な状態に置かれておる方々だと思います。ことに僻村、僻地、そういう地域におきましてまだ恵まれない方々が非常に多いのであります。こういう方々に対してあたたかい救いの手を差し伸べることこそ真の政治だと、かように私は思いますので、御注意もございましたが、これらの気の毒な罹災者の遺族の方々の援護につきましては、この上とも最善を尽くしてまいるつもりであります。(拍手)
〔国務大臣小平久雄君登壇〕