増子正宏の発言 (社会労働委員会)
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○増子政府委員 失業保険法の改正に伴う公務員の退職手当法の改正につきましての御質問でありますが、前回にも申し上げましたところでございますが、公務員につきましては御承知のように原則として退職手当制度が適用されておりまして、失業保険法の適用は受けないわけでございます。退職手当と失業保険制度は全くその趣旨なり内容、形式等が異なるものでありますことは御指摘のとおりでございます。したがいまして、国家公務員等に対する退職手当の制度は、これはこれで一応完結した姿のものであり、また他方において失業保険法は、失業者にいわゆる保険制度による失業手当の給付を内容とするものでございますので、それはそれでまた別個のものである。したがって国家公務員についてはそれで一応事が足りていると考えれば考えられないこともないわけでございます。しかしながら、国家公務員としまして退職しました場合に退職手当法による退職手当が支給される。一方において、大体それと同じような状態における者が失業保険法の適用を受けておって、失業した場合に失業保険金を受け取る、その両者を比べました場合に、退職手当を受けた者のほうが損をするといいますか、それが失業保険の適用を受けておれば、もっとよけいに給付を受けるという場合が事実問題としてあり得るわけでございます。というのは、本来両者を初めから比較して、同じようになるということでつくったものではないわけでございますので、どうしてもそういう場合が出てまいるのでございます。それを救済する制度として、つまり退職手当法による退職手当をもらったのでは、失業保険の場合と比べて不利益になる。失業保険法の適用を受けて保険金をもらった場合のほうがよけいに給付を受けられるという場合がたまたま出てくる。そういう場合にその差額分は、実はこれは退職手当としてはほうっておいてもいい問題でございますけれども、そういう場合は、いわば気の毒というか、やはり考慮する必要があるという意味において、その差額分を特別の退職手当として給付するという仕組みをとったのがこの失業者の退職手当の問題でございますので、したがいまして公務員が退職しました場合には、原則的には一般の退職手当制度によりまして退職金を受け取るわけでございます。大部分の公務員はそれでこの関係は終わりということになるわけでございます。しかし、たとえば在職期間が非常に短い者につきましては、退職手当法の計算によりますと、一定の金額、具体的に言いますと、かりに日額を基礎にして申しますれば、二十日分くらいしか退職手当をもらわない場合があるわけでございます。しかし同じ条件の者、大体似たような者が失業保険の適用を受けると九十日の保険給付を受ける。そうすると七十日分は失業保険金の給付のほうがよけいになるという事態があり得るわけでございます。それを救済するために、失業保険法の規定に従って受け取る金額との差額分だけは、これは実質は失業保険金でございますけれども、退職手当として一般の退職手当のほかにプラスするという制度でございます。
ですから内容的に申し上げますと、この失業者の退職手当というものは国家公務員等退職手当法の中で規定はされておりますけれども、特別の退職手当であり、内容的に見ますと、失業保険制度による保険金と全く実質的にはひとしいものと考えていただいていいわけのものでございます。つまり国家公務員の退職手当制度を、失業保険制度による保険金等と比べまして、公務員が失業者の場合より不利益にならないように調整するために特別につくった制度、それが失業者の退職手当ということでございます。したがいまして国家公務員等退職手当法におきましても特に失業者の退職手当というふうに銘を打っているわけでございます。したがいまして、この失業者の退職手当というのは、当然国家公務員等退職手当法による一般の退職金をもらった上で、そのほかにプラスされるものでございます。そのプラスされるしかたも、全く失業保険法の支給条件に従って支給される。すなわち国家公務員が退職して退職手当を若干もらった。しかし引き続き失業の状態にあるという場合に、初めて失業保険法の規定に準じた取り扱いでこのプラスされる退職手当が計算されるということでございます。これは失業しているという条件がなければ出ないものでございます。たびたび繰り返しますように、この国家公務員等退職手当法による退職手当ということでございますけれども、その実質は失業保険金と同様の内容のものであるということ、それは一般の規定によって計算される退職手当のほかに特別に出るものであるということでございます。
以上の点をまず御理解いただけますれば、今回の改正の事情も御理解いただけるのではないかと思うわけでございます。すなわち一般の失業保険制度、失業保険法の規定によって支給される保険金と比べまして、足りない分を出すというものでございますから、今回一般の失業保険法の内容が改定されるということになりますれば、その改定されるところに従って、一体幾らもらえるかということ、それとの差額を退職手当として追加する、こういう仕組みになるわけでございます。したがいまして逆に言いますと、失業保険金との差額を退職手当として支給するのはそのままとして、しかし一方で失業保険法は、いかに改正されてもそれとはかかわりなしにやるというのは、むしろかえって筋が通らなくなるというふうに私ども考えるわけでございます。失業保険法によるならば、一体どれだけ給付されるかということが肝心でございますから、失業保険法の改正があれば、またその改正によって計算した場合には、それがどうなるかという形をとらざるを得ない。そういうことで一般の失業保険法の改正に応じまして、今回この改正を行なうということにいたしたわけでございます。