森義視の発言 (農林水産委員会)

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○森(義)委員 長官、あなたは失業保険の今度の改正案の内容を知らないのですよ。改善じゃないですよ。現在の失業保険の適用はどうなっておりますか。六カ月を通じて稼働日数が八十四日、毎月十一日、この二つの条件がかなわないと失業保険は受けられないのです。今度改正するのは、これを毎月十四日、通算六カ月で八十四日、この証紙が張ってなかったら失業保険の適用を受けられないという、改悪をしようとしているのです。あなたは、山林労働者が失業保険の適用を受けられるように改正されるのだと言うけれども、改悪されようとしているのですよ。なるほど六カ月を通じて八十四日の労働はやります。飯が食えませんから。ところが、雨期とか台風期には、六月から九月には十一日働けない人が出てくるわけです。これを十四日に延ばしますと、奈良下市職業安定所の調べでは、四割が失業保険を受けられなくなるのです。したがって、私どもはあの失業保険の改正の中で、これは職業安定局と話し合って、けしからぬということで今日まで論議をしてきたところなんです。だから、失業保険法の改正は、林業労働者にとっては過酷になる、改悪をされる、こういうものなんです。もちろん給付全額について三ランクができまして、七百六十円が最高になります。いまは五百円で頭打ちですが、これだって、一般の産業労働者の失業期間における六割というのに比べますと、うんと低いのです。二千円の六割ですと、最低千二百円なければならぬのです。それにしても、七百六十円というAランク、第一ランクができるということだけでも、これは一つの前進です。しかし、それを満たすためには、毎月十四日の就労の印紙を張り、通算八十四日なければその適用を受けられない。これは山村における労働の現状を知らない者の案だと思うわけです。しかも、先ほど申しましたように、林業労働者は災害が非常に多い。ちょっとけがをすると、その月は働けない。一カ月十一日張れなかったら、あとの六カ月はパアなんですよ。あと六カ月を九十日働いたって、百二十日働いたって、失業保険の受給資格はなくなるわけです。二つのワクをはめられておるわけです。そういう、産業労働者の失業保険の現状と合わない、日雇いの失業保険を適用しながら、なおかつ条件として非常にきびしいものを課そうとしておる。現に課しておる。いま失業保険の改正というものが、林業労働者にとっても何か改正されるような錯覚で長官は見ておられるということは大きな間違いだ、認識不足だと思うわけです。これは林政部長とも話し合って、職業安定課の責任者とも話し合って、私たちは今日まで話し合ってきたところです。職業安定課の役人も、事実これはあまりにもかわいそうだ、したがって、この法案が通るときには修正に応ぜざるを得ないだろう、こういうことを提案者であるところの労働省が言うのはおかしいけれども、しかし、現実の話を聞くと、あまりにも過酷だ、こう言わざるを得ないところまでわれわれの話し合いの中ではなっているわけだ。そんな状態に民有林の林業労働者は置かれている。一番負傷者が多い。一番医療的にも見離されている。山村で働いておる人にこそ、一番健康保険の問題について手厚いところの保障制度がなければならないと私は思うのです。全部逆なんです。日雇い健康保険法の適用を受けて、いま御承知のように国民健康保険の中にかなり吸収されております。しかし、ある健康保険の家族給付の問題を考えますと、われわれは、やはり都市に働いておる労働者と同じような健康保険の適用を受けられるような——林業産業としてこれから日本の経済の中で占める大きな役割りというものを考えてみるときに、それを維持培養していくところの労働者に対する施策としては、あまりにも国は差別をし過ぎると思うのです。だから、私は、ここできょうはあまり時間がありませんので、ほかの問題に触れたいわけですが、この点は、いままで国有林の労働者の社会保障の問題でいろいろと組合と団体交渉をしてこられて、逐次改善してこられた実態を知っておりますけれども、民有林の実態をあまりにも知らな過ぎると思うのです。だから、二年前に、せっかく調査をして、いろいろな労働者の実態を調査した資料をつくって対策を考えますと前長官から答弁があった資料、どういう資料ができたか。これを資料として提示を願いたい。まだできていないならば、いつできるか。奈良県にも京大の朝比奈教授が来て、林野庁から委嘱されて林業問題の調査に来られて、私も会いました。全国に調査員を派遣していろいろなことをやっておられるのだと思います。もうその集約ができておっていいはずです。そういうデータがなければ労働対策が講じられない。労働対策が講じられなければ、この長期の需給計画というものの最大のエネルギーというものが発揮されないということで、この長期対策というものは文字どおりに絵にかいたもちになってしまう。それは林道の問題、造林の問題、いろいろあるでありましょう。しかし、私は、少なくともいまのままに民有林労働者を放任しておくと、日本の林業というものは滅びてしまう。そういうことを二十年間奈良の山林労働者のお世話をし、山に入って実際に体験してきた自分の経験から、ぜひ聞いていただきたいわけです。この点、もう一回、失業保険の問題、健康保険の問題について、いま答弁できなければ、いつどういう機関でどういう討議をする、それには私たちの意見も含めて——皆さんだけでは結論は出ないと思います。現地の労働者の意見も含めて、いつどういう機関で討議するかということだけでも、この場合答弁を願いたいと思います。

発言情報

speech_id: 105505007X03519670718_018

発言者: 森義視

speaker_id: 33852

日付: 1967-07-18

院: 衆議院

会議名: 農林水産委員会