森義視の発言 (農林水産委員会)

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○森(義)委員 全国森林計画あるいは地域森林計画の動脈をつくりましても、そこに血液を送っていくところの個人の経営者の施業計画というものがこれに乗ってこなければ、その動脈が動かないということは当然のことです。それに対して今日までは政府の助言なり指導なり勧奨なり、そういう形でこの計画に乗ってくるような努力をしてこられたけれども、一向に乗ってこない。そういうことから今回こういう法案が提出されるに至った、こういう経緯の説明が概略として私はあったと思うのです。
 そこで、世界各国の森林計画、どこの国も、こういう長期にわたる公益的な役目をになっておる林業の問題を扱っておる国々は、どういう態度で個人に対する施業計画については考え方を持ってきておるのか。私どもの資料では、全部強制されておる国はかなりあるわけです。西ドイツなりフランスなりイタリアなり。強制されなくとも、個人の施業計画を出して、そしてそれに入っておらない者に対しては公的干渉をきびしくやっておる国がかなり多いわけなんです。ところが、三十七年の改正の当時、そういう問題が、林野庁の考え方では、当然世界的なそういう方向に順応せずに、ひとり日本の林野庁だけが個別経営計画なり施業計画なりというものに対しての位置づけをしてこなかった、私はそこに何らかの問題点があったと思うわけです。政府が、十分地域森林計画にのっとって施業が行なわれるように指導、監督してやっていけばいけるという自信が、自信過剰と申しますか、それがあったのかもしれませんが、現実にそうはならなかった、こういうことなんですね。しかし、そのことは、世界各国の林業の事情を見ても明らかな事実なんです。それをあえてなお、三十七年改正の中で、強く委員会の審議の中でも要請されておったにもかかわらず、また、先ほども申しましたような中央森林審議会の答申なりあるいは基本問題調査会の答申なりで強く要請されておったにかかわらず、あえてそれを入れなかった理由というものについては、まだいまの長官の答弁では私は不十分だと思うわけです。
 そこで、その後林業基本法ができたわけです。御承知のように、林業基本法は、経済の合理性を追求する立場に立った、新しい視野に立った法律です。この法律と、いわゆる資源保全、公益的な見地に立っておる今日までの森林法の精神と、これとの法域の限界というものをどういうふうに考えておられるのか。そして今回森林法の一部改正によって、経済合理性をある程度制限する個別施業計画を勧奨していく、こういう方向に法案を改正をしていく、そういう考え方と、いわゆる下からの盛り上がりによる林業の生産性向上、生産意欲の拡大、そういう方向をねらいとする林業基本法との関係、この問題について、長官から、先ほどの三十七年改正に、世界林業の動向と合わない日本の改正を行なって、今回になってこういう問題について入らざるを得なくなった経緯と、いわゆる林業基本法ができた今時点におけるこの問題の考え方、もっと端的に申し上げますならば、林業基本法の精神からいうならば、こういうものは上からの押えつけは無理なんです。林業基本法の精神からいうならば、個々の林業経営者がそれぞれの生産意欲を向上するような施策を強力に講じていって、地域森林計画、全国森林計画にあたたかい血を送り込むような、清らかな血をどんどん送り込むような、そういう方向の指導のほうが、林業基本法の精神からいうならば出てくるはずです。ところが、林業基本法の精神とは、基本法が出てきてから逆行するような、森林法の公益的な精神をもって、今度のこの一部改正を出そうとしているわけです。その辺のいきさつについてはどうお考えですか。
  〔長谷川(四)委員長代理退席、委員長着席〕

発言情報

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発言者: 森義視

speaker_id: 33852

日付: 1967-07-19

院: 衆議院

会議名: 農林水産委員会