倉石忠雄の発言 (農林水産委員会)
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○倉石国務大臣 林業だけでありませんで、全体の一般農山村の労働力が流出すること、私はしばしば申しておりますように、そのこと自体は、国全体の経済の発展のためには決して悲しむべきことではないわけであります。そこで、労働力を必要とする面から抜けられるということについては、抜けられていくほうはたいへんこれは問題がある。しかし、それを抜いて補充していかなければ一定の生産性をあげることができない面が他方面には存在いたしておる。そこで、私どもとしては、その抜かれるほうの立場に立って考えなければならぬ、こういうわりの悪い位置に私どもは存在しているわけであります。
そこで、これを補うためには、やはり経営を近代化する、あるいは機械力をできるだけ用いる。森さん御存じのように、私はいまここに数字で御説明申し上げる資料を持っておりませんが、たとえばアメリカのきこりの一人の生産量と日本の生産量とでは、数字を見ておって間違いではないかと思うほど、わがほうの生産力は低いわけであります。なぜそういうふうになるか。やはり御存じのように、非常な機械力を用いている。私どもアメリカに行ってそういうものを見せられて、同じような山地帯でありますから、ほかの国でも適用のできないはずはない。そこで、できるだけ私どもは、そういうことによって生産力をあげるということは必要だと思う。こういう点については、山を持っておる国有林の管理者もそうでありますし、民間の山持ちもやはりそういうことについては研究すべきではないかと思う。そうしてその機械力を用いる一人の人については、もっと生産性があがるのでありますから、待遇の改善は当然できるはずであります。アメリカの一人のきこりの労働賃金と日本の賃金とは、これも目を疑うほどの所得の格差がございます。われわれはそういうことについて根本的に再検討する必要はありますが、なかなかそこまですぐにはまいりません。
そこで、私どもといたしましては、現在すぐ目の前のもとで何を考えるべきか。もちろん、これはいま御指摘のように、私の選挙区などは半分以上山でありますが、ここの山で働いておる人々に、山を離れてくれるな、まずひとつ生産をあげてくれと言うには、第一には経済的な保障が必要であります。ところが、これは一般の農業でもそうでありますが、生産性が低いために所得はどうしても低い。しかも、その比べて所得の高い職場がじき目の前にあるわけでありますから、どうしてもそのほうにあこがれる。私どもとしては、できるだけその所得の分配について多くできるようにしてやらなければなりませんが、それは山の経営それ自体にもうすでに他産業に比べて低いところがあるので、これはやむを得ないとしても、その働いている従業員に対してできるだけ魅力を持たせるためには、いろいろな施策が必要でありましよう。
いま保険のお話がありました。保険につきましては、昨日の本会議でも厚生大臣も労働大臣もお答えいたしましたが、わが国の保険は、ああいう一人が日雇いとして出ておるときに、まだ十分な保険はヨーロッパの諸国のようにはいっておりません。これはやはりできるだけ早く充実すべきものでありますが、山に働いておる人々の所得をどのようにしてふやすかということは、山の経営それ自体の問題でありますから、私どもは、その山の経営ができるだけ所得を増強できるような方向にひとつ持っていってやらなければならぬ。
今度御審議を願っております施業計画などでも、やはり究極は、そういうことで生産をあげていき、その計画に参画してもらうためには、先ほど林野庁長官も申し上げましたが、やはり税その他の面でできるだけめんどう見てあげることによって生産を増強していこう、こういう趣旨でありますので、すぐに効果を発揮するということはなかなかむずかしい問題でもありますけれども、大体いま申し上げましたようなことを総合的にやってまいりたい。基本的には、やはり近代化、機械化というものにわが国も十分に追いつくように早くすべきではないか、こう思っております。