上田稔の発言 (建設委員会)

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○政府委員(上田稔君) ただいま議題になりました近畿圏の保全区域の整備に関する法律案について、逐次に御説明申し上げます。
 第一条は、この法律の目的についての規定であります。
 さきに、提案理由説明において申し上げましたように、この法律は、近畿圏の建設とその秩序ある発展に寄与するために、近郊緑地の保全その他保全区域の整備に関して、特別の措置を定めることによりまして、保全区域内における文化財の保存、緑地の保全または観光資源の保全もしくは開発に資することを目的といたしております。
 第二条は、用語の定義についての規定であります。
 まず、既成都市区域とは、近畿圏整備法第二条第三項に規定する区域、すなわち大阪市、神戸市及び京都市の区域並びにこれらと直接する都市の区域のうち、産業及び人口の過度の集中を防止し、かつ、都市の機能の維持及び増進をはかる市街地の区域であります。
 また、保全区域とは、近畿圏の地域内において文化財を保存し、緑地を保全し、または観光資源を保全し、もしくは開発する必要がある区域で、近畿圏整備法第十四条第一項の規定により指定された区域であります。
 次に、近郊緑地とは、既成都市区域の近郊における保全区域内の樹林地で、相当規模の広さを有しているものといたしております。なお、近郊緑地は樹林地でありまして、原則として農地等を含まないことといたしておりますが、樹林地に隣接する土地で、これと一体となって緑地を形成しているもの及びこれに隣接する池沼を含むものといたしております。
 第三条は、保全区域整備計画の承認の申請及び承認についての規定であります。
 関係府県知事は、保全区域の指定があったときは、近畿圏整備法第八条に規定する基本整備計画に基づき、関係市町村長と協議して、当該保全区域に係る保全区域整備計画を作成し、内閣総理大臣に承認を申請しなければならないことといたしております。
 また、内閣総理大臣は、この承認をしようとするときは、あらかじめ、近畿圏整備審議会の意見を聞くとともに、関係行政機関の長に協議しなければならないことといたしております。
 第四条は、保全区域整備計画の内容についての規定であります。
 関係府県知事が作成いたします保全区域整備計画には、それぞれの保全区域ごとに保全区域の整備に関する基本構想、土地の利用に関する事項、並びに文化財の保存、緑地の保全または観光資源の保全もしくは開発に関連して必要とされる道路、公園等の施設の整備に関する事項につきましてその大綱を定めるものといたしております。
 第五条は、近郊緑地保全区域の指定の要件、手続等についての規定であります。
 内閣総理大臣は、近郊緑地のうち、無秩序な市街地化のおそれが大であり、かつ、これを保全することによって得られる既成都市区域及びその近郊の地域の住民の健全な心身の保持及び増進の効果が著しいか、またはこれらの地域における公害もしくは災害の防止の効果が著しい土地の区域を、近郊緑地保全区域として指定することができることといたしております。
 この区域の指定の手続といたしましては、内閣総理大臣は、あらかじめ関係地方公共団体及び近畿圏整備審議会の意見を聞くとともに、関係行政機関の長に協議しなければならないことといたしております。
 第六条は、近郊緑地特別保全地区の指定の要件、手続等についての規定であります。
 建設大臣は、近郊緑地保全区域内の土地のうち、地形、交通施設の整備の状況や、周辺の土地の開発の状況等に照らして、無秩序な市街地化のおそれが特に大であり、既成都市区域及びその近郊の地域住民の健全な心身の保持及び増進または公害もしくは災害の防止の効果が特に著しい土地の区域につきまして、都市計画の施設として、近郊緑地特別保全地区を指定することができることといたしております。
 この地区の指定にあたりましては、広域的な緑地計画等との調整をはかるため、建設大臣は、あらかじめ近畿圏整備長官等の意見を聞かなければならないことといたしております。
 第七条は、近郊緑地保全区域または近郊緑地特別保全地区の指定の準備のための土地の立ち入り等についての規定でありまして、内閣総理大臣または建設大臣が、これらの指定の準備のため他人の占有する土地に立ち入り調査を行なう必要がある場合における手続、損失の補償等についての定めをいたしております。
 第八条は、標識の設置等についての規定でありますが、近郊緑地特別保全地区につきましては、行為の規制等を伴います関係上、府県は、近郊緑地特別保全地区である旨を表示した標識を設けなければならないことといたしており、本条はこの標識の設置等に関する事項を定めた規定であります。
 第九条は、近郊緑地保全区域における行為の届け出についての規定であります。
 近郊緑地保全区域のうち近郊緑地特別保全地区以外の区域において、建築物その他の工作物の新築、改築または増築、宅地の造成、土地の開墾等の土地の形質の変更、木竹の伐採その他近郊緑地の保全に影響を及ぼすおそれのある行為をしようとする者は、あらかじめ、府県知事にその旨を届け出なければならないことといたしておりますとともに、府県知事は、近郊緑地の保全のため必要があると認めるときは、届け出をした者に対して、必要な助言または勧告をすることができることといたしております。なお、保全区域整備計画に基づいて行なう行為、通常の管理行為については、届け出を必要としないことといたしております。
 第十条は、近郊緑地特別保全地区における行為の制限についての規定であります。
 近郊緑地特別保全地区は、さきに御説明申し上げましたように、近郊緑地保全区域のうち特に重要な土地の区域について指定されるものでありまして、その地区内におきましては、近郊緑地の保全を特にはかる必要があります。そこで、前条で御説明申し上げましたような行為につきましては、府県知事の許可を受けなければならないことといたしておりますとともに、府県知事は、これらの許可の申請があった場合において、これらの行為が近郊緑地の保全上支障があると認めるときは、その許可をしてはならないことといたしております。なお、通常の管理行為等につきましては、前条の場合と同様、この規定の適用を除外することといたしております。
 第十一条は、原状回復命令等についての規定であります。
 府県知事は、近郊緑地特別保全地区内において、前条の規定に違反して一定の行為を行なった者等がある場合には、近郊緑地の保全に対する障害を排除するため必要な限度において、これらの者に対して、原状回復等を命ずることができることといたしております。
 第十二条は、損失の補償についての規定であります。
 府県は、近郊緑地特別保全地区内において、第十条第一項の許可を受けることができないため損失を受けた者がある場合におきましては、原則としてその者に対して、通常生ずべき損失を補償することといたしております。ただし当該行為について、他の法令による許可その他の処分の申請が却下された場合、または当該行為が社会通念上、近郊緑地特別保全地区の指定の趣旨に著しく反すると認められる場合におきましては、この法律による補償は行なわないことといたしております。
 第十三条は、土地の買い入れについての規定であります。
 府県は、近郊緑地特別保全地区内の土地で近郊緑地保全上必要があると認めるものにつきまして、その所有者から第十条第一項の許可を受けることができないため、その土地の利用に著しい支障を来たすこととなるので、その土地を買い入れてほしい旨の申し出がありました場合には、これを時価で買い入れるものといたしております。
 第十四条は、買い入れた土地の管理についての規定であります。
 前条の規定により買い入れた土地は、府県がこの法律の目的に適合するように管理しなければならないことといたしております。
 第十五条は、費用の負担及び補助についての規定であります。
 近郊緑地保全区域内の近郊緑地の保全に要する費用は、府県の負担といたしておりますが、国も、第十二条第一項の損失の補償及び第十三条第一項の土地の買い入れに要する費用につきましては、その一部を補助することといたしております。
 第十六条は、第十条第一項の許可にかかる行為についての実施状況等の報告、第十条第一項の許可等の処分をするために必要な立ち入り検査等についての規定であります。
 第十七条は、大都市の特例についての規定であります。
 地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市につきましては、第三条第一項の保全区域整備計画の作成に関する事務を除き、府県または府県知事が行なうこととされている事務を、指定都市またはその長に行なわせることといたしております。
 第十八条は、施設の整備等についての規定でありまして、国及び地方公共団体は、保全区域整備計画を達成するために必要な施設の整備の促進、及び資金のあっせんにつとめるものといたしております。
 第十九条は、近郊緑地特別保全地区内の近郊緑地の保全のために必要な資金の配慮についての規定であります。
 すなわち、国は、府県が近郊緑地特別保全地区内の近郊緑地の保全のために行なう事業に必要な資金については、法令の範囲内において、資金事情及び当該府県の財政状況が許す限り、配慮するものといたしております。
 第二十条は、第十条第一項の規定による処分に対する不服申し立てについての土地調整委員会との調整に関する規定であります。
 第二十一条から第二十四条までの四条は、この法律の実施を確保するために必要な罰則についての規定であります。
 次いで、附則について御説明申し上げます。
 附則第一項は、施行期日の規定でありまして、公布の日から起算して六ヵ月をこえない範囲内において政令で定める日から施行することといたしております。
 附則第二項から第五項までは、この法律の制定に伴う関係法律の一部改正に関する規定であります。第二項は、第六条による近郊緑地特別保全地区の指定に伴う都市計画法の一部改正でありまして、第三項から第五項までは、この法律の施行のための所掌事務に関しての、建設省、土地調整委員会及び近畿圏整備本部のそれぞれの設置法等の一部を改正しようと、するものであります。
 以上、近畿圏の保全区域の整備に関する法律案につきまして、逐条に御説明いたしました次第であります。よろしく御審議をいただきたいと思います。

発言情報

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発言者: 上田稔

speaker_id: 20988

日付: 1967-07-18

院: 参議院

会議名: 建設委員会