早川崇の発言 (社会労働委員会)
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○国務大臣(早川崇君) だんだんと大橋先生の御質問と政府委員の答弁を承っておりまして、私の基本的な考え方は、大企業、中企業の労働者というものは労働三法、世界でも相当進んだ立法、他方、経済の発展に伴いまして、まあ成人式を終えまして一人立ちをしておるわけなんです、総評傘下の組合にいたしましても同盟傘下の組合にいたしましても。問題は、むしろそういう零細企業なり内職とかいうような人たちが今後の大きい労働行政の課題だと思っておるわけでございます。
そこで、労働大臣になりまして、労働行政の一つの姿勢といたしまして、もうこういう大企業の人たちは労使関係で非常に自立しているということで、非常に力を入れないというのじゃありませんけれども、何も政府がとやかく言う筋合いではないのでありまして、むしろ政府の重点は、零細企業の従業員、家内労働、それから婦人労働者、この三点に重点をしぼりまして、まず五人未満の事業所の失業保険、労災保険の全面適用の問題を今国会に提案いたして、衆議院にかかっておるわけであります。御婦人の差別待遇という問題につきましては、ILO百号条約というものによってひとつ高めていこう。問題は家内労働者でございますが、これは非常に特殊の状況に置かれておる勤労者でございます。本来、この最賃法の発展過程を見ますと、家内労働の婦人とか少年を保護するという意味で最賃法ができてまいったのでありますが、現在の日本の最賃は、御承知のように、水の上から表に出た人のいわゆる職業選択の自由がある、いわゆる雇用関係にある人のための最賃、これも必要でございます。しかし、本来は、むしろ水の中に沈んでおる人こそ、やはりそういう発展過程を見ましても最賃というものは必要ではないだろうか。他方、この家内労働が非常に苦しい台所に困っているのは、やはり賃金を上げる力というのは団結権労働組合。ところが、京都は五千に近い家内労働者の団体があるのですね。団結されておられるようでありまして非常に恵まれた家内労働者もおるのですけれども、一般的には団結しておりませんので、そこで、こっちが高いというならこっちにと、こうしたいわゆる何というか、企業者本位の市場になっておるわけです。こういったむずかしい事情があるのと、もう専業の家内労働というのは神奈川県の手袋製造、これはもう私はいいと思うのでございます。問題は、この奥さん連中どうしても移動ができない。自分の家に子供をかかえておる奥さんがやらないと、だんなさんの給料では食えない、職業の選択の自由のないという人が非常に多いわけですね。ですから、こういった問題は、非常に雇用労働者——水の上に出ておるとだれが見てもすくわかる労働、職業選択の自由も移動もどんどんできるという人と別の配慮をしなければならない。そこで、家内労働審議会というものをつくりまして、実は私が大臣になる前にできたんですけれども、答申案は二年後に出てくる。二年後ではこれだけの問題はとうてい間に合わないというので、先般、長沼会長ともお会いしまして、一年で切り上げてください、来年の通常国会には出せるように家内労働法でもお考えいただきたいということを要請いたしまして、長沼さんも、それはそのとおりだということで、一生懸命にいまスピードアップしていただいておるわけでございます。したがって、行政上でき得る、現在の法律のもとででき得る範囲というのは、おそらく基準局長がお答えしたとおりだと思います。そこで、現在の法律で許される範囲の労働行政の恩典をそういう人たちに与えるためにわれわれ努力をいたします。それから、地方公共団体が内職補導所をつくっておりますので、ここへ注文してくれればいいんですが、仲買い人というのはいないわけですから手数料要らないわけなんですね。ところが、一般企業の内職を頼むのは仲買い人というのがおりまして、三重、四重にマージンを取られながらいくものですから、一時間当たり二十六円というような平均になりまして、これはもうめちゃですわね、はっきり言うと。そこで、それはもうめちゃだから、もうやめましょうというと、今度ほかにいっちゃうのですよ。団結権がないですから、ほかのほうにいっちゃう、それでもいいという奥さん連中がおるというわけで。そうすると、せっかく賃金を上げる交渉をしましても、そんならとよそにいく。そうすると、今度収入がゼロになっちゃうわけですね。そういう例が神奈川県でもありましたし、燕のあの食器にもございましたので、ですから、非常に複雑な雇用形態、賃金形態、こういうわけで、長沼会長なんかも、小骨が多過ぎて、のどにしょっちゅうひっかかるのだそうであります。しかし、そういう小骨があっても、まずその大骨だけを取り除くというので、ドイツあたりでは標準賃金を設けたり、最賃を設けたりするところも諸外国にもございますけれども、なかなか実効があがっておらないようでありますけれども、そういうことも含めまして、家内労働というものをひとつ根本的に検討する段階がきたと思っておるわけでございます。ただいま大橋先生が現地御視察されまして、家内労働のみじめな状態、非常に賃金がたたかれていることは私もよく承知をいたしておるわけでございます。何とかひとつこの辺で日の当たらない人たちに対して、国として、労働省として、また、厚生省として当然考えなければならぬ段階にきておる。それだけ経済も発展したんですから、その経済の発展の恩典をそういう人たちにも均てんさせていくと、こういう姿勢でこの問題に取り組みたい。おそらく、しかし、たいがい内職というものは、いくいくはなくなっていくんでしょう、本職のほうで食えればもうなくなっていくものです。残るのは、団地の奥さんのパートタイムとか小づかいをかせぐ、よりよき生活をと。私の秘書官も実は内職をやっておるのです。そういう内職が残りますけれども、一時間二十六円のみじめな内職というものはなくしたい。少なくとも、いまの相場というと一時間六十円ぐらい、五、六十円取れなければいまの生活状態は保てないと思っております。まあ御回答になるかどうかわかりませんけれども、そういった困難な事情があるにもかかわらず、しかも、労働行政における位置づけという最初の御質問でございますが、一番重点を置くのはこういう人たち、婦人労働者、さらには、大企業におきましては、いわゆる人間疎外の単純繰り返し労働、パンチャーとか、あるいは監視業とか、ほっといたら非常に気の毒だ、病気にもなるというような労働者を中心にしてひとつ努力をしてまいりたいと思っておりますので、いろいろまた御鞭撻、アドバイスを賜わりたいというような、労働省としての、大臣としての考え方でございますので、お答え申し上げます。