社会労働委員会

1967-06-15 参議院 全38発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
昭和四十二年六月十五日(木曜日)
   午前十時三十七分開会
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本伊三郎君
    理 事
                土屋 義彦君
                丸茂 重貞君
                佐野 芳雄君
                藤田藤太郎君
    委 員
                川野 三暁君
                黒木 利克君
                佐藤 芳男君
                山本  杉君
                横山 フク君
                大橋 和孝君
                杉山善太郎君
                藤原 道子君
                柳岡 秋夫君
                小平 芳平君
   国務大臣
       労 働 大 臣  早川  崇君
   政府委員
       労働省労働基準
       局長       村上 茂利君
       労働省婦人少年
       局長       高橋 展子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○労働問題に関する調査
 (家内労働問題等に関する件)
    —————————————
この発言だけを見る →
山本伊三郎#1
○委員長(山本伊三郎君) ただいまより社会労働委員会を開会いたします。
 労働問題に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
この発言だけを見る →
大橋和孝#2
○大橋和孝君 もう前にかなり論議が尽くされていると思いますけれども、私、なお多少の重複をする点があるかもしれませんが、私なりの考え方のもとに、きょうはひとついろいろと質疑をしてみたいと思うわけであります。特に家内労働の問題について二、三点いろいろと伺いたいと思うわけであります。
 前にもお話のありましたように、最近の経済情勢で、非常に家内労働をしなければならない、何と申しますか、特に内職的な労働がふえてきたわけであります。これは前にも多少その報告があったかもしれませんが、私ちょっと最近入手しました調査の結果では、非常にばく大な数字にふえているというように思いますので、もう一つ、このごろ労働省のほうでこの家内労働者の実態についていろいろ御調査があると思いますが、その数がどのくらいあるか、あるいは、また、どのくらいの種類があるかということをすぐおわかりであれば、一応おもだったことを聞かしていただいて、私は詳しい表をもう一ついただきたいと思うのですが、そういう点でいろいろかわっておる点があれば御説明をしていただきたいと思うのです。
この発言だけを見る →
村上茂利#3
○政府委員(村上茂利君) 従来、労働省が申しておりますのは、家内労働者の全数八十四万、かように申し上げておりました。しかし、これは古い統計でありまして、その後全国的な全体調査はいたしておりませんので、その数字がどのように動いておるかはわかりません。しかし、その後さらにふえておるだろうというふうには了承いたしております。現在、家内労働審議会で各種の実態調査という形で調査をいたしておりますが、全国的一般的調査はその後実施してないということでございます。
この発言だけを見る →
大橋和孝#4
○大橋和孝君 審議会で調査をしているというので、そうした全国的な大体の数は把握できるのでありますか。それから、また、最近そういうことをやられて全国的なものをつかむことを考えておられるかどうか。それから、また、いままで八十四万というやつの中で、いろいろ詳しい統計が出ているやつはどこにありますか、ひとつ知らせておいていただきたい。何かこれはもう発表されておりますね。
この発言だけを見る →
村上茂利#5
○政府委員(村上茂利君) 一昨年の十二月に、従来の臨時家内労働調査会が、「家内労働の現状」ということで一般に発表いたしましたものが最近における家内労働の全体的参考資料であるわけでございます。その後、これに置きかえられるような全体的な調査をやるかどうかという点については、家内労働審議会では、そういう方向ではなくして、むしろ家内労働のいろいろなパターンにつきまして、その実態をさらに掘り下げるという方向で調査しておりますので、全体的な調査はまだいまのところ議題にのぼっておりません。
この発言だけを見る →
大橋和孝#6
○大橋和孝君 その審議会の過程で、そのパターンについてのいろいろ調査の現状をちょっと知らせていただきたいと思います。最近の例です。
この発言だけを見る →
村上茂利#7
○政府委員(村上茂利君) ただいま申し上げましたように、臨時家内労働調査会の報告、これが全体的な基本的な調査でありますが、その後、家内労働審議会としましては、さらに問題を掘り下げるために、東京のヘップサンダル製造業、それから金属玩具製造業、山梨の郡内機業、撚糸製造業、奈良のくつ下製造業といったような業種につきまして、現地におもむきましてそれぞれ調査をいたした次第であります。その調査の内容は広範にわたっておりまして、委託系統の問題、それから工賃の問題が、いわゆる時間との関連でどう見るべきか。たとえば労働時間に換算するとしましても、自動的に機械が動いておる。たとえば撚糸の場合は、機械は動いておるが、本人は畑の仕事をしておるといったような形態のものもあり、工賃と労働時間の関係を把握するという場合のそういったいろいろな諸条件につきまして掘り下げた調査をいたしております。ちょっとヘップサンダル、金属玩具、撚糸製造業、くつ下といったようなものにつきましては、それぞれ態様が違いますので、そういったものを横断的に一定の型に統合するということはなかなか困難で、結論が出ておりませんけれども、それぞれの業種につきまして、ただいま申しましたように、委託系統、それから工賃の問題と、それと労働時間の問題さらには危険、有害の問題といったような問題についてそれぞれ調査を進めておるような次第でありまして、その結果の概要も一応まとまっておりますが、そういったことで、今後さらにまたほかの問題につきましても調査を進めるということをいたしております。
この発言だけを見る →
大橋和孝#8
○大橋和孝君 いまおっしゃっているように、家内労働の中でも、いまのように、かなり大がかりなものもあるわけで、いわゆる専業的にやっておられるところの家内労働もあるわけですが、また、内職的にかなり小さい面の家内的な労働、あるいは、また、副業的に家内労働をやられている部分が多いように思うわけでありますが、私は、最近の傾向では、家内労働の中でも、そうした副業的にやられるところの家内労働が非常に多いわけで、先ほど申されたように、労働条件とか工賃とか、あるいは、また、不規則な労働時間になるわけでありますから、あるいは、また、不安定な生活の状態の中でこういうものが行なわれているわけでありますから、そういう実態はかなり明確に出ていると思うわけでありますが、これはやはり日本の経済の非常にあおりを受けておる階層にこうしたのが行なわれておるわけでありますから、私は、労働省としては、ここらの人たちの労働条件というものに対して、相当積極的にこれと取り組まれているわけでもあるし、現在そうされつつあるとは思いますけれども、なおまだこうした方面に対しては非常に私は手薄のような感じがするわけであります。同時に、また、そういうところが非常に組織化しにくいという観点もあるし、あるいは、また、労使の関係も明確でないという点も出てきているようなわけですが、そういうところに対して、労働省のほうではそういう調査を基礎にいろいろ進められてはいると思うのですが、より困難な面をどういうふうにしてやっておられるか、詳しいことをひとつ個々の面について聞かしていただきたいと思います。
この発言だけを見る →
村上茂利#9
○政府委員(村上茂利君) 家内労働審議会ではいま申しましたような調査を進めておりますが、その審議のテンポを早めるという基本的な考え方から、この秋になりましたならば、家内労働法制定をも含む多角的な審議をいたしまして、先般大臣が御答弁申し上げましたように、答申を出す期間を短縮して、できるだけ早く答申を出す、こういう方向に進もうと存じます。その間、行政措置としてできるだけのことをするように、この内容につきましては、家内労働調査会が報告を出しましたときに意見を提出いたしておりまして、行政措置としてなすべきことの内容を指摘しているわけであります。この最低工賃の設定を促進する、あるいは指導を行ないまして、標準工賃——これは法律によらざるものでありますが、標準工賃制度をさらに普及する、あるいは家内労働手帳の普及、安全衛生についての行政指導といったような諸点を示しているわけであります。そこで、現在法律上の権限はございませんけれども、標準工賃の設定といったような指導をいたしております。これは六月一日現在の調べですと、設定例は五十二件、八万四千四百人の家内労働者に適用されるといったような方法をいまとっているわけであります。家内労働手帳の実施例も三十二ございます。二万七千三百人の労働者に適用されるといったような措置を講じているわけであります。何ぶんにも法的な権限がございませんので、実際上の指導という形でやっておりますので、もう対象となります労働者数もごくわずかで、まことに微々たるものではありますが、私ども行政能力の許す限りそういった指導面を進めていきたい。ただ、最低工賃、これは最低賃金法に基づくものでございますが、最低賃金制度の普及と相まちまして最低工賃の決定を進めてまいりたい、もうすでに三件決定いたしました。その後もさらに拡大する動きを見せております。
この発言だけを見る →
大橋和孝#10
○大橋和孝君 大体お話で、ちょっとまあ労働行政の中での位置づけも、法的な根拠はないから、そうした賃金の問題はいろいろなところで位置づけておられるようでありますけれども、私は、この家内労働の問題をもっと法的に措置するよう、それは今度の法改正にまで待たれるわけでありますから、そこらの位置づけはどういうふうになるのか、まだ明確でないようでありますが、現在の段階においては、やはりそういう賃金の問題とか労働条件の問題はどういうふうな観点からこれを推し進めておられるのか、もう少しのところで了解できないのですが、ちょっと説明していただきたい。
この発言だけを見る →
村上茂利#11
○政府委員(村上茂利君) 現在の法律制度的には、最低工賃の制度が最低賃金法にあるだけでございます。今後家内労働法をこれから制定するという問題があるわけでして、その家内労働法の内容をどうするかという点についてはいろいろ議論があります。家内労働そのものが、専業的なものもあり、内職的なもの、副業的なもの、幾つかの種類がある。あるいは、また、業態もさまざまでございます。そして、また、問題には委託系統の問題とか、労働時間、安全衛生の問題、いろいろありますので、立法の問題としてどこに焦点をしぼるかといったようなむずかしい問題がありますけれども、法的に何とか解決しなければならないといったような考えは非常に強まってきているというふうに私ども理解いたしております。しかも、問題は、これは雇用労働者でありませんから、私ども家内労働条件と、こう称しておるのですけれども、雇用労働者の労働条件とは違った面がありますので、雇用労働者の場合と同じような扱いをなし得るかどうかといったような点について基本的な問題がございます。ただ、それは今後の審議会の審議に待つわけでございますが、工賃が低いとか、いろいろな現実の問題を何とか解決しなければいかぬ。これは、その指導をどうするかという点について、先ほど標準工賃といったようなことを申し上げたのですが、別に婦人少年局のほうにおきまして内職の相談施設をつくりまして、いろいろ活動を展開しておりますので、婦人少年局長からお答え申し上げます。
この発言だけを見る →
高橋展子#12
○政府委員(高橋展子君) 婦人少年局関係では、特に家内労働の中でのいわゆる家庭内職に対する対策を従来から進めております。で、行政措置といたしまして、都道府県に国庫補助で内職公共職業補導所という内職の相談施設を設置してまいっております。現在四十一ヵ所の設置をみております。この補導所を通じまして、内職を希望する方方に対して、その就業機会を与えるためにあっせんを行なっております。また、その就業の条件を高めるために各般の努力をいたしております。たとえば、やはり内職手帳といったものを出しまして、委託条件を明確にして、トラブルの起きないようにする。あるいは、また、事前に事業所のほうをよく調査いたしまして、いわゆる不良な求人を排除するというようなこともいたしております。あるいは、また、内職者の技術を高めることによってその条件をよくするために技術補導等も行なっているわけでございます。また、一般的に工賃の適正化を進めるために、地区ごとに懇談会等を開きまして、その賃金事情等につきまして広く情報を集めること等を行なっております。
この発言だけを見る →
大橋和孝#13
○大橋和孝君 一番問題点がそこらにあると思うのですが、やはり地方地方によってそうした零細な職業というものは差があるわけでございます。手帳もさることながら、あるいはもう少し地域的に何か特殊性を反映するような、たとえば地方自治体とそうした家内労働しておる人たちとの結びつき、あるいは、また、そういうものによって連絡をとって、そういう人たちのいわゆる手帳なら手帳にあらわすべきいろいろな条件があるにしても、そういうものに対しての何かの規制をするとか、あるいは、また、指導をするとかいうふうなものがもっと打ち出されなければ、もう一つ効果があらわれにくいのじゃないかと思うのであります。そういうような自治体等との結びつきの問題をもっと深める、そしてそこの付近の特殊性を発揮して、それを組織化して条件を高めていくというふうな事柄は相当いままで成績があがっておるのかどうか、どういうふうな形でどういうふうな地方でやられておるのか、御説明をしていただけたら非常にありがたいと思います。
この発言だけを見る →
高橋展子#14
○政府委員(高橋展子君) 自治体の問題でございますが、この内職公共職業補導所は全部地方が設置しているものでございます。そして、私どもといたしましては、これら補導所に対しまして、その賃金の適正化を指導するように申しているわけでございますが、賃金の実際の額につきましては、需給の関係で決定されるという点がもちろん主でございます。強制的に賃金の額をきめるというわけにはいかないのでございますが、先ほど申しましたような措置によりまして、不良なものは排除するということを行なっておりますし、また、万一トラブルの起きましたときも苦情処理を行ないまして、就業者が迷惑をこうむることの極度に少ないような方向に進めてまいっております。効果という点につきましては、従来の成績から申しまして、いわゆる賃金不払い等の事件は非常に少ないものでございまして、また、かりにそのような事態が起きましたときにも、この機関を通して善処してまいっております。
この発言だけを見る →
大橋和孝#15
○大橋和孝君 地方地方によって特徴のあるそういうような零細な家内労働に対して、やはりそうした地方に職業的な指導所もあってそれをやっているといわれるのでありますが、現在京都あたりでは、西陣の中にもありますし、最近では、特にしぼりをやっているものがたくさんあるのであります。こういうふうなものをこの間うちから実態を調査してみたわけでありますが、何と申しますか、こういうところに対しては、いまの何と申しますか、産業構造のしわ寄せといいますか、非常に低賃金で、しかも、長時間をやらなければ収入にならない。ああいう状態を生んだら、あなたのほうではどこでそれをくみ上げ、どこでチェックし、どこで指導しておられるのか。案外そういう方向に対しては手放しの状態になっていると私は実際の状態を見ている。先ほどから法的関係、調査の関係なんかをお尋ねして、そうして地域的にそういうことができているのだとおっしゃっているのですけれども、実際問題はできていないと思うわけですが、その点どうですか。
この発言だけを見る →
村上茂利#16
○政府委員(村上茂利君) たとえば丹後ちりめんの内職等の問題につきましては、家内労働審議会ですでに事情を聴取いたしまして、丹後ちりめんの場合には、特に農漁業から家内労働へどう移行しているか、それから、工賃が雇用労働の場合の賃金とどうなっているかというような調査をやっているわけでございます。ただ、これは調査の過程にございまして、具体的にどうしたらよいかという結論はまだ出しておらぬわけでございます。そういった問題につきまして、問題の業種はかなり調査をして、問題の所在を突きとめつつあるというふうに私ども理解いたしているわけであります。そうして、地方の家内労働に対するいろいろな問題につきましても、地方、たとえば府県、市町村が家内労働に対してどのような手を差し伸べているかという点につきましても、愛知、大阪、高知、長崎、福井、福岡、神奈川といったような県におきまして、県ないしは市から補助金を出しまして民間団体を育成しているという実績もございます。そういった団体がどのような活動を展開しているかといったものも調べております。そうして、今後授産所とか、そういう民間団体とか公的機関との関係はどうしたらよろしいかといったような問題点につきまして、問題意識を持って進めているということでございます。先生の御指摘でございます諸点につきましては、調査の段階であり、こうしたらよろしいという結論が出ておりませんことは遺憾でございますけれども、何ぶんにも審議の途中でございますので、やむを得ない点もあるかと存じます。
この発言だけを見る →
大橋和孝#17
○大橋和孝君 調査中であることもわかるわけでありますし、私もいろいろ調べてみたところで、調査に来ていることも存じているのでありますが、現在の段階で、ある程度指導しなければ、いまそこらにしわ寄せさせている人たちは、私ども見たところでは、家内労働法もできるから、それまで審議中だから、審議を早めてそのほうに持っていこうというその意図はわかるわけですが、しかし、現段階で、私は、この問ちょっと十数ヵ所回ってみたのでありますが、ああいう状態ではあまりにもかわいそうだと、悪いじゃないかという感じを受けて帰ったわけであります。特に、しぼりをやっている人たちを見ますと、もう賃金は相当前から据え置かれて、やかましくいってもわずかしか上がっていない。しかも、それをやるために相当一日の問の労働時間をつぶさなければある程度の賃金が得られない、こういうような形で、何と申しますか、こき使われておるというような、そういういろいろな条件から働かざるを得ないところにはめられていっておるという感じですね。いまの近代産業の中でああいうものがまだあるのだけれども、これも半年ばかりの問だからがまんしなさいといって帰ってきたんですが、私は非常に不満を感じて帰ったわけです。そういう点から考えて、今度この問題についてもう少し何かさっそくやるような方法はないのか、こういうことを考えるのですが、そういうようなことについてはどういうふうに把握をしておられるのか、お考えをちょっと聞いておきたいと思います。
この発言だけを見る →
村上茂利#18
○政府委員(村上茂利君) 先ほど申しましたように、行政的に公的な権限に基づいて処理するということはできない状態にございます。しかしながら、現在家内労働審議会でやっておりますのは、単に事情聴取調査だけではなくて、場合によりましては関係行政機関を審議会の場に招きまして、行政措置として他省でなし得る点について改善すべきことは審議会として要望するというような形で、税の問題その他いろいろ扱っておるわけでございます。先生の御指摘になりました丹後ちりめんなどの問題につきましては、審議会としては家内労働だけの範囲の問題じゃなくて、根本的にはこういったちりめんに対する需給の問題、価格決定機構の問題、そういう問題に関連がある非常に幅広い問題であります。そこで、家内労働の状況という面からのみアプローチすべきものかどうか、それでは基本的解決にはならないのじゃないか、そういった需給の問題、価格決定のメカニズムの問題にも触れざるを得ない、これをどうするかというような段階にあるわけでございます。何としても手をつけなければならないというようなものについては、審議会としても関係行政機関を呼びまして、具体的方策を質問をし、改善をしていくという方向に進んでおります。ただ、遺憾ながら、丹後ちりめんにつきましては、需給の問題、価格決定のメカニズムの問題といろいろございまして、審議会として正面から取り組むということについては割り切れない、態度を決定し得ないという状況にあるわけでございます。
この発言だけを見る →
大橋和孝#19
○大橋和孝君 その丹後ちりめんの問題は、特に最近私がいろいろ聞いたことは、結局韓国の方面ですか、あるいは、また、そういうところで非常に低賃金で労働が提供されるという関係から特に悪くなったようにいっている人もある、その実態はよくわからないけれども。しかし、そういうふうな形でほかのあおりを受けて、そうして非常にしわ寄せされるときに、いま言っているように、労働条件も大企業のようなぐあいにはならないわけでありますし、そうして、ことに家内労働的に個人個人が契約をしてやっているわけでございますから、非常にしわ寄せが大きい。特にその下請をやっている。しぼりをやっている人あたりは非常に参っておる。ますますピンはねをされてしまって、しまいには非常にひどいものだということが実際において行なわれておるわけでありますが、それはメカニズムの上では非常にむずかしいことはわかります。現状がそうなっておるのに対して、ある程度だれかが救いの手を伸べていかなければそういうものはいつもしわ寄せされているわけであって、一方ではどんどん企業が発展しているのに、一方ではそういう人が絶えずそのまま置かれておっていいというわけにはいかないわけであります。それが、たとえば家内労働法にも大きく取り上げられておるわけでありますが、しかし、それまで待っているというのではなしに、いまの行政でこういうものに対してはある程度の措置をしなければ、私は、まだその企業としてやっているところはいいとしても、下請で、しかも、個人でそれを請け負わされている面については、非常に毎日の生活に響いてくるのではないか。それは健康に響くことである。私は特にその点ちょっといろいろ調べてまいりましたけれども、案外そういうところに結核の患者もあるわけですね。それに対しては個人でやって、しぼりなどをやっているところだから定期検診も受けるようになって、あるいは公共団体から来ましても、受ける間がないから受けていないというのが実態です。それだからして、そういうようなことを考えてみると、私は、非常に公衆衛生から考えても問題が起こるであろうし、労働条件の中においても非常に大きな問題があるわけでありますが、そういう観点から、私はそういうふうな、もっといまおっしゃっているようない高い次元でなしに、次元の低いところでもう少し私は行政の手を差し伸べることが必要ではないか。それに対してはいまどういうことがやられるのか、そういうことのほうが先決ではないかと考えているわけです。いまおっしゃっているお説のルールであれば私も了解しているわけです。社会党のほうも法案については相当真剣に取り組んで提案をしようとしているわけですから、その点についてはよくわかるんですが、もっと低い次元ですね、低いところを何とかする必要はないかというふうに思うんですが、そういう点についてはどう把握しておられて、これでだいじょうぶだとあなたのほうはおっしゃっているのか。それと、ことに内職なんかをやっている人たちを婦人少年局長のほうでどう把握しておられるのか、おたくのほうが一番の責任者ですね。そういうところでそういうしわ寄せをされている実態を見て、それはもう常にこういう内職の指導所もあります、これもありますということで済ましていくんではなくて、もっと何か低い次元のところに対してどうしていくかというその問題を——私は健康の問題であれしようといえは、私はちょっと調査に行きましたから、的確にどこにどういう人がおるということもあげられる。方々見て歩いて、なぜ検診を受けないかというので、啓蒙的に話してまいりましたけれども、やはり次から次へと仕事に追われていて受けていないわけです。また、受けにくいような状態もあるわけですね。そういうようなことも考えてみると、案外日の目の当たっていないところではどんどんむしばまれていくという状態があるんだから、私はそういうものに対して真剣に何か吸い上げてもらって、これに対する措置をしておいてもらいたい、こういうように思うんです。
この発言だけを見る →
村上茂利#20
○政府委員(村上茂利君) 先ほど来の先生の御指摘の趣旨は私ども十分承知をし、同感するものでございます。行政手段としてきめ手に欠けるというのが現状でございます。しかしながら、昨年の三月でございましたか、地方の基準局に対しまして、家内労働行政の推進という立場から、最低工賃の決定、標準工賃制度の推進、家内労働手帳の普及、労働時間の適正化、安全衛生に関する指導といった各項目につきまして通達をしたわけでございます。しかし、その後家内労働審議会の審議の進行に伴いまして、問題をさらに掘り下げまして指導する必要があると存じまして、本年度は特にモデル地区の指導地区を設定いたしまして、相当徹底した指導を行ないたいという考えでございます。そのような考えに立ちまして、いずれ近く別途家内労働対策の促進につきまして通達を出しまして、より一そう御指摘のような問題に対しまして、あたたかい手を差し伸べたい、かように考えております。方向としましてそのような方向に進み、そうして家内労働審議会の答申を促進いたしまして、それを待ちましてさらに次の本格的な体制に移行したい、かような考えでございます。
この発言だけを見る →
大橋和孝#21
○大橋和孝君 いまのようなそうしたお考えで私はありがたいと思うんですが、そのおやりになるときに、私がいま申しているようなぐあいに、一つの系列があるものはいいわけですが、そうでなしに、ばらばらにやっている家内作業的なことを私はいま申し上げたので、たとえばそれがだれかの委託を受けているわけですから、私は、その委託者を含めて、何かそういうような地方自治体なら地方自治体が指導をして、あるいは、また、おたくのほうが地方自治体のほうに命令されて、そうして委託者を含めての受注者ですね、受けている人との何かはっきりした話し合いの場、あるいは、また、指導の場、こういうようなものができないと、私は、案外いろんな通達がおりてきましても実際にいかないわけです。だから、私は、先ほど自治体の云々をお尋ねしたのはそういうことであって、もう少し自治体の中でそういうことをやる係がおって、そして、たとえばしぼりの問題についても、あるいは、また、ちょっとした外国向けの人形やなんかやっているわけですが、そういうような問題にしても、その委託者とやるほうとの間にかなり第三者というか、指導者が入って、そしていろんな指導をしていくというものがないと、私は非常にこれは受けとめにくいと思うのですが、そういう点なんかも、私のいま見たところでは行なわれていないところがあるわけですが、全体としてはかなりそういうことは手を差し伸べてやるような指導をしておられるのかどうか。特に私は、このような問題はもう少し前向きに前進しないと、この問題は案外議論しておっても行き違いの議論であって、こっちの言うていることがなかなか了解していただけないような面もあるわけなんですが、そういう点で、ひとつ私は、そういう問題をもっとほんとうに現場におりていくような形で、もう少しひとつ地方自治体とのからみ合わせでそれを何か持っていく方法は考えておられるのかどうか、お伺いしたい。
この発言だけを見る →
村上茂利#22
○政府委員(村上茂利君) 昨年三月に出しました通達におきましても、労働基準監督機関、婦人少年室、都道府県関係機関とよく連絡を密にいたしまして、情報、資料の交換、対策の促進といった考え方は出しております。しかし、先ほど申しましたように、さらにきめこまかく有効な方途を考える必要がございますので、近くそういった問題について通達を出したいという考えでございます。
この発言だけを見る →
大橋和孝#23
○大橋和孝君 もう一つ私はその通達の中で強調していただきたいことは、これらの業に属している人は、わりあい働き盛りの人は少ないわけです。もう奥さんとか、あるいは、また、老人というのが比較的やっているわけです。だからして、先ほどちょっと触れたように、非常に健康条件が悪い人、が多い。これはそういうようなことで、もう一つこういう人たちの健康管理の面を、ひとつばらばらにやっている人たちがもう少し何とか地方自治体との間にあって、そしてこういうものがもう少し健康管理をうまくしてもらうようなことをひとつ十分考えていただきたいし、同時に、また、非常に老人のそうした仕事は、私はむしろ逆に言えば、こういう老人たちが仕事をしないでおるほうがかえって悪いわけでありまして、うまくそういう管理さえ行なわれれば、それも一つの労働力の補佐になるわけでありますから、私は、もう少しこういう人たちを、賃金も条件も引き上げることによって労働のほうに向けていくという形で、むしろそのほうが年寄りに対してもしあわせじゃないか、老人だからといって老人ホームに入っておれば、むしろさびしさのために自殺する人もふえるというようなくらいな実態もあるわけですから、そういうことから考えると、こういう人たちのいわゆる健康条件、あるいは、また、そういうことに対する指導、あるいは、また、できれば、いま申したような指導によって賃金の面も労働条件の面も引き上げられる、それにプラスして健康というものがもう少し裏づけられていくような指導をここでもう一つ深めていただきたい、こういうように思うのですが、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →
村上茂利#24
○政府委員(村上茂利君) だんだんと家内労働対策を進めてまいります過程において、先生の御指摘のような事例も私ども相当もう承知いたしております。ただ、問題にぶつかりますのは、そういった健康管理なりいろいろな疾病があります場合の措置につきまして、費用をどこが負担するかといったような問題でございます。しかも、それが内職で、だんなさんが健康保険に入っているといったような条件の場合とか、そうじゃなくて、国民健康保険に入っている場合とか、さまざま態様がございまして、画一的にこれは処理できないと思いますけれども、何らかの措置が必要だ。労働省がいま考えておりますのは、職業病モニター制度を中小企業対策として考えたのでございますが、昨年から発足したのでございます。しかし、せっかく設けた制度でございますから、家内労働者につきましても、この職業病モニターを活用したいという観点から、このモニター制度をさらに活用するようにという考え方をとっております。しかし、たとえば奈良県のくつ製造におきましても、かなりやっておりますとだんだんと視力が衰え始めてまいります。これをどうするかという問題がございまして、地元の基準局長が県その他とその問題について具体策を検討しておるといったようなことで、ケース・バイ・ケースで何とか措置を講じようじゃないか。これは労働行政系統だけでなくて、県市町村といった関係方面とも協力いたしまして具体的な方策を生み出す、こういったことでいま努力いたしておるような次第でございます。
この発言だけを見る →
大橋和孝#25
○大橋和孝君 ちょうど私も今度先ほど申し上げたように、いろいろ調べてきまして、非常にそういうような悪い条件があるわけであります。特に私は、ここらの人たちはいま言っているような保障がないわけでありますね。たいてい雇用関係が明確であれば、そこで事業主のほうが何とかするとか、私は、ここで職業あっせんをしている人たちは、調べてみると、またそれもあまり基盤が大きくないわけですね、ただこっちへ持っていくだけの仕事をしているわけですから、これはどうしようもないけれども、私は、こういうところに対しては、最近非常に生活保護とか医療保護とかいうものをできるだけ加味するように話をしてみましたけれども、これがもういまの条件ではいろいろちょっとしたものがあったり、だれかほかの人がつとめておったり、子供が高等学校へいっておったりという、いろいろの理由でもって全部入らない。こういうものに対してはほんとうに見るに見かねる思いをしたわけです。こういうことに対しては、労働省のほうでも、今度の法律ができればそういうものに対してのある程度のあれはできると思うのでありますけれども、現在の段階において、こういうような人たちに指導だけでなく、何とかする方法がいま必要じゃないかということを切実に感じてきた数例を持っているわけです。ですから、そういうようなことに対してこれは労働省のほうでも何とか考えてもらって、まあ厚生省との問の状態でそういうものを特別何とかするとか、何か一つの手を差し伸べないと、あのままの状態では——かなりこれは全国的に見ればそういう人が多いのじゃないか、こういうふうに思うわけですが、私が調べてみたのは京都府だけで、一部だけなんですが、そういうことから考えて見ますと、ああいうことであれば、もっともっとそういう苦しい状態に追い込まれてきており、時に病気が発見されてもなかなか医者に見てもらわない。私が知っているのは、この辺は一ぺん死ぬまでに医者に見てもらったらけっこうだ、あの人はどこやらの医者に見てもらったから、もうじきに死ぬだろうということが現にあるのです。そういうのを見ると、いまの進んだ段階に比べてみると大きな断層があるわけですから、それを一体だれがカバーすべきかということで、私は自治体のほうにも、京都は市長が革新ですから、わざわざ、あなたらどうしているかということで話しに行きました。しかし、なかなかそこに法的な何があるし、できにくい状態があるわけです。しかし、これを一体どこで考えてもらってすべきかということで私は非常に迷ったわけです。基準局長あたりは、それはどうしたらいいと思われますか。ちょっと何かいい提案があったら教えてください。
この発言だけを見る →
村上茂利#26
○政府委員(村上茂利君) 労働省の行政の範囲でございますが、私どもが行政通達を出しております考え方は、危険有害な家内労働については労災保険の特別加入、つまり雇用労働者でないものであっても、それに類似するものは特別加入という制度がございます。たとえば大工の一人親方とか零細漁民とか、農民でトラクターを運転する者とか、労働関係はなくても、これに類似する一定のものにつきましては特別加入制度を設けているわけです。
この発言だけを見る →
大橋和孝#27
○大橋和孝君 日雇いですか。
この発言だけを見る →
村上茂利#28
○政府委員(村上茂利君) 日雇いであろうと、日雇い労働者は雇用労働者ですから、これは本来の労災の問題になりますけれども、家内労働者は労働関係がないので家内労働と、こうなっているわけですから、そういうものでも特別加入制度を活用したいということで地方には示達しているわけであります。ただ、問題は、保険料はだれが負担するかということでございます。労働関係がございますれば、御承知のように、使用者に負担をさせます。結局家内労働者が負担せざるを得ない。ところが、家内労働者の工賃というのは非常に低い。そこで身を粉にしてかせいだ金をさらに保険料として納める余裕があるかどうかと申しますと、制度がありながら、結局経済的負担という問題になりますと、現実にはなかなか入ってこない、こういう問題があるわけです。そこで、先生の御指摘の趣旨もわかりますし、労働省として取り得る方策は何とか活用したいというのが私どもの念願でございますが、結局回り回って、負担をどうするか、工賃が低いということとのからみ合いからいたしまして、非常な困難と悩みを感じておるわけでございます。結局、先生御指摘のような山村、漁村といっては何ですけれども、そういったおくれた地域にありますそういった方々に対する医療的措置ということになりますと、なかなか労災保険とか、そういう制度の伸びがたい面がある、ここを今後どうするかという問題でございます。にわかに私ども結論的なものを持っておらないのでありますが、労災保険特別加入を推進するという考えは労働省としてあるということだけは申し上げておきたいと存じます。
この発言だけを見る →
大橋和孝#29
○大橋和孝君 労働大臣にもちょっと聞いておいていただきたいと思いますが、こういうような問題で私も自分自身として悩んでおるわけなんですが、いまおっしゃるように、厚生省のほうに対しましても、こういう問題について一ぺんこれを根本的に考えてもらおうという私自身も気持ちは持っております。しかし、労働にからんでおるわけですから、そこらの人たちに、労働省のほうとしては労働省の側から、こういうものに対してもちろん賃金を上げることも考えてもらわなければならぬが、こういうふうなものを家内労働の中でこれを何とかひとつ一歩でも前進をさして、こういう人たちを救うような道を考えるべきではないかと私は思うのでありますが、そういうところに対しての大臣の御所見と、それから、また、これに対してできるだけ早い機会に何とかこういうような方向でこれに対して取り組んでいただけるかどうか。少なくとも、こうした零細な内職的な家内労働に対しての今後のその持って行き方、そういうことについてひとつ特にお伺いをしておきたいと思うのです。
この発言だけを見る →
← 戻る