田畑金光の発言 (石炭対策特別委員会)
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○田畑委員 石炭対策特別委員会委員派遣九州班について、その概要を御報告申し上げます。
九州班の派遣日程のうち、三池炭鉱の災害関係につきましては、すでに一昨日の委員会で御報告いたしましたので、この部分を除いて申し上げたいと存じます。
まず派遣日程を申し上げます。
私ども九州班の一行は、十月二日筑豊地区に入り、穂波町の旧三菱鉱業飯塚炭鉱のあと地に造成する飯塚団地を視察した後、稲築町の山野鉱業に参りました。山野においては、まず、昭和四十年六月の大災害でなくなられた方を祭る慰霊塔に生花を供え、黙祷をささげた後、犠牲者の未亡人、遺族が働いている第一靴下山野工場を視察し、さらに山野鉱業、山野鉱業労働組合、山野鉱業職員労働組合及び三井鉱山山野事務所より、それぞれ説明並びに要望を聴取いたしました。続いて、山田市のアサヒ縫製加工、セラミック化学、田川市の田川タイル、直方市の中泉団地を視察した後、中間市において鞍手工業用水の工事現場、大正鉱業の鉱害による曲川、堀川の実情等を視察いたしました。
翌十月三日は、北九州市若松区にある電源開発株式会社若松火力発電所におもむき、概況説明を聴取した後、所内を視察いたしました。続いて、若松文化体育館小ホールにおいて石炭販売業者との懇談会を行ない、大手炭鉱の販売業者、中小炭鉱の販売業者、石炭販売商社の意見を聴取した後、八幡製鉄株式会社において概況説明を聴取し、戸畑製造所を視察いたしました。
翌十月四日は、福岡市において、石炭関係者との懇談会を行ない、福岡県、福岡県議会、福岡県鉱業市町村連盟、福岡県鉱業関係市町村議会議長協議会、日本石炭協会九州支部、西九州石炭鉱業会、北九州石炭鉱業会、産炭地域進出企業連合会、日本炭鉱労働組合九州地方本部、全国石炭鉱業労働組合西日本事務局、全国炭鉱職員労働組合協議会九州地方本部、福岡県鉱害対策被害者組合連合会、福岡県鉱害家屋被害者組合連合会、福岡県教育委員会及び福岡県教職員組合より、それぞれ意見を聴取いたしました。その後、佐賀県に入り、唐津市の九州電力唐津発電所を視察いたしました。
翌十月五日は、多久市役所において、三菱鉱業古賀山炭鉱の閉山問題について、古賀山炭鉱、古賀山炭鉱労働組合、古賀山炭鉱職員組合及び多久市より、それぞれ説明並びに意見を聴取いたしました。続いて伊万里市の長浜窯業団地、伊万里合板を視察し、さらに便宜隣県の長崎県松浦市の調川団地まで足を伸ばし、その後、佐賀市に戻り、佐賀県庁において、佐賀県、佐賀県鉱業市町村連合会、長崎県及び長崎県鉱業市町村連合会と懇談会を行ない、愚見を聴取いたしました。
以上をもって、全日程を終わったのであります。
次に、各地において要望された主要事項について申し上げたいと存じます。
第一に、山野炭鉱においては、労使双方から、増加坑内場排水費補助金の実現、自己救命器等保安機器の開発整備とその全額国庫補助、炭鉱労務者確保のための炭鉱離職者臨時措置法の再検討の三点について要望があったほか、会社からは安定補給金を早急に交付されるよう要望がありました。また、その際、漆生鉱業所から増加坑内場排水費補助金について、三井鉱山山野事務所から昭和四十七年に有効期間が満了する臨時石炭鉱害復旧法の延長について、それぞれ要望されたのであります。
第二に、北九州市における石炭販売業者との懇談会においては、日本石炭協会九州支部から、国鉄運賃、港湾作業料金、海上運賃等石炭流通経費の値上げ抑制、石炭輸送適合船腹の不足に対処しての近代化石炭専用船の追加建造、スケールバージ輸送の早期具体化、石炭輸送適合船腹の解撤対象よりの除外、需要確保対策としての九州炭車焼火力の追加建設、官公庁の石炭優先使用の堆進について要望があり、北九州石炭鉱業会並びに西九州石炭鉱業会からは、大手の炭価との値差の解消、中小炭鉱の電力用炭納入ワクの拡大と納入率の維持、電力用炭販売株式会社の納入炭代繰り上げ払いの継続について要望がありました。次いで九州石炭販売業者からは、石炭生産力の安定増強、特に中小炭鉱の経営安定対策の確立について要望があったほか、若松埠頭株式会社から流通合理化資金借入金の返済期限の延長について、その事情説明とともに要望がありました。なお、その際、北九州市から、日本炭礦再建計画に関連する地域における北九州市の地上計画に対する国の援助の促進、響灘事業計画の推進について要望されたのであります。
第三に、福岡市における懇談会においては、それぞれ次のような要望がありました。
まず、福岡県からは、石炭専焼火力の増設、安定補給金の増額、ビルト対策の強化と鉱区の統合調整、大型石炭専用船の建造、保安施設に対する国の助成と被災者援護の強化、労働条件の向上と生活環境の整備、石炭対策特別会計の効率的運用、幹線道路及び団地進入市町村道の整備、九州縦貫自動車道福岡−北九州岡の早期着工、篠栗線臼井駅までの延長の促進、自動車工業等の中核企業の導入、進出企業に対する事業税の減免補てん措置、産炭地域振興事業団の出資制度の拡充と予算ワクの拡大、工場貸与制度の強化、工場用地に対する譲渡所得の特別控除、鉱害復旧年次計画の策定と予算の確保、鉱害復旧における県負担の一〇%以下への怪減、鉱害復旧関係機関の統合とその強化充実、緊急就労対策事業の期限の延長、国の直轄または高率補切による大規模公共専業の集中的実施等のほか、産炭地域農業の振興、地方公共団体の財政対策、文教対策等について要望がありました。
次いで福岡県鉱業市町村連盟からは、中核企業の導入、特に疲弊のきびしい地域への国営事業、公社等の進出、進出企業の設備に対する国庫助成の強化、過密都市よりの進出企業に対する奨励金及び税制上の優遇措置、進出企業に対する事業税の減免補てん措置、進出企業に対する開発銀行、中小企業金融公庫融資の金利引き下げのための利子補給、岸炭地域振興事業団の支部の権限の拡大、産炭地域振興事業団の融資対象事業の拡大、融資比率の引き上げ、金利の引き上げ、運転資金融資の増額、事業団造成用地の価格の引き下げ、事業団の出資制度及び工業用水道に対する資金量の大幅増額とその実施の拡大、事業団による閉山炭鉱遊休地の高度利用、産炭地域地方公共団体の公共事業に対する離島振興法並みの高率国庫補助と対象事業の範囲の拡大、終閉山に伴う地方公共団体の特殊な財政需要に対する地方債、地方交付税の特別措置、事務職員及びカウンセラー配置等のための僻地学校に準じた財政援助措置、鉱害復旧の早期達成と国庫補助率の大幅引き上げによる地方公共団体の負担の軽減、改組される鉱害事業団の全額政府出資、その本部の九州設置による地元意思の反映、暫定補償、家屋自体、営業補償等に対する国債補助、緊急就労対策事業の延長とその吸収ワクの拡大、炭鉱離職者求職手帳失効者並びに新たな炭鉱離職者吸収のための全額国庫負担による大規模な特別救済土木事業の実施、終閉山の影響を受けた中小商工業者に対する特別融資制度及び特別保証制度の拡充強化、産業基盤整備事業の円滑な執行のための調整資金制度の創設等のほか、公共事業の繰り上げ施行、産炭地域農業の振興等について要望がありました。
次に、福岡県鉱業関係市町村議会議長協議会からは、石炭の位置づけ五千二百万トン程度の確保、中小炭鉱に対する金融の強化、安定補給金の増額等による閉山続発の防止、保安の確保、第二次産炭地域振興実施計画完全実施のための予算措置と法令の整備、諸事業に対する離島振興方式に準ずる高率国庫負担制度の創設、国営事業、公社等の進出と民間誘致企業に対する融資、税制上の優遇措置、中核企業の定着と地場産業の育成、産炭地域振興事業団の事業範囲の拡大、融資対象の拡充、融資条件の改善、閉山炭鉱あと遊休地の活用に対する国の助成措置、鉱害復旧の総合的、計画的促進、地元市町村の鉱害復旧の負担の解消、緊急就労対策事業の延長とその事業双単価の引き上げ及び吸収ワクの拡大等について要望がありました。なお、その際山田市より、現在経営困難のため操業停止におちいっているセラミック化学について、同社は、山田市に豊富に埋蔵されている粘土を原判としてセラミックタイルを製造する会社であり、今後、山田市が窯業を重点の一つとして発展する上に、中核となる企業であるので、その存続再建について援助されたい旨陳情があったのであります。
続いて、日本石炭協会九州支部からは、炭鉱離職者の炭鉱再就職を促進するため、職業安定川における炭鉱離職者の就職指導等にあたっては、炭鉱優先をさらに徹底するよう指導すること、職業安定所の求人に際して、炭鉱と他産業の募集開始時期の間隔を最低二十日確保すること、及び第二種移住資金を第一種に優先するよう引き上げること、労働力の流出を防止するため、炭鉱離職者求職手帳の発給条件を厳格化するとともに、諸種の援護措置は炭鉱再就職が困難な場合に限定すること、産炭地域または鉱業用地内の内職センターの設置に対する優遇措置を検討すること、炭鉱労務者住宅の新改築並びに近代化整備に対する助成、若年労働力確保のため、炭鉱が設置する鉱業学校、養成所の施設充実等についての助成、坑道掘進補助金の予算ワクの大幅増額、改組される鉱害事業団において総合復旧が行なわれる場合には、鉱業権者の負担増を来たさないよう負担の限度と免責を明確化すること、総合復旧の場合でも重鉱害あるいは軽微な鉱害等、場合により金銭賠償を活用すること、このため臨鉱法の復旧不適地制度を明確化するとともだ、無資力鉱害についても国による金銭賠償もできるようにすること、改組される鉱害事業団の従来の賦課金にかわる手数料は、極力低率とすること等について要望がありました。
次に、北九州石炭鉱業会並びに西九州石炭鉱業会からは、石炭の位置づけ五千万トンが絶対必要であることの再確認と社会全般に対するその徹底、政策実行にあたって大手、中小とも公平を期すること、安定補給金等の早期交付、来年度安定補給金の最低トン当たり二百円の確保、労務者確保のため、労働環境改善に対する助成、移住資金、雇用奨励金等を他産業と同等以上にすること、国による中卒者養成機関の設置、中小企業の金融公庫の貸し付け限度の一億円への引き上げ、合理化事業団による運転資金の融資、石炭鉱業向け金融機関の一元化による資金の確保と企業の特性に見合う融資条件の緩和、機械貸与制度の充実、保安施設並びに機器に対する補助率の引き上げと融資ワクの拡大、機械技術センターの設置による新鋭機械の紹介、技術指導、中堅機械鉱員の養成、再教育、石炭技術振興助成金の増額と助成対象の拡大等のほか、閉山対策、鉱区調整、鉱害復旧の早期、実施について要望がありました。
次いで、九州産炭地域進出企業連合会からは、長期運転資金の融資ワクの増額、事業団の直貸し、貸し付け金の対象範囲の拡大、貸し付け比率を事業団六〇%とすること、不動産取得税及び固定資産税の減免措置の運用緩和、官公需の優先発注と民需のあっせん、電力料金の値下げ、若年労働力の確保について要望がありました。
次に、日本炭鉱労働組合九州地方本部からは、石炭の位置づけ五千二百万トン程度の確保、政策需要及び官公庁等の暖房用石炭使用の推進、販売公社的機構の設置による銘柄の廃止と販売機構の一元化、鉱区の調整と適正規模への再編成、労働基本権の確立と政策賃金の打破、保安法規の抜本的改正と強力な行政措置、監督官の大幅増員、保安改善に対する国の財政措置、保安不良炭鉱、終堀による閉山以外のスクラップの中止、滞留離職者対策を行なう国の機関として、炭鉱離職者援護協力というようなものを九州等に設置すること、官公庁等への離職者の積極的雇用、中核企業の誘致とそれへの滞留離職者の再就職の推進、昭和三十七年四月以前の離職者の援護、一般失対事業及び緊急就労対策事業のワクの拡大と賃金の引き上げ、CO特別法の具体的内容についての早急な話し合い、退職者の未払い賃金の完全確保等について要望がありました。
次いで、全国石炭鉱業労働組合西日本事務局からは、労働条件の引き上げと安定補給金の増額による大手、中小間の賃金格差の是正、保安機器の整備拡充、保安管理の指導強化、保安教育の徹底、炭鉱住宅の新増改築資金の融資、公営住宅の活用、持ち家制度の促進、炭鉱医療機関の一元化、石炭産業一本の健康保険組合の設立、今次三池三川鉱災害による遺家族、CO患者に対する万全の援護について要望がありました。なお、その際観世音炭鉱労働組合から、安定補給金の早急な交付、坑道掘進補助金の条件緩和による中小炭鉱への交付、鉱職員、坑内外すべてに及ぶ年金の支給、中小炭鉱の長期運転資金についての事業団保証方式の拡大と限度額の引き上げについて、また、全国石炭鉱業労働組合新大峰炭鉱支部から、増加坑内揚排水費補助金について、さらに、楠久炭鉱労働組合から、七月集中豪雨による土砂くずれ、主要扇風機の埋没に関し、損害額の国家資金による融資あるいは補助、伊万里溝の総合開発、北松炭田の特性に対する坑道掘進補助金の考慮について、それ、それ陳情書が提出されたのであります。
次に、全国炭鉱職員労働組合協議会九州地方本部からは、昭和四十三年度予算の拡大、特に増加坑内揚排水費補助金の確保及び炭鉱保安専用機器開発費補助の増額、貯炭対策、賃金の引き上げと生活環境の整備、賃金遅欠配の防止、閉山における賃金債権一〇〇%の保障、保安教育の強化、鉱害復旧対策等について要望がありました。
次いで、福岡県鉱害対策被害者組合連合会並びに福岡県鉱害家屋被害者組合連合会からは、総合復旧計画の推進、臨鉱法における追加工事規定の新設、復旧不適地の処理規定の削除、鉱害復旧事業団の機構の強化、これに関連する現在の評議員会の機能、農地の区画整理を伴う復旧における換地処分、臨鉱法による暫定補償金に対する課税の廃止、合理化法による鉱区再採掘の中止、和解仲介委員会の権限の強化等について要望がありました。
次に、福岡県教育委員会からは、岸炭地教育振興のため、補導数量、事務職員の配置、学級当たり収容人員の緩和、学校施設の鉱害復旧費の設置者負担の軽減等について要望があり、最後に、福岡県教職員組合からは、擁護教員の配置等のほか、定時制高校教育の円滑化のため労働条件の向上について要望があったのであります。
第四に、多久市における古賀山炭鉱閉山問題については、会社側から含水帯に当たり、技術上困難となったものであり、無理しても採算不可能の出炭ベースとなる旨説明があり、労働組合からは、保安上または炭量枯渇ならやむを得ないが、技術的に問題はあるとしても稼行可能と考えており、採算上も三菱全体でカバーできる程度のものである。したがって閉山には反対である旨の意見が述べられたのであります。また、職員組合からは、保安上可能かいなか、資金経理上可能かいなかの二点につき、三菱職員組合連合会として問題を解明するとの説明があり、さらに多久市からは操業継続について要望がありました。
最後に、佐賀市における懇談会においては、それぞれ次のような要望がありました。
まず、佐賀県からは、古賀山炭鉱の存続に対する配慮、産炭地域振興実施計画の具体的推進についての強力な措置、産炭地域振興事業債制度の新設とその元利償還金についての地方交付税による補てん、伊万里湾総合開発の助成、中核企業の導入と事業団の拡充強化、鉱害復旧年次計画の策定とその予算の確保、地方公共団体の負担の軽減、炭鉱離職者の地元就職措置の強化、緊急就労対策事業の事業費単価の増額、保安ぼた山処理事業の補助率の引き上げのほか、産業基盤の整備、農業対策、文教対策等について要望がありました。
次いで、佐賀県鉱業市町村協議会からは、古賀山炭鉱の存続、杵島炭鉱の安定、閉山炭鉱遊休地の政府買い上げによる高度利用、産炭地域振興実施計画の年次計画の具体的策定、伊万里開発に対する早急な結論の提示、産炭地市町村道路の整備の計画化、事業団の機能の拡充強化、鉱害復旧事業の促進、産炭地域中小企業者に対する特別融資制度の改善、炭鉱住宅の改良、ぼた山の防災施設の完全化等について要望がありました。
次に、長崎県からは、産炭地域振興実施計画の早期実施、産炭地域振興対策事業債の早急な新設、政府直営工場の建設、事業団造成用地の価格の引き下げ、鉱害復旧における無資力、無権者の早期認定、地すべり、鉱害競合災害の早期復旧、西彼杵郡北部地域の電話自動化と主要市外局への即時通話の早期実現について要望がありました。
最後に、長崎県鉱業市町村連合会からは、ビルド鉱対策として労務者の確保、ビルド鉱に対する安定補給金の確保、離島の産炭地域振興等について要望があったのであります。
以上の諸項目は多岐にわたりますが、いずれも重要なものであります。本委員会はもとより、関係政府機関においても十分これを検討し、適切な措置を講ずることを強く要請して、九州班の報告を終わります。