大河原一次の発言 (建設委員会)
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○大河原一次君 私は、藤田委員長、大森理事、奥村委員とともに、去る十月二日より六日まで五日間にわたり、大阪、奈良、滋賀及び京都の各府県下における道路、住宅、河川等、本委員会所管の公共事業について実地調査いたしました。ここに調査団一行を代表いたしまして、その調査事業の概要及び所見等につき、私から御報告申し上げます。
まず、本調査の調査事項について簡単に申し上げます。昭和四十五年に大阪府千里丘陵で開催されます日本万国博覧会に関係する諸事業のほか、次の事業について実地に調査いたしました。
大阪府下におきましては、阪神高速道路公団の建設事業のうち、特に大阪国際空港に通ずる高速道路大阪池田線及び高速道路大阪守口線、いわゆる三号線及び三号分岐線の建設及び計画決定路線、都市再開発の一翼をなす東大阪流通センター、千里ニュータウン等であります。
奈良県下におきましては、日本道路公団が建設中であります大阪天理道路の建設路線をはじめ、県の計画しています大和高田、橿原及び奈良のそれぞれ道路バイパス計画路線、奈良都市計画街路事業及び日本住宅公団が計画しています平城地区の宅地開発事業であります。
また、滋賀県下におきましては、琵琶湖開発に関する県当局者の説明を聴取いたしましたほか、特に大津駅前地区の都市改造事業及び京阪電鉄石坂線の連続高架事業計画、国道百六十一号線及び主要地方道の京都大原−今津線の道路改良整備を必要とする路線についてであります。
さらに、京都府下におきましては、去る七月二日、ゲートの決壊事故を起こしました関西電力株式会社の建設にかかる由良川水系の和知ダム、同事故に関する問題のほか、国立京都国際会館を参観するとともに、古都保存及び近郊緑地保全に関する諸点についてでありました。ここで右に述べました事業の概要について逐一申し述べますと相当長時間にわたりますので、簡潔に申し上げることにしたします。
まず、日本万国博覧会関係事業であります。同博覧会は、大阪の都心から約十五キロ、名神高速道路沿いの千里丘陵に会場を建設し、昭和四十五年三月十五日より六カ月間開催されるのであります。会場基本計画は、昨年十月会場基本計画委員会から最終答申が行なわれ、本年三月十五日に会場の敷地造成工事の起工式が行なわれて以来突貫工事で進行され、現在若干の未買収土地が残っているものの、その進捗は六五%程度進行しているといわれています。計画面積は約三百三十ヘクタール、今年は場内道路、上下水道、電気、ガス等の主要な配管埋設等の基礎工事に着手し、造成工事は来年一月一応完成せしめる計画となっております。
また、出展参加については、外交ルートを通じ、諸外国及び国際機構に対して参加招請状が発せられるとともに、政府代表及び日本万国博覧会協会関係者の招請訪問も行なわれました。また、国内については、各民間企業、団体に対して参加勧奨が積極的に進められ、調査時において、すでに二十九企業、団体の出展参加が確定し、敷地割り当て、展示内容も逐次固まりつつあるといわれます。資金計画は、同協会の昨年十月案によりますと、総計七百十五億円となっています。内訳として建設費に五百四十七億円、運営費百六十八億円の支出であります。しかし、この数字は正式決定ではなく、今回七百五十八億四千八百万円の要求案が提出されています。なお、現在までの計上予算額は、昭和四十一年度に五億一千万円、今年度に八十五億一千五百万円の建設が計上されています。
さらに、同博覧会を円滑に進行させるためには、会場輸送上欠くことのできない道路、上下道及び空港等の関連する整備事業が必要であり、総額六千三百七十八億円が決定されているということであります。その他私鉄整備をはじめ宿泊施設等の整備について二カ年余の突貫工事に入ることとなり、これに従事する労働者等の問題も一つの課題となってきております。
大阪府下関係の事業について申し述べます。
まず第一は、阪神高速道路公団の事業であります。公団発足以来、昭和四十一年度までの投資予算額は六百四十二億円で、営業区間延長は十四キロ余であり、本年度完成予定が十一キロで、すでに大阪国際空港に通ずる大阪池田線が去る八月一部開通しています。同公団の本年度事業費は二百八十九億円のほか、都市計画街路事業等の受託事業が十三億余万円となっています。
特に高速道路大阪守口線は、いわゆる旧来の三号線の中之島より中宮町までと三号分岐線と称せられていた中宮町から守口市大庭七番までを一路線にして改名いたしたもので、その延長一万四百九十七メートルであります。このうち、従来の三号線は建設が進んで、来年度上半期に供用開始の予定でありますが、三号分岐線の延長五千三百二十メートルの区間は、完成目途を一応昭和四十五年とし、その全体計画での事業費は百三十六億で、本年度においては用地等に四億円余が計画されています。
この三号分岐線は、昨年八月二十九日の大阪都市計画地方審議会で賛否両論あり、ついに採決により高速道路の路線決定が行なわれた際に、審議会は、都市高速道路から発生する公害問題に対する検討についての要請が行なわれたのであります。この要請に基づき、高速道路公害研究委員会(委員長武井高四郎氏)が設置され、去る九月二十九日には委員会の中間答申が提出されたのであります。その結語には、公共事業は住民個々の利益に優先して考えるべきものであるが、高速道路のように沿道住民に直接の利用関係が少ないものは、公共性だけで、住民に許容限度を越えて無制限に受忍義務を負わせることは妥当ではない。したがって、「高速道路の建設にあたってその構造等を検討し、騒音の発生を防止軽減することにより、生活環境への影響をできる限り少なくするようつとめるべきである。」と述べており、特に本路線の沿線には、十指余の学校等が存在している現状に照らして、「学校、病院等の公共施設等については、騒音により機能が著しく低下する場合には必要な防音設備を設置する等、特段に配慮されることが望ましい」と結んでおります。この路線の建設に対する西村建設大臣の五月十日の本院予算委員会及び七月十三日の当委員会における言明もあり、さらに地元の反対運動も強く、すみやかにこれにかわるべき路線その他の再検討が必要であると思われます。
第二は、千里ニュータウンであります。千里丘陵に、面積一千百五十ヘクタールの土地に、人口約十五万人の想定のもとに公営、公団、公社の住宅及び分譲住宅等を建設するため、都市計画法及び新住宅市街地開発法に基づいて住宅都市を建設しております。この住宅地は、小学校区を単位として十二住区からなり、一住区は戸数にして約二千五百戸、約一万人ないし一万二千人が生活する計画です一したがって小学校は一住区一校、中学校は二住区一校、高等学校は全住区三校であり、道路、公園の占める割合は約四五%であるといわれ、理想的な住宅都市として子供の遊び場、いこいの場所を確保しているようであります。また私鉄駅を中心に全体で三地区に分け、各地区には、地区センターを配置し、オフィスビル、病院等の誘致建設が講じられたといわれます。
第三は、東大阪流通センターであります。同センターは、流通業務市街地の整備に関する法律に基づいて行なわれている事業であります。大阪の都心から九キロの至近距離で、しかも建設計画のある大阪中央環状線と築港枚岡線の交点に当たる東大阪市の地区に問屋ビル、倉庫、トラックターミナル等の流通業務施設を都市計画施設として建設するものであります。大阪市における流通業務施設について、昭和四十一年十二月二十八日に、経済企画庁、農林、通産、運輸及び建設省の基本方針が決定されております。この方針に基づいて、本年四月に、流通業務地区の指定及び団地の決定を受け、現在、昭和四十年十月に大阪府と関西の主要民間企業との出資設立にかかる資本金十億円の大阪府都市開発株式会社が主力となって、トラックターミナルを建設しております。このトラックターミナルは、第一期計画として四万四千七百平方メートルに路線車百十八バース、集配車百八バース等を昭和四十二年度において竣工しようとしておるのであります。その資金十七億円は、大部分を開発銀行の融資によっております。なお、第二期計画は一応昭和四十四年末を竣工期と計画されています。
第四は、大阪府下及び奈良県下にわたる日本道路公団の建設中にかかる大阪−天理道路であります。本道路は、名古屋−大阪を結ぶ路線の一部で、すでに三重県亀山市から奈良県天理市間は、建設省直轄事業で昭和四十年に完成しております。その延伸線で天理市より大阪府松原市間、約二十七キロを自動車専用道路として、公団が建設し、明年度を完成目標に工事中であります。すなわち、十月一日現在での進捗は、建設工事は既契約工事に対し八〇%、全体計画の六〇%で松原地区が若干おくれぎみということであります。設計構造としては、柏原−松原インター間は六車線、天理−柏原インター間は四車線の全体計画であり、その資金計画は総額二百十億円と予定され、本年度は五十一億三千七百万円、明年度以降の事業費は予備費二十億円を含め七十九億円と計画されております。
次に、奈良県下における調査いたしました事業計画の概要について申し述べます。
まず、大和高田バイパス計画は橿原市より羽曳野市間約二十・四キロで、現在国道二十四号線と百六十五号線が橿原市で重複し、かつ国鉄、近鉄との平面交叉が四カ所もあり、これを緩和解消するための路線で幅員三十二・五メートルの六車線計画とし、昭和四十一年度に計画線調査を行ない、本年度に路線決定、実測調査に進み、昭和四十五年の万国博までに完成を期するということであります。
橿原バイパス計画は、橿原市八木町付近は国道二十四号線と百六十九号線が交差し、出合いで国鉄と平面交差しているため、交通渋滞を緩和するため市内の四条より膳夫区間の三・四キロを幅員十六.五メートルの四車線で昭和四十一年度より道路改良工事として実施する計画でありました。そのため、付近の宅地化に先立って、市は三十九年度より用地の先行取得を行ない、昨年度末において約八〇%が確保されていますが、本計画路線が藤原宮跡に関係があるので、文化財の発堀調査の結果を待たなければ建設に着手できない状態となっております。
また、奈良バイパス計画は、現在奈良市の市街地を縦断する国道二十四号線の代代路線として、京都府木津町より大和郡山市間十三・六キロを幅員二十一・五メートルの四車路線とし、その事業費七十一億円と計画されています。本路線の計画は、昭和三十八年度から計画線調査を進め、現在までに実測及び重要構造物の調査のほか、実施設計調査と進み、本年度において実施測量、用地買収と計画されているのであります。しかしながら、本路線の一部が平城宮跡に関係するとして、進展しないままとなっているのであります。もちろん、埋蔵文化財の適切な保護及び措置の必要から、事前調査については奈良県知事に委託されており、昨年十月二十一日に協定が結ばれ、四十三年度まで三カ年で調査を進めるということで、現在発堀調査の準備進行中ということであります。
次は、奈良市の都市計画街路の内環状線及び大宮通りの改良事業であります。内環状線の高天町付近は、現在近鉄線が併用軌道であるため、交通混雑は極限に達しています。県庁前から近鉄奈良駅間は、約八〇%が完成し、すでに高天町までの用地取得が七〇%と進行していますが、高天町交差点から油阪間は近鉄線の地下移設と併行して建設する計画であります。この環状線計画は、街路改良延長七百四十メートル、幅員三十ないし三十六・五メートル、その事業費十三億五千万円と予定し、また近鉄の地下移設及び連続立体は約一キロで、事業費五十二億円、その他駅前広場、国鉄関西線との単独立体を含め総事業費は七十一億五千万円と計画されています。
大宮通り線については、延長約手九百メートル、幅員二十三ないし二十九メートル、事業費十七億円で油坂国鉄線を立体化し、国道二十四号線の奈良バイパス計画路線と接続する計画のようであります。
奈良バイパス計画路線より日本道路公団の阪奈道路に接続する区間の改良計画は、現在公団が阪奈道路の拡幅事業を進行中であることから、同地域が終端取りつけ部分である点もあり、公団の施行にかかることが最も適当な方法であると考えられる。今日まで県当局も建設省、公団に公団側施工を要望しているということであります。
さらに、日本住宅公団の平城地区の宅地開発事業でありますが、当地区は、奈良市の中心から西方に約六キロ、大阪市より二十五キロの奈良市及び京都府木津町、精華町にまたがる高の原丘陵に約六百四十ヘクタールの土地に一万九千戸の住宅、人口七万五千人のニュータウンを計画するものであり、公団直轄施行による土地区画整理事業を行なうため、用地取得を進行しています。給水問題及び公共関連事業に関しては、今後の調整を待つという段階であります。
滋賀県下におけるおもな建設計画及び事業の概要について申し上げます。
本県における中心となる計画は、琵琶湖の開発ということでありましょう。琵琶湖は滋賀県の将来を左右する資源であるとともに、近畿経済圏の生命線とも言える宝庫であります。したがって、無計画な開発行為は、県民生活をおびやかす結果ともなります。すなわち、極端な水位の低下は、湖周住民の飲料水の枯渇となり、農業用水での支障、港湾施設の無能化、漁業への打撃及び観光の価値半減等、きわめて影響するところが大きいのであります。かくのごとき弊害を除去することが、琵琶湖水政のキーポイントであり、さらに前進して、弊害除去を機会に、地域開発構想を織り込んだ開発に力を注入することが、重要な課題となっているのであります。それは治水利水面からの総合計画を樹立し、利水に必要な供給方法と湖周辺対策の確立で、現行利水の合理化、県民生活の安定貢献という諸施策が、国や関係府県の積極的な協力と相まって、初めて開発計画に対する実行が遂行されると県当局は強調しております。
ここで本県下の調査した計画事業の概要について申し述べます。
まず、大津市駅前の都市改造事業で、市が土地区画整理事業を施行するものであります。この事業区域は、国鉄大津駅前の京町二、三丁目、末広町、春日町等の面積八・五ヘクタールの土地でありますが、本事業の進展は、滋賀大学付属の小中学校移転あと地が市に移管となり、国鉄の複々線化に伴い、現在の大津駅舎が約五十メートル東方に移設確定した点にあるようです。従って、すでに都市計画決定されている駅前広場及び計画街路等の公共施設の整備改善と宅地利用の増進をはかり、駅前商店街整備をも合わせて健全な駅前市街地を形成することを目的としています。
公共施設のおもな整備は、都市計画街路の湖岸大津駅線、馬場皇子が丘線、大津駅梅林線を十六ないし三十メートルに拡充し、大津駅前広場に七千八百八十平方メートル、公園に八百二十七平方メートル等施設による減歩率は一五%で、その計画事業費は約十億円と計画されているものであります。
第二は、京阪電鉄石坂線連続高架事業であります。この計画は、都市計画街路の大津港馬場線で、大津市大門通りを全体計画として、高架千二百八十メートル、取りつけ道路七百八十メートル、駅舎三カ所、事業費十四億円であります。このうち第一期計画として、高架延長七百二十メートル、取りつけ道路五百五十メートル、駅舎二カ所とし、事業費八億円となっております。この事業の必要は、現在の国道百六十一号線、都市計晦街路大津駅−浜町線、大津駅−湖岸線、打出浜−本宮線等は、京阪電鉄並びに江若鉄道といずれも平面交差しており、交通渋滞及び混雑を緩和し解消するためであります。
第三は、主要地方道、京都大原−今津線の改良整備であります。本路線は、京都、滋賀を経て福井県小浜を結ぶ重要な路線であるにもかかわらず、現在は未整備のまま放置されておりますが、本道路の改良整備によって国道百六十一号線のバイパス的な役割りを果たすもので、県は本路線の難所であります花折峠をトンネルにする計画を進め、昭和三十八年度以来県単独事業で踏査、比較路線調査及び地質調査を行なってきております。県計画によりますと、トンネル延長は五百十メートル、取りつけ道路に三千二百十メートル、幅員六・五メートルの二車線で、事業概算額は五億五千万円となっております。
最後に、京都府下におけるおもな調査した事業の概要について申し述べます。
まず、関西電力株式会社の建設にかかる由良川水系の和知ダムのゲート欠壊事故についてであります。このダムの位置は、京都府船井郡和知町市場地先に建設された発電ダムで、そのダムの諸元等については、本委員会ですでに説明済みでありますので、これを省略いたしまして事故関係について申し述べることにいたします。
すでに御承知のとおり、このダムのゲート欠壊事故は、去る七月二日十一時十五分ごろに発生しております。事故は、第三号ゲートを約三十センチ開放放流しておりましたが、七月二日にじんかい処理のため第三号ゲートを全閉し、第四号ゲートの流かいゲートの操作に入った瞬間、第三号ゲートが破壊、巻き上げ機とともに百三十メートル下流に押し流され、かつ警報活動にもかかわらず釣り人が一人遭難したというものであります。
この事故発生により、関西電力株式会社は、副社長を会長とし、学識経験者による事故調査委員会を組織し、事故に対する詳細調査を行なってきております。京都府知事からは警告が出されておりますが、この事故に際会して、近畿地方建設局及び大阪通産局は、七月四日に京都大学の矢野勝正教授を委員長とする十三名の学識経験者を集め和知ダム事故技術調査委員会を設置し、残存ゲートの水圧試験をはじめ破壊ゲート部材の材質試験、ゲート応力状況を解明するための構造計算等、究明検討の結果、本委員会は去る十月六日中間答申を提出して「テンターゲートの破壊は、脚柱の挫屈によって生じたものである」と言っております。そして今後のとるべき措置として、一、和知ダムの残存するゲート三門については、
前述した破壊原因にかんがみ早急に十分の補強
をさせること。一、類似の他のテンターゲートについては、その
安全性をチェックすること。一、ゲートの設計について、設計の基準となるべ
き事項を再検討すること。一、ゲートの操作に伴って、ゲートに作用する外
力並びにその動的な挙動についての研究を推進
すること。
この四項目は、技術調査委員会の全委員が一致したもので、関係当局が今後とるべき必要な措置であると結んでおります。
次に古都保存関係であります。いわゆる古都保存法には、歴史的意義のある景観地帯を、歴史的風土保存区域、いわゆる一般地区として定め、そのうち特に重要地区を特別保存地区と二段がまえで区域を設けております。京都には、この一般区域として、醍醐、東山、大原、鞍馬、御室・衣笠、高雄、嵯峨・嵐山地区の七地区、総面積五千六百五十四ヘクタールを指定し、本年二月一日から現状変更行為については届け出義務を課しています。また特別地区は、醍醐、修学院、大文字山、清水、阿弥陀ケ峰、泉涌寺、金閣寺、嵐山、小倉山及び嵯峨野の十地区、千三百三十七ヘクタールを指定し、本年三月一日から現状変更に対しては、市長許可を必要とする措置を講じ、景観保存につとめております。近郊緑地保全地域及び同特別保全地区指定については、現在保全地区として山科北地区のほか、山科西、行者ケ森及び西山地区の四地域で、総面積二千六百八十ヘクタール、特別保全地区は、この地区のうち、面積一千五百五十ヘクタールが指定面積に要請されていますが、現在検討中のものであります。
このような各種の計画及び事業に対しまして、次に結論としてその所見を申し述べることといたします。
その第一は、万国博関連の諸事業のうち会場地域は、去る八月の集中豪雨の際に、中小河川の欠壊によるはんらん、浸水が生じているため、会場建設に先立って中小河川の改修等、その防災施設を講ずる必要が痛感されます。
局速道路三号分岐線については、前述いたしましたごとく、主管大臣の言明にあるとおり、地元関係者との話し合いが円満にまとまらないのに着工などすべきではなく、路線等については再検討すべきであります。
また輸送力増強のための道路整備に関しては、直接関係する道路のほか、その付近地、京都、奈良及び滋賀県は、それぞれ景観豊かな観光地でもあり、万博を契機にこれら観光地に参集する人口は、極限な期間とはいえ、相当多数にのぼると考えられますので、その関係する幹線道路の整備をも十分実行されることが必要であると考えられます。
第二は、万博関係事業の進行にあたり、建設労働者の供給体制及び雇用問題であります。会場建設をはじめ巨額な関連公共事業を進めるに必要な建設技能労働者の供給が円滑に実行されるかどうか。この労働者獲得のために労働賃金の高騰を招き、建設費の膨張ともなると考えられます。政府も、この労働者問題については、積極的な対策を立てて進められる必要があると考えます。それなくしては、他の公共事業に直接関連する問題となるのであります。
第三は、都市再開発の一手法として流通業務施設の積極的な推進が必要であり、重要な公共的事業であります。しかしその建設資金は、大部分が開発銀行からの融資であり、その金利も八分二厘ときわめて高い現状から、この金利を低廉な措置に置きかえ六分五厘程度とし、その事業を一そう促進せしめることが必要であり、きわめて公共性が高いことにかんがみて、補助事業等の方法について検討の余地が十分考えられるところであります。また、この流通業務施設に先立って、関連する高速道路及び幹線道路の整備が強力に進行されなければ、再び地域は異なるとはいえ、交通ふくそうは避けられない現状であります。道路整備の必要が痛感されます。
第四は、奈良県下の大和高田、橿原及び奈良並びに奈良都市計画街路のバイパス及び整備改良事業でありますが、現在の国道二十四号線及び百六十五号線、百六十九号線は幅員狭小地区が大部分であり、交通容量の三倍、四倍に達する交通量は、道路として機能的にも極限であります。特に笹原、奈良バイパスは、藤原宮跡及び平安宮跡の埋蔵文化財との関係において、建設がおくれているということでありますが、歴史的史跡として保存すべき価値のあるものに対しては十分調査検討され、たとえ路線決定についても、また道路の構造設計等においても吟味され、その調整が行なわれることが肝心であります。文化財保護委員会等においても、現在の社会経済的な伸展に対応するため、道路整備の緊急性を賢察の上、発掘調査等の点において鋭意検討されることも必要であると考えられます。
第五は、阪奈道路の拡幅事業の進行中にかんがみ、奈良バイパスとの接続延伸事業は、日本道路公団事業として建設されることが、経済的にも有効な措置のように考えられますが、その点について十分研究検討されることが望ましいと考えられます。
第六は、大津駅前の都市改造土地区画整理事業でありますが、当地域が大津市の玄関口でもあり、将来の都市発展に対して十分検討され、特に民有宅地に対する建築構造物に対しては、変形な都市形成とならぬよう留意指導する必要があると考え、その資金等の措置についても適切な措置が講ぜられるよう切望いたします。また、石坂線立体高架事業に対しては、交通上緊急なものと考えられますが、都市内構造物である関係上、十分な研究と調査を行ない、経済性に立って検討されるよう希望いたしておりますとともに、この種事業に対して国の積極的な指導と援助が痛感されるところであります。
第七は、主要地方道の京都大原−今津線について痛感いたしたのでありまするが、一般国道の整備に比較して地方道はあまりにも整備進行に差がありはしないかと考えられるのであります。というのは、本路線の改良整備は全線実行されていないと見られるからであります。地域の経済開発の先兵は道路の改良整備であり、特に主要地方道等の道路整備が必要であると考え、道路の整備体制において暗点を指向されるべきであると切望いたします。
最後に、和知ダムに関する問題に関係して、現存するテンダーゲートに対する補強措置等について中間答申を十分尊重すべきであることはもちろんであります。また、政府当局においては、現在の設計基準となっているダム構造令、水門鉄骨技術基準などの再検討をするとともに、ゲートの操作に伴って起こる外力、流動水圧等の研究を推進すべきであり、ダム検査にあたっては設計施行、材質について施工の段階においてきめこまかく監督及び監査的な措置が必要ではないかと考えられます。また、貯水前の危険通報装置を完備することも重要であり、従来の慣行的な行政監督を改善する必要があるように考えられます。
以上で調査報告の大要を終えるのでありますが、ここに各地での陳情及び要望事項について申し上げておきます。
大阪工業大学の佐々学長より、高速道路三号分岐線の建設は、公害防除が完全に実施されることが先決であり、騒音公害に対し積極的な施策が強調され、騒音公害防除が実行されない限り建設には協力できないと陳情が出されており、同路線に対しては沿線地域の住民からも建設に反対する意見が開陳されたほか、千里ニュータウン高野台の住民の方々からは、同地区の緑地帯に建設中のじんかい焼却工場の建設に反対する陳情、主要地方道の京都大原−今津線の国道編入と改良整備の促進に関する問題等、いずれも建設に具体的内容を持つものであり、関係当局が十分に検討を加え、調整されるよう特に切望するものであります。
その他、府県及び市当局等から種々一般公共事業に関する要望がありましたが、特にその中で亀の瀬地すべりの抜本的対策の必要があることを申し述べて、私の報告を終わりたいと思います。