建設委員会

1967-11-21 参議院 全161発言

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会議録情報#0
昭和四十二年十一月二十一日(火曜日)
   午前十時四十五分開会
    —————————————
   委員の異動
 十月二日
    辞任         補欠選任
     高山 恒雄君     片山 武夫君
 十月十三日
    辞任         補欠選任
     春日 正一君     野坂 参三君
 十月二十三日
    辞任         補欠選任
     野坂 参三君     春日 正一君
 十一月八日
    辞任         補欠選任
     片山 武夫君     高山 恒雄君
 十一月二十日
    辞任         補欠選任
     田中  一君     村田 秀三君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤田  進君
    理 事
                稲浦 鹿藏君
                山内 一郎君
                大河原一次君
    委 員
                石井  桂君
                熊谷太三郎君
                小山邦太郎君
                中津井 真君
                瀬谷 英行君
                松永 忠二君
                村田 秀三君
                相澤 重明君
   国務大臣
       建 設 大 臣  西村 英一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       通商産業省化学
       工業局窯業建材
       課長       竹村  豊君
       建設政務次官   澁谷 直藏君
       建設事務次官  尾之内由紀夫君
       建 設 技 監  古賀雷四郎君
       建設大臣官房長  志村 清一君
       建設省計画局長  川島  博君
       建設省都市局長  竹内 藤男君
       建設省河川局長  坂野 重信君
       建設省道路局長  蓑輪健二郎君
       建設省住宅局長  三橋 信一君
   参考人
       日本道路公団総
       裁        富樫 凱一君
       日本道路公団理
       事        藤森 謙一君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○派遣委員の報告
○建設事業並びに建設諸計画に関する調査
 (高層ビルの建築問題に関する件)
 (砂利採取の規制に関する件)
 (国道の交通渋滞対策に関する件)
 (東北縦貫自動車道の建設計画に関する件)
 (都市開発の基本問題に関する件)
○参考人の出席要求に関する件
    —————————————
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藤田進#1
○委員長(藤田進君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 委員の異動について畏告いたします。
 昨二十日、田中一君が委員を辞任され、その補欠として村田秀三君が選任されました。
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藤田進#2
○委員長(藤田進君) 先般、建設省の人事異動がありましたので、今回異動された方々からあいさつがございます。尾之内次官。
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尾之内由紀夫#3
○説明員(尾之内由紀夫君) 去る十一日付をもちまして事務次官を拝命いたしました尾之内でございます。浅学非才でございますが、できるだけ努力いたしまして皆さま方の御指導を得てやっていきたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。拍手
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藤田進#4
○委員長(藤田進君) 古賀技監。
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古賀雷四郎#5
○説明員(古賀雷四郎君) 私、十一日付で尾之内次官の後任といたしまして技監を拝命いたしました。河川局長を、二年六カ月の間、たいへん委員長はじめ皆さま方の御指導によりまして大過なく過ごさせていただきましたことを、厚く御礼申し上げます。いろいろ粗野な点があったかと思いますけれども、どうかひとつよろしくお願いしたいと存じます。
 今後ともよろしく御指導をお願いし、ごあいさつを終わります。拍手
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藤田進#6
○委員長(藤田進君) 志村官房長。
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志村清一#7
○説明員(志村清一君) たいへんごあいさつがおくれましたが、去る九月、官房長を拝命いたしました志村でございます。今後とも何とぞよろしく御指導のほどをお願い申し上げます。拍手
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藤田進#8
○委員長(藤田進君) 川島計画局長。
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川島博#9
○説明員(川島博君) 去る九月一日付をもちまして計画局長を拝命いたしました川島でございます。よろしく御指導のほどをお願い申し上げます。拍手
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藤田進#10
○委員長(藤田進君) 坂野河川局長。
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坂野重信#11
○説明員(坂野重信君) 本月の十一日付をもちまして河川局長に任命されました坂町でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。拍手
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藤田進#12
○委員長(藤田進君) 派遣委員の報告に関する件を議題といたします。
 先般、当委員会が行ないました建設事業の実情調査のための委員派遣について、それぞれ派遣委員から御報告を願います。
 まず、近畿班の御報告を願います。大河原一次君。
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大河原一次#13
○大河原一次君 私は、藤田委員長、大森理事、奥村委員とともに、去る十月二日より六日まで五日間にわたり、大阪、奈良、滋賀及び京都の各府県下における道路、住宅、河川等、本委員会所管の公共事業について実地調査いたしました。ここに調査団一行を代表いたしまして、その調査事業の概要及び所見等につき、私から御報告申し上げます。
 まず、本調査の調査事項について簡単に申し上げます。昭和四十五年に大阪府千里丘陵で開催されます日本万国博覧会に関係する諸事業のほか、次の事業について実地に調査いたしました。
 大阪府下におきましては、阪神高速道路公団の建設事業のうち、特に大阪国際空港に通ずる高速道路大阪池田線及び高速道路大阪守口線、いわゆる三号線及び三号分岐線の建設及び計画決定路線、都市再開発の一翼をなす東大阪流通センター、千里ニュータウン等であります。
 奈良県下におきましては、日本道路公団が建設中であります大阪天理道路の建設路線をはじめ、県の計画しています大和高田、橿原及び奈良のそれぞれ道路バイパス計画路線、奈良都市計画街路事業及び日本住宅公団が計画しています平城地区の宅地開発事業であります。
 また、滋賀県下におきましては、琵琶湖開発に関する県当局者の説明を聴取いたしましたほか、特に大津駅前地区の都市改造事業及び京阪電鉄石坂線の連続高架事業計画、国道百六十一号線及び主要地方道の京都大原−今津線の道路改良整備を必要とする路線についてであります。
 さらに、京都府下におきましては、去る七月二日、ゲートの決壊事故を起こしました関西電力株式会社の建設にかかる由良川水系の和知ダム、同事故に関する問題のほか、国立京都国際会館を参観するとともに、古都保存及び近郊緑地保全に関する諸点についてでありました。ここで右に述べました事業の概要について逐一申し述べますと相当長時間にわたりますので、簡潔に申し上げることにしたします。
 まず、日本万国博覧会関係事業であります。同博覧会は、大阪の都心から約十五キロ、名神高速道路沿いの千里丘陵に会場を建設し、昭和四十五年三月十五日より六カ月間開催されるのであります。会場基本計画は、昨年十月会場基本計画委員会から最終答申が行なわれ、本年三月十五日に会場の敷地造成工事の起工式が行なわれて以来突貫工事で進行され、現在若干の未買収土地が残っているものの、その進捗は六五%程度進行しているといわれています。計画面積は約三百三十ヘクタール、今年は場内道路、上下水道、電気、ガス等の主要な配管埋設等の基礎工事に着手し、造成工事は来年一月一応完成せしめる計画となっております。
 また、出展参加については、外交ルートを通じ、諸外国及び国際機構に対して参加招請状が発せられるとともに、政府代表及び日本万国博覧会協会関係者の招請訪問も行なわれました。また、国内については、各民間企業、団体に対して参加勧奨が積極的に進められ、調査時において、すでに二十九企業、団体の出展参加が確定し、敷地割り当て、展示内容も逐次固まりつつあるといわれます。資金計画は、同協会の昨年十月案によりますと、総計七百十五億円となっています。内訳として建設費に五百四十七億円、運営費百六十八億円の支出であります。しかし、この数字は正式決定ではなく、今回七百五十八億四千八百万円の要求案が提出されています。なお、現在までの計上予算額は、昭和四十一年度に五億一千万円、今年度に八十五億一千五百万円の建設が計上されています。
 さらに、同博覧会を円滑に進行させるためには、会場輸送上欠くことのできない道路、上下道及び空港等の関連する整備事業が必要であり、総額六千三百七十八億円が決定されているということであります。その他私鉄整備をはじめ宿泊施設等の整備について二カ年余の突貫工事に入ることとなり、これに従事する労働者等の問題も一つの課題となってきております。
 大阪府下関係の事業について申し述べます。
 まず第一は、阪神高速道路公団の事業であります。公団発足以来、昭和四十一年度までの投資予算額は六百四十二億円で、営業区間延長は十四キロ余であり、本年度完成予定が十一キロで、すでに大阪国際空港に通ずる大阪池田線が去る八月一部開通しています。同公団の本年度事業費は二百八十九億円のほか、都市計画街路事業等の受託事業が十三億余万円となっています。
 特に高速道路大阪守口線は、いわゆる旧来の三号線の中之島より中宮町までと三号分岐線と称せられていた中宮町から守口市大庭七番までを一路線にして改名いたしたもので、その延長一万四百九十七メートルであります。このうち、従来の三号線は建設が進んで、来年度上半期に供用開始の予定でありますが、三号分岐線の延長五千三百二十メートルの区間は、完成目途を一応昭和四十五年とし、その全体計画での事業費は百三十六億で、本年度においては用地等に四億円余が計画されています。
 この三号分岐線は、昨年八月二十九日の大阪都市計画地方審議会で賛否両論あり、ついに採決により高速道路の路線決定が行なわれた際に、審議会は、都市高速道路から発生する公害問題に対する検討についての要請が行なわれたのであります。この要請に基づき、高速道路公害研究委員会(委員長武井高四郎氏)が設置され、去る九月二十九日には委員会の中間答申が提出されたのであります。その結語には、公共事業は住民個々の利益に優先して考えるべきものであるが、高速道路のように沿道住民に直接の利用関係が少ないものは、公共性だけで、住民に許容限度を越えて無制限に受忍義務を負わせることは妥当ではない。したがって、「高速道路の建設にあたってその構造等を検討し、騒音の発生を防止軽減することにより、生活環境への影響をできる限り少なくするようつとめるべきである。」と述べており、特に本路線の沿線には、十指余の学校等が存在している現状に照らして、「学校、病院等の公共施設等については、騒音により機能が著しく低下する場合には必要な防音設備を設置する等、特段に配慮されることが望ましい」と結んでおります。この路線の建設に対する西村建設大臣の五月十日の本院予算委員会及び七月十三日の当委員会における言明もあり、さらに地元の反対運動も強く、すみやかにこれにかわるべき路線その他の再検討が必要であると思われます。
 第二は、千里ニュータウンであります。千里丘陵に、面積一千百五十ヘクタールの土地に、人口約十五万人の想定のもとに公営、公団、公社の住宅及び分譲住宅等を建設するため、都市計画法及び新住宅市街地開発法に基づいて住宅都市を建設しております。この住宅地は、小学校区を単位として十二住区からなり、一住区は戸数にして約二千五百戸、約一万人ないし一万二千人が生活する計画です一したがって小学校は一住区一校、中学校は二住区一校、高等学校は全住区三校であり、道路、公園の占める割合は約四五%であるといわれ、理想的な住宅都市として子供の遊び場、いこいの場所を確保しているようであります。また私鉄駅を中心に全体で三地区に分け、各地区には、地区センターを配置し、オフィスビル、病院等の誘致建設が講じられたといわれます。
 第三は、東大阪流通センターであります。同センターは、流通業務市街地の整備に関する法律に基づいて行なわれている事業であります。大阪の都心から九キロの至近距離で、しかも建設計画のある大阪中央環状線と築港枚岡線の交点に当たる東大阪市の地区に問屋ビル、倉庫、トラックターミナル等の流通業務施設を都市計画施設として建設するものであります。大阪市における流通業務施設について、昭和四十一年十二月二十八日に、経済企画庁、農林、通産、運輸及び建設省の基本方針が決定されております。この方針に基づいて、本年四月に、流通業務地区の指定及び団地の決定を受け、現在、昭和四十年十月に大阪府と関西の主要民間企業との出資設立にかかる資本金十億円の大阪府都市開発株式会社が主力となって、トラックターミナルを建設しております。このトラックターミナルは、第一期計画として四万四千七百平方メートルに路線車百十八バース、集配車百八バース等を昭和四十二年度において竣工しようとしておるのであります。その資金十七億円は、大部分を開発銀行の融資によっております。なお、第二期計画は一応昭和四十四年末を竣工期と計画されています。
 第四は、大阪府下及び奈良県下にわたる日本道路公団の建設中にかかる大阪−天理道路であります。本道路は、名古屋−大阪を結ぶ路線の一部で、すでに三重県亀山市から奈良県天理市間は、建設省直轄事業で昭和四十年に完成しております。その延伸線で天理市より大阪府松原市間、約二十七キロを自動車専用道路として、公団が建設し、明年度を完成目標に工事中であります。すなわち、十月一日現在での進捗は、建設工事は既契約工事に対し八〇%、全体計画の六〇%で松原地区が若干おくれぎみということであります。設計構造としては、柏原−松原インター間は六車線、天理−柏原インター間は四車線の全体計画であり、その資金計画は総額二百十億円と予定され、本年度は五十一億三千七百万円、明年度以降の事業費は予備費二十億円を含め七十九億円と計画されております。
 次に、奈良県下における調査いたしました事業計画の概要について申し述べます。
 まず、大和高田バイパス計画は橿原市より羽曳野市間約二十・四キロで、現在国道二十四号線と百六十五号線が橿原市で重複し、かつ国鉄、近鉄との平面交叉が四カ所もあり、これを緩和解消するための路線で幅員三十二・五メートルの六車線計画とし、昭和四十一年度に計画線調査を行ない、本年度に路線決定、実測調査に進み、昭和四十五年の万国博までに完成を期するということであります。
 橿原バイパス計画は、橿原市八木町付近は国道二十四号線と百六十九号線が交差し、出合いで国鉄と平面交差しているため、交通渋滞を緩和するため市内の四条より膳夫区間の三・四キロを幅員十六.五メートルの四車線で昭和四十一年度より道路改良工事として実施する計画でありました。そのため、付近の宅地化に先立って、市は三十九年度より用地の先行取得を行ない、昨年度末において約八〇%が確保されていますが、本計画路線が藤原宮跡に関係があるので、文化財の発堀調査の結果を待たなければ建設に着手できない状態となっております。
 また、奈良バイパス計画は、現在奈良市の市街地を縦断する国道二十四号線の代代路線として、京都府木津町より大和郡山市間十三・六キロを幅員二十一・五メートルの四車路線とし、その事業費七十一億円と計画されています。本路線の計画は、昭和三十八年度から計画線調査を進め、現在までに実測及び重要構造物の調査のほか、実施設計調査と進み、本年度において実施測量、用地買収と計画されているのであります。しかしながら、本路線の一部が平城宮跡に関係するとして、進展しないままとなっているのであります。もちろん、埋蔵文化財の適切な保護及び措置の必要から、事前調査については奈良県知事に委託されており、昨年十月二十一日に協定が結ばれ、四十三年度まで三カ年で調査を進めるということで、現在発堀調査の準備進行中ということであります。
 次は、奈良市の都市計画街路の内環状線及び大宮通りの改良事業であります。内環状線の高天町付近は、現在近鉄線が併用軌道であるため、交通混雑は極限に達しています。県庁前から近鉄奈良駅間は、約八〇%が完成し、すでに高天町までの用地取得が七〇%と進行していますが、高天町交差点から油阪間は近鉄線の地下移設と併行して建設する計画であります。この環状線計画は、街路改良延長七百四十メートル、幅員三十ないし三十六・五メートル、その事業費十三億五千万円と予定し、また近鉄の地下移設及び連続立体は約一キロで、事業費五十二億円、その他駅前広場、国鉄関西線との単独立体を含め総事業費は七十一億五千万円と計画されています。
 大宮通り線については、延長約手九百メートル、幅員二十三ないし二十九メートル、事業費十七億円で油坂国鉄線を立体化し、国道二十四号線の奈良バイパス計画路線と接続する計画のようであります。
 奈良バイパス計画路線より日本道路公団の阪奈道路に接続する区間の改良計画は、現在公団が阪奈道路の拡幅事業を進行中であることから、同地域が終端取りつけ部分である点もあり、公団の施行にかかることが最も適当な方法であると考えられる。今日まで県当局も建設省、公団に公団側施工を要望しているということであります。
 さらに、日本住宅公団の平城地区の宅地開発事業でありますが、当地区は、奈良市の中心から西方に約六キロ、大阪市より二十五キロの奈良市及び京都府木津町、精華町にまたがる高の原丘陵に約六百四十ヘクタールの土地に一万九千戸の住宅、人口七万五千人のニュータウンを計画するものであり、公団直轄施行による土地区画整理事業を行なうため、用地取得を進行しています。給水問題及び公共関連事業に関しては、今後の調整を待つという段階であります。
 滋賀県下におけるおもな建設計画及び事業の概要について申し上げます。
 本県における中心となる計画は、琵琶湖の開発ということでありましょう。琵琶湖は滋賀県の将来を左右する資源であるとともに、近畿経済圏の生命線とも言える宝庫であります。したがって、無計画な開発行為は、県民生活をおびやかす結果ともなります。すなわち、極端な水位の低下は、湖周住民の飲料水の枯渇となり、農業用水での支障、港湾施設の無能化、漁業への打撃及び観光の価値半減等、きわめて影響するところが大きいのであります。かくのごとき弊害を除去することが、琵琶湖水政のキーポイントであり、さらに前進して、弊害除去を機会に、地域開発構想を織り込んだ開発に力を注入することが、重要な課題となっているのであります。それは治水利水面からの総合計画を樹立し、利水に必要な供給方法と湖周辺対策の確立で、現行利水の合理化、県民生活の安定貢献という諸施策が、国や関係府県の積極的な協力と相まって、初めて開発計画に対する実行が遂行されると県当局は強調しております。
 ここで本県下の調査した計画事業の概要について申し述べます。
 まず、大津市駅前の都市改造事業で、市が土地区画整理事業を施行するものであります。この事業区域は、国鉄大津駅前の京町二、三丁目、末広町、春日町等の面積八・五ヘクタールの土地でありますが、本事業の進展は、滋賀大学付属の小中学校移転あと地が市に移管となり、国鉄の複々線化に伴い、現在の大津駅舎が約五十メートル東方に移設確定した点にあるようです。従って、すでに都市計画決定されている駅前広場及び計画街路等の公共施設の整備改善と宅地利用の増進をはかり、駅前商店街整備をも合わせて健全な駅前市街地を形成することを目的としています。
 公共施設のおもな整備は、都市計画街路の湖岸大津駅線、馬場皇子が丘線、大津駅梅林線を十六ないし三十メートルに拡充し、大津駅前広場に七千八百八十平方メートル、公園に八百二十七平方メートル等施設による減歩率は一五%で、その計画事業費は約十億円と計画されているものであります。
 第二は、京阪電鉄石坂線連続高架事業であります。この計画は、都市計画街路の大津港馬場線で、大津市大門通りを全体計画として、高架千二百八十メートル、取りつけ道路七百八十メートル、駅舎三カ所、事業費十四億円であります。このうち第一期計画として、高架延長七百二十メートル、取りつけ道路五百五十メートル、駅舎二カ所とし、事業費八億円となっております。この事業の必要は、現在の国道百六十一号線、都市計晦街路大津駅−浜町線、大津駅−湖岸線、打出浜−本宮線等は、京阪電鉄並びに江若鉄道といずれも平面交差しており、交通渋滞及び混雑を緩和し解消するためであります。
 第三は、主要地方道、京都大原−今津線の改良整備であります。本路線は、京都、滋賀を経て福井県小浜を結ぶ重要な路線であるにもかかわらず、現在は未整備のまま放置されておりますが、本道路の改良整備によって国道百六十一号線のバイパス的な役割りを果たすもので、県は本路線の難所であります花折峠をトンネルにする計画を進め、昭和三十八年度以来県単独事業で踏査、比較路線調査及び地質調査を行なってきております。県計画によりますと、トンネル延長は五百十メートル、取りつけ道路に三千二百十メートル、幅員六・五メートルの二車線で、事業概算額は五億五千万円となっております。
 最後に、京都府下におけるおもな調査した事業の概要について申し述べます。
 まず、関西電力株式会社の建設にかかる由良川水系の和知ダムのゲート欠壊事故についてであります。このダムの位置は、京都府船井郡和知町市場地先に建設された発電ダムで、そのダムの諸元等については、本委員会ですでに説明済みでありますので、これを省略いたしまして事故関係について申し述べることにいたします。
 すでに御承知のとおり、このダムのゲート欠壊事故は、去る七月二日十一時十五分ごろに発生しております。事故は、第三号ゲートを約三十センチ開放放流しておりましたが、七月二日にじんかい処理のため第三号ゲートを全閉し、第四号ゲートの流かいゲートの操作に入った瞬間、第三号ゲートが破壊、巻き上げ機とともに百三十メートル下流に押し流され、かつ警報活動にもかかわらず釣り人が一人遭難したというものであります。
 この事故発生により、関西電力株式会社は、副社長を会長とし、学識経験者による事故調査委員会を組織し、事故に対する詳細調査を行なってきております。京都府知事からは警告が出されておりますが、この事故に際会して、近畿地方建設局及び大阪通産局は、七月四日に京都大学の矢野勝正教授を委員長とする十三名の学識経験者を集め和知ダム事故技術調査委員会を設置し、残存ゲートの水圧試験をはじめ破壊ゲート部材の材質試験、ゲート応力状況を解明するための構造計算等、究明検討の結果、本委員会は去る十月六日中間答申を提出して「テンターゲートの破壊は、脚柱の挫屈によって生じたものである」と言っております。そして今後のとるべき措置として、一、和知ダムの残存するゲート三門については、
 前述した破壊原因にかんがみ早急に十分の補強
 をさせること。一、類似の他のテンターゲートについては、その
 安全性をチェックすること。一、ゲートの設計について、設計の基準となるべ
 き事項を再検討すること。一、ゲートの操作に伴って、ゲートに作用する外
 力並びにその動的な挙動についての研究を推進
 すること。
 この四項目は、技術調査委員会の全委員が一致したもので、関係当局が今後とるべき必要な措置であると結んでおります。
 次に古都保存関係であります。いわゆる古都保存法には、歴史的意義のある景観地帯を、歴史的風土保存区域、いわゆる一般地区として定め、そのうち特に重要地区を特別保存地区と二段がまえで区域を設けております。京都には、この一般区域として、醍醐、東山、大原、鞍馬、御室・衣笠、高雄、嵯峨・嵐山地区の七地区、総面積五千六百五十四ヘクタールを指定し、本年二月一日から現状変更行為については届け出義務を課しています。また特別地区は、醍醐、修学院、大文字山、清水、阿弥陀ケ峰、泉涌寺、金閣寺、嵐山、小倉山及び嵯峨野の十地区、千三百三十七ヘクタールを指定し、本年三月一日から現状変更に対しては、市長許可を必要とする措置を講じ、景観保存につとめております。近郊緑地保全地域及び同特別保全地区指定については、現在保全地区として山科北地区のほか、山科西、行者ケ森及び西山地区の四地域で、総面積二千六百八十ヘクタール、特別保全地区は、この地区のうち、面積一千五百五十ヘクタールが指定面積に要請されていますが、現在検討中のものであります。
 このような各種の計画及び事業に対しまして、次に結論としてその所見を申し述べることといたします。
 その第一は、万国博関連の諸事業のうち会場地域は、去る八月の集中豪雨の際に、中小河川の欠壊によるはんらん、浸水が生じているため、会場建設に先立って中小河川の改修等、その防災施設を講ずる必要が痛感されます。
 局速道路三号分岐線については、前述いたしましたごとく、主管大臣の言明にあるとおり、地元関係者との話し合いが円満にまとまらないのに着工などすべきではなく、路線等については再検討すべきであります。
 また輸送力増強のための道路整備に関しては、直接関係する道路のほか、その付近地、京都、奈良及び滋賀県は、それぞれ景観豊かな観光地でもあり、万博を契機にこれら観光地に参集する人口は、極限な期間とはいえ、相当多数にのぼると考えられますので、その関係する幹線道路の整備をも十分実行されることが必要であると考えられます。
 第二は、万博関係事業の進行にあたり、建設労働者の供給体制及び雇用問題であります。会場建設をはじめ巨額な関連公共事業を進めるに必要な建設技能労働者の供給が円滑に実行されるかどうか。この労働者獲得のために労働賃金の高騰を招き、建設費の膨張ともなると考えられます。政府も、この労働者問題については、積極的な対策を立てて進められる必要があると考えます。それなくしては、他の公共事業に直接関連する問題となるのであります。
 第三は、都市再開発の一手法として流通業務施設の積極的な推進が必要であり、重要な公共的事業であります。しかしその建設資金は、大部分が開発銀行からの融資であり、その金利も八分二厘ときわめて高い現状から、この金利を低廉な措置に置きかえ六分五厘程度とし、その事業を一そう促進せしめることが必要であり、きわめて公共性が高いことにかんがみて、補助事業等の方法について検討の余地が十分考えられるところであります。また、この流通業務施設に先立って、関連する高速道路及び幹線道路の整備が強力に進行されなければ、再び地域は異なるとはいえ、交通ふくそうは避けられない現状であります。道路整備の必要が痛感されます。
 第四は、奈良県下の大和高田、橿原及び奈良並びに奈良都市計画街路のバイパス及び整備改良事業でありますが、現在の国道二十四号線及び百六十五号線、百六十九号線は幅員狭小地区が大部分であり、交通容量の三倍、四倍に達する交通量は、道路として機能的にも極限であります。特に笹原、奈良バイパスは、藤原宮跡及び平安宮跡の埋蔵文化財との関係において、建設がおくれているということでありますが、歴史的史跡として保存すべき価値のあるものに対しては十分調査検討され、たとえ路線決定についても、また道路の構造設計等においても吟味され、その調整が行なわれることが肝心であります。文化財保護委員会等においても、現在の社会経済的な伸展に対応するため、道路整備の緊急性を賢察の上、発掘調査等の点において鋭意検討されることも必要であると考えられます。
 第五は、阪奈道路の拡幅事業の進行中にかんがみ、奈良バイパスとの接続延伸事業は、日本道路公団事業として建設されることが、経済的にも有効な措置のように考えられますが、その点について十分研究検討されることが望ましいと考えられます。
 第六は、大津駅前の都市改造土地区画整理事業でありますが、当地域が大津市の玄関口でもあり、将来の都市発展に対して十分検討され、特に民有宅地に対する建築構造物に対しては、変形な都市形成とならぬよう留意指導する必要があると考え、その資金等の措置についても適切な措置が講ぜられるよう切望いたします。また、石坂線立体高架事業に対しては、交通上緊急なものと考えられますが、都市内構造物である関係上、十分な研究と調査を行ない、経済性に立って検討されるよう希望いたしておりますとともに、この種事業に対して国の積極的な指導と援助が痛感されるところであります。
 第七は、主要地方道の京都大原−今津線について痛感いたしたのでありまするが、一般国道の整備に比較して地方道はあまりにも整備進行に差がありはしないかと考えられるのであります。というのは、本路線の改良整備は全線実行されていないと見られるからであります。地域の経済開発の先兵は道路の改良整備であり、特に主要地方道等の道路整備が必要であると考え、道路の整備体制において暗点を指向されるべきであると切望いたします。
 最後に、和知ダムに関する問題に関係して、現存するテンダーゲートに対する補強措置等について中間答申を十分尊重すべきであることはもちろんであります。また、政府当局においては、現在の設計基準となっているダム構造令、水門鉄骨技術基準などの再検討をするとともに、ゲートの操作に伴って起こる外力、流動水圧等の研究を推進すべきであり、ダム検査にあたっては設計施行、材質について施工の段階においてきめこまかく監督及び監査的な措置が必要ではないかと考えられます。また、貯水前の危険通報装置を完備することも重要であり、従来の慣行的な行政監督を改善する必要があるように考えられます。
 以上で調査報告の大要を終えるのでありますが、ここに各地での陳情及び要望事項について申し上げておきます。
 大阪工業大学の佐々学長より、高速道路三号分岐線の建設は、公害防除が完全に実施されることが先決であり、騒音公害に対し積極的な施策が強調され、騒音公害防除が実行されない限り建設には協力できないと陳情が出されており、同路線に対しては沿線地域の住民からも建設に反対する意見が開陳されたほか、千里ニュータウン高野台の住民の方々からは、同地区の緑地帯に建設中のじんかい焼却工場の建設に反対する陳情、主要地方道の京都大原−今津線の国道編入と改良整備の促進に関する問題等、いずれも建設に具体的内容を持つものであり、関係当局が十分に検討を加え、調整されるよう特に切望するものであります。
 その他、府県及び市当局等から種々一般公共事業に関する要望がありましたが、特にその中で亀の瀬地すべりの抜本的対策の必要があることを申し述べて、私の報告を終わりたいと思います。
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藤田進#14
○委員長(藤田進君) 次に、四国班の御報告を願います。稲浦鹿藏君。
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稲浦鹿藏#15
○稲浦鹿藏君 去る十一月八日より六日間にわたり、田中委員とともに徳島県、香川県、愛媛県、高知県の四国四県における建設事業につきまして調査してまいりましたので、その概要について御報告申し上げます。
 四国四県を回りまして、総体的に感じられましたことは、四国地方における開発・整備につきまして、四つのポイントがあるように思われます。第一は、本州四国連絡橋の問題、第二は道路整備の問題第三は水の問題、第四は都市整備の問題であります。以下、これらの問題について、実地調査個所を中心にしながら、申し述べることといたします。
 まず第一は、本州四国連絡橋の問題であります。ご承知のとおり、本州四国連絡橋は、現在三つの代表的なルートが考えられております。すなわち、東の方から申しまして、兵庫県と徳島県を結ぶ明石−鳴戸ルート、岡山県と香川県を結ぶ児島−坂出ルート、広島県と愛媛県を結ぶ尾道−今治ルートの三つのルートであります。これら三つのルートにつきましては、去る五月の土木学会の報告によりまして、いずれも技術的に可能であることが明らかにされ、今後は、各ルートの経済効果等について検討が加えられる段階であります。各県とも、それぞれの架橋促進を陳情の第一にあげ、いまや四国住民の最大の関心事となっております。以下、三つのルートについて計画の概要と各県の陳情の要点をご報告申し上げます。
 まず、明石−鳴戸ルートでありますが、これは神戸市垂水と淡路島岩屋間の海上約五キロを三つのつり橋で結び、淡路島を縦断した後、淡路島門崎と鳴戸市大毛島間の海上約一・五キロをつり橋で結ぼうとする計画であります。徳島県においては、本ルートが、西日本経済の中心である阪神地方と四国地方を最短距離で結び、徳島新産業都市はもちろん、四国全域の総合開発を効率的に推進する上で、経済効果が最も高いので、最優先に着工されるようとの陳情が述べられました。
 次に、児島−坂出ルートでありますが、これは倉敷市児島から、香川県内の櫃石島、岩黒島、羽佐島、与島、三ツ子島の各島を通り、現在埋立てを進めている坂出市の番ノ州工業埋立地に至る、海上部総延長約九キロのルートを、道路、鉄道併用のつり橋及びその他のトラス橋で結ぼうとする計画であります。香川県においては、本ルートが、瀬戸内海臨海工業地帯を結び、明日の西日本の産業経済の大動脈として、瀬戸内経済圏の形成を促進するために最適であり、さらに技術的、経済的にも、また海難防止の面からも、その有利性は不動のものであるので、早期実現を図られたいとの陳情が述べられました。
 最後に、尾道−今治ルートでありますが、これは尾道市から向島、因島、生口島、大三島、伯方島、大島等を経て、今治市に達するルートで、海上部総延長約九キロを、一〇の橋でつなごうとする計画であります。愛媛県においては、本ルートが、中国、四国、九州を結ぶ交通輸送ラインの一環として、瀬戸内海を中心に山陰、南四国、南九州を包含した西日本における工業開発、観光開発、地域格差是正のため、ぜひ必要であり、安全で、かつ建設費が安いという利点もあわせて、すみやかに国道に指定されるようとの陳情がなされました。
 なお、高知県は直接の架橋地ではありませんが、高知県の開発並びに四国の総合的開発をはかるために、明石−鳴戸のルートを優先し、鉄道・道路併設橋として架設されたいとの陳情が述べられました。
 以上、本州四国連絡橋についての計画の概要と各県の陳情の趣旨を申し上げましたが、各ルートとも、それぞれ重要な意義を持つものであり、今後なお検討されなければなりませんが、いずれにしても、架橋の問題は、四国の総合開発の最も重要なポイントをなすものでありますので、早急な決定が望まれる次第であります。
 次に、道路整備について申し上げます。
 実地調査いたしました路線は、四国内の道路の一部にすぎませんが、全体的な印象としては、整備のおくれている路線がかなり見受けられたことであります。
 まず、徳島市、高松市、松山市の三大都市を結ぶ国道十一号線であります。本路線は、四国における最も重要な路線であり、改良、舗装ともに完了いたしておりますが、近年における自動車の激増に伴い、都市周辺の渋滞が目立っております。特に、徳島市、高松市、松山市周辺の渋滞が著しく、建設省でもバイパスの建設を急いでおりますが、早急な完成を要望する次第であります。
 次に、高知市と高松市を結ぶ国道三十二号線と、高知市と松山市を結ぶ国道三十三号線であります。この両路線は、四国の中央山岳部を走る、ほぼ同様な性格の道路でありますが、最近舗装も完成し、両都市間を短時間で結ぶ快適な道路となっております。
 次に、四国東南の海岸線を走る、徳島市から室戸市を経て高知市までの国道五十五号線と同じように四国西南の海岸部を走る、松山市から宇和島市、中村市を経て高知市に至る国道五十六号線であります。今回は、後者の五十六号線をほとんど全線にわたって踏査したのでありますが、はなはだ進捗率の悪い路線で、昭和四十二年度分を含めて、改良率五九%、舗装率四九%という道路であります。国道五十五号線もほぼ同様の進捗率と聞きますが、両路線とも、豊かな観光資源を持ちながら、鉄道も途中までしかなく、道路が唯一の交通手段でありますので、その整備促進については、各県とも強い要望が出されております。建設省においても、昭和四十四年度概成を目途に改良を進めておりますが、旧一級国道のうち、前に申しました三路線が完成を見ました現在、残されたこの両路線について、格段の措置が講ぜられることを要請する次第であります。
 その他の一般国道、県道等につきましては、その詳細を省略いたしますが、各県とも、主要地方道について、交通量の増大、産業の振興、資源の開発、地域住民の生活水準向上等の理由をもって、国道昇格の上、整備を促進されたいとの要望が出されましたことを申し添えておきます。
 また、国土開発幹線自動車道建設法に基づく四国縦貫並びに横断自動車道につきましては、昭和四十三年度から建設に着手されたいとの要望でありました。
 なお、海上の道路ともいうべきフェリーにつきましては、明石、鳴戸の日本道路公団のフェリーをはじめ、主として瀬戸内海沿岸各地において、公営、民営によって数多く運行されておりますが、その需要増にもかかわらず、競合路線の赤字等、問題があるように感じられましたので、路線の整理、運賃の適正化、経営の合理化等、検討が必要かと存じます。
 第三は水の問題であります。
 四国山脈を境にして、南部は年間三千ミリに達する雨量に恵まれながら、反対側の瀬戸内海側は、瀬戸内寡雨圏といわれる国内で最も雨の少ない地方に属し、現に今年の渇水期には、八月から九月にかけて、高松地方において給水制限約五〇日にわたるという水不足を来たしたのであります。そこで四国四県にまたがる最大の河川である吉野川の総合開発が古くから叫ばれていたのでありますが、最近の都市部の発達、また徳島地区、東予地区の新産業都市指定もあって、各県ともこの豊富な水の有効利用を強く要請し、最近に至って、ようやく早明浦ダム建設に関する基本計画が了承され、二十年近くの懸案事項であった水配分と費用の割り振りが決定して、早明浦ダムの建設が水資源開発公団の手によって、昭和四十五年度完成を目標にいよいよ本格的な軌道に乗ることとなったのであります。
 吉野川の直轄河川改修事業は、明治四十年から昭和の初めに至る第一期改修事業にひき続き、昭和二十四年から第二期改修事業により護岸工事が鋭意図られておりますが、この治水計画の一環としての洪水調節を実施するとともに、四国四県に対する年間八億六千万トンの新規用水の供給及び電源開発を目的とした早明浦ダムの建設は、四国開発の中核として、その完成が期待されております。同時に、関連事業として池田ダム、香川用水、愛媛分水、高知分水等の建設の促進を図らなければ意味がないことはいうまでもありません。
 四国四県における直轄河川は、吉野川のほかに那賀川、重信川、肱川、渡川、仁淀川、物部川の七河川でありますが、これらに対する年度予算は全国の三%にすぎない状況であり、さらに全国的に見て数多い、その他の中小河川についても、年々洪水の被害を受ける河川が多く、また、その中には、都市用水や工業用水を確保し、地方開発に寄与する重要な河川も少なくありませんので、砂防事業とともに、治山治水関係事業費の大幅な増額が必要であります。
 最後に都市整備の問題であります。
 四国は、四県とも、人口の増大する県庁所在の四大都市を持つと同時に、一方では山岳部や離島の僻地をかかえております。したがって、県内における地域格差是正は、各県の共通した課題であり、同時に、県民の所得水準を上げ、人口を定着させるための工業開発には、各県ともかなりの熱意を注いでいるように見受けられました。しかしながら、新産業都市に指定された徳島地区及び東予地区の例を見ましても、その建設は遅々として進んでおりません。道路の整備、工業用水の確保、工業用地の造成等、産業基盤の整備に、国の重点先行投資が望まれるゆえんであります。
 一方、各県の中枢となる四大都市におきましては、東京、大阪等の過大都市のもつ色々の都市問題が、同じように地方都市にも顕在化しつつある感がいたします。交通の渋滞、住宅の不足、市街地再開発の必要、水不足、下水の不備、公害の問題等々であります。このため、各県とも、都市計画事業の推進について特段の要請があり、特に下水道事業の補助率引き上げとその早期完成、公営住宅標準建設費の増額と建設戸数の大幅な増加、公営駐車場の建設に対する国庫補助制度の創設等の陳情がなされました。その他、高松駅前広場の整備、国鉄高徳線の連続高架化等、当面する都市整備事業を積極的に推進する必要があります。これらの中で、香川県坂出市において、駅前の密集市街地を、「人工土地」という新しい方式によって再開発しようという試みが、既に一部完成しつつあることは、今後の都市再開発に一つの示唆を与えるものとして、特筆に値するものと存じます。
 以上、四国地方における建設事業の現況と、地元の要望をご報告申し上げましたが、本調査を通じて痛感されますことは、本州四国連絡橋の建設が、四国地方の地域格差を是正し、後進地域を開発するための先決条件であります。これらの要望は、四国四県民こぞっての四国開発にかける長年の願望でありますので、政府当局におきましても、地元の事情を十分考慮の上、一日も早く要望にこたえられるよう、強く要請して報告を終わります。
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藤田進#16
○委員長(藤田進君) ただいまの両委員からの御報告について御質疑がございますれば、これを許します。御質疑ございませんか。
 別に御発言もなければ、派遣委員の報告の件は、これをもって終了いたします。
    —————————————
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藤田進#17
○委員長(藤田進君) 高層ビルの建築問題に関する件を議題といたします。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
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石井桂#18
○石井桂君 私は、この際建築行政の運営について、特に建築基準法に基づく容積地区の制度の運営につきまして二、三質問をしたいと存じます。
 超高層ビルの建築につきましては、昭和三十八年の建築基準法の改正で、従来の三十一メートルのビルの制限が、容積地区が指定せられて、その地区に基づく種別の地区によって超高層ビルが建てられるような制度になったわけです。そこで東京都におきましては、すでに容積地区が指定せられまして十数むねの計画がされておるように承ります。ところが、先般、まあ例をあげますと、和田倉門の付近の海上火災でございますか、そのビルのあとに、これは何十階ですか、私はよく存じませんけれども、三十数階のビルについて東京都庁に出願をされたやに聞きました。で、東京都庁では建築主事の確認が得られずにそのまま却下されたやに聞いておりましたが、建築士のほうでは、今度は建築審査会に不服の申し立てをして、建築審査会は東京都の建築主事の処置が不当であるという結論を出され、それに基づいて再び建築士は超高層ビルの申請を出しまして、そうして今度は東京都の建築方面のほうから建設省に建設大臣の指示を、その確認について受けるようにいま稟議しているということを承っております。その経過につきまして、ひとつ建設省のほうの御方針と、それから今後どういうふうにそれを処理するつもりであるか、それを端的に経過を報告して御説明願いたいと思います。
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三橋信一#19
○説明員(三橋信一君) ただいま石井先生からのお尋ねでございますが、経過につきましては、大体石井先生のおっしゃったとおりでございまして、東京都の建築主事が敷地と建物との関係で、東京海上の申請は建築基準法に不適合であるという処分をしたわけでございます。それに対しまして東京海上側から不服申請を、異議の申し立てを建築審査会にいたしまして、その結果、東京都の建築審査会におきまして、その敷地と建物との関係についての東京都の主事の処分はおかしいと、したがって東京海上の不服の申し立てを認めるということになりまして、東京都に差し戻されたわけでございます。その結果、その東京海上の建物につきましても、構造上の問題につきまして建設大臣の認定を受けるわけでございます。と申しますのは、建築基準法に書いてありますとおりの構造でございますれば、あるいはそれのとおりの構造計算によって強度等が確保されるものであるならば、これは主事の確認で済むものでございますけれども、それをこえるものでございます。したがいまして、建築基準法上建設大臣の認定を求めるということになるわけでございまして、ただいま建設省にその認定の書類が来ております。これにつきましてただいま慎重に審査しておりまして、その審査を経て認定を得ることによって、初めて東京都は確認ができるというような経過になるわけでございます。以上が経過でございます。
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石井桂#20
○石井桂君 東京都から建設省へ審査を願うためにいって、すでに一カ月半ぐらいたっているというぐあいです。もちろん起高層の構造の計算というのは、人間がやっていると何年かかかるらしいのですが、電子計算機を使っても相当時間がかかる。だからやむを得ないのだけれども、一カ月か一カ月半ぐらいたってもやむを得ないのだけれども、まあ慎重に審議しても、やはり底意地の悪い扱いをしない限りは、時間切れというか、相当な時間でいい悪いがきまると思うのです。そこで構造上差しつかえないということになったら、建設省はどうしますか。いま構造の問題で来ているというのだから、構造上差しつかえないんだということになりますと、その書類はどういうふうに扱うのですか。
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三橋信一#21
○説明員(三橋信一君) 現行法上、建築基準法のいまのたてまえで申しますると、現行法でよろしければ、建設大臣がよろしいという認定をするわけでございますが、ただそこで、実は別の議論が一つ起きております。と申しますのは、これは容積地区の制度をつくりますときから、いろいろ議論があったわけでございますが、東京都のただいまの問題になっております地区には、元来高度の制限がかかっておりまして、これを容積地区に切りかえますときに高度の議論をどうするか、つまりどこまでも高い建物がそのまま建ってよろしいかどうかという議論が、いろいろあったわけでございます。その議論がいろいろございましたが、制度としての容積地区だけが残ったわけでございまして、それで現在に及びました。今回この建物の申請が出てまいります前後から、ただいまの建築基準法の制度では、美観地区という制度がございます。この美観地区の中におきます建築物の構造なりその態様につきまして、条例でこれを規制できるということになっております。ところが、この建築基準法の制度につきまして、そのままでいいだろうかという議論が各方面で実は出てまいりました。と申しますのは、全国民的な立場でこれを保存する必要があるというような地区につきましては、条例にまかせるべきではなくて、法律をもってこれを規制すべきではなかろうか、規制と申しましても、これを高いのがいけないとか、低いのがいいとか、あるいはそれぞれいろいろ問題はございますが、どういう規制をするかはともかくといたしまして、全国民的なものとして保存すべきものに関する限りにおいては、法律をもって規定するのが至当ではなかろうかという議論が出てきたわけでございます。そこでこの件につきまして、実は私どもも相当の理屈があると思います。その点の検討をまた別途やっている最中でございます。というような事情でございます。
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石井桂#22
○石井桂君 ただいま住宅局長がおっしゃったようなことは、超高層ビルができるような制度が設けられる法律ができたときからあったことは、事実です。事実ですが、国会で建築基準法に容積地区を入れるということの審議のうちに、そういうものが相当に審議されているように私は思います。それからいまの東京都の条例であそこを美観地区に指定するということも、何回も都議会に提案されては、都議会でそれを可決することができなかったわけです。そういう歴史もあります。そういう情勢下で法律が三十八年にできているのですから、まだ三年半ぐらいしかたっていないでしょう。ああいうような大きな大改正をして、まだ問題が実は残っているのだ。これから改正しなければいけないのだということであると、どうも建設省は朝令暮改じゃないかというような気がするのです。その当時の大臣が——ちょこちょこかわるからしょうがないけれども、しかし、大臣がかわるたびに法律が変わったのでは、何か朝令暮改のそしりを免かれないと思う。そうしてその当時も美観の問題もあるでしょうし、それからその他高さをそろえろなんという問題もあったと思います。あったと思うけれども、とにかくあそこの地区は容積地区の第一種、つまり敷地一ぱい建てるとすれば十階まで建つところなんです。敷地の半分にして、半分空地にすれば二十階ぐらい建つ、三分の一にすれば三十階まで建つ、敷地の十分の一にすれば百階まで建つところなんです。そういう地域を建設大臣がその当時、三十八年によろしゅうございますと、そういう地域はいいのだということで、容積地区の種類をきめ、法律上は高さも高くていいのだということをきめて、そのほか何も規制しなかったという点は、これは幾らか落ち度があるかもしれないけれども、法律の許される範囲でとにかく建つようなふうな制度にして出たものを、出ている間に何とかかんとか言って許可を引き延ばしておいて、そのあとで法律か条例かをつくる、あるいは省令かをつくるようにして、そうしておやりになるということが、どうも民主政治にふさわしいやり方ではないのじゃないか。法律上欠点があることは、完ぺきな法律が出ることは私どもは予想できません。予想できませんから、悪いところがあれば補うのが、私は妥当な態度だと思います。しかし、何か法律で補うところがあるのだから、前のいまある法律でやらないで、それを押えておいて、次に法律をその間に考えて出そうということは、どうも民主政治のあり方ではないのじゃないか、こういう気がするのだが、大臣がお見えになりましたが、局長のほうからひとつ。
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三橋信一#23
○説明員(三橋信一君) ただいま石井先生のおっしゃいましたように、確かに当時といたしましては、高度の制度をはずしまして、容積だけを残した、これはおっしゃるとおりでございます。したがいまして、当時からただいまのような議論があったのを、そのまま容積だけにしてまいって、この際それをまあ押えようとする、これは民主的じゃないんじゃないかというお尋ねでございます。実は、まあこの容積地区というのは、これは釈迦に説法でございますが、ただいまも御質問の中にございましたように、その地域の床面積、つまり人口と申しますか、あるいは人口ないしはそれから発生する交通と申しましょうか、そういうような人口とその地域の公共的な施設とのバランスを合理的に保つ制度というふうに私ども理解をしておるわけでございます。したがいまして、容積地区をつくったら必ず高い建物が建つのだというふうには、実は必ずしも理解いたしませんが、しかし高い建物が建て得るという余地があることは、お説のとおりでございます。ところが、そういうようなことでまいりましたが、やはりこの三年ほどたちまして、非常に高層建築のいわばブームが出てまいりまして、これが社会的にやはりそのままでいいのだろうか、むしろあの地域のビジョンというようなもの、そういうようなものなしに高いものが乱立していいんだろうかというような議論が一方であることも確かでございます。また、当然そういうビジョンというものがあってしかるべきじゃなかろうかと、私どもも思うわけでございます。したがいまして、これをどう規制するかということは別にいたしまして、またその規制する法律、まあ法律によるといたしますれば、それは建築基準法とは必ずしも限りません。たとえば広告物等の問題、国民的な立場で保存する地域であれば、広告物の問題等も当然問題になってくると思います。そういたしますと、それらを含めまして全国民的な立場で保存する地域については、別途の法体系によってこれを規制し、あるいは秩序あらしめていくということも、これは一つの考えではなかろうかと思うわけでございまして、またそういう声が三年ほどたちました現在、かなり強くなっているということには、やはり耳を傾けざるを得ないというような気持ちでおるわけでございます。
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石井桂#24
○石井桂君 交通問題の点と美観を保存したいという問題があることも、私はあなたのおっしゃるとおりだと思いますがね。しかし交通問題というのは、何もビルが一つできたから交通がうんとふえるようには思わないんですがね。たとえば海上ビルが敷地一ぱい建っていて、それが階十建てだと、これをこわして半分にして二倍にすれば同じ容積ですからね、人口はふえないんですよ。で、まあそのビルをつくったことによって通う人口はふえていくわけではない。ただ交通問題が、だんだん交通難が激甚になってくることは認めますがね。それはビルが一つ建てかえられたからふえる問題じゃない。で、三年の間に何がふえたかというと、霞ケ関ビル、あれ一軒ふえただけですよね。まだどこにもふえてない。で、幾らもたたないうちに、そう朝令暮改することは、そんなら前の措置が非常にずさんだったということになるのか。まあ人間ですから、多少考えが足りないことがあると思うんです。だから、それを改めることには、私は文句を言いたくはありません。それからまた、実際に必要があればそれはいいだろうと思います。ただ、容積地区を指定して建てられるボリュームをきめて、そうして高さもきめられた今日、それを許さないというのは、非常に越権のような気がするんですね。だから、それが民衆にわかるようにしておいていただかないと困る、こういう趣旨なんですがね、質問の要旨は。で、ビジョンを持たなきゃいかぬというけれども、ああいう高層ビルが建つということを考えたときに、そういうことは考えられていると思うのですよ。私は何も宮城のまわりと、銀座のほうにできるところとか、あるいは大田区にできるところとかね、みんな一律にやっていいということは、一律にやることが適切だとは考えていない。場所によっては多少の規制があってもいいじゃないかということは考えております。しかし、法律で一ぺん三十八年に、あそこの和田倉門のところに高い建物が建てられると、ただしこれはパーセンテージがきまっておりますからね、第一種というのは。あれは一〇〇〇%の地域ですよね。だから、敷地が百坪とすれば千坪のあれが建つわけですよ。だから従来の十階建てが敷地一ぱい建っているところだと、もうきまっちゃっているわけですよ。敷地の半分だけのところに建てるならば二十階までしか建たない。きまっちゃっているわけですよ。そういうことは法律をつくるときにもうすでに考えていることなんですよ。皇室のまわりで皇室がのぞけるかどうか。のぞけるのならたいへん失礼じゃないか、こういう意見もありました。それから、三菱が苦労してずっと三十一メートルのビルをつくっておる。長年つくって、自分の犠牲において押えてきた。それをひょっとほかの人が建ててしまっては、これはもう非常にあそこの美観がそこなわれる、こういうような議論が出てきたわけです。しかしね、高さの高い建物が一つあるということも、実際に美観がそこなわれるかどうかというのは、私は建設省の範囲でだけできめられる問題じゃないと思います。大きな問題です、それは。そうして、あるいは正当な答えが出ないかもしれないです。顔が違うように議論も、美観論なんというのは違うのですから。空気をつかむようなことだと思うのですよ。で、そういう議論は、すでに論議されてできた法律なんですね。だから、たまたま認許可、指導に当たる建設省が、建設大臣がおかわりになったときに、前の方針と違うことをちょいちょいやられるとね、朝令暮改のそしりは免れないし、民衆も困ると、そういう議論を私は立てて伺っているわけなんですよ。だから、大臣がお見えになってちょうど幸いなんですが、一週間か二週間前の毎日だか何か新聞にね、大臣は、ああいう建物はどうも好ましくない、これから押えるのだという御方針のようなことが記事に載っておりましてね。これは新聞と大臣の発言食い違いがあると思うのです。あると思うけれども、幸いですから、大臣の御意向もこの際超高層ビルに対しての御意見を承り、また、いま出てきてペンディングになっておる和田倉門の超高層ビルはどういうふうに扱われるのだということを、大臣にお聞きしたほうが端的だと思うがな。
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西
西村英一#25
○国務大臣(西村英一君) 私が来るまでに住宅局長からいろいろお話があったと思われますが、私はいま石井さんがおっしゃいましたような意見もあるわけです、意見は。またしかしそれとは反対に、やはりあのような場所は、必ずしも好ましくないというような意見もあるわけです。したがいまして、この問題が起こってからもう数年にまあなっておるわけでございます。そこで、私としても慎重に扱わなければならぬということでございまして、この段階で私がとやかく言うのはおかしいのですがね、まあ私の見解をお聞き取り願えれば、確かにこの建築基準法によって容積地区をきめたというようなことは、これは一つのやっぱり建築上の進歩でもあり、都市計画上の進歩であることはまあ認めるわけでございます。しかし、それはそれとして、やはり都市計画の上におきまして、その容積地区をどういうような地域、ゾーンに適用するかというようなことは、将来の都市計画上非常に重要なことであります。また、その容積地区が指定されておるからといって、いまの容積地区の何というか、主要目的といたしました、なるべく土地を残そうじゃないかということは、これは主目的であると思います。空間を使おうじゃないか、そして土地を残そうじゃないかということが主目的だと思うのです。しかし、いまの法律でその点のちょっと、何と申しますか、欠点があるのじゃないか。たとえばいまの容積地区でいきますと、必ずしも用地を残さなければならぬような法律の規制にはなっておりません。現に海上ビルは、相当な用地を残すように考慮してあるようでございますが、帝国ホテル等はそうではございません。敷地一ぱいに何階かを建てて、そしてあとは上に相当な高さで建てるというような、必ずしも法的にそうなっておらないので、この辺を今後の容積地区を考える場合におきましても、相当に考慮しなければならないということで考えつつあるわけでございます。
 もう一つは、今回のやはりあの地域は悪いじゃないかというような、あの地域じゃふさわしくないじゃないかというような世間の批判は、やはり建築基準法によりましても、美観地区であるとか高度制限の地区をきめようというような法律の精神があります。しかし、その美観地区であるとか高度制限の地区であるとかいうようなものは、これは全部条例でまかされておる。条例でまかされておりまするから、これは公共団体の長がそれに応じなければどうにもできないのであります。また、公共団体の長が——そういう指定をしたい、内容もきめたい、高度地区はここは高度地区でこれだけはいかぬよときめたい、あるいは美観地区はここはこうこうしてはいかぬということをきめたいと思っておっても、やはりこの地方公共団体の理解におきまして、それはできないことがあるわけであります。また、その必要ないんだと、そんな必要はありませんよという、これは公共団体の長もあると思います。しかし、それはその公共団体の限られた長の考えでございまして、国民全般広くから見ればやっぱりまた別な感情が、国全体としては長い歴史もありますので起こらぬわけもありません。現にいま古都保存法というものがございまするが、古都保存法というものは、たとえば奈良市なら奈良市の市長は、そんなことをするよりもやはり奈良市の発展のためにはどんどん家をつくって、そうして開発をしてやったほうが市の発展上いい、こういうような考えを持ってどんどん古都を荒らしていくということも考えられるのであります。しかし国民感情からして、やはりああいうところはある程度残しておかなければ困る。まあ京都もそういう問題があるでしょう。そういう国民感情がまた別にあります、その公共団体の区域の長とは別にですね。そういうようなものにつきましてはやっぱり考慮しなければならぬというので、古都保存法もできたと思うのであります。したがいまして、この美観の問題につきましても、やはり条例にまかして、条例でできない場合は国家的に見て何とかこれはやっぱりそうしなければならぬと思うのです。これは法律をつくるにいたしましても、国会の賛成を得てやるのですから、まあ国民を代表してということになりまするから、そういうことをも必要じゃないか。ところが、いまは全然そういう手順が建設大臣には、あるいは政府にはないのであります。したがいまして、その辺の考慮が要るのじゃないかということを考えておるのでございまして、まあいろいろ議論はございまするが、慎重に扱いたい。実は、現在都市計画法を国会に提案いたしておりまして、その都市計画法も、市街地になるべきところと市街地に好ましくない調整地域、市街地にしない地域がございます。これはいままでは、都市計画法によって建設大臣が頭からきめることができましたが、それではいかないので、公共団体の長、知事の稟議に基づいてやることにしております。しかし、かりに東京なら東京でそういう地域をきめましても、知事がやらなかった場合は、あるいはやることができなかった場合はどうすることもできないのでありますから、特に一項を加えまして、政府が必要ある場合は、国の利益に重大な関係ある場合は、建設大臣がみずからこれをやることができるという条項も入れてあるのでございますが、建築基準法にはその点の配慮が欠けておるのじゃないだろうかというふうにも考えられます。いずれにいたしましても、話が長くなりましたが、慎重に取り扱いたいというのが、私の現在の気持ちでございます。
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石井桂#26
○石井桂君 大臣のお答えを聞きまして、やや安心いたしました。新聞によりますと、いまにも超高層ができるやつをみんな押えているので、その間に、審議を延ばしている間に法律をつくって出して、押えてしまうのだという印象を与えておる記事がだいぶ出ておりますから、ですからどうも建設大臣は建設行政に理解がない人じゃないかというので、一般に建設関係の技術屋の仲間では話題になっているのです。だけれども、いま大臣のお答えは、私はもう八〇%りっぱなものだと思います。ただあの二〇%だけまだ不服なところがある。で、お答えの中の五つ、私が聞き違ったらもう一ぺんお答え願いますが、容積地区が指定されて、そうしていままでよりも超高層ビルができる、できるときのでき方ですね、つまり容積地区を指定すると空地やなんかまわりにうんととれと、こういうたてまえで容積地区ができたのだけれども、大臣の方法によるとボリュームだけ指定するから、指定したボリュームの中でまかなえばいいのだということで、一階か二階は敷地一ぱいに建てる、残りのパーセンテージをずっとろうそくのような高い建物を建ててしまう。そうすると、そこは緑地も何もないのじゃないか、こういう主張を大臣がいまやられていたですね。これはまことに専門家も及ばないようなこまかいところの私は御注意だと思うのです。そういう注文はどんどん私はして、超高層ビルを建てるときに、まわりに相当な空地を残すように設定すべきじゃないかという指導なり規制はやられてもいいのじゃないかと思うのです。しかし、高い建物は何でもかんでも親のかたきのようにとっちめてやれというのでは、あまり文化的な指導ではないように思うから、まず第一点は、私はそういう程度の規制は、超高層ビルの建設にあってもいいのじゃないかとこう思います。そういうことを聞いてやや安堵しておるのですが、その次に条例で指定するようになるものだから、美観地区とか高度地区はなるのだけれども、それで困るから何か法律をつくらなければいかぬ、こうおっしゃるのですが、私は容積地区を指定するとき、もし和田倉門のまわりが不適当なら、あれは大臣がきめることになっているのですから、容積地区は。だからあのまわりだけ抜いてしまえば、容積地区を指定しなければ高いビルが建たなくなるのじゃないか、しかし、その当時の大臣は容積地区に建てさせるほうに賛成して、大きなたいこ判を押されているわけですよ。それが指定されてからまだ三年もたたないうちにまた変えるんだというのでは、よほど前の大臣はそそっかしかったということになってしまう。私は、人間のやることですから、間違ってもしょうがないと思うのです。正しいほうに改めるならいいと思いますけれども、しかしちょいちょい変えられては、困るのは民衆なんです。たとえばビルの設計料の話をするとしみったれていると思われると思いますが、超高層ビルの強度の計算で、地震がきたときにあぶないか確かかということを計算するのに、人間が一生懸命で算術やっていたのでは、半半一年かかりますよ。計算機だってもう二、三日かかってしまう。それで電子計算機を使うことに八千万も九千万も金がかかるんですよ。みんな知らないかもしれないけれども、ビルをつくる計算するのだって八千万も九千万も、一億円もかかるような作業をするんですよ。ですから、法律で初めからいい、ここにはこういう容積のビルができる、そのつもりでビルディングの設計を何カ年かかってやっている間の労力というものは、たいへんなものですよ。設計図が出てきて絵をかいて、それでできるんじゃないですよ。二、三年もかかってようやく労作をしててきたものが、二、三年たって、これは大臣がおかわりになって法律がよくなるんだからいいには違いないけれども、何しろ法律で、これでこうやれば許可しますという範囲をきめておいて忠実にやっていたものを、今度いけないとなると、国民はほんとに方向を失うんじゃないだろうか。そういうことをまず申し上げたいのですが、それが二番目です。大臣の、条例ではできないから国でやる、私はいまの制度で高度制限地区や美観地区をやるならば、その前に容積地区を指定しなければよかったんじゃないか。そうすれば制限三十一メートルは全然押えられてしまう。そういう問題がある。
 それから三番目に、広く国民の意見がいろいろあるというのですが、こういう超高層ビルが、つまり、許可されるような改正がされたときに、広く国民の意見があったと思うんですよ。だけれども、いま聞いてやっても、それはみんなの意見ということは、一億の国民に聞くということはできないと思う。早い話が、私は二十何年前の話ですが、初めて高速道路ができる、それは朝日新聞のところから新橋の土橋までできる、それが美観上いけないというので、えらい論議されたことがあるんですよ。私も都市美協会の役員をしていたのですが、つまり、朝日新聞からたった一キロかそこらの間に高速道路をつくると、将来万里の長城みたいなものが一ぱいできて、そしてみにくい都市になるだろうという大反対があった。しかしどうでしょう、いまあれはちっとも目立たない存在になり、高速道路は何十キロと都内を走って、むしろ東京が首都の表象であるかのごとく機械的な美を私は出していると思うのですが、だから世論もさこそと思いますけど、やはりほんとうの意見をくみ取って行政をしなくちゃいかぬので、もう全然どなたか強い人が一人いると、みんなそうだそうだと言うて、大ぜい数を集めての議論は、私はあんまりとらないところだと思いますけどね。で、私は広い国民の声を聞くのはいいけれども、その当時、三十八年に制度をつくられたときに、すでに広い国民の意見を聞いたのじゃないかとこう思うから、それはまあ大臣のお話をあんまりいただかないわけです。
 それから超高層ビルの扱いは、慎重にしたいとこうおっしゃっておられますが、ごもっともです。ごもっともだけれど、やっぱり現在国でいままで方針がきまって、そうして超高層ビルを建てる方針が、与えられたワクの中で出てくるやつは、それは慎重に扱うのはけっこうだけれど、三年も四年もかかって慎重に扱う。大臣がこの次建設大臣に留任されてもなかなか許可にならぬという程度じゃ困るので、やっぱり役所のことですから、建築基準法が、法律に合えばどんな大きなビルでも三週間に許可しろという規定がありますよ、大臣は御存じないかもしれないけれど。まあ正当な理由があれば三週間以内にやらぬでもいいですがね、そうでなければ三週間以内に片づけなくちゃならぬ義務があるはずです。それを申し上げておきます。
 それからもう一つ、まあいま大臣の御答弁で気がついたのはそんな程度ですが、私がこの問題あんまり長くやっていると時間かかりますから——とにかくいま慎重に扱われる書類が、どのくらいたてば解決されて、大臣からオーケーをいただけるのか、お見通しといっても無理かもしらぬけれども、なるべくそれは早くやることにやっていただくのがいいんじゃないかと思うが、大臣がそれをいいという判断であれば、結局建つことになるわけなんです、超高層のが。ですから、そのお見通しはどうですか。無理かもしれませんが、慎重にやるとおっしゃっていたから。
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西
西村英一#27
○国務大臣(西村英一君) 一体その容積地区を指定しておりながら、いまごろおかしいじゃないかと、それは一つのりっぱなあれでございます。しかし、そういう指定をした当時の気持ちとしては、これは推察でございまするが、やっぱり法律にも高度制限もあり、美観制限もあるから、各公共団体の長は、おそらく、少なくとも東京、大阪、京都というようなところには、美観地区も出るだろうし、高度制限も出るだろうと、私は期待しておったのじゃなかろうかと思うのです。現にそういうことを考慮した公共団体の長もあるわけでございます。しかし、いろいろな関係で、議会等の関係でそれができなかったから、ちぐはぐな関係になったということじゃなかろうかと私は思うのであります。したがって、その辺にやはり考えなきゃならぬ点が残っておるわけでございます。そこで、やはりいままでの建築の例をとりましても、皇居の周辺に、あるいは国会の周辺におきましても、まあ法律は別として、いろいろな考慮が払われております。たとえばこの国会の周辺につきましても、私の知っておる限りでは、やはり衆参両院議員の会館をつくるときも、もっと高いものをつくればずいぶん議員の収容力もあったのですが、国会より高いものをつくっちゃいかぬとか、ごく最近も、建設省に最高裁判所の庁舎建築をまかされておりまするが、これも最高裁判所で審議会をつくりまして、相当な方々が審議会の委員になっておるのです。最高裁判所でございまするから、非常にいろいろな考慮が払われているわけでございます、建物上、その中身も。やはりあの辺に建つものでございますから、国立劇場の隣り、近所でしょうか、いろいろな考慮がやっぱり払われておるのでございます。したがいまして、やっぱりそういうようなこともありますので、いろいろ考えなけりゃならぬという気持ちもいたしております。
 いま、何か三週間以内にその判断をしなけりゃならぬというようなことですが、それは三週間以内というのは、東京都の審議会の話でございまして、建築審査会が三週間ということになっておるんで、建設省に対する制限はないように思っておりますんですが、これは事務的な話でございまするが……。一体いつごろになる見通しかという見通しは、率直なところ、いまいつだということは言えませんし、ことに現段階の私の立場は、きわめて風前のともしびでございますので、ここでいつということはなかなか言いにくい、御容赦賜わりたいと思います。
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石井桂#28
○石井桂君 これ以上お聞きしても、ちょっとお答えが苦しくなるんで無理だし、私もどうもいろいろのことを承知しておりながら聞くのもどうかと思うのですが、大体やはり法律が公に出て国民に約束しておいて、その範囲内なら違反にならぬと、こういうことで安心してやらせておく行政、この行政は私は違反しても自分で気に食わなくても、これはいわゆる助長行政というか、国民の福利を増進するための法律で、どろぼうやすりをつかまえる行政と違うと思うのです、建築行政というものは。だから、あたたかい気持ちで御指導を賜わらぬことには、高い建物を建てるやつは、これはすりかどろぼうのようなやつに違いないということで、根っから、初めから押えられる方針では非常に困ると思うので、そこで超高層の問題については、また他の機会に譲りまして、とにかく国民に希望を持たせて、法律が、法律のワク以内で建つような場合には、やはりあたたかい気持ちで指導してあげてほしいと思うのです、私は。いまいろいろ高度地区とか美観地区とか、あるいは知事と大臣の何か連絡がとれないようになっている話も聞きました。しかし建築基準法には、建設大臣の言い分どおり、つまり指導方針に違った指導をするような知事あるいは建築主事が出た場合にはどうすればという規則があったように思うのですよ。建築基準法にたしかあったですよ。大臣から命令ができるとか、勧告ができるとか、そういうことが基準法にありましたから、それは全然ないわけではないと思うのですね。だからそういうこともお考えくださいまして、ひとつこれ以上はもうあまりこの機会には申し上げませんが、一つ申しますと、あたたかい気持ちでおやり願いたいと思います。
 それから問題はあとは他の機会に譲りまして、もう一つ問題があるのですが、このごろ建築違反を厳重に取り締まれという新聞紙のキャンペーンがあるのです。それの、そういう建築違反に対するちょうどいい機会ですから、建設大臣の基本的な態度をお示し願いたいと、それは私は建て売り住宅とか何とか、集団的に営業上非常に敷地一ぱい違反をして建てて、そうして道路の上でも、空地のところでも一ぱい建てるような営業者もときたまありますよ。そういう他人に迷惑をかける違反は徹底的におやりになってぼくはいいと思うのですが、大体国民が住宅なり作業場をつくるのは、額に汗した結果、幾らか余裕があればその余裕を貯金しておいて、一生に一ぺんか二度、多くて二度しか建てられないのが私は現状だと思うのです。そのたまに建てたものが違反が、少し背が高いとか何とかいうことで、どろぼうやすりのように徹底的に取り締まられるんじゃ、私はこれが建設省の御方針がもしそうであれば、それは間違いじゃないか。助長行政と警察の取り締まりと違うのだということを考えているのです、私は。そこで問題は、いろいろ新聞のキャンペーンで出ているような違反に対する、建設省が各都道府県の建築関係の行政をする方にどういう方針で臨まれているか、それを承りたいと思います。
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三橋信一#29
○説明員(三橋信一君) ただいま石井先生のおっしゃいましたように、建築をいたしますものは、大きなビルから小さな住宅までいろいろございます。したがいまして、この建築基準法もやはり法でございますので、これに違反しましたものは、やはりそれを是正させる、あるいはひどいものは罰則を適用する。これはいたさざるを得ないというふうに考えます。その間に、やはり血も涙もないような仕打ちは、これはいかぬだろうというのはお説のとおりでございます。ただ問題は、この建築基準法につきましては、御存じのとおり、非常に市民生活の両輪的な関係の問題がいろいろございます。そういう面から見まして、非常に社会的に害を及ぼすとか、そういうようなものについては、特にきびしく取り締まる必要があるのではなかろうかというふうに考えております。したがいまして、ただいま手をつけております違反取り締まりは、そういうような面からまず取り締まってまいりたい。と同時に、これを取り締まりだけでいきました場合には、いろいろ問題があると思います。と申しますのは、取り締まること自体が無理じゃないかというのが石井先生の御説、そういう場合があるのじゃないかということだと思いますが、そういう点につきましては、今後この都市計画の面につきましても、いろいろと都市の発展形態に即応しまして、都市計画の進展もまた当然あってしかるべきであろう、そういう点とあわせまして、この建築基準法の取り締まりというものをやっていきたい、そういうふうに考えております。
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