石井桂の発言 (建設委員会)
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○石井桂君 大臣のお答えを聞きまして、やや安心いたしました。新聞によりますと、いまにも超高層ができるやつをみんな押えているので、その間に、審議を延ばしている間に法律をつくって出して、押えてしまうのだという印象を与えておる記事がだいぶ出ておりますから、ですからどうも建設大臣は建設行政に理解がない人じゃないかというので、一般に建設関係の技術屋の仲間では話題になっているのです。だけれども、いま大臣のお答えは、私はもう八〇%りっぱなものだと思います。ただあの二〇%だけまだ不服なところがある。で、お答えの中の五つ、私が聞き違ったらもう一ぺんお答え願いますが、容積地区が指定されて、そうしていままでよりも超高層ビルができる、できるときのでき方ですね、つまり容積地区を指定すると空地やなんかまわりにうんととれと、こういうたてまえで容積地区ができたのだけれども、大臣の方法によるとボリュームだけ指定するから、指定したボリュームの中でまかなえばいいのだということで、一階か二階は敷地一ぱいに建てる、残りのパーセンテージをずっとろうそくのような高い建物を建ててしまう。そうすると、そこは緑地も何もないのじゃないか、こういう主張を大臣がいまやられていたですね。これはまことに専門家も及ばないようなこまかいところの私は御注意だと思うのです。そういう注文はどんどん私はして、超高層ビルを建てるときに、まわりに相当な空地を残すように設定すべきじゃないかという指導なり規制はやられてもいいのじゃないかと思うのです。しかし、高い建物は何でもかんでも親のかたきのようにとっちめてやれというのでは、あまり文化的な指導ではないように思うから、まず第一点は、私はそういう程度の規制は、超高層ビルの建設にあってもいいのじゃないかとこう思います。そういうことを聞いてやや安堵しておるのですが、その次に条例で指定するようになるものだから、美観地区とか高度地区はなるのだけれども、それで困るから何か法律をつくらなければいかぬ、こうおっしゃるのですが、私は容積地区を指定するとき、もし和田倉門のまわりが不適当なら、あれは大臣がきめることになっているのですから、容積地区は。だからあのまわりだけ抜いてしまえば、容積地区を指定しなければ高いビルが建たなくなるのじゃないか、しかし、その当時の大臣は容積地区に建てさせるほうに賛成して、大きなたいこ判を押されているわけですよ。それが指定されてからまだ三年もたたないうちにまた変えるんだというのでは、よほど前の大臣はそそっかしかったということになってしまう。私は、人間のやることですから、間違ってもしょうがないと思うのです。正しいほうに改めるならいいと思いますけれども、しかしちょいちょい変えられては、困るのは民衆なんです。たとえばビルの設計料の話をするとしみったれていると思われると思いますが、超高層ビルの強度の計算で、地震がきたときにあぶないか確かかということを計算するのに、人間が一生懸命で算術やっていたのでは、半半一年かかりますよ。計算機だってもう二、三日かかってしまう。それで電子計算機を使うことに八千万も九千万も金がかかるんですよ。みんな知らないかもしれないけれども、ビルをつくる計算するのだって八千万も九千万も、一億円もかかるような作業をするんですよ。ですから、法律で初めからいい、ここにはこういう容積のビルができる、そのつもりでビルディングの設計を何カ年かかってやっている間の労力というものは、たいへんなものですよ。設計図が出てきて絵をかいて、それでできるんじゃないですよ。二、三年もかかってようやく労作をしててきたものが、二、三年たって、これは大臣がおかわりになって法律がよくなるんだからいいには違いないけれども、何しろ法律で、これでこうやれば許可しますという範囲をきめておいて忠実にやっていたものを、今度いけないとなると、国民はほんとに方向を失うんじゃないだろうか。そういうことをまず申し上げたいのですが、それが二番目です。大臣の、条例ではできないから国でやる、私はいまの制度で高度制限地区や美観地区をやるならば、その前に容積地区を指定しなければよかったんじゃないか。そうすれば制限三十一メートルは全然押えられてしまう。そういう問題がある。
それから三番目に、広く国民の意見がいろいろあるというのですが、こういう超高層ビルが、つまり、許可されるような改正がされたときに、広く国民の意見があったと思うんですよ。だけれども、いま聞いてやっても、それはみんなの意見ということは、一億の国民に聞くということはできないと思う。早い話が、私は二十何年前の話ですが、初めて高速道路ができる、それは朝日新聞のところから新橋の土橋までできる、それが美観上いけないというので、えらい論議されたことがあるんですよ。私も都市美協会の役員をしていたのですが、つまり、朝日新聞からたった一キロかそこらの間に高速道路をつくると、将来万里の長城みたいなものが一ぱいできて、そしてみにくい都市になるだろうという大反対があった。しかしどうでしょう、いまあれはちっとも目立たない存在になり、高速道路は何十キロと都内を走って、むしろ東京が首都の表象であるかのごとく機械的な美を私は出していると思うのですが、だから世論もさこそと思いますけど、やはりほんとうの意見をくみ取って行政をしなくちゃいかぬので、もう全然どなたか強い人が一人いると、みんなそうだそうだと言うて、大ぜい数を集めての議論は、私はあんまりとらないところだと思いますけどね。で、私は広い国民の声を聞くのはいいけれども、その当時、三十八年に制度をつくられたときに、すでに広い国民の意見を聞いたのじゃないかとこう思うから、それはまあ大臣のお話をあんまりいただかないわけです。
それから超高層ビルの扱いは、慎重にしたいとこうおっしゃっておられますが、ごもっともです。ごもっともだけれど、やっぱり現在国でいままで方針がきまって、そうして超高層ビルを建てる方針が、与えられたワクの中で出てくるやつは、それは慎重に扱うのはけっこうだけれど、三年も四年もかかって慎重に扱う。大臣がこの次建設大臣に留任されてもなかなか許可にならぬという程度じゃ困るので、やっぱり役所のことですから、建築基準法が、法律に合えばどんな大きなビルでも三週間に許可しろという規定がありますよ、大臣は御存じないかもしれないけれど。まあ正当な理由があれば三週間以内にやらぬでもいいですがね、そうでなければ三週間以内に片づけなくちゃならぬ義務があるはずです。それを申し上げておきます。
それからもう一つ、まあいま大臣の御答弁で気がついたのはそんな程度ですが、私がこの問題あんまり長くやっていると時間かかりますから——とにかくいま慎重に扱われる書類が、どのくらいたてば解決されて、大臣からオーケーをいただけるのか、お見通しといっても無理かもしらぬけれども、なるべくそれは早くやることにやっていただくのがいいんじゃないかと思うが、大臣がそれをいいという判断であれば、結局建つことになるわけなんです、超高層のが。ですから、そのお見通しはどうですか。無理かもしれませんが、慎重にやるとおっしゃっていたから。