野原正勝の発言 (予算委員会)

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○野原委員 第二分科会の審査の経過及び結果を御報告いたします。
 第二分科会の審査の対象は、昭和四十三年度総予算中、会計検査院、防衛庁、外務省及び大蔵省所管のものでありまして、去る三月十二日より昨十五日まで四日間、慎重に審査いたしました。
 それぞれ各省庁ごとに予算の説明を聴取いたした後、質疑を行ないました。質疑は終始熱心かつ活発に行なわれましたが、その詳細は会議録でごらんを願うこととし、ここでは二、三の点を報告するにとどめます。
 まず、外務省の関係では、領海内の軍鑑の無害通航権について、これを無制限に認めることは、場合により核兵器の持ち込みにも通ずるもので危険である。領海及び接続水域に関する条約の第二十三条の趣旨からいっても何らかの規制を行なうことが可能であり、まだ必要ではないか、との質疑がありました。これに対しましては、領海内の通航といっても、公海から公海へすうっと通過するという場合に限られ、領海内にとまったり、故意に蛇行するといったような場合は含まない。また、これは米国の軍艦に限って認めるわけではなく、いずれの国に対しても同様である、との答弁がありました。
 ほかに、ベトナム和平、日中貿易、沖繩におけるB52の撤去、北朝鮮人の帰還、米国の沿岸警備隊の性格、安保条約の事前協議、モンゴルとの国交回復、その他に関する質疑がありました。
 次に、防衛庁の関係では、米軍が新しく全国十二カ所に電波障害制限区域を設けるよう申し入れてきているが、その理由は何か。おそらくこれは米国の薄いABM体系の整備と関係があると思われるがどうか、との質疑がありました。これに対しましては、電波障害制限区域の設定は、周辺地区の市街地化などに伴う障害除去に理由があると思われるが、いずれにしろABMとは関係がない。ABM体系は、これから米本土を中心に展開されるものであり、日本は考慮のほかにあるということが、去る一月の日米安保協議委員会の下の段階での打ち合わせで米国側から確言を得ている、との答弁がありました。
 また、楢崎分科員の三光化学株式会社及び細谷火工株式会社に関する質疑に対しまして防衛庁当局から、三光化学は旧海軍の施設、機材の払い下げを受けて創業し、化学薬品等を取り扱っているが、防衛庁の調達量は、昭和二十七年度から三十二年度の間に催涙球二万五千個、昭和三十五年度から三十八年度までの間に催涙筒二万九千七百五十個となっている。また、細谷火工からの調達量は、昭和三十八年度から四十二年度の間に、催涙球八千三百四十四個、昭和三十九年度から四十二年度までの間に催涙筒一万二千個となっている、との回答がありました。
 ほかに、空対地ミサイルの研究開発、弾薬費の内訳、郷友連盟での長官の発言内容、北富士演習場の返還、自衛隊員の逃亡、その他の問題について質疑がありました。
 次に、大蔵省の関係では、国際通貨不安の原因とその見通しはどうか、また、いまの財政金融政策のままで、はたしてこの国際経済の危機に対応し得るのかどうか、という点が問題となりました。
 これに対する答弁は、ドルに対する信認が国際通貨制度の基礎である以上、アメリカが一日も早く自分自身の政策をはっきりさせて、ドルの信認を回復するよりほかない。その際、輸入課徴金のように他国に重大な不利益をもたらす政策ではなく、増税あるいは金融引き締めのように自分の国内だけで解決し得る政策が望ましいし、また、それにより危機を回避することが期待される。日本の場合は、イギリスなどに比べるとまだまだ余裕があり、現在程度の財政金融政策でこの国際経済情勢に対処し得ると思う。国際収支対策としては、やはり総需要を抑制すべきだが、国債発行下では、金融引き締めよりも財政政策を基本とすべきである。そのためにも財政の体質を改善して、フィスカルポリシーを実行する必要がある。以上のような答弁がありました。
 ほかに、国庫債務負担行為の制度とその運営、公債の市中消化、製造たばこの価格引き上げ、日中貿易、会社型投資信託、同和対策、その他の問題に関して質疑がありました。
 なお、田中武夫分科員の金管理問題と産金政策についての質疑中、政府が新産金の一部を一グラム四百五円で強制的に買い上げていることと、憲法第二十九条との関係に関する問題は十分なる解明がなされておりませんでしたので、これにつきましては、可及的すみやかに、他日適当な委員会において再度質疑を行ない得るよう努力することとなっております。
 最後に、会計検査院の関係では、検査院の地位の特殊性と職員の処遇、住宅公団に対する検査、その他に関する質疑がありました。
 なお、質疑終了後、分科会の討論採決は本委員会に譲ることに決定いたしました。
 以上、御報告いたします。(拍手)

発言情報

speech_id: 105805261X01719680316_004

発言者: 野原正勝

speaker_id: 250

日付: 1968-03-16

院: 衆議院

会議名: 予算委員会