佐藤榮作の発言 (予算委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○佐藤内閣総理大臣 先ほど、最近の実情についてどういうように政府が考えているかということで大蔵大臣から概要を申し上げました。河野君がいま御指摘になりますように、ポンドの国際決済通貨としてのその地位が大変動を来たし、さらに、それに関連いたしましてドル自身の国際決済通貨としてのその地位がたいへん心配になる、しかも、そのドル自身の不安というものが、結局はゴールド、金の問題だ、こういうことにつながっておる、これはもう御指摘のとおりであります。そうしてまた、そういうことが一部の投機者の投機、そういうことで一そうそれをあおっておる、こういうようなところが見受けられるのであります。したがいまして、いまお話しになりましたように、国際恐慌というようなものをこの際招来するようなことがあっては、これはたいへんだと思いますし、また国際デフレになってもいかぬ。かように私ども考えております。そういう意味で、この対策等について非常に慎重な態度をとり、また、あまりうわさなどが起こらないように、実は政府自身も注意してきたと思います。しかしながら、ただいままでのところ、もうすでに新聞その他によっても詳細に報道されておるように、いわゆる金プール七カ国といいますか、それらの国の動向、それらの国の中央銀行の総裁の会合、それなども非常に短期間の間に次々に行なわれておる。きょうはちょうどその日にも当たっておる、こういうことでありますから、いずれこれらに対する対策がここ数日ならずして明確になってくると私は思います。私は、日本がいままでドルの強化、それには協力する、しかし同時に、ドルを強化するといっても、円自身が弱体化する、そういうようなことがあっては国益にも反するのだ、こういうことでドル・円、これは一体化とでも申しますか、そういうような意味でこの協力をはかっていこう、したがって、ドルも強く、また円も強くなければならない、かように実は思っておるのであります。
さらに、おそらくお尋ねが進んでくるかと思いますが、いまの金の問題になってまいりましても、わが国が特別金保有が少ない、こういうような実情に置かれておる。また国内においても金の兌換は停止しておる。しかしながら、国際関係におきましては、金為替はそのまま維持しておる。これは申すまでもなく、ドルというものがその場合において使われておるのでございます。したがって、いまのドルと円の一体化ということは、これは国民並びに産業界の方にはよくわかっていただけると私思います。そういう意味で、いまは何といいましても、国際決済通貨としてのドルの地位、それを安固にするということ、これを安全なものにするということが、これは何よりも大事なことだと思います。そういうことが同時に国際恐慌を防ぐゆえんでもあるだろう、私はかように考えておる次第であります。