河野密の発言 (予算委員会)
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○河野(密)委員 佐藤総理は施政方針演説の中でこう述べておるのであります。「二十世紀後半の人類は核時代に生きております。この核時代をいかに生きるべきかは、今日すべての国家に共通した課題であります。」こう言って、核兵器に関しては、「われわれは、核兵器の絶滅を念願し、みずからもあえてこれを保有せず、その持ち込みも許さない決意であります。」こう言っております。その具体的方法としては、核拡散防止条約の早期締結とか、核軍縮の達成とか、核保有国の威嚇、使用を不可能とする国際世論の喚起、人類の理性が核兵器を支配する国際環境をつくる云々と言っております。私は率直に申しますが、佐藤総理の施政方針演説の中で、この一節は従来に例がなく格調の高いものだと思います。私は、こういう政治方針なり政治の考え方というものを佐藤総理が貫かれることを期待してやまなかったのでありまます。ところが、これはだんだんだんと質疑応答を重ねる間に馬脚を出してまいりまして、いま言うように、非核原則ではない、核兵器三原則であるというようなことを言ったり、核三原則と核に対する四つの政策というものを組み合わせなければ、これをワンセットとしなければ、国会の宣言にする、あるいは決議にすることはできないとか、だんだんだんだんと何が何だかわからないようにしてしまったのであります。
私はそこでお尋ね申しますが、現在ベトナムの戦争は非常に険悪な状態にあります。一月二十三日にはプエブロ号事件というのが起こって、極東の情勢も険悪であります。プエブロ号事件が起こりましたときに、アメリカの世論あるいは国会の権威筋のことばの中に、核兵器を使え、少なくとも戦術核兵器を使え、核兵器を使わなければ核兵器を持っている値打ちがないじゃないか、いつの日にこれを使うのだ、こういう議論が相当に横行してまいりましたことは御承知のとおりであります。一月三十日にテト攻勢が起こりましてから、その議論はさらに盛んになりました。現在はケサンの攻防戦がクライマックスに達しておりますが、ケサンの攻防戦に関してアメリカのホイーラー統合参謀本部議長が国会での秘密会で証言をしたといわれる中に、ケサンを第二のディエンビエンフーにする考え方は持っていない、ケサンを第二のディエンビエンフーにしないで済むために核兵器を使わなくともやり得ると思うのだ、こういうことを答えておる。核兵器を必ずしも使わないとは言わない、核兵器を使わなくともケサンを守り得ると思う、こういう微妙な発言をしておることは御承知のとおりであります。さらにその際、ガーウィンという戦術核兵器の専門家をひそかに南ベトナムに派遣しておるのだ、こういうことも明らかにされておるのであります。
私は佐藤総理に率直にお尋ねしますが、核のかさとか核の抑止力とか佐藤総理はよくお使いになりますが、アメリカがもし南ベトナムにおいて戦術核兵器、小型核兵器であっても核兵器を使われたらどうなさいますか。核兵器を使うという考え方に対して佐藤総理はどういうお考えを持っておりますか、これを明確にお答え願いたい。