河野密の発言 (予算委員会)
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○河野(密)委員 参考人としてあなたの御意見を承ったわけでありますから、堂々とお述べになって差しつかえないと私は思う。日本の経済の現状はこうであるから、こういうふうに国際情勢に対処して、たとえば財政投融資というものは、もう少し削るべきではないかというようなことは、堂々と——参考意見ですから、それを取捨選択する、採択するかいなかは国会にあります。それを国会の採択取捨選択まで制肘するならば、これは悪いでありましょうが、そうでなければ一向に差しつかえないこと、だと思います。
途中でありますから、私の気持ちの通じないところもあったと思いますが、私はいま宇佐美参考人のお述べになったことでぴんと来たことが一つあるのであります。それは、アメリカにおける国際収支の改善のためのいろいろな措置が手おくれになっておる、あらゆる意味において、政治的配慮か、政治の怠慢か、あるいは政治の機動性の欠如か、何か知らぬけれども手おくれになっている部分が多いんだ、こういうことをおっしゃられました。私は全くそのとおりだと思うのであります。この問題について、イギリスの労働党が崩壊するかもしれない、分裂するかもしれないと伝えられるような情勢に追い込まれておる、そのように深刻なる問題であります。それに対して果断に対処する、残念ながらアメリカの現在の指導部には、政府には、そういう力がないんじゃないでしょうか。そういうものが欠けておるんじゃないでしょうか。ジョンソン大統領という人にそういう政治的識見がないんじゃないか。そこらのところに私は問題があると思うのであります。
これはしかしアメリカのことではございません。私は日本の現在のわれわれとしても考えるべき問題ではないかと思うのであります。佐藤さんにはたいへん失礼な言い分をするかもしれないけれども、もう少し政治というものは、足して二で割るとか人事をどうするとかいうような政治ばかりでなく、識見を持ち、見識を持ったところの政治を行なわなければ私は乗り切れない段階に来ておるのじゃないか。それらの点について、われわれは、さっき申し上げましたように、核の政策についてあなたは初めて政治哲学ともいわれるようなものをお出しになった。これは見直さなくちゃなるまいかと思った瞬間にもう肩すかしをしてしまう。全くそういう意味合いにおいては私は残念千万だと思うのであります。
そこでお尋ね申し上げますが、こういう情勢において一番国際収支の面において赤字を累積さしておるのは、各国を通じて軍費だと思います。軍事費に金を使うことが、各国の財政経済状態を悪化せしめておるところの根本の原因であると思うのであります。その軍備をどういうふうに縮減していくかということが、これからの政治的課題でなければならない。イギリスは御承知のように、十一月十八日のポンドの切り下げをやると同時に、その対応策として極東における軍隊を撤収する、核兵器をつくらぬということを宣言をいたしました。私は、現在核兵器をつくっている国々が困り抜いておると思うのです。核兵器を使うことはできない、しかし核兵器を持たないわけにはいかない、惰性でもって困り抜いておると思うのであります。そのときに、私は、日本の国会がもし非核宣言というものをいたしまするならば、各国はおそらく大干に雲霓を望むというような歓迎をすると思うのであります。言い得ないところをよく言ってくれた、日本の国会の見識に対して敬意を表すると私は思うのです。われわれはそれでありまするから佐藤総理に申し上げておることは、われわれはむずかしいことを言わなくてもよろしい、核をつくらず、持たず、持ち込まず、きわめて簡単な点だけで挙党一致、国会一致してこれを決議をするならば、世界に与える影響というものはきわめて重大じゃないかと思います。これを提唱しておるのでありますが、何がゆえにこれができないのでありますか。何がゆえにこれに対して反対をなさるのでありますか。きわめて簡単なことじゃありませんか。私は、おそらく、この世界の経済情勢をもし破滅なしに、破綻なしに切り抜けていこうとするならば、各国はそういうところに行かざるを得ないと思うのであります。この意味におきまして、日本の国会が、何も先見の明を誇る必要はないけれども、この際このときにこの問題を取り上げることはきわめて時宜に適した問題である。政治家は先を見ることが必要であります。佐藤総理大臣はこれに対してどうお考えになりますか。勇断これに賛成をするお考えはないかどうか、伺いたいと思うのです。