大津留温の発言 (建設委員会)

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○政府委員(大津留温君) ただいま議題となりました公営住宅法の一部を改正する法律案について逐条的に御説明申し上げます。
 第二条の改正は、新たに使用することとなった主要な用語の定義等をしたものであります。まず、第六号において「公営住宅の工事費」について定めてございます。公営住宅の工事費とは、公営住宅の建設に要する費用のうち公営住宅を建設するための土地の取得等に要する費用以外の費用をいうことといたしました。第十号は、「共同施設の工事費」について定めました。第十一号は、「公営住宅建替事業」について定めてございます。公営住宅建てかえ事業とは、現に存する公営住宅を除却し、または現に存する公営住宅及び共同施設を除却するとともに、これらの存していた土地の全部または一部の区域に、新たに公営住宅を建設し、または新たに公営住宅及び共同施設を建設する事業をいうこととし、これに付帯する事業を含むものとしております。この場合、新たに建設する公営住宅または新たに建設する公営住宅及び共同施設と一体の公営住宅または共同施設を当該区域内の土地に隣接する土地に新たに建設する事業も、この公営住宅建てかえ事業に含まれるものといたしました。以上のほか、従来からあります用語の定義について所要の技術的改正を行ないました。
 第七条及び第八条は、国の補助制度についての改正であります。すなわち、現在、国は公営住宅または共同施設の建設に要する費用について地方公共団体に対し補助することとしておりますが、今回これらの費用のうち用地費についての国の補助を地方債に切りかえることに伴い、国の補助対象となる費用を公営住宅の工事費及び共同施設の工事費と改めたものであります。なお、既設の公営住宅で災害を受けたものの復旧を行なう場合の宅地復旧に要する費用につきましては、その性質にかんがみ、従来どおり国が補助することができることとしております。さらに、これらの費用についての国の補助金額の算定の基準となります標準工事費等につきましては、公営住宅の工事費等として通常必要な費用を基準として、建設大臣が定めることといたしました。
 第十条及び第十一条の改正は、それぞれ第八条及び第十二条の改正に伴う条文整理をいたしたものであります。
 第十一条の二は、用地費にかかる地方債に対する国の配慮について定めたものであります。すなわち、国は、事業主体が公営住宅等を建設するための土地の取得等に要する費用に充てるために起こす地方債については、資金事情の許す限り、適切な配慮をすることといたしました。なお、これに伴い従前の第十一条の二の規定は、第十一条の三といたしました。
 第十二条は、家賃の限度の算定基礎である地代相当額の算出方法についての改正であります。国から次条の規定による家賃収入補助を受けた場合は、地代に相当する額は、当該補助額相当額を控除したものとすることとし、用地費についての国の援助方式の改正による家賃の変動が生じないように措置いたしました。
 第十二条の二は、新たに家賃収入補助に関し定めたものであります。すなわち、国は、事業主体に対して、毎年度、公営住宅を建設するための土地の取得等に要する費用の額に政令で定める率を乗じて得た金額を補助することといたしました。この場合の土地の取得等に要する費用の額は、建設大臣の定める標準価額によることとし、この標準価額は、適正な立地条件を備えている土地に公営住宅を建設するための土地の取得等に要する費用として通常必要な費用を基準として定めることといたしました。なお、本条の新設に伴い、従前の第十二条の二の規定は、第十二条の三といたしました。
 第十三条の改正は、家賃の変更等についての建設大臣の承認に関するものでありますが、事業主体が法定の限度額以内で家賃を変更する場合には、建設大臣の承認は要しないものとして、事務の簡素化をはかったものであります。
 第十六条の改正は、事業主体が公募によらないで特定の者を公営住宅に入居させることができる特別の事由として、新たに公営住宅建てかえ事業による公営住宅の除却を追加したものであります。
 第十七条の改正は、第八条の改正に伴う条文整理であります。
 第二十一条の二の改正は、第二十一条の三第二項の規定を設けることと関連して、収入超過の基準を公営住宅の種類に応じて定めることを明らかにするとともに、第二十一条の四の規定を設けたことにより、本条第一項後段の規定を削除したものであります。
 第二十一条の三は、高額の収入のある入居者に対する明け渡しの請求に関する規定であります。すなわち、入居後所得が上昇し相当高額の収入を得るに至った者がなお引き続き公営住宅に入居していることは、住宅に困窮する低額所得者が多数公営住宅に入居を希望している現状から見て著しく公平を欠くのみならず、公営住宅法の本来の趣旨に沿いませんので、今回、事業主体の長は、公営住宅に引き続き五年以上入居しており、かつ、最近二年間継続して一定の高額の収入のある者に対して、期限を定めて、当該公営住宅の明け渡しを請求することができることといたしました。この場合、明け渡しの基準となる収入につきましては、政令で定めることといたしておりますが、第一種公営住宅にかかる収入超過の基準を相当程度こえるものでなければならないことといたしております。また、明け渡しの期限は、請求の日から少なくとも六月後とするとともに、明け渡しの請求を受けた者は、当該期限が到来したときは、すみやかに当該公営住宅を明け渡さなければならないこととしております。さらに、請求を受けた者が病気にかかっていることその他条例で定める特別の事情がある場合においては、その者の申し出により、明け渡しの期限を延長することができることといたしました。
 第二十一条の四は、収入超過者に対する他の住宅のあっせん等に関する事項を規定したものであります。すなわち、前段は、現在の第二十一条の二第一項後段の規定をここに移したもので、収入超過者に対し、必要があると認めるときは、その者が他の適当な住宅に入居することができるようあっせんする等の努力義務を規定したものであり、後段は、収入超過者のうち第二十一条の三第一項の明け渡しの請求を受けた者に対しては、事業主体は、その者の入居している公営住宅の明け渡しを容易にするように、公営住宅以外の公的資金による住宅すなわち日本住宅公団あるいは地方住宅供給公社等の住宅への入居等について特別の配慮をしなければならないことを規定したものであります。
 第二十三条の二の改正は、事業主体の長が、収入の状況について入居者の報告等を求めることができる場合として、高額の収入のある入居者に対する明け渡しの請求及び公営住宅建てかえ事業により新たに建設された公営住宅への入居の措置に関する場合を追加したもので、第二十一条の三及び第二十三条の八の規定を設けたことに伴う改正であります。
 第二十三条の三から第二十三条の十までは、公営住宅建てかえ事業に関する規定でありまして、このため第三章の二として新たに一章を設けております。
 第二十三条の三の規定は、公営住宅建てかえ事業の施行に関する地方公共団体の努力義務を明らかにしたものでありまして、地方公共団体は、公営住宅の建設を促進し、及び公営住宅の居住環境を整備するため必要があるときは、公営住宅建てかえ事業を施行するようにつとめなければならないことといたしました。
 第二十三条の四は、公営住宅建てかえ事業の施行の要件を定めたもので、本条各号の要件全部に該当する場合に公営住宅建てかえ事業を施行することができることとしております。第一号は、建てかえの対象となる公営住宅は、市街地の区域または市街化が予想される区域内の一定の規模以上の一団の土地にまとまって存在しているものであることとしております。第二号は、建てかえの対象となる公営住宅の大部分のものが、その耐用年限の二分の一を経過しているか、または災害等によって公営住宅としての機能が相当程度低下しているものであることとしてあります。第三号は、新たに建設する公営住宅の戸数が、現に存する公営住宅の戸数の二倍以上であることととしております。なお、この場合において、公営住宅または共同施設の存していた土地の区域の一部に道路、公園等の都市施設に関する都市計画が定められていること等特別の事情がある場合においては、新たに建設する公営住宅の戸数は、現に存する公営住宅の戸数をこえれば足りることとして、具体の事情に即した取り扱いができるようにしております。第四号は、新たに建設する公営住宅が耐火構造の高層または中層の公営住宅であることとしております。
 第二十三条の五は、建てかえ計画に関する規定であります。すなわち、事業主体の長は、公営住宅建てかえ事業を施行しようとするときは、あらかじめ、事業を施行する土地の面積、建てかえ前及び建てかえ後の公営住宅の戸数等を定めた建てかえ計画を作成して、建設大臣の承認を得なければならないものとし、また、その承認を得たときは、建てかえの対象となる公営住宅の入居者に、その旨を通知しなければならないことといたしております。
 第二十三条の六は、建てかえの対象となる公営住宅の入居者に対する明け渡しの請求に関する規定であります。すなわち、事業主体の長は、事業の施行に伴い、公営住宅を除却するため必要があると認めるときは、三月以上経過した日を期限として、入居者に対して、その明け渡しを請求することができることとし、明け渡しの請求を受けた者は、期限が到来したときは、すみやかに当該公営住宅を明け渡さなければならないことといたしました。
 第二十三条の七は、事業主体が、公営住宅建てかえ事業の施行に伴う公営住宅の明け渡しの請求を受けた者に対して、必要な仮住居を提供しなければならないことを定め、工事期間中の住居の確保をはかったものであります。
 第二十三条の八は、新たに建設される公営住宅への入居について定めたものであります。すなわち、公営住宅建てかえ事業により除却される公営住宅の入居者で、所定の期間内に新たに建設される公営住宅への入居の希望を申し出たものについては、すべて当該公営住宅に入居させなければならないことといたしました。また、事業主体の長は、新たに建設される公営住宅への入居の希望の申し出をした者に対して、公営住宅に入居することができる期間を定めて通知しなければならないことといたしておりますが、正当な理由がないのに指定された期間内に公営住宅に入居しなかった者については、当該公営住宅に入居させないことができるものといたしました。なお、公営住宅建てかえ事業の施行に伴って除却された公営住宅から新たに建設された公営住宅に入居した者について、収入超過者であること等の要件である入居期間の計算については、公営住宅建てかえ事業の実質にかんがみ、除却された公営住宅に入居していた期間を新たに建設された公営住宅に入居している期間に通算することといたしました。
 第二十三条の九は、事業主体の長は、説明会の開催等の措置により、公営住宅建てかえ事業の施行について、入居者の協力が得られるようにつとめなければならないことを定め、事業の円滑な施行をはかることといたしたものであります。
 第二十三条の十は、移転料の支払いに関する規定でありますが、公営住宅の入居者が、公営住宅建てかえ事業の施行に伴い、仮住居や新たに建設された公営住宅等にその住居を移転した場合においては、事業主体は、その者に対して通常必要な移転料を支払わなければならないこととしております。
 第二十四条の改正は、公営住宅の用途廃止に関するものでありますが、事業主体は、建てかえ計画について建設大臣の承認を得たときは、その対象となっている公営住宅または共同施設について、あらためて用途廃止についての建設大臣の承認を得ることなく、その用途を廃止することができるものといたしました。
 第二十六条及び第二十八条の改正は、第八条の改正に伴う条文整理であります。
 第三十条の改正は、建設大臣が厚生大臣と協議すべき事項として、第二種公営住宅にかかる建てかえ計画の承認を追加したものであります。
 次に附則でありますが、附則は十一項からなっております。
 第一項は、この法律の施行の日を定めたもので、政府原案では昭和四十四年四月一日から施行することとしておりましたが、衆議院において公布の日から施行することに修正議決されました。
 第二項は、土地の取得等に要する費用について国の援助方式を改めたことに伴う経過措置でありまして、改正後の第七条及び第八条の規定の適用について定めたものであります。第三項は、今回新たに設けられた家賃収入補助に関する規定は、国から改正後の第七条または第八条の規定による補助を受けて建設した公営住宅について適用することを定めたものであります。
 第四項は、家賃の変更等についての建設大臣の承認に関する規定の改正に伴う経過措置であります。
 第五項から第七項までは、改正後の第二十一条の三の規定による高額の収入のある入居者に対する公営住宅の明け渡し請求についての経過措置を定めたものでありまして、この法律の施行の際現に公営住宅に入居している者について、第五項においては、明け渡しの請求は、賃借期間の定めがないとき及びこの法律の施行の際における賃借期間の残存期間が二年以内であるときはこの法律の施行の日から起算して二年を経過した日、当該残存期間が二年をこえるときは当該残存期間を経過した日以後でなければすることができないものとし、第六項においては、政令で明け渡しの基準収入を定めるにあたっては相当の配慮をしなければならないこととし、第七項においては、事業主体は、明け渡しの請求をした場合においては、その者の他の公的資金による住宅への入居等についての希望を尊重するようにつとめなければならないことといたしました。
 第八項及び第九項は、それぞれ国有財産特別措置法及び補助金等の臨時特例等に関する法律の一部改正でありますが、この法律の改正に伴う条文整理をいたしたものであります。
 第十項は、住宅地区改良法の一部改正でありますが、この法律の改正に伴う条文整理をするとともに、第四項におけると同様、家賃の変更等についての建設大臣の承認に関する規定の改正に伴う経過措置を定めたものであります。
 第十一項は、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の一部改正でありますが、この法律の改正に伴う条文整理等をいたしたものであります。
 以上本法案につきまして逐条御説明申し上げた次第であります。

発言情報

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発言者: 大津留温

speaker_id: 26306

日付: 1969-04-22

院: 参議院

会議名: 建設委員会