川島博の発言 (建設委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○政府委員(川島博君) ただいま議題になりました地価公示法案につきまして、逐条的に御説明申し上げます。
この法律案は、六章二十九条と附則九項からなっております。
第一章総則。本章は、この法律の目的を規定したものであります。
第一条は、この法律の目的を定めたものであります。この法律は、都市及びその周辺の地域におきまして、標準地を選定し、その正常な価格を公示することにより、一般の土地の取引価格に対して指標を与え、及び公共の利益となる事業の用に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に資し、もって適正な地価の形成に寄与することを目的といたしております。
第二章地価の公示の手続。本章は、地価の公示の実施に関し、必要な手続を規定しております。
第二条は、地価の公示の実施地域及び標準地の価格の判定の方法等について定めたものであります。
すなわち、土地鑑定委員会は、建設省令で定める市街化区域内の標準地につきまして、毎年一回、二人以上の不動産鑑定士または不動産鑑定士補の鑑定評価を求め、その結果を審査し、必要な調整を行なって、一定の基準日における当該標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定し、これを公示することといたしております。この場合におきまして、「正常な価格」とは、土地について、自由な取引において通常成立すると認められる価格をいうものといたしております。
第三条は、標準地の選定の基準について定めておりまして、標準地は、自然的及び社会的条件から見て類似の利用価値を有すると認められる地域におきまして、土地の利用状況、環境等が通常と認められる一団の土地について選定することといたしております。
第四条は、不動産鑑定士または不動産鑑定士補は、標準地の鑑定評価を行なうにあたっては、建設省令で定める基準により、近傍類地の取引価格から算定される推定の価格等を勘案して、これを行なわなければならないことといたしております。
第五条は、標準地の鑑定評価を行なった不動産鑑定士または不動産鑑定士補は、土地鑑定委員会に対し、鑑定評価額等を記載した鑑定評価書を提出しなければならないことといたしております。
第六条は、標準地の価格等の公示の方法について定めたものであります。
すなわち、土地鑑定委員会は、標準地の価格を判定したときは、標準地の所在、標準地の単位面積当たりの価格及び価格判定の基準日、標準地の地積及び形状、標準地及びその周辺の土地の利用の現況等を官報で公示しなければならないことといたしております。
第七条は、公示にかかる事項を記載した書面等の関係市町村での閲覧について定めたものであります。
すなわち、土地鑑定委員会は、地価の公示をしたときは、関係市町村の長に対して、公示した事項のうち当該市町村が属する都道府県に存する標準地にかかる部分を記載した書面及び当該標準地の所在を表示する図面を送付しなければならないこととし、関係市町村の長は、前項の図書を当該市町村の事務所におきまして一般の閲覧に供しなければならないことといたしております。
第三章 公示価格の効力。本章は、公示された価格の効力について規定しております。
第八条は、不動産鑑定士等の土地についての鑑定評価の準則について定めたものであります。
すなわち、不動産鑑定士または不動産鑑定士補は、地価の公示が実施されている市街化区域内の土地について鑑定評価を行なう場合において、当該土地の正常な価格を求めるときは、公示価格を規準としなければならないことといたしております。
第九条は、公共事業の用に供する土地の取得価格の算定の準則について定めたものであります。
すなわち、土地収用法その他の法律によって土地を収用することができる事業を行なう者は、地価の公示が実施されている市街化区域内の土地を当該事業の用に供するため取得する場合において、当該土地の取得価格を定めるときは、公示価格を規準としなければならないことといたしております。
第十条は、収用する土地に対する補償金の額の算定の準則について定めたものであります。
すなわち、収用委員会は、土地収用法第七十一条の規定により、地価の公示が実施されている市街化区域内の土地について、当該土地に対する事業の認定の告示の時における相当な価格を算定するときは、公示価格を規準として算定した当該土地の価格を考慮しなければならないことといたしております。
第十一条は、第八条から第十条までの場合において、「公示価格を規準とする」とは、対象土地の価格を求めるに際しまして、当該対象土地とこれに類似する利用価値を有すると認められる一または二以上の標準地との位置、地積、環境等の土地の価格に作用する諸要因についての比較を行ない、当該標準地の公示価格と当該対象土地の価格との間に均衡を保たせることをいうことといたしております。
第四章土地鑑定委員会。本章は、土地鑑定委員会の設置、組織等について規定しております。
第十二条は、この法律及び不動産の鑑定評価に関する法律に基づく権限を行なわせるため、建設省に、土地鑑定委員会を設置することといたしております。
第十三条は、土地鑑定委員会の所掌事務は、地価の公示に関すること、不動産鑑定士試験に関すること、その他法律の定めるところにより委員会の権限に属させられた事項を処理することとし、土地鑑定委員会は、その所掌事務を行なうため必要があると認めるときは、関係行政機関の長及び関係地方公共団体に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができることといたしております。
第十四条は、土地鑑定委員会は、委員七人をもって組織し、委員のうち六人は、非常勤とすることといたしております。
第十五条は、委員の資格、任免等について定めております。
すなわち、委員は、不動産の鑑定評価に関する事項または土地に関する制度について学識経験を有する者のうちから、両議院の同意を得て、建設大臣が任命することとし、委員の任期は三年とすることといたしております。
また、禁治産者、準禁治産者もしくは破産者で復権を得ないもの、または禁錮以上の刑に処せられた者は、委員となることができないこととし、これに該当するに至った場合以外は、罷免についても両議院の同意を要することといたしております。
第十六条は、土地鑑定委員会に委員長を置き、委員の互選によってこれを定めることといたしております。
第十七条は、土地鑑定委員会は、委員長及び三人以上の委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができないこととし、土地鑑定委員会の議事は、出席者の過半数でこれを決することといたしております。
第十八条は、委員の服務について定めたものであります。
すなわち、委員の秘密保持義務及び政治的行為の制限並びに常勤の委員の営利事業からの隔離について規定しております。
第十九条は、委員の給与は、別に法律で定めることといたしております。
第二十条は、土地鑑定委員会の庶務は、建設省計画局において処理することといたしております。
第二十一条は、この法律に定めるもののほか、土地鑑定委員会に関し必要な事項は、政令で定めることといたしております。
第五章雑則。本章は、土地の立ち入り及びこれに伴う損失の補償、不動産鑑定士等の秘密保持義務、鑑定評価命令及び不動産の鑑定評価に関する法律の特例に関する事項を規定したものであります。
第二十二条は、委員または土地鑑定委員会の命を受けた者もしくは委任を受けた者は、標準地の鑑定評価もしくは価格の判定または標準地の選定を行なうために他人の占有する土地に立ち入って測量又は調査を行なう必要があるときは、その必要の限度において、他人の占有する土地に立ち入ることができることといたしております。
この場合においては、土地に立ち入ろうとする者は、立ち入ろうとする日の三日前までに、その旨を土地の占有者に通知しなければならないこととし、土地の占有者は、正当な理由がない限り、立ち入りを拒み、または妨げてはならないことといたしております。
第二十三条は、建設大臣は、土地の立ち入りにより他人に損失を与えたときは、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならないこととし、損失の補償について、建設大臣と損失を受けた者との協議が成立しないときは、建設大臣又は損失を受けた者は、収用委員会に裁決を申請することができることといたしております。
第二十四条は、標準地の鑑定評価を行なった不動産鑑定士または不動産鑑定士補は、正当な理由がなく、その鑑定評価に際して知ることのできた秘密を漏らしてはならないことといたしております。
第二十五条は、土地鑑定委員会は、標準地の鑑定評価のため必要があると認めるときは、不動産鑑定士または不動産鑑定士補に対し、鑑定評価を命ずることができることとし、この命令により標準地の鑑定評価を行なった不動産鑑定士または不動産鑑定士補に対しては、旅費及び報酬を支給することといたしております。
第二十六条は、不動産の鑑定評価に関する法律の特例について定めたものであります。
すなわち、不動産鑑定士または不動産鑑定士補が行なう標準地の鑑定評価については、不動産の鑑定評価に関する法律の不動産鑑定業に関する規定は、適用がないことといたしております。
第六章罰則。本章は、罰則に関する事項を規定したものであります。
第二十七条は、標準地の鑑定評価について虚偽の鑑定評価を行なった者または標準地の鑑定評価に際して知ることのできた秘密を漏らした者は、六月以下の懲役もしくは五万円以下の罰金に処し、またはこれらを併科することといたしております。
第二十八条は、標準地の選定、標準地の鑑定評価等のための土地の立ち入りを拒み、または妨げた者は、十万円以下の罰金に処することといたしております。
第二十九条は、土地鑑定委員会に標準地の鑑定評価を命ぜられた者が、正当な理由がなく、鑑定評価を行なわないとき、または鑑定評価書を提出しないときは、一万円以下の過料に処することといたしております。
最後に附則でありますが、附則におきましては、この法律の施行期日を定めるほか、最初に行なう地価の公示等の特例、最初の委員の任命並びに建設省設置法、特別職の職員の給与に関する法律、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律及び不動産の鑑定評価に関する法律の一部改正に関する事項等を規定しております。
附則第一項は、この法律の施行の日について定めております。すなわち、この法律は、昭和四十四年七月一日から施行することといたしておりますが、第十五条第一項中両議院の同意を得ることにかかる部分は、公布の日から施行することといたしております。
附則第二項及び附則第三項は、最初に行なう地価の公示等の特例について定めております。
すなわち、建設省令で定める都市計画区域で昭和四十五年一月一日までに市街化区域が定められていないものについては、当該都市計画区域にかかる市街化区域が定められ、当該市街化区域内の標準地について地価の公示があるまでの間、当該都市計画区域にかかる用途地域を市街化区域とみなして、この法律の規定を適用することとし、この法律の施行後最初に行なう地価の公示は、この法律の施行の日から起算して十月をこえない範囲内において別に定める日にするものといたしております。
附則第四項は、この法律の施行後最初に任命される委員の任命について、国会の閉会または衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、建設大臣は、両議院の同意を得ずに委員を任命することができることとし、この場合には、任命後の最初の国会において両議院の事後の承認が得られないときは、直ちに、その委員を罷免しなければならないことといたしております。
附則第五項は、建設省設置法の一部を改正して、地価公示法の施行に関する事務を建設省の所掌事務に加えること及び土地鑑定委員会を設置して、不動産鑑定士審査会を廃止することを定めております。
附則第六項及び附則第七項は、特別職の職員の給与に関する法律及び特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律の一部を改正して、土地鑑定委員会の委員が受ける給与を定めております。
附則第八項は、不動産の鑑定評価に関する法律の一部を改正して、不動産鑑定士審査会を廃止し、不動産鑑定士審査会の所掌事務は土地鑑定委員会が引き継ぐこととし、附則第九項は、これに伴う経過措置を定めております。
以上をもちまして、この法律案の逐条ごとの説明を終わります。