坪川信三の発言 (建設委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(坪川信三君) ただいま議題となりました建築基準法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
建築基準法は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する基準を定めたものでありますが、法制定以来二十年近くを経過し、その間の社会情勢の変化、建築技術の進歩等により実情に沿わない点も生じてまいりましたので、次のような事項について改正を行なおうとするものであります。
第一に、都市における建築物の用途の純化と土地の高度利用に促進に関することであります。
建築物の用途の規制につきましては、都市の秩序ある発展に資するため、住環境の保護の強化を主眼として用途地域の純化をはかることといたしました。すなわち、低層住宅地としての良好な環境を維持するための第一住宅専用地域、中高層住宅地としての良好な環境を維持するための第二種住宅専用地域、近隣住宅地のための日用品店舗が立地する地域としての近隣商業地域等を新たに設けることといたしました。また、住居地域においては、特殊浴場を排除するとともに、公害を伴う工場の制限を強化することといたしました。
建築物の形態の規制につきましては、土地の合理的な高度利用をはかるため、建築物の高さの制限を原則として廃止し、これにかえてそれぞれの用途地域の特性に応じた容積率による制限とすることといたしました。さらに、第一種住宅専用地域及び第二種住宅専用地域においては、新たに北側隣地の建築物の日照、採光、通風等を考慮した高さに関する斜線制限を設けることとしております。また、都市における建築物の敷地が狭小化している実情にかんがみ、現行の建蔽率の制限を緩和することといたしました。
第二に、建築物の防災基準に関することであります。
最近相次いで発生した旅館、ホテル等の火災による人身事故の実情にかんがみ、室内の仕上げ材料を制限する建築物の範囲を拡大するとともに、火災が発生した場合の避難及び消火が円滑に行なわれるよう、新たに排煙設備、非常用照明装置及び非常用進入口の設置基準を設けることといたしております。また、三十一メートルをこえる高層の建築物には、新たに非常用昇降機の設置を義務づけることといたしました。
第三に、執行体制の整備に関することであります。
建築基準行政の適正な執行を確保するため、人口が二十五万以上の市は建築主事を置かなければならないこととするとともに、その他の市及び町村においては、知事と協議の上、建築物全般に関する事務または小規模な建築物のみに関する事務について、これを執行させるため、建築主事を置くことができることといたしました。
また、違反建築に対処するため、新たに建築監視員の制度を設け、管内を巡回して違反建築物の使用制限、工事の施工の停止等を命ずる権限を行なわせることとするほか、違反是正を命じた場合において必要があるときは、現場に立札を立てる等によりその旨を公示する制度を設けることといたしました。
第四に、この改正に伴って都市計画法等の一部を改めるとともに、この法律の施行に必要な経過措置を定めることといたしております。
以上が、この法律案の、提案の理由及びその要旨であります。
なお、衆議院におきまして、違反建築物に対して行政代執行を行なうための要件、違反建築物の設計者等に対する措置、建築主事等の工事施工者に対する質問の権限、確認の申請書に関する図書の閲覧等の点につきまして修正が行なわれております。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願い申し上げます。