村田敬次郎の発言 (外務委員会)
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○村田委員 お許しをいただきまして北方領土問題について御質問を申し上げたいと存じます。
私は、過般十月二十一日に国連二十五周年記念総会が行なわれ、佐藤首相が国連の総会において演説をされたのでありますが、その際北方領土問題に言及をした、それ以降の時点における問題について御質問をいたしたいと思います。
第一点は、佐藤首相が国連総会で説明をされたのに伴って、それに続いて一連の事態が起こったわけであります。北方領土返還の問題を国際連合の場において訴えるということがはたして妥当であったかなかったかという問題についての意見でありますが、まず十月二十四日にソ連の共産党機関紙のプラウダは、佐藤首相の国連演説について、佐藤総理はせっかくの玉、つまりこれは日ソの友好関係の発展ということでありますけれども、せっかくの玉に傷をつけてしまったという表現を用い、さらに十月二十九日付のソ連政府機関紙イズベスチヤはやはりこのことについての評論を掲げ、総理大臣または日本政府の閣僚の他のだれかが場所柄もわきまえずに北方領土問題について話すからといって、この問題が現実に生ずる筋合いのものではないという激しい主張をしておるのであります。
さらに十一月十一日にはソ連のオコニシニコフ駐日ソ連臨時代理大使が外務省に森外務次官を訪ね、北方領土問題に関する日本側の最近の一連の動きは両国の友好関係にそぐわぬ非友好的な行為であるということを口頭で申し入れをしてまいったのであります。
この佐藤首相の国連演説に対する動きというものは、国際世論におきましてもその評価がまちまちでございますけれども、これをあえて国連の場で発表したということに対する愛知外務大臣の御見解を承りたいと思うのでございます。
聞くところによれば、外務省の内部にも国連の総会において演説することは望ましくないという意見が一部にあったやに承りますが、その辺についての所見を承りたいというのが第一点でございます。
それから第二点といたしましては、国連で演説をされました際に、佐藤首相は記者会見を行なっております。そのときの記者会見において北方領土の問題に触れまして「私は前に「沖繩が終らなければ戦後は終らない」といったが、これは舌足らず。北方領土も返らねばならない。」さらに訪ソ問題に関連をいたしまして、四選後訪ソをする考えがあるかという記者団の問いに答えて「ある。当然ですよ。「私の任期がどうなるかわからないが、訪ソを積極的に考える。」という表現をしておられるのであります。それに関連をいたしまして、首相訪ソの時期ということが当然に問題になると思うのでございますが、佐藤首相は就任以来まだソ連を訪問されていないわけでございまして、この北方領土の問題に関連して、両国の首脳が会談をするために訪ソをする、これはたいへん意義のあることだと思いますが、その訪ソの時期をいっと考えておられるか、このことについて外務大臣のお考えを伺いたい、これが第二点でございます。
第三点は、先ほど愛知外務大臣が御発表になりましたオコニシニコフ駐日ソ連臨時代理大使の申し入れに対する外務省の回答についてでありますが、この回答についてはすでに同臨時代理大使の申し入れがありましてから、当然に正式の日本政府としての意見の表明があるということを私どもも期待をしておったわけでございますが、先ほど発表されましたものによりますれば、これは森次官からの発表であるというふうに承ったのでありますが、ソ連のこうしたわが国の願望に対する見解というものが「国内の一部人士の作為的な運動であるとみなし、しかも日本国政府、国会等によって執られた一連の国内的諸措置」これはたとえば沖繩・北方対策庁の設置とか国会議員団の視察とか、そういうことだと思いますが、「一連の国内的諸措置に対してまで非難を行なったことは、他国の国内事項に対する干渉の試みと考えざるを得ない。」といたしまして、そして最後に「日本国政府は、ソ連邦政府が第二次大戦によって形成された国境という名目のもとになんら法的根拠のないまま、いたずらに自国の一方的措置を他国に強制し、古来如何なる他国にも属したことのない固有の領土を奪うことは国際正義にも副う所以ではないと信ずる。」という所信を発表されたのであります。私はこのソ連政府の発表と、そして日本国政府の本日行なった発表との間に非常に大きな隔たりがあり、しかもそれは平行線的な隔たりであって、なかなかこれを詰めていくことは困難なことであると思うのでありますが、今後その距離を詰めて、何とか北方領土を返還させたいというわが国民の悲願をかなえていくために、愛知外務大臣が具体的な日程としてどういうふうなお考えを持っておいでになるか、以上三点。
第一点は、首相の国連演説についての外務大臣の所見、第二は首相訪ソの時期、第三はオコニシニコフ駐日ソ連臨時代理大使の申し入れに対する外務省の回答をめぐっての愛知外務大臣の意見、この三点をお伺いいたします。