小林進の発言 (社会労働委員会)
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○小林(進)委員 大体、職安局長は、自分の知っていることをみんな一気にしゃべられたという形でございますが、私は何もそれを全部お聞きしようというのではない。出かせぎの特徴は何かということ、徳川時代から続いておりました出かせぎがそのままの形態で来ているのかどうか、近来その形が変わってきているのではないか、その特徴は一体どこにあるのか、ということを私はお聞きしたのでございまして、あえて言えば、あなたの御答弁の中に、出かせぎが世帯主になっておる、あるいは年齢的に中高年に変わってきたこと等は、私の質問の一端に触れられているものと解釈している。
私は、ひとつ皆さんにお教えをする意味において、出かせぎの特徴をここで申し上げてみたいと思うのでありまするが、まず第一に、出かせぎが大量化したということ。かつての出かせぎというものは、山村とか僻地における次男、三男が主体であった。それもわずかでありました。ほんの貧農層あるいは低所得階層から出てくるという程度にすぎなかったが、それがいまでは平場地帯、大農村地帯を含めて、ほとんど全農村の地域から出かせぎというものが多量に、いま言われました三つの工業地帯に進出をするようになってきた。それが第一の特徴でございましょう。
第二の問題といたしましては、いま言われたように、昔は次三男が主体でありましたけれども、いまは世帯主が中心で出るようになった。それから、その世帯主に次ぐあと継ぎ、長男というか、そういう農業のあと継ぎをする、家庭、農業の中心たる者が出かせぎに出るようになったというのが第二の特徴でございましょう。
それから、第三の問題といたしましては、出かせぎの期間が非常に長くなったということ。昔は大体酒づくりだとか酒屋奉公とかいうものを中心にして二、三カ月、長くても四カ月程度であったものが、現在はもはや六カ月、それ以上の長期の出かせぎが普通になってきた。特に、こういう出かせぎの地位を守らなければならぬ労働省が、失業保険の問題等に関連してこれを締めつけていかれるものでありますから、そういう悪政のもとにも関連してだんだん出かせぎの期間が長くなった、これが第三の特徴でありましょう。
それから、第四の特徴といたしましては、出かせぎの仕事が日本の高度成長化、工業化につれて、かつて考えられない非常に危険な作業の中に働く、こういう現場作業がたいへん多くなったということが第四の特徴になりましょう。
第五番目といたしましては、これは古い時代と比較対照しての特徴ではないけれども、今日における他の労働者に比較して、出かせぎの特徴とせられることは、大部分が未組織ということ。そうして、低賃金で無権利の状態である。自分たちの権利を主張するような立場にもない無権利の状態の中で労働を余儀なくされておるというのが出かせぎの特徴ですよ。まあ使用者の側にしましたら、宿舎の問題だとか、やれ手当の問題だとか、衛生保全の問題だとか、加給金の問題など、いろいろ言わないままに働いておるのですから、これほど使いやすい労働者などというものはあるものではない。
こういう特徴があらわれておるのでございますが、これに対して、この出かせぎの人員、これは、安定局長は労働省の統計では五十八万有余、大体六十万程度とおっしゃっておるし、農林省の関係では二十一万人、これは同じ国の行政を担当するものでありながら、省の中でこれほど大きな開きがある人員のとらえ方などというものは、出かせぎをおいてほかにないと私は思う。言いかえれば、いかに日本の行政が出かせぎに対して冷淡であるか、無責任であるかという一端を、この数字のとらえ方においても明らかにしておると思うのでありますが、まずそれに至る前に、私は出かせぎというものの定義をひとつお聞きをしたいと思う。大野政務次官にひとつ出かせぎの定義をお尋ねいたしたいと思います。