社会労働委員会

1970-03-31 衆議院 全206発言

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会議録情報#0
昭和四十五年三月三十一日(火曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長 倉成  正君
   理事 伊東 正義君 理事 小山 省二君
   理事 佐々木義武君 理事 増岡 博之君
   理事 粟山 ひで君 理事 田邊  誠君
   理事 大橋 敏雄君 理事 田畑 金光君
      有馬 元治君    梶山 静六君
      唐沢俊二郎君    斉藤滋与史君
      中島源太郎君    別川悠紀夫君
      松山千惠子君    山下 徳夫君
      渡部 恒三君    川俣健二郎君
      小林  進君    後藤 俊男君
      島本 虎三君    長谷部七郎君
      華山 親義君    山本 政弘君
      古寺  宏君    古川 雅司君
      渡部 通子君    寒川 喜一君
 出席政府委員
        防衛施設庁施設
        部長      鶴崎  敏君
        防衛施設庁労務
        部長      長坂  強君
        労働政務次官  大野  明君
        労働省労働基準
        局長      和田 勝美君
        労働省職業安定
        局長      住  榮作君
 委員外の出席者
        総理府特別地域
        連絡局総務課長 岸  良明君
        農林省農政局普
        及部調査官   剣持 浩裕君
        労働省労働基準
        局安全衛生部安
        全課長     中西 正雄君
        労働省職業安定
        局審議官    小鴨 光男君
        建設省河川局治
        水課長     岡崎 忠郎君
        参  考  人
        (大阪府土木部
        長)      牧野 文雄君
        参  考  人
        (株式会社熊谷
        組副社長)   加納 倹二君
        社会労働委員会
        調査室長    濱中雄太郎君
    —————————————
委員の異動
三月二十七日
 辞任         補欠選任
 小此木彦三郎君     島村 一郎君
  箕輪  登君     池田 清志君
  渡辺  肇君     河本 敏夫君
同日
 辞任         補欠選任
  池田 清志君     箕輪  登君
  河本 敏夫君     渡辺  肇君
  島村 一郎君    小此木彦三郎君
同月三十日
 辞任         補欠選任
 小此木彦三郎君     森田重次郎君
同日
 辞任         補欠選任
  森田重次郎君    小此木彦三郎君
同月三十一日
 辞任         補欠選任
  島本 虎三君     佐々木更三君
  藤田 高敏君     長谷部七郎君
  山本 政弘君     華山 親義君
同日
 辞任         補欠選任
  長谷部七郎君     藤田 高敏君
  華山 親義君     山本 政弘君
    —————————————
三月十九日
 保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第九二号)
同月二十四日
 衛生検査技師法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第九五号)
 勤労青少年福祉法案(内閣提出第九八号)(
 予)
同月二十七日
 出産手当法案(大橋和孝君外一名提出、参法第
 一号)(予)
 労働基準法の一部を改正する法律案(藤原道子
 君外一名提出、参法第二号)(予)
同月二十五日
 療術の開業制度復活に関する請願(神田博君紹
 介)(第一七四八号)
 優生保護法の一部改正に関する請願外八十八件
 (赤澤正道君紹介)(第一七五〇号)
 同外二百八十六件(左藤恵君紹介)(第一七五
 一号)
 同外百九十五件(椎名悦三郎君紹介)(第一七
 五二号)
 同外六件(塩川正十郎君紹介)(第一七五三
 号)
 同外三百四十六件(澁谷直藏君紹介)(第一七
 五四号)
 同外四件(渡海元三郎君紹介)(第一七五五
 号)
 同外七十八件(古川丈吉君紹介)(第一七五六
 号)
 同外八十六件(粟山ひで君紹介)(第一七五七
 号)
同月二十六日
 日雇労働者健康保険の改悪反対等に関する請願
 (川俣健二郎君紹介)(第一七八五号)
 同(武部文君紹介)(第一七八六号)
 同(成田知巳君紹介)(第一七八七号)
 同(原茂君紹介)(第一七八八号)
 同(藤田高敏君紹介)(第一七八九号)
 同(堀昌雄君紹介)(第一七九〇号)
 同(小林政子君紹介)(第一八五一号)
 同(中澤茂一君紹介)(第一八五二号)
 同(藤田高敏君紹介)(第一八五三号)
 同(不破哲三君紹介)(第一八五四号)
 同外一件(松平忠久君紹介)(第一八五五号)
 同(米原昶君紹介)(第一八五六号)
 同(寺前巖君紹介)(第一八七六号)
 同(松本善明君紹介)(第一八七七号)
 同(北山愛郎君紹介)(第一九〇九号)
 同(中嶋英夫君紹介)(第一九一〇号)
 同外二件(門司亮君紹介)(第一九四〇号)
 労働者災害補償保険法改正に関する請願(川俣
 健二郎君紹介)(第一七九一号)
 同(武部文君紹介)(第一七九二号)
 同(成田知巳君紹介)(第一七九三号)
 同(原茂君紹介)(第一七九四号)
 同(細谷治嘉君紹介)(第一七九五号)
 同(中澤茂一君紹介)(第一八四七号)
 同(林百郎君紹介)(第一八四八号)
 同(藤田高敏君紹介)(第一八四九号)
 同(松平忠久君紹介)(第一八五〇号)
 同(寺前巖君紹介)(第一八七八号)
 同(松本善明君紹介)(第一八七九号)
 同(北山愛郎君紹介)(第一九〇五号)
 同(小坂善太郎君紹介)(第一九〇六号)
 同(櫻内義雄君紹介)(第一九〇七号)
 同(中嶋英夫君紹介)(第一九〇八号)
 同外一件(門司亮君紹介)(第一九四一号)
 集団給食施設に栄養士必置等に関する請願(小
 坂善太郎君紹介)(第一七九六号)
 同(大野市郎君紹介)(第一九一一号)
 心臓病児者の医療等に関する請願(曽祢益君紹
 介)(第一七九七号)
 同(西田八郎君紹介)(第一七九八号)
 同(青柳盛雄君紹介)(第一八三九号)
 同(河野密君紹介)(第一八四〇号)
 同(中嶋英夫君紹介)(第一九一三号)
 同外一件(濱野清吾君紹介)(第一九一四号)
 同(天野公義君紹介)(第一九四二号)
 精神薄弱者手帳交付に関する請願(北山愛郎君
 紹介)(第一七九九号)
 関東労災病院の病棟閉鎖反対等に関する請願外
 一件(山本政弘君紹介)(第一八〇〇号)
 同(寺前巖君紹介)(第一八四二号)
 同(田畑金光君紹介)(第一八四三号)
 優生保護法の一部改正に関する請願外十三件(
 上村千一郎君紹介)(第一八〇一号)
 同外六十一件(大野市郎君紹介)(第一八〇二
 号)
 同外七十件(木野晴夫君紹介)(第一八〇三
 号)
 同(塩川正十郎君紹介)(第一八〇四号)
 同外百十二件(田中龍夫君紹介)(第一八〇五
 号)
 同外百七十六件(千葉三郎君紹介)(第一八〇
 六号)
 同外九十八件(西村英一君紹介)(第一八〇七
 号)
 同外九十六件(松田竹千代君紹介)(第一八〇
 八号)
 同外二百五十九件(森喜朗君紹介)(第一八〇
 九号)
 同外八十七件(山下元利君紹介)(第一八一〇
 号)
 同外百二十件(中山正暉君紹介)(第一八五七
 号)
 同外十九件(野呂恭一君紹介)(第一八五八
 号)
 同外二百三十六件(原田憲君紹介)(第一八五
 九号)
 同外三百二十九件(中垣國男君紹介)(第一八
 八〇号)
 同外四件(山口シヅエ君紹介)(第一九一五
 号)
 同外八十一件(天野公義君紹介)(第一九四三
 号)
 同外六百八十六件(岸信介君紹介)(第一九四
 四号)
 同外百三十件(斉藤滋与史君紹介)(第一九四
 五号)
 同外四百六十九件(永山忠則君紹介)(第一九
 四六号)
 民生委員関係費の増額に関する請願外二十五件
 (小坂善太郎君紹介)(第一八四一号)
 労働災害以外によるせき髄損傷障害者の援護に
 関する請願外一件(田畑金光君紹介)(第一八
 四四号)
 同(大橋敏雄君紹介)(第一九三六号)
 同(近江巳記夫君紹介)(第一九三七号)
 同外一件(田畑金光君紹介)(第一九三八号)
 労働者災害補償保険法の一部改正に関する請願
 外一件(田畑金光君紹介)(第一八四五号)
 同(中村重光君紹介)(第一八四六号)
 同外一件(田畑金光君紹介)(第一九三九号)
 療術の開業制度復活に関する請願(中山正暉君
 紹介)(第一九一二号)
同月三十日
 労働者災害補償保険法改正に関する請願外四件
 (大出俊君紹介)(第一九九八号)
 同(角屋堅次郎君紹介)(第一九九九号)
 同外三件(久保田円次君紹介)(第二〇〇〇
 号)
 同(黒田寿男君紹介)(第二〇〇一号)
 同外三件(福田繁芳君紹介)(第二〇四一号)
 同(下平正一君紹介)(第二一六二号)
 日雇労働者健康保険の改悪反対等に関する請願
 外五件(大出俊君紹介)(第二〇〇二号)
 同外一件(角屋堅次郎君紹介)(第二〇〇三
 号)
 同(藤田高敏君紹介)(第二〇〇四号)
 同(麻生良方君紹介)(第二一六三号)
 同(下平正一君紹介)(第二一六四号)
 同(曽祢益君紹介)(第二一六五号)
 心臓病児者の医療等に関する請願(小金義照君
 紹介)(第二〇〇八号)
 同(小林政子君紹介)(第二〇〇九号)
 同(野田卯一君紹介)(第二〇一〇号)
 同(有島重武君紹介)(第二〇三六号)
 同(多田時子君紹介)(第二〇三七号)
 同(中島茂喜君紹介)(第二〇三八号)
 同(山口シヅエ君紹介)(第二〇三九号)
 同(麻生良方君紹介)(第二一七一号)
 同(伊藤卯四郎君紹介)(第二一七二号)
 同(小峯柳多君紹介)(第二一七三号)
 同(永山忠則君紹介)(第二一七四号)
 同(古井喜實君紹介)(第二一七五号)
 同(三原朝雄君紹介)(第二一七六号)
 同(山村新治郎君紹介)(第二一七七号)
 療術の開業制度復活に関する請願外一件(始関
 伊平君紹介)(第二〇一一号)
 同(大原亨君紹介)(第二一六六号)
 同(永山忠則君紹介)(第二一六七号)
 同(保利茂君紹介)(第二一六八号)
 同(門司亮君紹介)(第二一六九号)
 優生保護法の一部改正に関する請願外一件(岡
 崎英城君紹介)(第二〇一二号)
 同外百五十八件(竹下登君紹介)(第二〇一三
 号)
 同外三十一件(森山欽司君紹介)(第二〇一四
 号)
 同外十八件(八木徹雄君紹介)(第二〇一五
 号)
 同外二百八十四件(大野市郎君紹介)(第二〇
 四二号)
 同外五十件(木村武雄君紹介)(第二〇四三
 号)
 同外百十一件(砂田重民君紹介)(第二〇四四
 号)
 同外千二百三十二件(藤本孝雄君紹介)(第二
 〇四五号)
 同外十三件(有馬元治君紹介)(第二一七八
 号)
 同外一件(左藤恵君紹介)(第二一七九号)
 同外三十九件(田中龍夫君紹介)(第二一八〇
 号)
 同外三十一件(野原正勝君紹介)(第二一八一
 号)
 同外五十二件(長谷川四郎君紹介)(第二一八
 二号)
 同(三原朝雄君紹介)(第二一八三号)
 同外十件(森下國雄君紹介)(第二一八四号)
 同外百十九件(渡辺栄一君紹介)(第二一八五
 号)
 関東労災病院の病棟閉鎖反対等に関する請願
 (古寺宏君紹介)(第二〇四〇号)
 衛生検査技師法の一部改正に関する請願(唐沢
 俊二郎君紹介)(第二一六一号)
 民生委員関係費の増額に関する請願(伊藤宗一
 郎君紹介)(第二一七〇号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 労働関係の基本施策に関する件
     ————◇—————
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倉成正#1
○倉成委員長 これより会議を開きます。
 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 おはかりいたします。
 大阪府高潮対策事業における労働災害について、本日大阪府土木部長牧野文雄君及び株式会社熊谷組副社長加納倹二君にそれぞれ参考人として御出席願い、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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倉成正#2
○倉成委員長 御異議なしと認め、そのように決します。
    —————————————
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倉成正#3
○倉成委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。小林進君。
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小林進#4
○小林(進)委員 本日は出かせぎの問題について政府の御所信をお伺いいたしますとともに、その出かせぎに関連をいたしまして具体的に大きな災害が起こっております、その災害がどうして起こり、その問題について政府並びに関係者がどういう処置を講ぜられたか等の問題について御質問をいたしたいと思うのであります。
 まず第一番目に、総括の問題といたしまして出かせぎでございますが、出かせぎということばは、申し上げるまでもなく、わが日本においては、江戸時代からすでに存在をしておったのでございまするが、今日と申し上げるよりは、この十年以来特に出かせぎ問題が大きく取上りげられておる理由が一体どこにあるのか、私はまず政府当局に近年における出かせぎの特徴について承りたいと思うのであります。
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住榮作#5
○住政府委員 出かせぎの労働者の状態でございますが、いろいろの数字がございまして、大体失業保険の季節的な受給者といたしましては、四十三年度の数字で申し上げますと、五十八万九千人でございます。それから、農林省の農家就業動向調査等によりますと約二十一万、かなりの数字の開きがございますが、私どもとしては、出かせぎ労働者というのはやはり六十万人程度でなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
 それから、そういった出かせぎ労働者の就労先でございますが、建設業と食料品製造業に大体四分の三程度が就労しております。残りは、製造業その他になっておりますが、最近の状況を見ますと、製造業に就労するものの数がふえてまいっておるのが一つの傾向として指摘できるかと思います。
 それから、出かせぎ労働者の就労地域の問題でございますが、大部分が京浜地区とか中京地区、阪神地区、そういう地域で六、七割のものが就労をしておる、こういう状況かと思います。
 それから、最近は世帯主の方々の出かせぎがふえております。と同時に、年齢的に申し上げますと、たとえば三十五歳以上の方々の割合がふえてきておる。いろいろ特徴がございますが、ごく大まかに申し上げましてそういうのが特徴点としてあげられるのではなかろうかと考えております。
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小林進#6
○小林(進)委員 大体、職安局長は、自分の知っていることをみんな一気にしゃべられたという形でございますが、私は何もそれを全部お聞きしようというのではない。出かせぎの特徴は何かということ、徳川時代から続いておりました出かせぎがそのままの形態で来ているのかどうか、近来その形が変わってきているのではないか、その特徴は一体どこにあるのか、ということを私はお聞きしたのでございまして、あえて言えば、あなたの御答弁の中に、出かせぎが世帯主になっておる、あるいは年齢的に中高年に変わってきたこと等は、私の質問の一端に触れられているものと解釈している。
 私は、ひとつ皆さんにお教えをする意味において、出かせぎの特徴をここで申し上げてみたいと思うのでありまするが、まず第一に、出かせぎが大量化したということ。かつての出かせぎというものは、山村とか僻地における次男、三男が主体であった。それもわずかでありました。ほんの貧農層あるいは低所得階層から出てくるという程度にすぎなかったが、それがいまでは平場地帯、大農村地帯を含めて、ほとんど全農村の地域から出かせぎというものが多量に、いま言われました三つの工業地帯に進出をするようになってきた。それが第一の特徴でございましょう。
 第二の問題といたしましては、いま言われたように、昔は次三男が主体でありましたけれども、いまは世帯主が中心で出るようになった。それから、その世帯主に次ぐあと継ぎ、長男というか、そういう農業のあと継ぎをする、家庭、農業の中心たる者が出かせぎに出るようになったというのが第二の特徴でございましょう。
 それから、第三の問題といたしましては、出かせぎの期間が非常に長くなったということ。昔は大体酒づくりだとか酒屋奉公とかいうものを中心にして二、三カ月、長くても四カ月程度であったものが、現在はもはや六カ月、それ以上の長期の出かせぎが普通になってきた。特に、こういう出かせぎの地位を守らなければならぬ労働省が、失業保険の問題等に関連してこれを締めつけていかれるものでありますから、そういう悪政のもとにも関連してだんだん出かせぎの期間が長くなった、これが第三の特徴でありましょう。
 それから、第四の特徴といたしましては、出かせぎの仕事が日本の高度成長化、工業化につれて、かつて考えられない非常に危険な作業の中に働く、こういう現場作業がたいへん多くなったということが第四の特徴になりましょう。
 第五番目といたしましては、これは古い時代と比較対照しての特徴ではないけれども、今日における他の労働者に比較して、出かせぎの特徴とせられることは、大部分が未組織ということ。そうして、低賃金で無権利の状態である。自分たちの権利を主張するような立場にもない無権利の状態の中で労働を余儀なくされておるというのが出かせぎの特徴ですよ。まあ使用者の側にしましたら、宿舎の問題だとか、やれ手当の問題だとか、衛生保全の問題だとか、加給金の問題など、いろいろ言わないままに働いておるのですから、これほど使いやすい労働者などというものはあるものではない。
 こういう特徴があらわれておるのでございますが、これに対して、この出かせぎの人員、これは、安定局長は労働省の統計では五十八万有余、大体六十万程度とおっしゃっておるし、農林省の関係では二十一万人、これは同じ国の行政を担当するものでありながら、省の中でこれほど大きな開きがある人員のとらえ方などというものは、出かせぎをおいてほかにないと私は思う。言いかえれば、いかに日本の行政が出かせぎに対して冷淡であるか、無責任であるかという一端を、この数字のとらえ方においても明らかにしておると思うのでありますが、まずそれに至る前に、私は出かせぎというものの定義をひとつお聞きをしたいと思う。大野政務次官にひとつ出かせぎの定義をお尋ねいたしたいと思います。
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大野明#7
○大野政府委員 定義と申しますと、いわゆるある一定期間、自分の現在住んでおるところを離れて就労するということになるだろう、私はこういうふうに考えておりまするが、いずれにいたしましても、労働省としても、この出かせぎの定義というものに対して、私どもは今日までそういう考え方でまいりましたけれども、小林先生とあるいは見解は違うかもしれませんけれども、私はそういうふうに考えております。
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小林進#8
○小林(進)委員 実は、新進気鋭の副大臣だがら、あなたに恥をかかせようなどということはやめにいたします。しかし、実際にいって、いま政府当局の間に出かせぎの定義がまだ固定化していたいことだけは事実なんです。これは、私は政府の責任を糾弾したい一端でございまして、いまの大野次官の説明をそのまま繰り返せば、ある一定の期間、現在住んでおるところを離れて就労する、こんなのが出かせぎの定義などと言ったら、これは船に乗っているいわゆる船員は出かせぎか。あるいは外国官庁、公館につとめておる外国勤務の人たちは出かせぎか。それは出かせぎという広義の解釈も成り立つ。そこで労働省や農林省や各省によってみんな定義の使い方が違ってくる。まずこれを一定しなさい。こういうことが、出かせぎ問題がさらに冷淡視されている根本の問題なんです。
 この出かせぎの定義の問題は、ここで議論したら、限られた時間で際限がありませんから、これは各省において討議の上、最終的決定を書面で私に回答していただく。委員長、これはあなたにひとつ要求いたします。出かせぎの定義を書面によって私に回答していただく、委員長、これはよろしゅうございますか。
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倉成正#9
○倉成委員長 処置します。
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小林進#10
○小林(進)委員 委員長確約ですから、それでは、その次に話を進めることにいたしまして、まず定義もできていないという、こういう冷淡な行政が一九七〇年のわが日本にあるのですから、冷酷無情といわなければならぬ。
 その次に、その人数でありますけれども、人数も——農林省お見えになりましたか。——そこで、労働省にお尋ねするのでありますけれども、六十万あるいは正確に五十八万とおっしゃるが、この出かせぎの数字をどういう形で掌握されたのか、その経路といいますか、数字の出どころを承っておきたいと思うのであります。
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住榮作#11
○住政府委員 農林省の数字は、御承知のように、農家就業動向調査というのを毎年やっておりますが、これは、先ほど政務次官から御説明ございましたように、一定の期間住宅を離れて他に働きに出ている者、その一定の期間を一カ月以上六カ月未満、こういうようにとっておるわけでございます。
 それから、先ほど季節的受給者と労働省で申し上げておりますのは、失業保険で九十日の失業保険の受給資格がある者、これをとりまして申し上げたのが先ほどの数字でございます。要するに、六カ月から九カ月未満の就労によって失業保険を受けに来る者の数が約五十九万、こういうようなことで、それぞれ調査の定義によって数字が違ってくるということが一つ。
 それから、農林省の調査は農家でございます。農家以外の漁業とかその他の方々の出かせぎは、農林省の調査では含まれていない、こういうように考えるわけであります。
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小林進#12
○小林(進)委員 私は、農林省の出かせぎの数字の中には農家が含まれていないというその点において、労働省と農林省の数字に差があることだけは、筋論として認めましょう、これぐらいの違いは。
 その前に一つお伺いいたしたいことは、しからば一体、この出かせぎというもの、これを取り扱う主管官庁はどこですか。出かせぎというものを主として扱う、日本政府における主たる行政官庁はどこでございますか。——きまってないのだろう、おそらく。
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住榮作#13
○住政府委員 私からお答えして適当かどうかわかりませんが、私ども職業安定局といたしまして出かせぎ労働者の対策をいろいろ講じておるわけでございますが、それは、まず出かせぎ労働者の職業紹介、こういう観点から出かせぎ労働者対策をやっておるわけでございます。出かせぎ労働者が、正しい就労経路を通じて正しく再就職ができるという観点から、安定所は、出かせぎ労働者のそういう目的のために市町村なり農協等とも連絡をとりまして、まず、正しく就職していただくというような観点から、この行政に取り組んでおります。
 それから、そういった方々が工場、事業所に入られた場合の問題につきましては、労働基準局の所管になるかと考えておるわけでございます。
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小林進#14
○小林(進)委員 私は、あとでまた数字の問題もいま少し詳しく承りたいと思っているのでありまするが、少なくとも、百万ないし百数十万に達する者が、一定期間、住居を離れて他に職業を求めて働いているということは、これは私は、日本の行政の中でも相当ウエートを置くべき重大問題だと思っている。それを労働省の一局の職安にまかせておくだけであって、省としてこれに真剣に取り組むような形ができ上がっていないなどということは、それ自体が時勢の動きにマッチしない、日本の行政がいかに貧弱であるかということの何よりの証拠であるといわなければなりません。省として取り組んでいることはないじゃありませんか、それでは。労働省の中の一局がこれを担当しているだけであって、省全般として取り組みができていない。労働省でいうならば、職安だけの問題ではないです。いま、工場に入れば基準局だとおっしゃったが、もしこれに真剣に取り組むならば、そこには労政もあるいは職業訓練もやはり省をあげて、全部がこれに取り組んでいかなければならない必要度がある。そういうことも何もでき上がっていない。ましてや、低米価政策や減反、減産で農民を痛めつけ、利用するだけ利用している農林省が、こういう重大な問題に対して、私の質問に際してここにもあらわれてこないなんというのは言語道断だ。そういうようなふまじめなことだから、至るところにこういう出かせぎの事故が起こったり、不祥事件が起きたり、痛ましい病気が起きたり、目をおおうような惨たんたる事実が累積をしているという結果になる。いけませんよ、そんなことは。だから、出かせぎの側から見れば、一体どこの行政でわれわれのめんどうを見てくれるのか、出かせぎに関する限りは、農林省も労働省も、少しも責任ある体制を整えていないじゃないか、こういう悲憤慷慨の声が出てくるのも私は無理からぬことだと考えざるを得ないのであります。まず、いわゆる主管庁というものをこの際明確にしてもらわなくちゃいかぬ。副大臣、いいですか。これはあなたの仕事です。大いに次官会議等で発言をしてやってください。
 次に、お伺いしますのは人数の問題、人数の掌握のしかたです。何でも完全なる行政を行なわんとするならば、まずその数字を確かめなくちゃならぬと思いますが、私はいま一回職安局長にお伺いします。あなたは、そういう形で六十万の数字をつかまえたと言うけれども、一体その数字が出かせぎとして完全無欠なものであるという自信をお持ちになりますか。いかがでございますか。
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住榮作#15
○住政府委員 完全無欠なものとは考えておりません。いろいろ実態の正確な把握ということについては疑問点も持っております。そういう意味でさらに完全な把握を目ざして、来年度におきましては、出かせぎ労働者の調査をひとつ徹底的にやってみたい、こういうような考えで予算にも計上してお願いしておりますので、予算化いたしますればそういう調査をやってみたいと思っております。
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小林進#16
○小林(進)委員 スズメの涙ほどの予算が組んでございますわね。四億円でございますか、出かせぎ対策は。われわれに言わせれば、スズメの涙にもならぬような金で、この膨大な出かせぎの実態などというものをつかめるとは私は考えておりません。われわれの調査によりますると、出かせぎの大体の職場は、これは先ほども局長が、建設業だとか、あるいは食品だとか、最近は製造業のほうにもだんだん増加の傾向にあるとおっしゃったが、それらの職種の中でも、その職場を求めると、大体臨時工という名前、あるいは日雇いという名義で働いていて、しかもその規模はといえば、百人未満の企業が大半です。だから、実際に実情を調査してみれば、安全・衛生管理なんというものは、非常に劣悪な場所で大方の者が働いているということが一つ。
 いま一つは、その出かせぎに行く経路が、職安を通じて行けば、いまあなたがおっしゃったように、その数字を掌握することができるだろうし、あるいはまた、失業保険をもらえば、失業保険を通じて数字をつかむこともできるが、職安を通じない縁故出かせぎ、あるいは自分が自由に職を求めて職業につくというような者は、一体どうしてこれをおつかみになりますか。つかむ方法ありますか。職安を通じないで縁故で行った、あるいは個人でみずから独立して職業を求めたというようなものをつかむことができますか。
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住榮作#17
○住政府委員 御指摘のとおり、縁故なり広告募集等による就労の実態は、正確に把握できておりません。
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小林進#18
○小林(進)委員 その数字は、あなたは推定どのくらいいるとお考えになりますか。
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住榮作#19
○住政府委員 私どもの判断で、安定所を通じて就労する者の割合は約四割程度かと考えております。
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小林進#20
○小林(進)委員 あなたのつかまれた六十万の四割というと、出かせぎは百万になりますよ。——百万にならぬかな。私どもは、両方合わして百万という勘定をしておりますけれども、その数字は別といたしまして、しかし四割という数字をつかめないままで放任をしておく。しかも縁故やその他で行かれる出かせぎは、むしろ職安を通じて行かれる方々よりも劣悪な状態にある。むしろ気の毒な状態にある。つかんでもらわなければならぬのは、われわれの側から見れば、むしろこちらのほうなんですよ。それをつかむことに対して一体どういう努力を講じられましたか、お伺いいたしたいと思います。放任のままならそれでよろしいのです。つかみ得ないからそのままにしておいたとおっしゃるなら、それはそれでけっこうです。
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住榮作#21
○住政府委員 御指摘のように、私どもとしては、できるだけ安定所を経由して就労していただく、そういうことを徹底さしていくために、安定所も巡回相談その他いろいろのことをやっておるのでございますが、必ずしも手が十分及ばないということで、市町村とか農協等の団体とも十分連絡をとるような体制を現在進めておりまして、そういうような連携体制のもとに、できるだけそういう別のルートでの就労を少なくしていこう、こういうことで行政努力を続けておるわけでございます。
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小林進#22
○小林(進)委員 いま局長がおっしゃったが、農協とか自治体の末端の町村等と連絡をとりながら実態の数字をつかもうとしているというこのお答えは、私は一つの進歩だと思います。これは間違いありませんか。もう一回念を押しておきますが、これはおやりになっておりますか、いま一回ひとつ……。
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住榮作#23
○住政府委員 そういうようにやっておると思いますし、私どももそういう指導を続けてきておるわけでございます。
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小林進#24
○小林(進)委員 若干自信のない答弁に変わりましたけれども、私は実はそれを言いたい。ああやって、一方には自衛隊などといって兵隊を募集するときには、いやだいやだと言う者までも兵隊にしようということで、末端の市町村までいくとみんな自衛隊募集でございますなんというようなポスターまで掲げて、そして市町村長を通じて自治体に募集の協力をせしめている。やはり私は、若干の募集費用は、町村というような末端まで全部届いているのだと解釈をいたしておりますが、ともかく兵隊の募集には、かくのごとく末端の行政機関まで全部動員して協力するような体制を整えているわが日本が、この出かせぎという、人間の生命や健康やすべてもろもろに通ずる重大問題について、こういう末端の地方行政機関までもきちっと動員をしながら、その数字をつかむという体制が一体なぜ整えられないのかということを私はお聞きしたい。私どもにとっては、自衛隊なんかの募集のために町村長まで使ってもらうことははなはだ迷惑だけれども、こういう出かせぎという重大な問題のために末端の機関を動員する、確かな数字をつかむために協力を依頼するというならば、その費用を国費でお出しになうても、私どもは喜んで御賛成をいたします。なぜそれをおやりにならないかというこのことをお尋ねしている。金が惜しいですか。いま一回この問題について御答弁をいただきたいと思うのであります。
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住榮作#25
○住政府委員 先ほども申し上げましたように、必ずしも十分な体制が整っているというように申し上げられないかと思うのでございますが、そういう体制のすみやかな確立について一生懸命にやってまいりたいというふうに考えております。
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小林進#26
○小林(進)委員 ひとついまの職安局長のお約束が、一日も早く実現することを私は期待いたしまして、次の質問に移ります。
 現在農村の人口はなだれを打って減ってきております。農村における就業人口は、昭和三十五年には一千五百四十一万人が農業に就労をいたしておりましたが、これは全就労人口の三七%、それが昭和四十二年には九百三十六万、全就業人口の一九%に減ってしまった。高度成長下における農村を痛めつけた転落の詩集であります。これは悲しむべき数字であります。それが、いま減産だの、減反だの、米をつくってもらっちゃ迷惑だ、米をつくる百姓は亡国の民だと言わんばかりの残酷非道の総合農政が行なわれることによって、この十年の間にはなおかつ五百万の農民が農村を追われるだろうと私は推定をするし、また政府の農業政策もそのとおりだ。九百三十六万人でも多過ぎるのだから、これを少なくても——三十五年の農業基本法のときには六割農政といわれた。六割の農民を首切る。いまの総合農政は八割首切り農政だ。二割の農民にとどめよう、大体二百万戸、夫婦で働いて四百万、おそらくいまの残酷な自民党農政の十年後のビジョンは、二百万戸、四百万の農業就業者を農村に残して、あとは全部低賃金労働者で都会へ追い出そう、煙り出そうという政策だ。そこで一体、これから十年間に送り出されるこの五百万の現在の農業就業者、これをどこでどう受け入れるかという問題、私はこれが今日における国の行政の中で一番重大問題だと思うのでありまするが、大野政務次官、いいですか、三十五年のときには三七%も農業就業人口があった。それが四十二年に、わずか七年の間に一九%に転落した。この十年の間には、これがまた五百万人、農村から必然的に追い出される。これを一体どの省が受け入れるのです。この問題これは労働省をおいてほかにないでしょう。だから、政府のほうで農民首切り政策が進められるならば、一方には、これにちゃんと並行してこれを受け入れる総合的な労働対策というものを進めなくちゃいかぬ。労働省はこれに対して一体どういう長期の展望に立つ計画をお持ちになっているのかどうか、私はそれをお聞きしたい。
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大野明#27
○大野政府委員 ただいま小林先生が御指摘の、昭和三十五年あるいは四十二年の農業就業人口、あるいはそれの全国的なパーセンテージと、また将来の展望に立って昭和五十五年度にはこうなるじゃないか、それに対して労働省はいかに考えておるかという御質問でございまするが、御承知のように、このたびの労働大臣野原先生は非常に農林通であります。大臣就任以来、農村の方々のために非常に心を砕いておりまして、先生から言わせればあるいはおそまきかとも存じまするけれども、しかしながら、今日前向きの姿勢で——野原大臣就任後でありまするので、まだ長期展望、ビジョン等について確固たるものはつかんでおりません。また、その数字等、もちろんいま鋭意努力をし、検討しておるところでありまするが、農村労働対策室等を設けまして、近い将来先生方にわが省の気持ちの一端をお示しすることができると思いますので、もう少しの時間を賜わりたいと思います。
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小林進#28
○小林(進)委員 これは、大野政務次官おっしゃったことに、実は私もある程度同感なんでございまして、言っちゃ悪いけれども、野原さんには労働行政においては期待することが一つもない。あの人はしろうとですから何もわからぬと言っても失言ではない。けれども、いまあなたがおっしゃったように、あの人は、確かに自民党の中における農政の大家なんだ。そうして、わが日本の長期の農林の総合政策等を自民党の中で立案されて、いまの百五十万トン減産、三十五万ヘクタールの休耕等の問題も、野原さんの原案から出ていると私は承っている。だから、あの人は、農林のエキスパートとして、また農民を愛する人だ、その立場において、こういう形になれば多くの農民が農村から追い出されるぞ、それをどう始末するかということも、農林通として野原さんは当然考えられていると私は思っておるし、またその点においては、歴代労働大臣の中でも一番真剣にこの問題に取り組み得る立場である。だから、その意味において、しろうとの野原さんであるけれども、農村の出かせぎ問題、あるいは農村を首切られて出てくる農民のあと保護といいますか、アフターケアといいますか、そういう面においては、私は野原さんに非常に期待をいたしております。だから、きょう労働大臣がおられれば、この問題について徹底的に、胸をはたいて彼の所論を引き出すつもりでありましたけれども、あなたがいみじくも言われましたから、ひとつこの点は、大臣にもよくお話しをいただきまして、そして、そのうちには、そういう農村から追い出される農民の受け入れ態勢の立案計画をお示ししたいというお話でありました。これは私は非常に期待しておりますから——四十五年度の予算はもう終末に近づいておりますから、四十五年度の予算に組めということまでは申し上げませんけれども、少なくとも四十六年度の予算の中には、これが脚光を浴びて、りっぱに日の目を見るような施策を進めていただきたいということを、かたく私は御注文申し上げておきます。これはあなたが労働政務次官として就任している間の最も歴史的な事業ですから、大いにがんばってやってください。
 そこで私は、その問題に関連をいたしまして申し上げますけれども、こういう出かせぎの問題や農村の縮小総合政策に対応するためには、労働省の機構それ自体もうんと改良せられ、これに相対応するような規模あるいは内容にまで高めていかなくちゃいかぬ。先ほどもちょっと申し上げましたけれども、一人の農業従事者が農村から出かせぎに出てくる。最初は職安の窓口に行く、まずそこをきちっと法律的にきめてください。先ほど職安局長の言われた、きちっと職安の窓口を通さなければならないという強制的な法律をつくるのも、私は一つの案だと思う。まず正確に人数をつかみ、職業を与え、与えたら基準局に行って、その就労している場所が労働基準監督の立場から見て安全であるかどうか、また、職場に行って未熟練の農業従事者が働くに適しているかどうか、短期的に一週間や二週間の訓練をし、教育をしていけば、安全でもあるし、賃金も上がるということであれば、そこに今度は職業訓練局の問題が出てくる。訓練局通達でくる、そこには労政局も入ってくる。そういうように職安から、基準局から、職業訓練から、労政から、こういうふうに有機的に全部が動いて、この農村の犠牲者が完全に働き得るように、しかも五カ月ぐらい働いて帰るときには、そこにはちゃんと失業保険がついて回るという有機的な政策がついて回らなければならない。そういう体制が一つも出てない。職安は職安で、求人の申し込みがあったところで、それが一体どんな衛生管理や基準行政が行なわれたかどうかもわからないで、求人があるからあなた行きなさいといってぽんと投げ込んでそれで終わりだ。労働基準局に至っては言語道断ですよ。そうして、働いている労働者は、一体どんな形で働いているかということをひとつも確かめようとする意欲もないじゃないですか。意欲がありますか。基準局長、舞台は回ってあなたのところに行ったんだ。ありますか。
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和田勝美#29
○和田政府委員 小林先生からのおしかりでございますが、私どもといたしましては、監督官の全能力をあげて安全衛生、低賃金労働者の保護に全力を傾けております。その意味において、出かせぎ労働者の多いのは建設業でございます。全体産業としては一割二分の監督率でございますが、建設業につきましては三割をこえる監督を実施しておるということで、問題のあるところには私どももできるだけ力を結集してやっていきたいと考えております。
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