山本政弘の発言 (社会労働委員会)
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○山本(政)委員 厚生省が五月二十二日に全国課長会議を開きました。擬制適用の廃止の通達を出したのだけれども、それによれば、一つが負担の公平、もう一つは法制上の問題、それから財政上の問題、こういうふうな三つの理由をおあげになって、そうして廃止をされておる。ところがその廃止をされた、ことばの言い方はおかしいかもわかりませんが、それを一切擬適にしょわせておると思うのです。それで大臣にちょっとお伺いしたいのは、けさの毎日新聞の読者欄をお読みになりましたか。帰ったらもう一ぺんぜひ目を通していただきたいと私は思うのですけれども、三多摩の職人の奥さんが投書をなさっております。そのお書きになっておること、まことに私はごもっともだと思うのですけれども、その中で、ここで通達を出しておる負担の公平ということについても言及をしております。擬適というものがなぜ実施されるようになったかということは、これは私が申し上げるまでもありません、あなた方のほうでお書きになって出されておるものの中に書いてあるわけです。それは、制度の構造的な問題点はあるかもしれないけれども、第一点は、おおむね低所得者層に属するために保険料を低額に押えざるを得ない。多少賃金の事情の改善はあっても、日雇労働者健康保険の被保険者である日雇労働者の一月当たりの平均賃金額と政府管掌健康保険の被保険者の平均標準報酬月額を比べるとなおかなりな開きがある、こうおっしゃっておるわけです。
第二点は、低賃金と高年齢者層であるために有病率が高い。一件当たりの医療費も高い。こういって表を出しておるのです。これは政府のほうでお出しになっておるものであります。
ここで一件当たりの診療費、政管健保と日雇健保を比べてみますと、診療費については政管健保が三千二百八十八円、日雇いが三千八百七十九円。入院については、三万三百二十六円、日雇健保は三万三千四十五円。入院外は二千三百六十八円、日雇いは二千六百九十九円、歯科は二千三百十一円、日雇いは歯科については二千六百九十九円、こうなっておるわけです。これは被扶養者についても同じような傾向があります。特に診療費については、政管と日雇いについては五百九十一円の差がある。入院については二千七百十九円、入院外については三百三十一円、そして歯科については三百八十八円という差があるわけです。つまりそれだけ日雇いの人たちの一件当たりの診療費が高いということは、なぜ高いか。(「それだけ病人なんですよ」と呼ぶ者あり)いま小林さんがおっしゃったように、それだけ病気になっても費用がかかる。病気がひどいということを証明しておる一つの根拠になっておると私は思う。
もう一つ、第三点は、被保険者の就労形態が浮動性を持っている。制度上、健康保険における資格喪失後の保険給付に相当する給付が多い。これは皆さま方がお認めになっておるのですよ。すなわち被保険者が病気で働けなくなった場合、一方では保険給付が行なわれながら、他方保険料の納付が行なわれないという事態がある。ここに日雇健保が他の一般の保険と違った特殊的な性格があるのだと思うのです。だからあなた方は擬制適用というものを実施なさったのだと思うのです。
もう一つ、これもあなた方の統計であります。政管健保と日雇健保の受診率。本人ですよ。昭和三十八年に入院は〇・一九で同じであります。しかし入院外については、本人が日雇健保の場合には三・六二、政管健保の場合には四・〇七であります。三十九年には入院外のものだけについてみますと、三・八六の日雇健保に対して政管健保四・四六。四十年は四・〇四に対して四・六三、四十一年については四・二一に対して四・八五、四十二年は四・四五に対して四・八五です。全部受診率が高いのですよ。日雇健保のほうが受診率が高いということは、それだけ災害の率が多いし、あなた方が言うように浮動性によるだろうし、あるいは高年齢者が多いだろうし、仕事の性質上けが人が多いだろうし、病気にかかる人が多い。そういうことをあなた方がちゃんと数字なりにお出しになっておるにかかわらず、先ほどから議論があったように、なぜ日雇健保というものを廃止されるのか。特殊な性格がある。それを単に財政上の理由からはたして急激に廃止していいのかどうか、この点をひとつお伺いしたいと思います。