杉原一雄の発言 (公害対策特別委員会)

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○杉原一雄君 防衛庁に御質問いたしますが、去る衆議院の産業公害対策特別委員会において附帯決議を実はあげております。その附帯決議の中身はすでに防衛庁も十分御検討いただいていると思いますが、重ねて御指摘いたしますならば、騒音規制法の一部改正案の討議の中で、「航空機騒音対策については、「防衛施設周辺の整備等に関する法律」及び「公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律」に基づく施策を積極的に進めるほか、」こういう指摘が実はあるわけでございます。この観点から私は、いわゆる基地公害という概念規定をしながら防衛庁の努力の状態等について、あるいは今後のこうした問題に対する対策等について実は質問をしたいと思っておるわけであります。
 いまわれわれの手元に提案されております公害対策基本法、あるいは第一条の目的、あるいは第二条の公害という定義の中で、「土壌の汚染」なり、「騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によって、人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることをいう。」という定義のそれぞれに該当すること等について、防衛庁所管の周辺地域においてこの種の問題がすでにいろいろ起こっているのではないだろうか。その実情と、できればそれに対する対策など、より具体的にお示しいただきたいと実は思うのであります。第三条では「事業者の責務」ということで起こしてあるわけですけれども、この事業者の責務というところを防衛庁の責務というふうに置きかえれば、私はそのまま実は当てはまると思うのであります。とりわけ防衛庁に対して、こうした私が質問をし意見を伺う意図はどこにあるか、それは「日本の防衛」、世間では防衛白書、非常に御苦労なさったようにも評価されておるわけですが、この中で「国を守る心」という項が起こされております。しかもその国とは何だ、ここに言う国という意味の中でうたわれておることは、「わが国の防衛とは、われわれの国土の安泰と、民族の文化、自由と民主主義および国民共同の生活体の安定と繁栄を守ることである。」、そこでそのあとがたいへん私は大事だと思いますが、「この国土はわれわれの祖先の住んだところであり、またわれわれの子孫の住むところである。」、これは私、公害問題の中では環境権の確立という形で、連合審査会では訴えてまいりましたところであります。「われわれは、長い歴史、独得の文化と伝統を誇っているが、さらに育成されて栄えて行かなければならない未来の土地でもある。」、非常に高い調子で訴えているわけです。「喜びと悲しみ、希望と失望の交差してきた過去を持ち、しかも正義と人道がいよいよ興らなければならない土地でもある。しかもこの土地の民族は一つであり、この社会および国家は分割のない一つのものであって、この独立と統一を長い間続けてきたのである。」云々ということで訴えながら、若干飛ばしますけれども、「わが民族は、」、われわれに対することなんですが、「わが国土はもちろん、言語風俗、生活体系、歴史伝統、信仰、文芸、思想等を遠い昔から受け継いできた。これは過去からの長い歴史を通じて培われたわが民族の蓄積であり、その創造物であり、共同の世襲財産である。」その共同の世襲財産の中に、精神的分野とともに、あわせて自然の問題、いまわれわれが討論している環境の問題が深く根ざしていると私は考えます。引き続いて「自然や物質的要因の上に人の心によってつくられた精神的文化財である。その価値は国民の努力によって積み上げられた成果であり、また将来もこの努力は続けられるであろう。」云々と指摘しているわけです。
 このいま読み上げた点につきましては、自衛隊を認める認めないの立場を越えて私は正しいと思います。そうした観点から防衛庁が防衛行政を進めていく中において、その防衛庁が高らかにうたっている自然環境が、国家の機関である防衛庁自身が防衛行政の中でこれをじゅうりんし、破壊し、地域周辺の住民に非常な迷惑をかけている事実等は私も承知しております。先般千歳の市長を訪れて、学校等見たりした中で最善の努力を私は認めておりますが、なおかつこうした問題等について率直に防衛庁の今日の実情と、これに対する対策と、これからの規制のいかん、とりわけ今度の公害国会という、この国民注目の中に開かれる国会の中で、明らかに国家の責任において明示されることが、私たちは企業家、資本家を攻撃する前に加害者としての国家の立場を明らかにすることが、この問題を前向きに前進させる大きな契機になるだろうと思います。そういう意味で防衛庁の簡にして責任ある答弁をお願いしたいと思います。

発言情報

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発言者: 杉原一雄

speaker_id: 296

日付: 1970-12-16

院: 参議院

会議名: 公害対策特別委員会