武市一郎の発言 (公害対策特別委員会)
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○武市説明員 お答え申し上げます。
海難の概要でございますが、原油二万一千七百二十二トンを積載して新潟港の西防波堤灯台西南西三千百メートルに投錨しておりましたリベリアタンカーのジュリアナ号、トン数は一万一千六百八十四総トンで、乗り組み員は四十七名でございます。この船が、十一月三十日、昨日の十六時ころ、北西の風が十五メートルないし二十メートル吹いておりました現場で、荒天のためにいかりを入れておりました場所が少し不適当だというような考え方から、停泊しておりました場所を移動する作業をいたしておりましたときに、風、波に圧流されまして、十六時四十分ころ、新潟港の西防波堤灯台南西二千三百メートルの地点に乗り上げましてSOSを発信、十七時三十八分、船体は中央部付近で二つに折れまして、積み荷の一部が流出したということでございます。現在、中央部で折損いたしまして、大体百メートル程度船首部と船尾部が離れて座礁しておるという状況でございます。
当時の海上の模様は、天候は曇りで、北々西の風十七メートル、うねりが五と申しますと、うねりの高さは大体三メートルから四メートル程度の状況でございます。
次に、事故対策のためにとった措置でございますが、このジュリアナ号のSOSを受信いたしました海上保安庁といたしましては、次の措置をとったのでございます。
まず、乗り組み員の救出ということでございまして、航空自衛隊の新潟救難隊にヘリコプターの出動の要請をいたしまして、同隊のヘリコプター二機によりまして十八時二十五分から乗り組み員のつり上げ救助作業を実施いたしまして、二十一時四十五分までに乗り組み員四十七名全員を救出いたしております。
それから次に、十七時十五分以降、一般船舶に対しまして二次災害の防止ということから、同遭難船の付近への航行の制限措置をとっております。
それから、県の警察あるいは消防機関等を通じまして、付近の住民に対して同事件を周知して、原油でございますので火気の使用等につきまして注意を喚起いたしております。
それから、救助体制の勢力といたしまして、日本海岸に面しております海上保安庁の第一、第二、第八、第九の四つの管区の巡視船艇十五隻を現場に集結中でございます。現在、新潟基地の二隻は、昨晩から同地付近で警戒に当たっているわけでございます。
それから航空機につきましては、羽田基地からYSを昨晩、油除去剤百かんを搭載いたしまして、本庁の警備救難部長を現場に派遣して、現場の対策本部との連絡、指導等に当たらせております。
それから、オイルフェンス、油除去剤等の流出の防除器材についてでございますが、新潟地区では備蓄量がきわめて手薄でございましたので、昨晩じゅうに東京湾内それから遠く四日市あるいは大阪方面からも、平生当庁と緊密な連絡をとっております石油処理剤のメーカー等と連絡いたしまして、在庫品その他を緊急輸送中でございます。それから現地におきましては、多少原始的でございますが、むしろとか、わらとかいうようなものが、先般のアメリカのサンフランシスコのこうした類似事件におきまして非常に有効であったということでございまして、こうした資材等の調達も現地で行なっておる次第でございます。
それから昨晩、私どもといたしましては、九管本部に海難対策本部を設置いたしまして、新潟地区の大型タンカー事故対策連絡協議会を招集いたしまして、事後の対策について措置をしておるのでございます。新潟地区の大型タンカー事故対策連絡協議会と申しますと、同地方におきます官民の関係の諸団体を網羅したこうした事故に対する連絡協議会でございます。
航空機による流出油の確認、これはけさ早朝、当庁のヘリコプターによりまして上空を哨戒いたしまして確認にあたっておるわけでございます。それから現地におきましてバキュームカーというようなものが有効であろうということで、これも四十台ほど調達いたしましたが、実際にけさ使いましたけれども、あまり効果がないというふうな状況にございます。
それからオイルフェンスにつきましては、新潟地区に約二千メートル、それから昨晩、東京湾内の千五百メートルというのを緊急輸送いたしておりますが、現場は現在に至りましても、先ほど申し上げましたように、二十メートル程度の北西の風が吹いておりまして、オイルフェンスの有効な展張ということは、天候に災いされまして実施できないような状況でございます。
以上、大体いままでの経過概要と、これに対する措置の概要を申し上げました。