太田康二の発言 (公害対策特別委員会)
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○太田(康)政府委員 今般の千葉県の木更津市、袖ケ浦における油汚染の問題につきましては、当初私のほうに十二月四日の午後八時に県庁からの電話連絡が水産課からございまして、四日の午前七時に羽田漁協組合が沖合いに大量の油が流れているのを発見した旨連絡がございました。この段階におきましては、まだこの被害地域は牛込、金田、奈良輪漁協の地先である。ノリのさく数が二万四千六百七十五さくと推定される。それで十一月の三十日から十二月三日までに新網を建て込んだばかりである、こういう連絡がございまして、目下内湾水産試験場の試験船と取り締まり船がむしろを使用して処理中である、一応の被害の予想は七億五千万円である、こういう連絡がございました。原因はもちろんこの段階においては不明である。その後日曜日の十二月五日に、私のほうの公害担当調査官を連絡先といたしまして、県庁からそのつど御連絡いただくということであったわけでございますが、正午に連絡がございまして、こう申し上げるとたいへんことばが悪いのでございますが、千葉県等におきましてはしばしば被害がございますので非常に県庁がこの処理につきまして迅速に的確に処理なさるわけでございまして、水産課からの連絡で被害額は生産減が約五千六百万枚、この被害総額七億八千三百八十八万八千円である。それから資材費といたしまして八千九万円、それから清掃費として中和剤とかむしろ等を使った経費として千八百二十八万四千円、合計約八億八千二百二十六万二千円というものが当面考えられる被害額である、こういう連絡がございました。そうして正式の処理といたしましては、十二月九日に県から知事の名前で私あてに木更津市及び袖ケ浦地区の重油によるノリ被害対策に関する要望書というのが出てまいりまして、その陳情書によりますと、現在までに判明している八億八千万円にのぼる大被害が発生した、これは先ほど申し上げた数字とほぼ一致いたしておるのであります。
そして、県が言ってこられましたのは、一つは被災漁民に対する次の緊急助成措置、一つはノリの再生産のための資材購入費に対する助成、それからいま一つはノリの生産減に対応する越年資金の貸し付け及び利子補給、二番目は、これは恒久対策でございますが、水産資源保護の見地からの海洋汚染防止対策を強化してもらいたい。これは東京湾内の緊急事態に対処できる油の汚染の監視、防除体制の確立、こういう二項目の陳情があったわけでございます。
それから私ども、千葉県に照会して千葉県が現在おとりになっている措置を聞いたわけでございますけれども、生産減の問題、先ほど申し上げました約七億八千三百万の生産減、要するにノリの被害の問題でございますが、この点につきましてはできる限り原因者を追及いたしまして、原因者がはっきりいたしますれば当然民事上の問題として処理をしていただく、損害賠償の請求ができるわけでございます。そういうことでございますので、この点につきましては私のほうといたしましてもこういった面の取り締まりに当たっておられますところの海上保安庁に、これは県からももちろん要請がございましたが、至急ひとつ原因者を突きとめてくれというお願いをいたしております。
それから復旧資材費と漁場清掃費につきましては、私どもがただいままでに伺っておる県の処置といたしましては、信漁連から一億円の融資をする。それに対しまして、元本につきましては県が三年分割で信漁連に返済する。要するに漁民の方に、復旧資材費と漁場清掃費につきましては県が全額めんどうを見る。信漁連の金を一応当てていただきまして三カ年で返済する。信連の金でありますから当然利子がつくわけでございますけれども、この点につきましてはそれぞれ木更津市、袖ケ浦で負担するということで、県としては当面の応急措置をとられた、こういうことでございます。
そこで国は一体何をしたのだ、こういうことになるわけでございますけれども、はなはだおことばで恐縮なんでございますが、私のほう、今回新潟、山形におきますところのジュリアナ号の油の流出による問題も起こりました。それから千葉県もほぼ時期を同じくしてこの問題が起こったわけでございますけれども、御承知のとおり現在の時期が時期でございますから、越年資金に対する要望というのはたいへん強いと私ども思っております。それに対しまして何とか検討しろという大臣の指示もございまして、われわれいろいろ検討いたしたのでございますが、残念ながらいままでにこういったことに対する措置がないというようなことで、実は大蔵省といろいろ折衝いたしたわけでございます。先生も御承知のとおり、災害に対する融資制度といたしましては天災融資法があるわけでございますけれども、この場合には天災というより人災である、過去に例がないというようなことでいろいろやり合いました結果、天災融資法の発動基準というのがございまして、被害を救済するたてまえといたしまして、これも理屈といえば理屈なんでございますけれども、一時的には市町村でめんどうを見てもらう、市町村でめんどうを見切れないものは県が乗り出す、しかし県がさらにめんどうを見られないものは国が応援をする、こういう体系になっておりまして、天災融資法の発動の実は基準というものがございます。これは一般的に被害が三十億をこえるというようなことが発動基準になるわけでございますけれども、高潮とか突風とか氷害みたいに、ある地域に極端に広がりは狭いけれども非常に深度が深いというような被害がございます。こういったものにつきましては、被害額が十億円以上で被害の県が二県以上にまたがる、こういう一つの発動基準がございまして、千葉県の場合にはまことにお気の毒なんでございますけれども、千葉県自体にしか被害がないというようなことでございますので、新潟、山形の場合には昨日の閣議でも大臣が御報告申し上げたわけでございますけれども、一応天災融資法に準じた措置を国がとるということに大蔵省との間で話し合いがつきましたわけでございますけれども、千葉県の場合には千葉県一県の被害であるということでございますので、そういった措置もとれなかった。私どもといたしましてはできる限り早く海上保安庁にお願いをいたしまして、原因者を突きとめていただくということを現在お願いをいたしておる、こういうことでございます。