加藤清二の発言 (公害対策特別委員会)
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○加藤(清)委員 わかりました。
次に、環境庁の長官に、すでに御認識済みの問題だと思いますが、地方自治団体に公害の権限が委譲されましたですね。たくさん委譲されました。しかし、立法されて間もない期間でございまするから無理からぬとは存じまするが、その権限が十二分に活用されていないうらみがたくさんございます。それは当該担当の地方自治団体の官僚が事公害ということに対して知識が浅い。認識が薄い、こういうところにも原因がありまするけれども、一つには公害発生企業がひた隠しに隠してほっかむりをして逃げるというところに最大の原因があると思う。ところがそれはそれとして表へ出ておりまする契約書、公害発生企業と地方自治団体と結びましたところの契約書、これが約束不履行になったり、不渡り手形になるおそれが十二分にあります。その件について特に私は本日は大気汚染、大気汚染も大きなものが三つございますけれども、特にSO2にしぼって御質問します。
なぜかならば、この契約書を私は方々の地方自治体からとってみました。直接現地に臨んで調べてみました。するとすべての企業が軌を一にして言うていることは、低硫黄をたきます、超低硫黄でございますということなんです。それはそのはずです。当然そう言わなければ追放されるからです。しかし、ではその低硫黄と称するもののS含有量は何ぼほどでございましょうと尋ねますと、どこへ行っても大体一・〇以下のことを言うのです。ひどいのは〇・三でございますと答える。〇・三とおっしゃるから、そんなことができますかと言うと、もっと低く言えばいいかと思って〇・二をたきますとおっしゃる。大気保全局長御存じでしょう、私はあれを再現しておるのですからね。うそじゃないのです。それは一体原油ですか重油ですかと言うと、みんなミナス原油でございますと言うのです。しかも次におっしゃることがいい、C重油でございます、こう来るのですからね。知っておって答えておるのか知らずに答えておるのかわけがわからぬですね。しかしそのトータルをとってみますとこれはうそになる。なぜか。日本へ輸入されているところのミナス原油は二億キロのうちの二十分の一の千万キロ前後なんです。しかし大口消費の消費量を見ますと、火力電気だけでも二億キロのうちの四割、四千万キロを使っている。あるはずがない。マクロの立場あるいは通関実績のところを調べたらすぐわかる。あるはずがない。いわんや脱硫装置が行なわれておるといったって、直脱、間脱とありますけれども、片や一・〇にまでしか抜けない、片や〇・三にまでしか抜けない。しかもその脱硫装置の量たるやどのくらいかというと、あるあると申しましても、某工場は二十万バーレル分の四万バーレルしかありません。そんな程度のものです。ミックスして出しちゃう。ブレンドして出しちゃう。したがって、今日の日本国内に流れている重油のS含有量の平均値は二・七から三以上のものと見なければならぬ。ところが契約書を見ますと、一・〇だの、〇・八だの、〇・九だの、ここ両三年、先へいけばいくほどだんだん低く契約をしている。できっこないです。そうでしょう。ところが日本ではミナス、ミナスとこれをみんな隠れみのに使っている。何かといったら低硫黄はミナスと言えば事が済むと思って、みなミナス、ミナスと言っている。これじゃミナスじゃなくしてミナゼロだ。おかげでミナス原油は一年半前と比べると一・六倍の値上がりをしてしまっている。これの及ぼす影響は大きいです。今日すでに契約不履行、不渡り手形になっている。二年先、三年先の契約はほとんど不可能に近い数字が契約書にうたわれている。もっていかんとなすという問題であります。
そこで順序を追って、最初にテーマを頭だけ申し上げておきます。あなたを立ち往生させるために質問しているのじゃございません、私はもっていかんとなすというところに主体を置きますから。いまにして対策を施さなければここ両三年の後にたいへんな悔いを残さなければならぬことが出てくる。契約不履行は犯罪に匹敵することになりますから、あちらでもこちらでも裁判問題が起きたらどうなりますか。その実例を病人と死人からまずお尋ねしたいと思う。
大気汚染によるところの認定患者、この傾向、病人と死人の関係、これはすでに環境庁で御調査済みですから簡潔に現状と将来の傾向を教えてください。——私は、予算委員会と違って、立ち往生させるのが目的ではございませんから、それにまた委員長、理事諸公のお計らいもありまして、貴重な時間をいただいたのですから先へ進みます。
とにかく私は病人のほうも死人のほうもここに持っている。どんどんふえているんですね。川崎市、四日市、大阪、尼崎それぞれ別に行なわれていますが、四十四年よりは四十五年、四十五年よりは四十六年と死亡率もふえている。死人の数もふえている。それに関係する大気汚染の閉塞性呼吸器病ですね。これはあれこれありますが、あなたが専門ですからね。だからあなたに承りたいところですけれども、これが逐年ふえているんです。ことしの九月現在の総トータルを見ても、認定患者だけで五千人近くなっています。これはあらわれているだけです。しかもこれは、ここに出ている五千人は、いま申し上げた市だけです。名古屋は入っていませんね。名古屋だって柴田ぜんそくというのがある。東海市にももう認定患者が出ている、それを隠したとか隠さないとかいうことが新聞にぼんぼん出ておりますが。これはたいへんなことですね。長官はお医者さんですからおわかりでございましょうが、この四つの市だけで五千人余の病人がいま閉塞性呼吸器病で病床に呻吟している。これはほっておくわけにいきません。その原因のほとんどがSO2ということなんです。しかもここで認定患者にならない方々ですね、それがどうか。かぜを引きますと、一般の売薬ではなかなかきかなくなってきている。薬屋の宣伝をするとしかられるから言いませんが、某々という名前のかぜ薬を飲みますと、普通鼻かぜ程度であれば一日か二日でなおったものが五日も六日もかかる。これは薬剤師会の発表でございます。ですから、ここへあらわれていない一般人までがたいへんな大気汚染のために健康を阻害されておるということがいえます。だからその原因は早期に除去しなければならぬと思いますが、長官、専門のところで、いかがですか。