久良知章悟の発言 (公害対策特別委員会)

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○政府委員(久良知章悟君) 三日市製錬所につきましては、先生いまお話ございましたように、昨年の五月に、製錬所近傍の産米の中にかなり高い濃度のカドミウムがあるということから問題が起こったわけでございますが、当時、同製錬所は、いわゆる独立製錬所というふうに私ども呼んでおるわけでございますが、この鉱山に付属した製錬所、付属製錬所でないということで、鉱山保安法の適用外にあったわけでございます。この問題が起こりましてから、国会、それから富山県知事から要請がございまして、昨年の八月二十七日に省令を改正いたしまして、鉱山保安法の適用の付属製錬所としたわけでございます。
 お手元の資料で申し上げますと、一番左に年月日、その次に内容、それからまん中に通産省のとった措置、それから一番右側に鉱業権者のとった措置というふうに分けてあるわけでございますが、この七月の九日の日に、国会、富山県から鉱山保安法適用について要請がございまして、八月二十七日のまん中の欄にございますが、鉱山保安法を適用いたしました。そのときに、製錬所から出ますおもに鉱煙並びに排水に関します鉱害防止について二十五項目の改善を指示をしたということでございます。
 この製錬所につきましては、ただいま申し上げましたこの二十五項目の指示をいたしますと同時に、現在までには十数回の立ち入り検査をいたしまして、かなり強度の監督をしてまいったわけでございます。この間、企業——これは日本鉱業でございますが、自主的に一万トンの製錬能力を六千トンと、四割の操短を実施したわけでございます。この間、製錬能力をしぼるとともに、通産省から指示いたしました鉱害防止工事につきましては、約八億の資金を投じまして工事の完成につとめたわけでございます。
 汚染米の補償につきましては、四十五年度の産米につきまして約八千万円を支払うということで解決をいたしました。四十六年度以降の減収補償につきましても、年間二千万円を支払うということで解決を見ておるわけでございます。また、その他につきましても、黒部市長に一億円の金を寄託いたしまして円満な解決をはかったわけでございます。
 それから公害防止協定につきましては、これは四十六年五月でございます。二枚目の資料に出ておりますのでございますが、黒部市長との間で、国の基準よりもかなりきびしい基準によりまして、協定を締結をいたしております。
 それから製錬所の周辺の農地につきましては、これは企業が約三億円を投じまして買収いたしました。その農地につきましても、地元住民の同意を得まして、農地の転用の許可を取りまして、グリーン・ベルトの設置の工事を現在進めておるわけでございます。
 さような次第によりまして、企業側の積極的な公害問題の解決の努力によりまして、公害に付随します事情というものは著しく好転をしたわけでございます。通産省といたしましては、このような経緯から見まして、六千トンの操短解除に必要な条件が十分整ったものと判断をいたしまして、富山県県知事、それから黒部市長の意向も確認いたした上で操短解除のための検査に踏み切ったわけでございます。
 検査につきましては、三枚目のまん中の欄にございますが、九月八日から十七日にかけまして、県並びに市の協力のもとに一万トンの規模での検査を実施したわけでございます。その検査の結果、SO2、それからカドミウム濃度というふうな問題の点につきましては、いずれも国の基準を下回る良好な成績でございましたので、本年十一月三日に、施設検査証——一万トンのフル能力で操業しても差しつかえないという検査証を交付したわけでございます。
 その結果につきましては、お手元の資料の一番最後の表に簡単に書いてあるわけでございますが、四十六年三月と申しますのは、これは企業のほうで自発的に四割操短と申しますか、亜鉛について申しますと六千トンの能力で操業しておった時期で、それから四十六年九月と書いてございますのは、これは一万トンまでスケールアップをいたしましたときの検査の数値でございます。
 発生源のところで見ますと、これは鉱煙が直接出ます施設といたしましては、焼結炉と電気炉、精留装置、この三つの施設があるわけでございますが、たとえば焼結炉についていいますと、K値は、これは二〇・四という基準でございますが、これに対して〇・〇七あるいは〇・二というふうに、非常に小さな数字で出ております。それから、ばいじんにつきましても、これは基準は一立方メートル当たり〇・四グラムという数字でございますが、ごらんのように、〇・〇〇一九あるいは〇・〇〇二一というふうに、基準に比べますと、著しく少ない成績であったわけでございます。
 それから回の環境基準のほうにつきましても、硫黄酸化物については——環境基準につきましては、御承知のように、これはいろいろな項目があるわけでございますが、四十六年三月、測点九の平均で〇・〇〇七PPM、四十六年九月につきましては、十五測点について〇・〇〇八PPM、これは年間平均の〇・〇五PPMに相当する一番近い正確なものであろうかと思うわけでございますが、基準に比べましてもかなり低い、ごらんのような数字であったわけでございます。
 それから排水中のカドミウムにつきましても、この排出水についての基準は〇・一PPMでございますが、一万トンの場合に〇・〇三四PPM。それから黒瀬川河口の環境水質基準につきましても、これは基準は〇・〇一PPMでございますが、一万トンの規模で〇・〇〇二PPMということで、基準に比べますと、かなり低いレベルに改善をされたということでございます。
 このような次第で、十一月三日の日に、一万トンのフル操業を認めたわけでございますが、今後につきましても、年三ないし四回の監督、検査を実施をいたしまして、このような良好な状態が将来維持されるように、厳重に監督をしていく所存でございます。

発言情報

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発言者: 久良知章悟

speaker_id: 29920

日付: 1971-12-17

院: 参議院

会議名: 公害対策特別委員会