寺本廣作の発言 (公害対策及び環境保全特別委員会)
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○寺本広作君 短い期間の間に、いわゆる公害の無過失損害賠償責任法案をまとめられるのは、さだめし御苦労であったと存じます。大石長官の御努力に敬意を表したいと思います。
問題としては、大気汚染、水質汚濁に範囲を限られたことであるとか、原因についての因果関係の推定が入っておらぬとかいって、だいぶ問題が残っておるようではございますけれども、私は、自分で工場における労働災害の無過失損害賠償を手がけたことがございますが、工場での、労働災害についての無過失損害賠償の制度を工場法に取り入れるまでは、明治以来、ずいぶん長い間の歴史がございます。それに比べると、今度は非常に短い期間にこれだけまとめられたということは、非常にこれは公害立法の上にやっぱり一つの時期を画することであって、大石長官の御功績だと存じております。そういうことでもございますし、会期もきょう一日ということでございますから、本来であれば、質問をせずに、これは無条件で賛成したほうがいいとも考えましたけれども、実は昨年の八月、水俣病の認定についての行政不服審査の決定にあたりまして、私はこの委員会で長官に二、三の質問をいたしました。その関係と、今度の衆議院での修正部分がどういうふうに運用されていくかということで、やはり関係の人たちは非常に聞きたがっているだろうと思いますので、その点をただしておきたいと思いますから、お許しいただきたいと思います。
昨年の八月、水俣病の認定について、認定基準を緩和して、できるだけ多くの人たちが被害者救済の恩典にあずかれるようにという、大石長官の温情ある御決定がございました。あれ以来現地では、従来であれば視力障害であるとか、歩行困難であるとか、運動障害であるとか、いわゆる有機水銀中毒に随伴するいろいろな徴候、ハンターラッセル症候群といっているそうですが、そういうものがそろっておる人を患者として認定するということでございましたが、昨年の八月の環境庁通達以来は、そういう徴候が全部そろわぬでも、一つでもあれば、それが水俣湾の魚介類の摂取との関係が明らかであれば、患者として認定するようにという通牒が出まして、あれ以来、新たな患者がずいぶんたくさんいまなお認定されつつございます。この事態、新たな患者が認定されるという事態は、この法律が施行になりましたあともおそらく続くと思います。この法律が、十月一日から施行する、こうなっておりますが、十月一日以降も新たな患者の認定は続くものと、こう思います。
そこで、衆議院修正の部分でございますが、政府原案にはなかったわけですけれども、経過措置として、「改正後の水質汚濁防止法第四章の規定は、この法律の施行後に生ずる損害について適用する。」、こうなっております。「施行後に生ずる損害について適用する。」と、こうありますが、水俣病のような病気でございますから、いきなり突発的に出るということでなく、長い間、汚染された魚介類を摂取しておる間に、有機水銀が蓄積されてこういう症状が出てくる、損害が出てくると思います。実際、あの認定を見ておりましても、いつ発生したということは認定の中に入っておりませんので、やはり水俣病だということを認定した時期に損害が発生したものだと、こう思われます。そこで、そこの法律解釈ですね、これは「法律の施行後に生ずる損害」というのは……。