金丸信の発言 (建設委員会)

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○金丸国務大臣 遷都論問題につきましては、私は正月元旦、宮中の参賀に参るわけでございますが、そのたびごとに思いますことは、正月元旦は東京からいなかに帰る人もあるでしょうし、あるいは旅行に出る方もありましょうし、あるいは家族ぐるみ東京を離れて正月を過ごす、温泉というようなことも考えられまして、その人口というものは大体三、四百万じゃないかという感じが私はいたすわけでございます。その元旦の朝の状況を見ますと、私は高いところに住んでおるものですから、東京におりましても富士山がその日くっきりと見える。これはまさに空気が非常に清浄化されておる姿だという感じがいたします。また宮城へ参る途中、自動車で参りましても、自動車の渋滞というようなことは全然ない。ゴーストップにかかるだけで全く簡単に宮城に着くことができる。こういうことを考えてみますと、これは私が考えるばかりでなくて、だれしもが、東京の人口が多過ぎるという考え方は同じであろうと思うわけでございまして、当時河野建設大臣がこの問題について非常な熱意を燃やしたわけでございますが、おなくなりになったということでこの問題が中絶をいたしたわけでございます。実は私はこの問題をまだやるとかやらないとかいうようなことでなくて、いわゆる今日の東京都の住宅問題、土地問題、その他公害等を考えてみますと、東京から人口を減らすことを何か考えなければならない、こういうことで、一応いわゆる建設省の次官にこういうことを調査してくれないか、こういうことで調査をし、検討をしてもらった。
 そこで私の考えることは、いわゆる首都をどこへ持っていくとか、場所がどうとかいうことでなくて、東京から遷都するということが中心でなくて、たとえて言えば政府とか行政機関を移転するということについてどうだ、こういう考え方を私は持っておるわけでございます。政府とか行政機関を移転させなければならぬというのは、御案内のように大学移転問題、筑波研究学園都市のあの問題を考えてみましても、なかなか移ることができない。なかなか移ることができないというのは、学校のいわゆる財政的な面、これは国が全部つくってやれるというような国立であればいいけれども、私立大学についてはなかなかそういうことができないというところに、早稲田も慶応もあるいは日本大学も簡単に移ることができないというようなことを考えてみると、政府みずからが東京からどこか適当なところに移るということが、東京の人口を減らす一つの目的を達することになるのじゃないか、こういうようなことで考えたわけでございます。そこで、いま東京から政府あるいは行政機関を移すという問題につきましては、わが党、自民党の中にも、やるべきだと言ってくれる同志の方もあります。他党にもあります。しかしまた、この問題に対しては朝日新聞にいろいろの批判が載ったことも御案内のとおりでありまして、賛否両論であります。私はこの問題についていま少しく世論をただして、そしてこれを移すべきだという観点になったときは、委員会なり先生方にも十分検討していただいたり、あるいは民間の各層の人々を集めた、衆知を結集した研究もしてもらいたい、そういうつどいも考えてまいりたい。
 そこで、いま一応の構想として、こんなようなことをひとつ考えてみたらどうか、こういうことを申し上げてみたいと思うわけでございます。新首都の性格は、立法、司法、行政に関する国の中央機関とそれに付帯する機関を中枢とする都市とする。建設計画は第一期計画と第二期計画とに分け、第一期計画は六年を要するとする。人口規模は、第一期計画で三十万人、第二期計画で五十万人、将来計画としては百万人を限度とする。所要面積は、第一期計画で二十八平方キロ、第二期計画で四十三平方キロ、将来計画で七十六平方キロ。所要事業費は全体で、昭和三十九年のとき調べたのは一兆二千八百五十五億という概算が出ておりますが、一応見積もってみますと二兆近くのものがかかると見て間違いないのじゃないかと思うわけでございます。新首都の発展については次のように考えております。すなわち、第一期及び第二期計画においては主として中央政府機能の集約をはかる。続いて文化、観光及び高度の教育施設を備えることが首都としての風格を添え、国民の接触の便を高めるのみならず、首都住民の生活に豊かさを与え、第二期計画完成後においてそれらの施設を育成していくというような考え方を一応の構想に、こういうことも考えてひとつ研究してみたい。これは一億国民の重大な関心のあることでございますから、十分に検討してまいりたい、このように考えております。

発言情報

speech_id: 107104149X00319730228_003

発言者: 金丸信

speaker_id: 2320

日付: 1973-02-28

院: 衆議院

会議名: 建設委員会