戸井田三郎の発言 (社会労働委員会)

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○戸井田委員 ただいま議題となりました法案につきまして、私はまず政府に対して、高度成長経済下における福祉の点について、お考えをお伺いしたいと思うのであります。
 政府は、この四十八年度を福祉元年として、今年度の予算を編成されております。福祉、社会保障関係予算に非常な重点を置かれたことは、高く評価しなければなりません。国民各層においても、これを歓迎されておられることは、御承知のとおりであります。
 しかし一方に、急激なる高度成長経済下においては、この福祉に向けられた金額の数字だけでは、これを高く評価することはできないのであります。われわれを取り巻く社会環境は、きわめて人間生活を阻害する条件があまりにも多くなっております。これは、戦後貧困から脱却し、GNP世界第二位の高度成長をなし遂げたその副作用の一つのあらわれでありますが、この経済成長というものを、だからといって私は否定するわけではありません。むしろわれわれの生活の上に幾多のしあわせを与えたし、また、豊かさを求めればこそ、生産性の向上に励んだのであります。
 しかし反面、人間のしあわせというものが、健康という最大のしあわせの上に築かれなければならないことは、言うをまたないのであります。その観点から見れば、現在の超過密都市というものが、一方において、私たちの健康を非常に阻害をいたしておるのであります。
 そこで、われわれはいま、このきびしい現実に立って、この矛盾の上に立って、健康という最大のしあわせを求め、人間の豊かさを求めるために、きわめて重大な岐路に立たされて、そのいずれの道を歩むか選択に迫られているわけであります。
 私は、政府の福祉元年という観点が、その立場に立って深奥にして、しかも遠大な理想を追求するものでなければならないと思うのであります。保険体制の確立もその中の一環として確立されていかなければならないと思います。そのために国も国民も、このきびしい現状を理解し、力を合わせて福祉国家への道を歩んでいかなければならないと思うのであります。
 そういう意味において、まず福祉政策の理念とでもいいますか、大臣の所信をお伺いいたしたいと思います。

発言情報

speech_id: 107104410X01819730426_006

発言者: 戸井田三郎

speaker_id: 28548

日付: 1973-04-26

院: 衆議院

会議名: 社会労働委員会