伊東正義の発言 (社会労働委員会)
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○伊東委員 私どもは、内閣提出の健康保険法等の一部を改正する法律案、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、八木一男君外十六名提出の国民年金法、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、及び国民年金等の積立金の運用に関する法律案の審査に資するため、大阪府へ行き、現地において各界の代表者から意見を聴取いたしてまいりましたので、この際、便宜私から御報告申し上げます。
派遣委員は、団長をつとめました私のほか、戸井田三郎君、八木一男君、寺前巖君、大橋敏雄君、玉置一徳君の一行六名であります。
現地における会議は、大阪厚生年金会館において開催し、まず、私から派遣委員及び意見陳述者の紹介並びに議事運営の順序等を含めて、あいさつを行なった後、意見陳述者より参考意見をそれぞれ聴取いたしました。
まず、六月十八日に意見を聴取しました健康保険法等の一部を改正する法律案について申し上げますと、意見陳述者は、大阪府社会保険協会会長浅香亮君、同志社大学教授小倉襄治君、三洋電機連合健保組合理事長大隅正浩君、立命館大学教授真田是君、神戸大学教授中村正文君、大阪地方同盟副会長浅野総一郎君の六名でありますが、浅香君、大隅君、中村君から賛成、小倉君、真田君、浅野君から反対の意見が述べられました。
改正案に対する賛成の三君よりは、高額療養費の創設は、高額な医療費を必要とする疾病等が増加する傾向にかんがみ、この制度を創設することは福音であり、一日も早く実施してもらいたい。家族療養給付率の引き上げは、制度創設以来の改正であるが、国庫補助の増額等により七割に引き上げてほしい。なお、家族の給付改善は精神的な安心を与える意味でも非常に大きい意味がある。分娩費等現金給付費の引き上げは望ましいことである。標準報酬の上限の改定は、昭和四十一年以来据え置かれているので、負担の公平から見てやむを得ない。保険料率の改定は、給付改善の見合いにおいてやむを得ない。保険料率の弾力的調整は、組合健保等でも行なわれており、保険システムをとる以上ある程度はやむを得ない。特別保険料の徴収は、手続的面からしてもなるべく避けてほしい。定率一〇パーセントの国庫補助は、国の責任を明確にしたもので一応評価できるが、今後さらに増額してほしい。自力で解消できない累積赤字をたな上げし、一般会計から繰り入れることは画期的なことである。改正案は、医療保障の理想に向かっており、また、できるものからやるという意味で賛成であるが、関係審議会の意見を取り入れ、今後抜本改正を進めてほしい旨の意見等がありました。
このほか、健康管理体制の充実、医療供給体制の整備、高額療養費の実施に伴う国民健康保険財政調整交付金の増額等について要望がありました。
改正案に対する反対の三君よりは、高額療養費の自己負担の三万円は、世帯単位で算定し、実施時期を本年四月に繰り上げるとともに、国民健康保険の高額療養費についても同時に発足させるべきである。また、療養費払いについては問題がある。家族の療養給付率は、本来十割にすべきものであるが、当面七割か八割に引き上げるべきである。保険料率の引き上げは、被保険者の負担増となるので、国庫負担の増額によって解決すべきであり、また、労使折半の原則を変え、被保険者の負担割合を少なくすべきである。保険料率の弾力的調整は、保険料率の改定を行政ベースで行なうことになるので不適当である。料率の改定は従前どおり国会において審議すべきである。保険財政の赤字の原因を明確にし、その原因を取り除くべきであり、当面の対策としても、場当たり的な措置は講ずべきではない。改正案は、受益者負担に重点を置き過ぎ、赤字対策を中心としたものである。
〔発言する者あり〕