伊東正義の発言 (社会労働委員会)

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○伊東委員 このほか、差額ベッドの規制強化と付き添い看護対策、診療報酬の支払いに関する監査の強化と領収書の発行、五人未満事業所の適用、僻地医療と救急医療の整備、医薬分業及び乳幼児対策を行なうべきである旨の意見等がありました。
 以上のような意見が述べられた後、派遣委員から、改正案の取り扱い、医療供給体制の整備、家族療養給付率の引き上げ、国庫負担率の引き上げ、保険料率及び国庫補助の弾力的調整、総医療費に占める薬剤費の割合、高額療養費のあり方、橋本私案に対する考え、抜本改正ができない理由、改正案の性格、医療保障に対する国の責務、診療報酬のあり方等について熱心なる質疑が行なわれました。
 次に、六月十九日に意見を聴取しました内閣提出の厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、議員提出の国民年金法、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、及び国民年金等の積立金の運用に関する法律案について申し上げますと、意見陳述者は、大阪府国民年金委員連合会会長駒井信義君、総評大阪地方評議会議長帖佐義行君、岡山県社会保険協会会長戸田和夫君、立命館大学教授坂寄俊雄君、社団法人日本アクチュアリー会副理事長山本正也君、同志社大学助教授杉江雅彦君の六名であります。
 意見陳述者の駒井君、戸田君、山本君の三君からは、内閣提出法案に賛成、帖佐君、坂寄君、杉江君からは、内閣提出法案に反対の意見が述べられました。
 内閣提出法案に対する賛成の三君よりは、年金額を五万円に引き上げることは、飛躍的なことであり、年金に対する政府の強い姿勢が見られる。老齢福祉年金の大幅な引き上げは適切であるが、今後とも財政の許す限り拠出制年金額に近づけてほしい。六十七歳から六十九歳までのいわゆる谷間にいる人々を救済してほしい。給付面の改善から見て保険料をある程度負担することは妥当なことであるが、保険料の急激な上昇は国民生活を圧迫するので段階的に引き上げてほしい。過去の標準報酬の再評価及び自動的物価スライド制を導入することは、わが国社会保険史上画期的なことである。年金保険の財政方式は、積み立て方式が数理的に見てごく自然である。今回の改正案が実現すれば、質的に新たな制度に飛躍し、年金保険として名実ともに信頼できるものとなるので、一日も早く成立させてほしい旨の意見がありました。
 内閣提出法案に対する反対の三君よりは、政府の五万円年金は、厚生年金においては、被保険者期間を二十七年で計算しているので、受給権の発生する二十年で計算すれば実際には三万七千円である。年金額は、最低生活できるものにすべきであり、その意味においても老齢福祉年金額を優先的に引き上げるとともに、あわせて支給開始年齢を引き下げるべきである。保険料の引き上げは、健康保険の料率の引き上げとともに、被保険者の収入を低下させ生活を圧迫するものであり、給付の改善は保険料の引き上げによって行なうべきでない。今回の保険料率の引き上げは、被保険者の老後の生活を保障するためのものでなく、新たな財源をつくり、財政投融資に使うことを目的としている疑いがある。また、積み立て金の大部分は大資本の設備投資等に使われている。その運営については民主的にすべきである。積み立て方式は、物価上昇の今日、積み立て金の価値を減少させ、被保険者に不利益をもたらすのみでなく、年金を低く押えるためではないかと思われるので、賦課方式に切りかえるべきである。消費者物価指数によるスライド制は、有効性を十分発揮できないので賃金スライド制にすべきである。各種年金制度間に不均衡があるので、これを是正する必要があり、さしあたり最低保障額だけでも均一にすべきである旨の意見等がありました。
 以上のような意見が述べられた後、派遣委員から、保険料の引き上げと財政投融資との関係、積み立て方式及び賦課方式、社会保険から社会保障への転換、いわゆる谷間の老人に対する年金支給についての支給開始年齢及び年金額、物価スライド制と賃金スライド制、積み立て金の運用、給付改善と積み立て金の利子との関係、橋本私案に対する考え、ILO百二十八号との関係、各種年金制度の最低保障等の問題について熱心なる質疑が行なわれた次第であります。
 以上をもって報告を終わりたいと思いますが、現地会議の開催につきましては、地元関係者多数の御協力によりきわめて円滑に行なうことができた次第であります。
 なお、会議の内容を速記により記録いたしましたので、詳細は会議録によって御承知願いたいと思いますので、速記録ができましたら、本委員会議録に参考として掲載されますようお取りはからいをお願いいたします。
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発言情報

speech_id: 107104410X03019730621_004

発言者: 伊東正義

speaker_id: 26691

日付: 1973-06-21

院: 衆議院

会議名: 社会労働委員会