小坂善太郎の発言 (内閣委員会)
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○小坂国務大臣 おことばに従いまして、個々の問題をしばらくおきまして、全般的な対策という点を四つばかり申し上げてみたいと思います。
まず第一番、根本論としていわれますことは、過剰流動性が今日非常にあるということ、それを吸収しなければならないということであると思います。そのためには、預金準備率の引き上げを二度やったわけでございますが、もう少しやってもよかったのじゃないかという反省はございます。ここへきて公定歩合を〇・七五引き上げまして、これが非常にききまして、だいぶ株価にも下落傾向が見られますし、あるいは商品相場等も暴落しております。卸売り物価も鎮静化しているという状況で、これは先ほど国民生活局長が申し上げたとおりの状況が見られておるわけであります。こういうことならもう少し早く十二月ごろやればもっとよかったのじゃないかという向きはございます。しかし、これは私ども反省しておるわけでございます。
もう一つは、国際化の時代であるということでございます。これはいま為替がフロートしておりますのですが、過剰流動性を生み出すもとは、一昨年の八月に固定相場を維持しようとしてドルを大量に買い込んだところに問題があるわけでございますけれども、今日はそういうことをする考えはございませんで、やはり実質に従って円を変動さしていくという考え方、これはある意味におきますと物価の調整になるわけでございます。実質的な円の切り上げになりますので、物価の調整になるわけでございます。海外の物価がそのままでおれば、これはまさに国内物価を下げる要因になると思うのでございますが、残念なことに海外の物価がみな上がっている。これはことばの問題でございますが、海外インフレということばを使う。これは御承知のとおり、この問題は、しかし確かに下がる要因なんでございますから、できるだけ自由化をするという方向、あるいは非自由化のものについても輸入のワクをふやすというようなことで、たとえば先般も農林大臣が、牛肉輸入のワクを三倍にするということを言い出しまして、閣僚協議会で決定したわけであります。そういうようなものをたくさん選びまして下げていくという方向がございます。
もう一つの問題は、情報化社会であるということであると思います。先ほど、卸売り物価と小売り物価の関連性が非常に早くなったという点の御指摘がございましたが、これはやはり情報とも関連していると思うのです。あそこでこれだけ物が上がったから小売り物価がこうなるのがあたりまえじゃないかというような、そういう意識が働いていって物価を押し上げていくという点もあると思います。私ども、むしろこれは逆に使いまして、やはり政府として持っておる情報を流して、それによって、消費者はみんな物価は安いほうがいいのでございますから、消費者として物価引き下げに協力していただくという方向をとりたいと思っております。実は今日も、前月比あるいは前年同月比で下がっている物価というものを閣議で御披露いたしまして、新聞に申したのでございますが、みんな物価というものは上がるものだと思っておられる方が多いわけですが、下がっている物価もございます。たとえば食料品で申しますと、イワシとかイカというものは下がっております。それから野菜で申しますと、季節的にキュウリなんというものは相当出回り期で下がっております。この時期に高い白菜を買うよりはキュウリを買うほうがということもあるわけでございます。それから洋服なども、これは実に意外なんでございますが、せびろが前年同月に比べて安くなっておる。子供服もそうでございます。
そういうようなことは、国民の消費態度、これがやはり問題になると思うのでございます。何か、かつて消費というのを非常に奨励して、美徳とまで言った時代があるわけでございますが、私どもはやはり、資源というものは限りがあるものだ、そうして日本に資源がないのに外国から入れて、そして工業化すれば何でもできるのだという考え方は、これは誤りであって、そういうことを無理にすれば環境が汚染する。その意味で、環境との関係で考えれば、資源そのものが有害だし、資源は非常に限られたものである。そういう意味でみんな合理的な消費というものをもっと考えなければいけないということを私どもは申しまして、そして消費態度というものをもっと合理的にしていただく国民運動というものが必要ではないかというふうに思っておるわけでございます。
これは仮需要の問題とも関連いたしますが、この過剰流動性をなくする国内的な財政、金融の対策と、それから国際化時代に沿うてインフレ問題を考えていくという対策と、それから情報化社会にさおさして、これを有利に展開、物価を上げない方向に持っていくという対策、この三本柱。それに、仮需要というものを起こさないような心理作戦ですか、そういうことも加えれば四つになるかと思いますが、そういう、国内、国外、そして国内の心理的な問題、この三本柱が当面考えられる対策ではないかというふうに考えております。