中曽根康弘の発言 (内閣委員会)

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○中曽根国務大臣 中東紛争の影響を受けまして、石油の削減が急激に出てまいりまして、いろいろ国民の皆さまに御迷惑をおかけする事態になりましたことをたいへん恐縮に存じております。
 大体の見通しを申し上げますと、昨年日本が輸入した総量は、二億五千七百万キロリットルであります。それで、それが来た場所は、五〇%強がイランとインドネシア、これは今度あまり影響を受けてないOPECでない国であります。一応いまのところは制限されてない国であります。それで、いまOAPECで制限しておるのは、サウジアラビア以下四〇%でございます。その四〇%の中の約二〇%程度の削減がいま見込まれておるわけです。これは日本へ供給している油の約七十数%程度がいわゆるメジャーズ。それから独立糸の英米資本を主とした会社でありまして、それらの通報をいまいろいろ集計しておりまして、情報を正確にいま把握しておるところですが、いままでのその通報等を集計してみますと、十一月下旬から着荷がおくれたり減ったりしてきまして、十二月に入ると約二〇%削減される、以降大体その方向ではないか。流動的でありますが、一応そう見込まれております。
 それによりますと、ことし年間の輸入量の見通しは、いままでの予測では、約三億キロリットルから三億二千万キロリットルぐらいが見込まれておったのでありますが、二億七千九百万キロリットルくらいになりそうです。しかし昨年よりは多いわけです。しかし、それが下期に集中して出てくる。下期に入ってくる量を計算しますと、大体一億三千四百万キロリットル前後ではないかと思います。この量は昨年下期に入った量を少し下回る程度であります。
 そこで、いまのような計数をもとにしまして、国民経済の影響等も考えてみまして、規制措置をやらなければならぬし、また消費節約の御協力もお願いしなければならぬということになったわけでありますが、いまの水準が続くとして来年どの程度入るかと計算しますと、来年度で約二億六千万キロリットル前後ではないか。しかし日本の石油需要が毎年一〇%以上増大しているということでありますから、その超高度成長が、ある意味においては安定成長に切りかわっていくことが資源的にも余儀なくされつつあるということではないかと思います。
 灯油の現状を申し上げますと、初め十一月の見込みは、五百五十万キロリットルくらいであると報告しておきましたが、その後また増産が進みまして、きょうの報告では、十一月初旬において五百八十万キロリットルの貯油がございます。これは昨年の同期に比べると、百十三万キロリットル増であります。ですから、灯油の量は懸命な努力をいたしまして確保してありますので、消費者の皆さんには御安心いただいてけっこうであります。
 値段につきましても、いまのように量が確保され、入ってきた分は昔の油と考えねばなりませんから、九月の水準でこれを凍結するようにわれわれとしては行政努力を全力をふるって今後も継続してまいります。
 そこで、こういうような事態になりまして、一番心配するのは、やはり国民生活に対する影響でありまして、心理的なパニックを起こさぬということが非常に大事であります。これはトイレットペーパーなんかで少し出ました。そういう意味で、事態を国民の皆さま方によく御了知願う。政府の政策をPRいたしまして、よく理解していただく。そういうことにまず力を入れ、国民生活確保を最優先にする。それから中小企業、農漁業の経営の確保、それから病院、そのほか医療機関あるいは公的交通機関、そういうようなものの確保をわれわれは至上命令としてやりたいと思っております。
 しかし日本の国内における石油の消費を見ますと、大体民需と産業用で七、三の割合です。産業が七、民需か三という割合です。民需のほうは、ほとんど節約ぐらいでやってもらうより、強制的に切る余地はあまりありません。産業用を切らないと、これは節約になりません。でありますから、本日の緊急対策に基づきまして、とりあえず十二月は一〇%産業カットをやろう。大口はどういうところかといいますと、電力、鉄鋼、石油化学、セメント、それから交通、こういうところが大口であります。そういうことを始めますと、今度は工程管理に影響が出まして、パートタイムが要らぬとかいろいろ響きが出てきます。ですから、産業には事前にある程度通告しておりまして、その対応をやっていただき、中小企業との連携も緊密にして、製品がなくなるとか、あるいは窒息を起こすとか、そういうことを起こさせないようにいままで内面的に非常に努力してきたところでございます。
 それで、配給あるいは公定価格をやるのかという御質問でございますが、きょうの緊急対策の内容にも明らかにしてありますが、国民経済及び国民生活の安定確保という趣旨の法律が適当であろうと考えております。国民経済及び国民生活の安定確保、そういう趣旨になりますと、これは石油の割り当てとか量的規制、輸出入に対する規制、そういうものが出てまいりますと同時に、やはり石油から来る石油及びそのほかに関する価格の規制、抑制という問題がまた出てきて、どうしてもこれはやらなければならぬもので、あに石油のみならんやという形になります。
 そこで、それを具体的にどういうふうにやっていくかということは、いま関係各省において詰めておりまして、ここでいま御答弁する余裕はございませんので、もうしばらくお待ちを願いたいと思います。いずれにせよ、通常国会冒頭におきまして、これらの法案を提出して御審議願いたいと準備していっておるつもりでございます。

発言情報

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発言者: 中曽根康弘

speaker_id: 15356

日付: 1973-11-16

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会