中曽根康弘の発言 (物価問題等に関する特別委員会)
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○中曽根国務大臣 企画庁長官と同じ考えでございますが、物の面と心の面と二つあると思います。心の面というのは、要するに商社倫理あるいは経済倫理という面でみずから当然考えなければならぬ領域であり、物の面では、ボーリングや土地や株式に手を出してくる、そして大きな資本力を動かしてやれるということの限度の問題であります。
それで、物の面について、過剰流動性がかなり出てきて、これをもっと早期に吸い上げるべきであったと、これは政府側の反省もなければならぬと思います。こういう事態になって、一生懸命過剰流動性の吸い上げ等をやっているところでございますが、やはり一つの基本的な考え方にあるものは、経済というものは自由な創造力に期待して、そして政府からの干渉や統制をできるだけ避けるようにしたいというのがわれわれの基本的な考え方で、そういう倫理面における作用というものは、当然力のある経済人がみずから考えてやってもらえる、そういう気もいたしておりました。また、政府がちょっと手を出すというと、干渉や統制というのは一波万波を呼びまして、これが戦争中あるいは戦前にあったような統制がましいことに波及する危険性も実はあるわけです。官僚機構の中にはそういう性格がないとも言えません。そういう面から、できるだけ介入することは避けたいという気持ちもあったわけです。
法律的に見れば、中小企業団体法等によって、中小企業の分野まで大商社、大工業会社が進出してきた場合には紛争は必ず起こる、そういう場合には調停をやるというシステムまでできておりますけれども、法律的にはある程度そういう整備が行なわれておるけれども、現実問題としてなかなか起こりにくい。そういう面から、今後、心の面については、今度商社側もずいぶん反省をいたしましたから、その実績を見守るとして、物の面について、いま提案いたしまして御審議願っている法律案、そういうものを背景にして行政を進めていきたい、そう考えておるわけであります。