早稻田柳右エ門の発言 (本会議)

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早稻田柳右エ門君 ただいま議題となりました議員小林政子君懲罰事犯の件につきまして、懲罰委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本件は、去る四月二十六日の物価問題等に関する特別委員会において、小林政子君が田中内閣総理大臣に対して行なった質疑に関して、木部佳昭君外六名から懲罰動議が提出せられ、去る五月十日の本会議において本動議が可決され、懲罰委員会にその審査を付託されたものであります。
 委員会といたしましては、議員の一身上に関することであり、本件が特に委員会における議員の発言内容に関するものでありますので、議院における言論自由の原則と議院の秩序を乱した場合の懲罰権との関連性に重点を置き、十分時間をかけ、慎重に審査をいたしました。
 審査の経過といたしましては、五月三十日、動議提出者大村襄治君から懲罰動議の趣旨説明を聴取し、翌三十一日、本人小林政子君から身上弁明を聴取いたしました。引き続き、六月六日、十三日、二十日と動議提出者大村襄治君及び坂村吉正君に対し質疑を行ない、また、六月二十日には本人小林政子君の出席を求め、質疑を行ないました。
 一方、六月十一日には、問題となっております群馬県利根郡月夜野町の現地に委員を派遣し、その実情を見聞する等、きわめて熱心かつ真摯な態度で慎重審議を行ない、六月二十日質疑を終了いたしました。
 かくして、六月二十三日の委員会において、本件につき懲罰事犯として懲罰を科すべきかどうか、及び懲罰を科することとすれば、国会法第百二十二条に規定するいずれの懲罰を科すべきかについて意見を求めたところ、まず、自由民主党の稲村利幸君から、小林君の発言は、一国の総理大臣に対して礼を失した無礼の言であって、国会法第百十九条の規定に反するばかりでなく、議院の品位尊重に関する衆議院規則第二百十一条の規定に反して議院の尊厳を傷つけたものであって、議院の秩序を著しく乱したものと考えられるとの理由により、本件は、これを懲罰事犯として、国会法第百二十二条第三号により、二十日間の登院停止を命ずべしとの動議が提出せられました。
 また、日本社会党の田邊誠君から、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表して、小林君の発言は、物価政策に関する基本問題に関連する質問であって、日本列島改造論が提唱されて以来、土地の高騰は著しく、新幹線通過地域等においてこれにまつわるうわさが流布されていることなどから、政府の土地政策と田中内閣総理大臣の政治姿勢をただそうとしたのがその本旨であり、たまたま総理と親友の関係にある人が上越新幹線通過地点に土地を買っていることに関しての疑惑について問いただすことも必要であったと思うし、また、委員会での限られた質問時間の中における発言であるから、不十分な点や若干前後の事情が不明な点があったとしても、これは質問技術上の問題として許容されるべきものであり、このように議員の当然の権利として、国民を代熱する立場で行なわれた小林君の発言に対し懲罰を科するということは、今後の国会における発言権の重大な制約となるものであるという見地から、断じて懲罰事犯と認めるわけにはいかないとの理由によって、本件は懲罰事犯にあらずと決すべしとの動議が提出されたのであります。
 次いで、両動議を一括して討論に付しましたところ、まず、自由民主党の羽田野忠文君から、稲村君の動議に賛成し、田邊君の動議に反対する旨の意見が述べられ、また、日本社会党の中村茂君、日本共産党・革新共同の東中光雄君、公明党の坂井弘一君及び民社党の玉置一徳君から、それぞれ田邊君の動議に賛成し、稲村君の動議に反対する旨の意見が述べられました。
 討論の内容につきましては、いずれも国権の最高機関たる国会における議員の発言の保障と議院の品位尊重並びに秩序保持の観点から、傾聴すべき御意見が述べられましたが、時間の関係もありますので、その報告は割愛させていただき、会議録によって御承知を願いたいと存じます。
 かくて、討論を終局し、採決いたしました結果、多数をもって稲村利幸君提出の動議のごとく、本件はこれを懲罰事犯として、国会法第百二十二条第三号により、二十日間の登院停止を命ずべきものと決した次第であります。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
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発言情報

speech_id: 107105254X04619730626_004

発言者: 早稻田柳右エ門

speaker_id: 29031

日付: 1973-06-26

院: 衆議院

会議名: 本会議